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【外銀:早期選考対策】「お金を稼ぎたい」から始まった企業選び。心配性の僕が安定を捨てて「外銀IBD」を目指した理由【22卒向け:早期内定レポ Vol.6】

金融
2020年5月13日(水) | 9,594 views

年収は1000万超え、ハードな業務をこなし、夜は六本木や麻布十番の街へ……。

ワンキャリアでは外資コンサルに匹敵する数の特集が組まれ、就活ランキングの上位にもランクインするなど、注目度も人気も高い外資系銀行。

華やかなイメージがある外銀だが、その組織構造や選考は複雑だ。外銀内定者は、どのようなきっかけで外銀を目指し、どのような選考対策をして狭き門をくぐり抜けたのか。

早期内定レポート最終回となる今回は、外銀の中でも花形と称されることも多いIBD部門(投資銀行部門)内定者に話を聞いた。

<目次>
●就活スタートは「資格勉強」から。差別化要素と「やってる感」が欲しかった
●「お金を稼ぎたい」から始まった志望業界選び
●選考を受けて感じた「地頭重視のコンサル、人間性重視の外銀」
●意識したときに始める。就活対策のタイミングは早いに越したことはない

就活スタートは「資格勉強」から。差別化要素と「やってる感」が欲しかった

──Fさんはどんな学生生活を送ってきたのでしょうか?


Fさん:1年生の前半はスポーツ系のサークルに入って飲み会ばっかりしてました……(笑)。選抜コミュニティにも所属していなかったですし、いわゆる「意識高い系」サークルにも入っていなかったです。

1年生の後期から、就活での差別化要素になると考え、会計士の勉強を始めました。資格の勉強や知識を生かし、ベンチャー企業やコンサルティング会社でインターンもしました。


──アピールできる要素を作るため、インターンやアルバイトを始める人もいますが、どうして資格の取得を選んだのでしょうか?


Fさん:資格の勉強は、わざわざ言語化しなくてもいいからです。インターンやアルバイトの経験と違って「何を頑張って、何がつらくて、でもそれに対してどう乗り越えて……」と説明しなくていい。サマーインターンの応募時点では使えるガクチカもないですし、資格を持っていたら手っ取り早いなと思いました。

しかも、就活が進んでくると面接でインターンやアルバイトの経験をガクチカとして話す人が多いので、それらの経験に資格の要素が加われば、周りと差別化できるなと思っていました。

1年生や2年生のときって就活の心配はしても、エントリーシート(ES)を書くにも、志望動機を考えるにも、Webテストの勉強をするにもまだ時期が早すぎるし、実際に行動に移せることって意外と少ないと感じていて。「何かやらなきゃ」と思いながらも何もできずに時間がたつよりは、とりあえず資格の勉強をして「やってる感」を得たいと思いました。結果的に、資格が評価されてインターンの参加にもつながったので、取って良かったです。

「お金を稼ぎたい」という動機から始まった企業選び

──おっしゃる通り、早期から就活を意識している学生でも、実際には何をやったらいいか分からずに、結局スタートが他の人と同じになってしまうこともあると思います。Fさんは、大学1年生のときから就活を意識していたということでしょうか?


Fさん:就活は大学に入学したときから意識していました。高校生のときから「お金を稼ぎたい」という気持ちがあって。お金がないことを理由に、趣味や勉強の機会などを制限されたくなかったんです。

大学1年生のときに就活で動き出していた人はいなかったのですが、私はすごく心配性なので、なるべく早く対策をしておこうと思っていました。

就活対策を始めた当初は、給与水準が高くて、ブランドもある商社を目指していたんです。商社の内定をもらうために、外資の内定があれば選考にプラスになると思って、外銀を調べ始めました。

そして2年生のときに金融の映画を見て、お金がたくさん動く、華やかな世界に憧れるようになりました。また、実際に外銀でインターンをして、仕事内容にも興味を持っただけではなく、外銀の社員の方と人間性が合うなとも感じました。

「新卒として入るなら、商社のような安定して終身雇用が保証されている会社がいい」と思っていたのですが、インターンで外銀の社員の方に「これからの時代は、安定よりも個人のスキルで戦っていく能力を身に着ける方が重要だ」と言われて納得したことも大きかったです。


※Fさんが外銀に興味を持つきっかけとなった映画「マネーショート」


──商社を目指して外資系企業を受けていたら、案外外銀の方が合っているかも、と。Fさんは外銀の中でもIBD部門(※)だけを受けていますよね。最初から、IBD一本に絞っていたのでしょうか?


Fさん:最初は、クライアントと一緒に仕事ができるのは楽しそうだなと思ってセールス部門にいきたいと考えていました。でも少し業界研究をしてみると、セールスなどのマーケットサイドは「一人一人の成果が数字に出る分、クビになりやすく、かつ転職市場でも弱い」という情報が出てきました。

それに比べてIBDは、転職にも強くて、外銀の中では比較的安定していると分かったので志望部門を切り替えました。

(※)……投資銀行部門。銀行の部門をもっと詳しく知りたい方はこちら「IBDだけじゃない!外銀の各部門「今さら聞けない」業務内容や合格の秘訣をおさらい:マーケット、リサーチ、アセットマネジメント、オペレーション、テクノロジー」

※Fさんが受けた企業

選考を受けて感じた「地頭重視のコンサル、人間性重視の外銀」

──業界研究はどのようにしていたのでしょうか?


Fさん:ネットで調べていました。ワンキャリアなどの就活サイトの記事も読みましたよ。

▼Fさんが業界研究のときに読んでいた記事
・現役商社マンが斬る、「あの彼が商社ではなく、ゴールドマン・サックスを選ぶべき3つの理由」

これは「『ゴールドマン・サックスを選ぶ理由が、僕には見当たらなかった』トップの就活生が今、外銀・外コンを蹴り商社へ行く3つの理由:前編」という記事の続編なんですけど、

商社と外銀・外コンでは「スキルを習得するための期間の長さが圧倒的に違う」ということが書かれていて。その言葉が、外銀志望を後押しする1つの要因にもなりました。


──外銀を受ける方は、外資系コンサル企業も同時に受ける印象があります。Fさんは外コンは受けられたのでしょうか?


Fさん:外資系コンサルは、大学2年生のときにインターンはしていましたが、本選考はほとんど受けてないです。コンサル企業を調べたり、選考を受けたりしているときに、周りの人と合わないかもな……という感覚がありました。

あくまでこれは私の考えですが、「地頭」と「人間性」という2つの項目があったとすると、「コンサルは地頭を重視する」「外銀は人間性を重視する」と感じました。就活は相性の部分も大きいので、会社だけではなく、同タイミングで選考を受けている周りの学生を観察してみるのもいいと思います。


──各選考フローの対策について教えてください。

※Fさんの選考対策時期


ES

Fさん:ワンキャリアの選考体験記で、選考を通過しているESを参考にしていました。

志望動機を考えたというよりは、先輩の物を真似して書いた感じですね。

ただ、今思うと外銀のサマーインターンは「早期枠」という位置付けになるので、志望動機はあまり重視していないような気がします。3年生の4〜5月に志望動機が固まっている人はなかなかいないですし。

とはいえ、外銀全体の志望動機は、15〜20回くらい推敲(すいこう)しました。文章力がなかったので、インターンで知り合った友人に日本語の表記や表現などの添削をしてもらっていました。ただ、書いているうちにESは文章力というより、ビジネスライティング的な要素や論理構成の明快さが重要だと気付き、それからは書くのが楽になりました。


Webテスト

Webテスト対策は、1週間集中的にやりました。参考書を買って何回も繰り返し解いてました。

※Fさんが使っていたSPIの問題集


面接

面接では、話す内容を面接前に考えるのはもちろんですが、「面接官と仲良くなる」ということを意識していました。「選考」というより、「会話」だと思って臨んでいましたね。堅苦しい雰囲気だと自分の性格や好きなことなどの特徴も伝わらないと思うので、ラフな雰囲気を作ることを重視していました。


──選考の中で「やっておけばよかった」と思うことや、苦しかったことはありますか?


Fさん:もっと企業研究をすればよかったと思っています。会社によるとは思いますが、外銀のインターンでは、社員が10時間以上そばでインターン生の行動をチェックして社員がノートにメモを取っています。加えてランチもディナーもあるので、候補者と会社の社風がマッチしているかどうかを同席する社員全員に1日中見られる環境です。

各企業に合った立ち振る舞いをするためにも、やっぱり、実際に社員に会って話を聞いてみたり、説明会に行ったりして企業研究をした方がいいと思います。ひとえに外銀といえども、各社社風が全然違いますから。

11月くらいはプレッシャーが大きくて苦しかったですね。外銀のIBDは枠がとても少なくて、さらにサマーインターン経由で枠がほとんど埋まってしまう。本選考では残り数枠を争う状況で、受かる気がしなかったです。でも、当たり前のことですが、エントリーしないと受かる可能性もゼロなので挑戦しました。

意識したときに始める。就活対策のタイミングは早いに越したことはない

──ありがとうございます。早期から就活を意識して、着実に結果を残しているような印象を受けましたが、苦労もされていたんですね……。Fさんが考える、早期に内定できる人とそうでない人の違いはなんだと思いますか?


Fさん:動き出しの早さですね。私も、大学1年生のときに取った資格がなかったらコンサルのインターンに受からなかっただろうし、コンサルのインターンをしていなかったら外銀の選考も突破できなかったのでは、と思っています。

大学生活を謳歌(おうか)するのも素敵だと思いますし、1年生から就活をした方がいいというわけではないですが、就活を意識し始めたなら、すぐに本腰を入れて対策をしていいと思います。早いに越したことはないです。その分、自分の可能性を広げられるので。


──最後に、22年卒就活生に向けてメッセージをお願いします。


Fさん:外銀のインターンでは、IR(投資家向け情報提供)や財務諸表を読む機会も多いです。選考を通してファイナンスの勉強ができます。財務の知識はどの業界に行くにせよ必要なので、勉強がてらインターン選考を受けてみてもいい思います。

面接官からすると、アルバイトを頑張っていたり、インターンの参加経験があったりといったエピソードだけでは、学生一人ひとりの特徴にそこまで大きな差を感じないと思います。早期に内定をもらえると心の余裕ができるだけではなく、その後の就活も有利になると感じました。

▼「早期内定レポート2021」のバックナンバーはこちら
・広告志望の就活生が、外資系戦略コンサルに早期内定するまで【22卒向け:早期内定レポート Vol.1】
・P&G、ロレアル、ユニリーバ。外資マーケに内定するには「英語力」ではなく「聴く力」を鍛えよ【22卒向け:早期内定レポート Vol.2】
・大学1年から就活を意識⁉ メガベンチャー内定までの効率的な就活とは【22卒向け:早期内定レポート Vol.3】
・根強い人気の総合コンサル。早期内定の背中を押したのは「ネガティブな感情」だった?【22卒向け:早期内定レポート Vol.4】
・「事業を作りたい」と直談判して面接で連戦連敗。そんな僕がベンチャー企業に内定できた理由【早期内定レポ Vol.5 ベンチャー】
・【外銀:早期選考対策】「お金を稼ぎたい」から始まった企業選び。心配性の僕が安定を捨てて「外銀IBD」を目指した理由【22卒向け:早期内定レポ Vol.6】

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小野里
ワンキャリ編集部
小野里

早稲田大学 大学院修士1年
2019年8月から、ワンキャリア編集部に長期インターン生としてジョイン。
趣味は散歩。東京タワーとポカリスエットが好き。

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