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売上高2兆円に迫り、時価総額は日本トップ10──世界のイノベーションを支える「東京エレクトロン」とは?

企業インタビュー 企業理解 インタビュー IT 日系
2022年2月14日(月) | 20,835 views
sponsored by 東京エレクトロン

今や人々の生活や娯楽、社会インフラの維持、そしてあらゆるビジネスにとってなくてはならない存在となったIT。

ITと聞くとスマートフォンアプリやWebサービスなど身近な製品やサービスを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、あらゆる情報通信技術は根本で「半導体」によって支えられています。

今回紹介するのは、半導体の製造装置を手がけるメーカー「東京エレクトロン(TEL)」。学生にとってはあまりなじみのない企業かもしれませんが、世界トップクラスのシェアを誇り、売上高も2兆円に迫る日本を代表するグローバルメーカーです。

驚くべきはその時価総額。約9兆円と日本で第8位(※1)。「任天堂や三菱商事よりも高い」というと、そのすごさの一端が伝わるでしょうか。

(※1)……2022年2月現在 出典:日経ヴェリタス

なぜ市場からの評価がこれほどまでに高く、驚異的な業績を実現できているのか。半導体を取り巻く市場の可能性とは──? イノベーションを支える市場で世界一に挑戦する巨大企業、東京エレクトロンの実態と魅力にワンキャリア編集部が迫ります。

<目次>
●世界のイノベーションをリードする「半導体」 10年後には100兆円の市場に?
●「世界で高まる『半導体増産』のニーズ」──東京エレクトロンの好業績が続く理由
●製品のほとんどが世界シェアトップ。「東京エレクトロンの装置を通らない半導体はほぼない」
●日本に敵なし。東京エレクトロンが「世界一」の企業になるために必要なこと
●米国、台湾、シンガポール。新卒1年目からグローバルビジネスの「最前線」で活躍できる
●未来のITと企業経営を左右する「100億円規模の投資」 スケールと重責がやりがいを生む
●一流のビジネスパーソンになるための「濃密な経験」を積めるファーストキャリア

世界のイノベーションをリードする「半導体」 10年後には100兆円の市場に?

──売上高は1兆円を大きく超え、日本で10本の指に入る時価総額。にもかかわらず、東京エレクトロンを知らない学生は少なくありません。今日は学生の皆さんにも分かりやすい形で、東京エレクトロンについて教えていただければと思います。


佐藤:よろしくお願いします。東京エレクトロンは主に半導体を製造する装置を開発・販売からアフターサポートまで、全て一貫して行っている企業です。学生の皆さんに知られていないというのも、無理はありません。生活の中で半導体を意識することがあまりないからでしょう。

しかし、半導体なしに今の私たちの生活は成立しません。スマートフォンやPCの頭脳である処理装置(CPU)(※2)は半導体を使って作られています。ゲーム機や自動車まで、ありとあらゆる電子機器に半導体は搭載されているのです。世界の技術革新をけん引している存在といっても過言ではありません。

(※2)……Central Processing Unit。中央処理装置または中央演算処理装置。パソコン上のハードウェアやソフトウェアから受け取る全ての指示を処理する部品。



──なるほど、私たちは半導体の恩恵を日々受け続けているわけですね。


佐藤:ただ、最近では世界的に半導体の生産が追いつかず、さまざまな製品の供給に影響が出ています。自動車もそうですし、例えばゲーム機なども半導体不足が原因で思うように生産ができていないと聞いています。


──そうだったんですか⁉︎ 思った以上に影響範囲が大きいんですね……。作っても作っても足りない、ということは半導体の市場規模は拡大し続けているのでしょうか。


佐藤:そうですね。2020年における半導体の市場規模は世界で約4,400億ドル(約49兆円)でした。あまりピンと来ないかもしれませんが、これは国内自動車メーカーのトップ3の売上を足しても届かないほどの額です。

私が入社した2010年には約3,000億ドルでしたから、10年ほどで約1.5倍の成長を遂げたことになります。今後はさらに高い成長が見込まれており、2030年には現在の倍以上となる1兆ドルにまで成長すると予想されています。

──世界で100兆円を超えるだけの市場になると。なぜそれだけ高い成長が見込まれているのでしょうか。


佐藤:これまでの成長は、主に携帯電話やスマートフォンの普及がけん引してきました。今後はそれに加えて、電気自動車や自動運転といった進化が見込まれる自動車、さらにはDX、IoT、スマートシティ、AI(人工知能)といった新技術が社会に普及していき、半導体の需要が「モノ」から「コト」へ変化していくと考えられます。これらの技術においても、半導体は必要不可欠な存在。世の中のデジタル化が進めば進むほど、半導体市場も成長していくというわけです。

「世界で高まる『半導体増産』のニーズ」──東京エレクトロンの好業績が続く理由

──まさに成長が止まらない市場ということですね。コロナ禍による不況の影響は受けなかったのでしょうか? 


佐藤:逆に半導体のニーズが大幅に増えました。リモートワークに使うPCの需要が増えたほか、Web会議などでデータ通信の量が激増しました。こうした通信を支える機器や膨大なデータを蓄積する機器にも、半導体は使われていますから。


──そして半導体の需要が高まれば、半導体の製造装置もそれだけ必要になる、というわけですね。


佐藤:はい。半導体の製造装置は膨大な額の設備投資となるため、技術トレンドの流れとお客さまの設備投資のタイミングによって、売上の増減には波があります。しかし全体的な傾向としては、半導体の市場規模と足並みをそろえるようにして右肩上がりの成長を続けています。

今まさに世界中で「半導体を増産したい」というニーズがあり、各工場とも生産能力を増強し、強固な生産体制で対応しています。現に2022年度の決算は、売上高の予想について、1兆7,000億円から1兆8,500億円、さらに1兆9,000億円に、また営業利益の予想も4,420億円から5,080億円、さらに5,510億円と既に2回の上方修正を行っています。


──なるほど! 売上高もそうですが、営業利益も好調ですね。今後の成長が確約されているビジネスで、好業績を出し続ければ、確かに資本市場からの期待も高まり、時価総額も上がりますね。

製品のほとんどが世界シェアトップ。「東京エレクトロンの装置を通らない半導体はほぼない」

──業績や時価総額の謎が解けたところで、あらためて東京エレクトロンの事業領域について教えていただけますか。


佐藤:当社は主に半導体製造装置の開発・販売からアフターサポートまで、全て一貫して行っています。半導体は1,000〜1,500もの製造工程を経て製造されるのですが、当社ではその中でも前半の工程で使われる、さまざまな製造装置を扱っています。特に基盤となるシリコンの板に膜を形成したり、電子回路を焼き付けたり、回路の通りに削ったり、洗浄をしたりといった連続した4工程を持っているのは当社だけです。


──高度な技術や精度が求められる分野だけに、参入障壁はかなり高そうですね。


佐藤:電気・電子工学はもちろんのこと、機械工学、化学工学や物理学などさまざまな分野の高度な技術が求められますから、そう簡単には参入できないと思います。お客さまの半導体ビジネスの成否を分ける重要な装置を選定し、数十億から数百億規模の投資が必要になるため、お客さまの判断も慎重になり、信頼のおける装置メーカーから購入するようになります。

また、中長期的なビジョンに立って次世代、次々世代の半導体の製造プロセスをお客さまである半導体メーカーと密に連携して開発していくわけですから、多少技術力があるからといって、簡単に参入できる業界ではありません。


──そこまでハードルが高いとなると、プレイヤーの数もある程度限られてきますね。


佐藤:そうですね。実際、当社が提供する製造装置のほとんどは、それぞれの工程において世界1位もしくは2位のシェアを占めています。半導体製造装置の開発には、多額の研究開発コストがかかりますから、シェアが低いと投資対効果が得られないのです。従って選択と集中の戦略のもと、リソースをいくつかの工程に集中して投資しています。

ちなみに「塗布現像装置」と呼ばれる装置は、世界シェアの約9割を占めていますから、その他の工程を含めると、「当社の装置を通らない半導体はほぼない」といっても過言ではないと思います。

日本に敵なし。東京エレクトロンが「世界一」の企業になるために必要なこと

──東京エレクトロンは現在、半導体製造装置メーカーとして世界第4位の売上高を占めています。なぜ、ここまでの地位になれたのでしょうか。


佐藤:東京エレクトロンは1963年に創業したのですが、最初は海外の優れた技術を日本に取り入れる「技術専門商社」でした。当時から「さまざまなお客さまのニーズを取り入れ、技術とサービスを重視し、納品後のサポートを徹底して行う」という点を重視していて、それは半導体製造装置のメーカーとなった今も変わりません。

かつては、日本が世界で最も半導体を製造していた時期があります。「世界一」を守るために製造装置の品質だけではなく技術とサービスにも注力してきた姿勢が、お客さまの支持をいただけている理由なのだと考えています。


──とはいえ、上位には3社のメーカーが存在します。今後はどうやって彼らに並び、追い抜いていこうと考えていますか? 


佐藤:当社は最近、世界第3位から4位の間を行ったり来たりしていますが、当社を含む上位4社の売上にそれほど大きな差はありません。4社のうちの1社は製品領域が当社と異なるので一概に競合とはなりませんが、残りの2社とは領域が重なっており、完全な競合関係にあります。

この2社と競合していく上で当社の最大に強みになるのが「豊富な装置ラインアップ」です。工程のカバー範囲では東京エレクトロンの右に出るメーカーはいません。多くの工程をカバーしていればそれだけ多くの情報が入ってきますから、それらを基にお客さまに価値の高い提案ができるようになります。

実際、当社にはこうした情報分析と提案を検討するための専門部署もあります。製品ポートフォリオの広さとそれを生かした提案力で「オンリーワンとナンバーワン」を高められる点が東京エレクトロンの強みだと考えています。


──半導体製造装置は、どんな点が他社との差別化ポイントになるのでしょうか。


佐藤:端的にいえば、装置の生産性の高さ、故障率の低さ、手厚いサポートなどが主な評価ポイントです。こうした点をきっちり押さえつつ、かつ次世代の新技術にもいち早く追随していくことが求められます。

お客さまは常に半導体の小型化と回路の微細化を追求しています。最近では3ナノメートル、2ナノメートルと、DNAのらせん幅と同じレベルの微細化の領域まで達していますから、それらを実現するための新しい技術や素材の開発で製造装置メーカー同士が競い合っているのです。


──DNAのらせん幅と同程度の精密さが求められるということですか? 何だかすごすぎてイメージができないです……。


佐藤:そのため、価格競争ではなく技術力勝負になる場面が多いんです。東京エレクトロンでは、こうした競争に打ち勝つための研究開発への投資は惜しまず、2020年度から3年間で4,000億円以上の研究開発費を投じて最先端技術の開発を進めていますよ。

ただ、個人的には今後「優秀な人材の確保」がより重要になるのではないかと感じています。


──それはなぜですか?


佐藤:今は半導体市場が活況ということもあり、世界中で優秀な人材の取り合いが発生しています。そのため、設備や技術への投資はもちろんのこと、今後は人材の確保が中長期的に重要になってくるでしょう。

半導体の次の技術革新として「量子コンピューター(※3)」などもありますが、スマートフォンをはじめとする小型機器には搭載できないため、次世代技術も半導体がベースになるはず。現在の好況がいつまでも続くとは限りませんが、2030年には「1兆ドルの市場規模」という予測は十分に現実味があります。そうした将来を見越した人材への投資が必要になるのだろうと思います。

(※3)……量子重ね合わせや量子もつれといった量子力学的な現象を利用して従来のコンピューターでは解けなかったような計算を解くことが期待されるコンピューター。

米国、台湾、シンガポール。新卒1年目からグローバルビジネスの「最前線」で活躍できる

──佐藤さんは、どうして東京エレクトロンに入ろうと思ったのですか? 


佐藤:私が新卒で入社したのは2010年ですが、大学では理系だったこともあり、就職活動でも理系の知識や強みを生かせる会社を探していました。開発職や研究職というよりも、人と深く関われる職業に就きたいと考えており「世界を舞台に活躍したい」とも思っていましたね。

そんな条件を満たす企業がないか、メーカーを中心に探していた中で、東京エレクトロンに出会いました。出会った人事の方がとても気さくな方で、とてもフレンドリーな雰囲気だったのが印象に残りまして。それが入社の決め手になりました。


──入社後はどのようなキャリアを歩まれたのですか? 


佐藤:まずは研修です。半導体製造装置の1つである「洗浄装置」を扱う部門に営業として配属されましたが、現場に出る前に工場に行き、約半年の研修を受けました。当社が製造する装置はとても高度で複雑なので、膨大な知識がないとお客さまに製品を売ることはできません。そのため、営業も部署によっては入社してから1年半から2年もの間、工場研修で装置について学びます。


──2年もですか! しかし、それくらい学ばないと営業として通用しないということなんですね。


佐藤:研修後は台湾のお客さまを担当することになり、さらにその3年後には米国のお客さまも担当しました。入社当初は中国語も英語もできなかったので、コミュニケーションにはかなり苦労しましたが、日本と台湾、そしてシンガポールなど各国を飛び回る生活を5年間ほど続けました。


──文字通り、世界を飛び回るような仕事だったんですね。総合商社のような働き方というか。


佐藤:2週間に1回は海外出張に行っていたと思います。忙しいときには月曜夜に日本からシンガポールに行き、水曜日に帰国して工場のある広島へ、金曜日に東京に戻るというような生活だったこともあります。

未来のITと企業経営を左右する「100億円規模の投資」 スケールと重責がやりがいを生む

──それはすさまじい……仕事は大変だとは思いますが、佐藤さんが東京エレクトロンで働く中で感じる面白さや、仕事のやりがいを教えてください。


佐藤:まずは、スケールの大きな仕事ができることですね。扱っている製品は1台数千万円から数十億円もしますし、年間で100億円を超えるような規模の商談を扱う仕事なので、スケールの大きさと責任の重さを常に感じています。

また、これだけの規模の商談となると、お客さまにとっても経営判断に近い意思決定になるので、私たちも幹部クラスのハイレベルな方々と相対することになります。お客さま側の商談・交渉相手の方々も多岐にわたり、製造の担当の方はもちろん、経営幹部や購買部門、次世代半導体に関する研究を行っている方、さらに近年では環境対策の担当の方との交渉を行う機会も増えてきました。

さまざまな立場の方々と会社を代表して交渉することになるので、気が引き締まる思いです。もう1つの大きなやりがいが、やはりグローバルな仕事に携われる点ですね。


──佐藤さんの企業選びの「軸」でもありましたね。


佐藤:はい。東京エレクトロンの売上の約85%は海外ですし、入社1年目から海外の仕事にどんどん携われた点は大きな魅力です。私自身も配属直後からほぼ隔週で海外のお客さまに行きましたし、海外で商談するのも国内と同様、一流のビジネスパーソンの方々ばかり。第一線のグローバルビジネスに若いうちから携われたのは貴重な経験です。

最近はコロナ禍で海外出張の機会はかなり減っていますが、その代わり長期赴任する社員が増えています。実は、私もちょうど来月から海外に赴任する予定になっています。コロナ禍が収束すれば、また出張ベースに戻るかもしれませんが、いずれにせよ海外のお客さまのもとに直接足を運ぶ機会が減ることはないと思います。


──社風についても教えてください。東京エレクトロンではどんな方が活躍しているのでしょう。


佐藤:活躍している社員や先輩、上司の方々はオーナーシップやチャレンジ精神旺盛な方が多いと感じています。やはり当社の装置を新たに採用いただくためには、お客さまの経営判断に大きな影響を及ぼす必要がありますから、当社の営業やエンジニアにも強いオーナーシップを持ってビジネスに取り組むマインドが必要になると思います。

だからこそ、失敗を恐れず、若手にもどんどんチャレンジの場を与えてくれるカルチャーがあると思います。私も2年目に初めて受注した際には、数億円規模の案件を主導させてもらえるほど、先輩や上司からのサポートの下、大きな裁量を与えていただきました。かつて海外市場の開拓に奮闘した先輩方もまだまだ健在で、伝統的にチャレンジ精神が根付いている会社だと思います。

一流のビジネスパーソンになるための「濃密な経験」を積めるファーストキャリア

──ここまでのお話を踏まえ、東京エレクトロンをファーストキャリアに選ぶメリットについても教えてください。また、どのような学生に東京エレクトロンに来てほしいと考えますか? 


佐藤:「最先端の技術が扱える成長産業で働きたい」「スケールの大きなビジネスに挑戦したい」「世界で活躍したい」──この3つに関心の高い方にとっては、きっとやりがいを感じられる会社ですし、スキルアップも果たせるでしょう。当社より早く成長できる会社は、なかなかないのではないかと思います。

若いうちから、クライアントのキーパーソンとコミュニケーションを取ることになりますし、社内でもさまざまな部署と密に連携を取りながら動く必要がありますから、ビジネスパーソンとして濃密な経験を積めるはずです。早く成長したいと考えている学生さんにとっては魅力的な会社だと思います。


──ありがとうございました。最後にコロナ禍で就活に挑む学生へ、応援のメッセージやアドバイスをお願いします。


佐藤:コロナ禍で就活に臨まざるを得ない学生さんたちは、コロナ禍以前の世代と比べるとかなり多くの苦労を強いられることになると思いますが、そのつらい経験は社会に出た後、必ず生きてきます。

またこれからの時代、企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)や環境問題、エネルギー問題など、さまざまな課題に取り組まなくてはなりません。学生の皆さんには、次世代の課題を世界に先駆けて解決していく気概を持って社会に出てほしいです。東京エレクトロンも次世代の課題解決に積極的に取り組む企業だと自負していますから、そうした課題意識を持つ方とぜひ一緒に働きたいですね。


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フィールドエンジニア(FE)社員交流会

申込締め切り:3月8日(火)まで

【ライター:吉村哲樹/撮影:赤司聡】

(Photo:Elesey/Shutterstock.com)

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