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未来の当たり前を生み出す、3,500人の「新規事業コミュニティ」。異業種コラボを先導するNTTコミュニケーションズの強さとは

企業インタビュー 企業理解 インタビュー IT 日系
2021年9月2日(木) | 8,414 views
sponsored by NTTコミュニケーションズ

スマートフォン、SNS、Web会議システム──。

新型コロナウイルスの影響もあり、ICTやインターネットサービスなしの就活は、もはや考えられない時代になりました。


今回取材したNTTコミュニケーションズは、そんなオンライン就活を支えるプレイヤーの一人といえます。ICTツールやネットワークといった通信・情報インフラを提供しており、最近では、大手企業のデジタル化支援にも乗り出しています。

同社のデジタル化支援の目玉となるのが、新規事業を生み出すためのコミュニティ「C4BASE(シーフォーベース)」。企業の新規事業担当を中心に3,500人が集まり、面白いコラボレーションも生まれ始めているといいます。

未来の「当たり前」を創造するハブとしての、NTTコミュニケーションズの強さとは? C4BASEで共創ビジネスを推進する野呂田学さんと金子兼汰さんにお話を伺いました。

新規事業を作りたい3,500人が集まる共創コミュニティ「C4BASE」 会員数は2年で約9倍に 

──NTTコミュニケーションズというと、情報・通信のインフラ企業であり、顧客にサービスを提供する立場、と認識している学生が多いと思います。顧客と新規事業を一緒に考えるイメージがあまりわかないのですが、「C4BASE」がどのような活動をしているのか、教えていただけますか?


野呂田:C4BASEは、NTTコミュニケーションズのお客さまを中心とする会員制の共創コミュニティです。セミナーやワークショップなどを通じて会員同士をつなぎ、異なる企業が協力する形での新たなビジネスを生み出そうとしています。実際、大企業で新規事業担当を担当している方が数多く参加していますよ。


──C4BASEには、何人くらいの方が参加されているんですか。


野呂田:2019年に発足した当初は400人程度でしたが、現在は約3,500人の方がコミュニティに登録しています。社内外で仲間を作ろうという機運が高まっていますし、「いろんな人と話したい」という声が届いています。

野呂田 学(のろた まなぶ):NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスソリューション本部 事業推進部 担当課長
1996年にNTT入社。東北支社にて大手法人顧客への営業を行った後、1999年からは本社法人営業本部にて流通、小売など複数業界の大手法人顧客への営業を経験。2018年4月より、C4BASE DX Landerのリーダーとして、共創ビジネスの提案、推進活動の推進にあたる。


──2年で9倍! それはすごいですね。どういったテーマでセミナーやワークショップを行っているのでしょう。


金子:最近はコロナ禍ということもあり、オンラインでのセミナーが中心です。テーマは共創でビジネスを作る方法や「DX(デジタルトランスフォーメーション)」に関するものが多く、先日行われたセミナーには1,000人以上が参加しました。

過去には、未来の「スマートシティ」におけるソリューションを考えるワークショップなどを実施したこともありますよ。新規ビジネスにつながる新しい気付きや視点を得られた、と好評です。

──C4BASEを設立した背景も教えてください。社内で立ち上げを望む声があったということですか?


野呂田:そうですね。コミュニティを検討した2017年ごろは、GAFA(※)などの海外ICT企業が国内市場に浸透し、スタートアップにも注目が集まった時期でした。学生の皆さんにもなじみが深い例でいえば「Uber Eats」が始まったのは2016年の秋です。

私たちのお客さまは大企業が多いのですが、こうした新興企業(サービス)の台頭に危機感を覚えた企業は多かったです。既存のビジネス領域だけでは、いずれ手詰まってしまう。新しい領域に挑戦しなければ──そんな機運が高まっていました。

(※)……米国の主要IT企業であるGoogle、Amazon、Facebook、Appleの4社の総称。


──顧客のために立ち上げたコミュニティだったということですか?


野呂田:お客さまのビジネスが発展しないと、インフラやサービスを提供するわれわれのビジネスも苦しくなってしまいますから。

こうした状況下で「新規事業推進部」や「DX推進室」といった部署を立ち上げた企業は多かったものの、「何をしたらよいのか……」と悩む担当者も多くいました。かといって、相談する相手も社内にはいない。

そこで、同じ志を持った人たちで横のつながりを作り、目指すものを話し合い、1社ではできなかったことができる場を作ろうと考え、さまざまなお客さまに声をかけた。それがC4BASEの始まりです。

共創で生まれた「カシオ×コーセー」のネイルプリンター 得意領域のコラボが新規事業を生む

──新規事業の担当者はある意味、孤独になりやすいということですか。「1社ではできないことができる」というのが共創の意義だと思いますが、その点について詳しく説明いただけませんか。


野呂田:社会や企業を取り巻く課題が複雑になり、人の価値観も大きく変わっている今、ユーザーを満足させるビジネスを1社だけの力で作るのは難しいと考えています。複数の企業の得意領域を掛け合わせることで、新しいビジネスが生まれる可能性が出てくるんですよ。


──うーん、なかなか難しい話ですね……。今C4BASEで進んでいる具体的な例はありますか?


野呂田:カシオ計算機(以下、カシオ)の取り組みがいい例だと思います。彼らは腕時計やデジタルカメラなどを世に出してきたメーカーですが、今、彼らが注目しているのは「爪」。自社が持っている画像認識や印刷の技術を生かし、化粧品メーカーの株式会社コーセーと組んで、ネイルプリンターの事業を仕掛けようとしています。

実際にネイルプリンターの試作機が、東京・銀座にあるコーセーの体験型コンセプトストア「Maison KOSÉ(メゾンコーセー)」に設置され、実証実験も行われました。

──なるほど。電機メーカーと化粧品メーカーがコラボして、新しいビジネスを作ったと。これは面白いですね!


野呂田:このプロジェクトに対し、さらに別の企業がコラボレーションできないか、C4BASE会員の皆さんとディスカッションもしています。カシオはこれまでモノを売っていたメーカーですが、サービスなどのいわゆる「コト売り」のビジネスにも対応しようとしている。

そのような変革を、私たちNTTコミュニケーションズがインフラやサービスを通じて支援するというわけです。


──野呂田さんと金子さんは、C4BASEにどう関わっているのですか?


野呂田:コミュニティの共創を支援する「DX Lander(ランダー)」として、イベントの準備からファシリテーションなどを行います。ワークショップで生まれた「ビジネスの種」について、既存のお客さまに提案することもあります。私自身はDX Landerのリーダーを務めています。


金子:私は流通、小売、エネルギー分野が専門です。法人営業部にも所属しているので営業とDX Landerという2つの背番号があるイメージですね。


──兼業なのですね。これまで印象的だったプロジェクトなどがあれば教えてください。


金子:お客さまのインフラ会社と一緒に、2030年や2040年をターゲットにした「未来のインフラ」を考えたことです。NTTコミュニケーションズも先方も「既存の事業ドメインだと限界が来る」という共通した悩みがあったことから、目先の課題解決やスポットでのサービス提供ではなく、未来の社会から逆算して事業を考える、というワークショップを提案しました。

ワークショップは充実したものになったのですが、アイデアに多様性を持たせるため、性別や年代、役職など幅広くさまざまな人を呼んだので、調整に苦労したことを覚えています。

金子 兼汰(かねこ けんた):NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスソリューション本部 第四ビジネスソリューション部
2015年、NTTコムソリューションズ出向。大手公共機構での常駐、社内モバイルサービスの運用を通じ、社内外の運用エンジニア業務を経験。2017年2月より現職。エネルギー、製造、流通、小売など、複数業界の大手法人顧客への営業を行いながら、C4 BASE DX Landerとして共創ビジネスの提案、推進も行う。


──ワークショップでは、どういったアイデアが出てきたのでしょう?


金子:一例ですが、「電気やガス、水道の次にはどのようなインフラが世界に求められるのか」といった予測から、未来のX・Y・Z世代に向けたインフラビジネスを創出するワークショップを行いました。最初は夢物語的な発想が続きましたが、最終的にはお客さまの既存の事業ドメインとNTTグループのアセットを掛け合わせた、共創アイデアが複数生まれましたよ。

企業向けビジネスからの「脱却」 NTTグループが挑む大変革、C4BASEはそのカギに

──こうした活動って、ワクワクするような話ではあるものの、事業化まで見据えると時間はかかりますし、売り上げの面でもすぐにNTTコミュニケーションズのメリットが生まれるわけではないですよね。会社として力を入れるのはなぜですか?


野呂田:NTTグループ自身もビジネスモデルを変革しようとしているからですね。私たちは、これまで企業向けにソリューションを提供してきましたが(BtoB)、今後はお客さまのサービスを使うユーザーの皆さま(X)まで満足させる、いわゆる「BtoBtoX」のビジネスモデルを強化する方針となっています。

少し複雑な話ですが、簡単にいってしまえば、C4BASE設立の背景でもあった「お客さまのビジネスが成長することで、われわれも成長していく」というモデルを確立しようとしている、ということです。


──DXや新規事業の支援では、総合コンサルやICTベンダー、SIer(システムインテグレーター)も同じような発想で「共創」を掲げてコミュニティを作っているケースもあります。彼らと比べて差別化できる強みはありますか?


金子:最近は、新規事業のアイデアやコンセプトができた後に、PoC(Proof of Concept=実現可能性や効果の検証)を経て、プロトタイプを作るのが一般的なのですが、そのスピードは早い自信がありますね。

サービスを動かすための強力なICTインフラを持っているので、アイデアを出すだけでなく、事業化までしっかりと伴走できるのがNTTグループのアドバンテージです。お客さまにICTインフラやネットワークを提供しているので、サービスの開発も効率的に進められます。


──そうなると、営業の方々との連携も大事になりますね。


金子:新規事業というのは「きれいごと」だけでは前に進みません。私は法人営業との兼務ですが、お客さまの社内プロセスや風土、文化を知って、上申に有効な資料を作れる、といった営業の経験も生きていると感じますね。

共創は「個人」の感性がフルに生かされる。若手の発想が多様性のベースに

──しかし、NTTコミュニケーションズは歴史ある企業です。これまでのビジネスモデルを変化させ、BtoBtoXへと移行していくのは、そう簡単なことではないのでは?


金子:確かにこれまで企業のお客さま(B)しか見ていなかったのが、その先のお客さまの困りごとまで考えるようになったのは、大きな変化です。ただ、課題解決の営み自体は一緒ですし、劇的にマインドチェンジをしたわけではなく、逆に分かりやすくなった面もあります。

先ほどカシオのプロジェクトの話が挙がりましたが、カシオの製品は私も持っています。一般消費者(X)としての自分の感覚や感性で「これがあったらいいのでは」「こんな課題がある」といった想像がしやすいですし、お客さまが抱えている課題も自分ごととして捉えやすくなりますから。

──個人の感性が重要になると。若いメンバーが活躍する場面もありそうですね。


金子:新卒の学生はいわゆる「Z世代」に当たりますが、この世代は、組織に縛られないフリーランス的なマインドや、自分がやりがいを感じるものに突き進むという価値観が強いといわれています。上の世代とは考え方が異なるので、彼らに使ってもらうようなサービスを作ろうとすれば、間違いなく若い人の感性が必要になります。


野呂田:新規事業において多様な意見は重要ですし、特に若い世代の発想はとても重視しています。明確な答えがない中で、新入社員だからこそ、ユーザーの価値観や考え方を一緒に妄想して、お客さまに「こういう課題はないですか?」とぶつけることができますから。


──C4BASEの活動で、やりがいを感じるのはどんな場面ですか?


野呂田:とにかく社会へのインパクトが大きいことですね。1つのアイデアを突き詰めることで、多くの人を豊かにできます。

既存の法人営業だと、例えばお客さまのメールシステムが刷新されて便利になったとして、社員はうれしいですが影響範囲としてはそこまでです。一方、C4BASEのような共創プロジェクトでは、一般消費者へ新たな価値を届けられているのが目に見えて分かります。


──社会的な意義も大きそうですね。


野呂田:そうですね。今、医薬品業界でも新たな取り組みを始めようとしています。新型コロナウイルスの影響もあって、薬局に行きづらい人のために、オンライン診療や薬を配送する仕組みのアイデア出しをしています。


金子:先ほどお話しした「未来のインフラ」のように、社会のあり方や価値観を変えるサービスを打ち出せるのもそうですし、企業の未来を検討するような、全社プロジェクトに参加できる、という点でもやりがいを感じますね。


野呂田:とはいえ、アイデアを具現化するまでは時間がかかるので、その点は必ず苦労します。経営陣が関わるような話もありますし、新サービスどころか、まるで1つの新会社を作るかのような、壮大なプロジェクトになることもあるので、プレッシャーを感じる場面も多いとは思います。


──C4BASEは今後どのように進化していくのか、展望はありますか?


野呂田:事業化までのスピードを上げるため、企業のトップ同士を交えて共創を進められるようにするなど、コミュニティを強化していく予定です。DX Landerも今は法人営業との兼務の方が多いですが、プロダクトやサービスを作っているメンバーも巻き込んでいきたいと思っています。

ICTの活用で仕事のスピード感は大きく変わった。スタートアップとの協働も

──今スピードについてのお話がありましたが、NTTコミュニケーションズが歴史ある大企業ということで、就活生の中には「縦割りで裁量が小さい」「意思決定が遅い」といったイメージを抱く学生もいると思います。実際のところはどうなのでしょう。


野呂田:NTTコミュニケーションズはお客さまにICTソリューションを提案する立場ということもあって、働き方も含めて先進的な点は多いと思います。世の中の動きに合わせてICTツールを導入していますし、リモートでもコミュニケーションが取りやすいです。

昔は誰かの予定を押さえるのも一苦労でしたが、今ならチャットツールですぐ判断してもらえます。移動中のリモート会議や、空き時間のショートミーティングもできて、判断は速いと感じますね。スタートアップとのやり取りも多く、そのスピード感に合わせていくためにも、こちらも判断を速めようと意識しています。


金子:お客さま側のスピード感も変わっているのを感じます。かつては「会社の情報を外には出せない」とリモートで働くことができない企業も多かったですが、コロナ禍なども後押しして、働き方や仕事の進め方が変わってきました。


──7年目の金子さんは、NTTコミュニケーションズの中では若手に入ると思いますが、SE(システムエンジニア)、営業と経験を積んで、4年目でC4BASEに参加されています。若い方がC4BASEに関わるケースは多いのでしょうか?


金子:C4BASEも歴史が浅いので、若い人が関わることはまだ少ないのですが、今後は「BtoBtoX」に注力しますし、DX Landerの人数も増えていくはずです。年次が浅いうちから兼務でC4BASEに関わるケースも増えていくでしょう。日頃のお客さまとの生々しい調整や下準備などを重ねて、スキルを培うのが大切だと思います。

私の場合は、就活のころから「いろんな業界と関わり、先端技術で社会貢献ができて、インパクトの大きい仕事がしたい」と言ってきました。その希望や経験を汲(く)み取ってもらえて、声をかけてもらえたのかもしれません。


──ちなみに、就活でNTTコミュニケーションズを選んだ理由も教えていただけませんか?


金子:先ほどお話しした軸で、商社やコンサル・広告も考えましたが、NTTコミュニケーションズは次世代のビジネスを通して、新しいライフスタイルや価値を実際に作れるのが魅力でした。

決め手はインターンです。他社ではきれいな仕事や大きなプロジェクト、かっこいい姿をたくさん見せられましたが、ここでは生々しい、泥臭い事務作業もやりました。新規のアポ電話もやったような……(笑)。仕事の等身大を見せてくれて、「誠実でいい会社だな」と思いました。

ICTを通じて、常に世界の中心にいたNTTコミュニケーションズ。「新しい世の中を作れる」企業であり続ける

──お二人はどんな人に仲間に加わってほしいですか?


野呂田:お客さまと新しい領域の議論をするうえで、世の中の動きに着目できる人です。知識や技術より、感覚ですね。そして何より、新しいチャレンジをするマインド。それをベースにした営業でこそお客さまのビジネスに寄与できるし、新しいビジネスを共創できます。


金子:社内で活躍している人に共通するのは、固定観念を捨てて挑戦している点です。NTTコミュニケーションズが提案するシステムは重く大きいものもありますが、それだけに「予算が確保できないのでは」「競合他社に負けてしまうのでは」とネガティブに考え、機敏に動きにくくなるリスクもあります。

ただ、お客さまの課題は流動的なので、社内で手をこまぬくのではなく「とりあえず行ってみよう」と探りに行く人が、生き生きと仕事をしていますし、成果をあげているように思います。


──ありがとうございました。最後に学生へのメッセージをお願いします。


金子:とにかく何でも聞いてほしいです。情報収集がネット中心で、リモート就活が定着し、不安な要素や十分に聞けないことも多いと思います。

質問の質がどうかというより、採用側は学生が「どういう人なのか」を知りたがっています。悩みや考えが分かるだけでも、その人を理解するポイントになります。臆せずガンガン質問し、不安な点を解消してください。


野呂田:私が入社したときは「マルチメディア」という言葉が出てきて、インターネット、携帯電話、スマートフォン、クラウド……と順に話題になり、今はAI(人工知能)や5G通信、DXそしてEX(Energy Transformation)(※)/Greenという言葉がトレンドになっています。

(※)……バリューチェーン全体でのCO2排出量をゼロ化する営み

それでもNTTコミュニケーションズは、常に世の中の動きの中心にいましたし、これからもそうだと思います。その流れに乗りながら、新しい世の中や未来の日本を一緒に作っていきたいという学生と、ビジネスを“共創”したいですね。


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