本記事は「ABEMA TIMES」の記事を転載、一部編集したものです。2021年3月1日に「ABEMA」で放送された『どうする?withコロナの就活&働き方【12時間特番】』の模様をお届けします。放送を見た方も見逃してしまった方も、ぜひご覧ください。
コロナ禍によって新卒採用枠を縮小した企業は少なくない。2021年、大学生を対象とした求人倍率は前年から0.3ポイント低下の1.53倍となり、0.5ポイント低下したリーマンショック後以来、10年ぶりの就職氷河期を迎えた。
就職活動に取り組む学生からは「50社受けて全滅……心折れそう」「Fラン文系でES(エントリーシート)全然通らない……」「たくさん受けているうちに、何がしたいのか分からなくなった」といった声も。
そこで今回、2ちゃんねる創設者のひろゆき氏とテレビ朝日の弘中綾香アナウンサーによる『就活お悩み相談室』を開設。就活生から寄せられた「レール上の人生でいいのか?」という悩みに2人が答えた。
諸原太陽さん(東京大学・3年)は、「ありがたいことに僕は内定をいただいている。東大に入って、いわゆる『いい』とされているところに就活して、周りの価値観に流されて決断しているだけ感がすごくあって、このままでいいのかなというところを悩んでいる」と、「レール上の人生でいいのか?」ということに悩んでいるという。
この点についてひろゆき氏は「会社の規模によってできることは全然違う。大きめの商社に入ると、『50億円渡すから石油プラントを作ってこい』と1人で飛ばされることがあったりする。中東の人と通訳を挟んで仲良くなって『ここの土地を買いたい』といったことを一から進めるような、レール上ではまったくないところに行けたりするので、入り方がレールというのは全然問題ないと思う」との見方を示す。
一方、弘中アナは「(レールから)外れたらこれをやりたいというものはある?」と質問。諸原さんから「昔から野球が好きだったので、スポーツビジネスに興味がある。ただ、行きたいと思う反面、安定性もなかったりで、不安はある」との答えが返ってくると、「社会人の先輩から言わせてもらうと、いい会社に入ったとしてもいつでも辞められるし、(社会に)戻ってくるのはすごく簡単。今は入らないで辞めようとしているので、一応社会人をやってみて『こういうもんか』でもいいと思う。ベンチャーだとすぐに働かないといけないけど、大きな会社だと研修などいろいろなことを教えてくれるシステムがある。それを『使いまくって辞める』というのも、白い目で見られるけどありだと思う」と語った。
また、ひろゆき氏は乗ったレールから外れた後の状況を想定し、「大きい会社に入って知り合いができることで、独立した時もそのコネが使えるので、ある意味重要なことだと思う。ベンチャーに行っても結局『金を稼ぐ』というのが目的で、お金を持っている人からもらうというのが基本なので、お金持ちの知り合いが多いほど仕事は楽になる」と持論を展開した。
第一志望の企業が絞れない! 人や文化が合うかの判断基準にひろゆき氏「客観的データを見るべきだ」
続いての質問は、筑波大学大学院・修士1年の松原咲樹さん。「最終面接直前だけど『ここに行きたい』という会社がない」ことに悩んでいるという。「どこにも行きたくないのではなくて、全部行きたい。各企業にいろいろな魅力があって、その中でどれを一番にするの? っていうことを決められない。私はバカなタイプで嘘がつけないので、『第一志望です』とも言えないし、熱量もそこそこが並んでいる感じ」と話す。
松原さんの就職活動の軸は「人が合うかどうかと、自分が事業に対して興味を持っているかどうか」だという。ひろゆき氏は「人が合うかというのは、ベンチャーのような社員10人とかの企業であればいいと思うが、社員100人以上とかだと面接した人とは全然違う人と仕事をするので、想像していたことと違う結果になることがある」「例えば『仲がいい』という文化は、逆に言うとその文化に属せない人は居心地が悪くなる。表に見えているものと、そこから落ちる人。なぜ落ちる人がいるのかも見えないといけないので、世間で言われている『文化』で判断するのもどうかなと思う」と疑問を呈する。
「なんか、どうしましょう……」と戸惑った様子の松原さんに対し、ひろゆき氏は「なのでいろんな生活ができるかどうか。子どもができた時に、その会社のシステムとして時短で働いている人はいるのかどうかや、中途採用の割合がどれくらいいるのか、何年くらいで辞めていくのかなど客観的なデータを見て、働きやすい会社なのかっていうのを決めたほうがいいと思う」とアドバイスを送った。
弘中アナも「私もそうだなと思った。東京で働きたいという軸があったので東京がいいとか、福利厚生がちゃんとしている会社、産休・育休がちゃんとしている会社がいいとか、明らかに分かる事実をリストアップして、どれが一番自分に合っているんだろうと考えるのがいいと思う。やっぱり入ってみないと分からないことはたくさんある」と同調した。
▼ABEMA就活特番の他の記事はこちら
・就活で感じる「レール上の人生」。 東大生の悩みにひろゆき氏「それでも全然問題ない」
・「聞き方に工夫が必要」「女性活躍推進データベースでチェックを」女子学生が面接で聞きづらい産休・育休問題、どうすれば?
・採用面接に関する企業のホンネ「オンライン面接は難しい」「SDGs取り組めていない……」
・「悔しいくらいに素晴らしい」前代未聞!2社で同時に新卒社員になる女子学生と両社の代表が語った採用の「舞台裏」
・面接で説明すると落とされてしまう。「何ができるか」を見てほしい……働きたくても働けない、病気や障害に悩む就活生たち
・これは即採用という「奥義」はある?どんな学生がほしい?企業の採用担当者に聞く(1)【freee、丸紅、ミクシィ】
・学歴や英語力は合否に影響する?企業の採用担当者に聞く(2)【味の素、出光興産】
・「なんちゃってSDGs」企業はどう見分ける?企業の採用担当者に聞く(3)【JICA、野村不動産、三井物産】
・正直に「わかりません……」面接官の評価は?田端信太郎氏、模擬面接で就活生に「金言」