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志望業界を定めず即行動。大手を早期に射止めた彼女の就活術【24卒早期内定レポート 第2弾:外資IT】

早期内定レポート 選考対策 インタビュー IT 外資系
2023年7月3日(月) | 3,205 views

業界研究や自己分析を重ねても自分が何をやりたいのかが分からない……。

志望業界が定まらず、就活に不安を覚える方も多いでしょう。

今回ワンキャリ編集部がインタビューしたBさんは、「やりたい仕事はやってみないと分からない」と考え、「勤務地」に重きをおいて大手外資系IT企業に内定しました。

Bさんは「業界にこだわらなかったからこそ、不得意な選考フローを避ける戦い方ができた」と語ります。彼女の就活スタンスや合格の秘訣(ひけつ)を詳しく伺いました。

<目次>
●主な就活軸は「勤務地」⁉ 面接の受け答えはどう乗り切った?
●就活には向き不向きがある。自分の戦い方を早めに決めたほうがいい
●面接は「社会人にどう伝わるか」が重要。場数を踏んでベストな伝え方を模索した

主な就活軸は「勤務地」⁉ 面接の受け答えはどう乗り切った?

──まず、就活軸を教えてください。


Bさん:働きやすい環境かどうかです。その中でも「勤務地」を重視していました。「3年ごとに配属先が変わる」「新卒で初期配属が地方になる」など、会社の意向ベースで転々としていく働き方が嫌で、東京にしかない会社の総合職で働くのが一番の希望でした。

将来の目標や向いている職種などは仕事をしてみないと分からないと思っていたので、業務に関する就活軸は特に決めていませんでした。


──「勤務地」に焦点をおいて、外資系の企業を選んだのはなぜでしょうか?


Bさん:転職がしやすいと思ったからです。新卒で入った会社でずっと働くイメージがなかったので、どこかのタイミングで転職を考えざるを得ない環境がいいと思っていました。

転職ありきで考えた理由は、どの業界や職種が自分に合っているのか、ファーストキャリアを選ぶ時点では分からないと思っていたからです。まずは新卒の会社でさまざまな業務を経験できる仕事に就いて、やりたいことを見つけてから、セカンドキャリアでそれをやれたらなと。


──確かに外資系企業は転職がしやすいイメージがあります。 


Bさん:その他にも、外資のカルチャーが自分に合っていると感じたのも大きいです。周りの話を聞くと、日系企業は派閥争いや、飲み会なども多そうで……私には合わないかなぁと。全ての企業がそうではないとは思うのですが。

一方、外資系企業は、人間関係がさっぱりしている印象がありました。個人に深く踏み込まないけど、仕事で結果を残せばきちんと評価をしてくれる。自ら手を挙げていろいろなことに挑戦できる。そのようなカルチャーが魅力的でした。最終的に外資系IT企業に内定しましたが、業界にこだわりはありません。


──ちなみに、面接などで就活軸や志望動機を聞かれると思うのですが、どう答えていたのでしょうか? 勤務地だけだと志望動機が弱いと思われませんか?


Bさん:「変化の激しい環境で働きたい」などと、業界・企業の特色を絡めて答えていましたが、就活軸や志望動機はそこまで重視されなかったと思います。

私はサマーインターンを経て内定を獲得したのですが、事前に人事の方との話の中で「会社に合う人材かどうか」を重視していることが分かりました。外資系の企業は特に、企業ホームページに「働く上での信条」みたいなものが記載されていることが多いんです。例えばオーナーシップ(※)や向上心などですね。個人の特性がそれに合っているのかを見られるので、項目に沿った回答を用意できるかどうかが重要です。


──なるほど。多くの外資系企業に共通していえることなのでしょうか?


Bさん:大体はそうだと思います。外資系って、人柄を重視する企業が多い印象です。


──外資系には英語力が必要なイメージもありますが、実際どうでしたか?


Bさん:英語のWebテストがありますが、大学受験レベルでした。TOEICなどの資格試験の基準はないので、英語に苦手意識がなければ問題ないかと思います。

(※)……個人の職務やミッションに対し、主体性を持って取り組む姿勢や精神のこと

就活には向き不向きがある。自分の戦い方を早めに決めたほうがいい

──就活を始めた時期と、きっかけを教えてください。


Bさん:3年生の3月からです。きっかけは先輩が就活で苦労している話を聞いて、自分は就活に向いているのだろうか……と心配になったことです。

就活が得意であればポンポンと受かるけど、苦手であればどう頑張っても苦手というか。本人が悪いわけではなく、性格的に向き不向きがあると感じたので、自分はどちら側なのかを早く知りたいと思いました。


──そこで行動に移したんですね。


Bさん:はい。ちょうどサマーインターンの募集が始まった時期だったので、トータルで10社くらいに応募しました。


──どのような企業に応募しましたか?


Bさん:就活で「ここは受けておけ!」とよくいわれる有名企業にとりあえずエントリーしました。業界や業種はバラバラですが、エントリーシート(ES)から始まって面接で終わる、みたいなオーソドックスな選考を採用している企業を選びました。まずはサマーインターンの選考で「就活の流れ」を経験してみたかったんです。


──あくまで就活の向き不向きを知るために、選考を経験してみたかったんですね。実際どうでしたか?


Bさん:ESが通ったり、面接で評価してもらえたりと、全く歯が立たないわけではなくてホッとしました。ただ、グループディスカッション(GD)は苦手でしたね。

セミナーに行ったり、有名な就活サイトが開催している合同練習会に参加したりしたのですが、どの役割をしても難しくて。向いていないと分かってからは、GDがない企業の選考に絞りました。


──行きたい業界・業種が決まっていないからこそ、できることですよね。


Bさん:はい。業界・業種を決めていなかったからこそ、「苦手な選考を避け、得意な選考で勝負する」就活スタンスを取れたのだと思います。最終内定先はサマーインターン経由で内定が出ると最初から知らされていた企業で、GDがありませんでした。インターン参加前のセッションで、「選考で重視するのは面接でのパフォーマンス」といわれていて、カルチャーも条件も合っていたので、この企業に就職できるように頑張ろう! と思い、面接対策に力を入れるようになりました。


──お話を聞く限り、選考を通してご自身の得意と不得意に向き合い、着実に内定をつかんだ印象です。


Bさん:何が得意か不得意かを考えて選考を受けるうちに、自分の戦い方が決まりました。

私のように行きたい業界や業種を絞っていない方は特に、「自分は就活に向いているのかどうか」を早めに知って、「自分の戦い方」を見つけるのが得策かと思います。


──これまでのお話を踏まえて、就活はいつ頃から始めるのがいいと思いますか?


Bさん:3年生の夏頃、まだ取り返しがつく時期にインターン選考で就活を経験してみて、自分の戦い方を見つけてから本選考に臨むのがいいのではないでしょうか。

面接は「社会人にどう伝わるか」が重要。場数を踏んでベストな伝え方を模索した

──最も力を入れた選考フローは面接とのことですが、具体的にはどのようなことに気をつけていたのでしょうか。


Bさん:二つあります。一つは自然な受け答えになるような話し方です。日常生活の延長で大人と話しに行くイメージで臨んでいました。


──自然体のまま臨んでいたのですね。緊張しませんでしたか?


Bさん:最初は緊張していましたが、場慣れしていきました。先輩や友達など年齢が近い相手よりも、社会人を相手に練習することが重要だと思っています。私は大学のキャリアセンターを使う他に、積極的にOB・OG訪問をして社会人と話す機会を増やしました。


──社会人とのつながりがない学生もいると思いますが、BさんはOB・OGをどのように見つけていたのですか?


Bさん:OB・OG訪問のアプリを使っていました。私の場合、「この企業に行きたいから訪問する」というよりは「空いている時間に訪問できる人(企業)を探す」という使い方をしていました。


──気をつけたことの二つ目は何でしょうか?


Bさん:結論ファーストで分かりやすく話すことです。基本的なことですが、意外とできていなかったんです。例えばガクチカ(学生時代に力を入れたこと)は面接で何回も話すので、変に話し慣れてしまい、前提や過程を飛ばしてしまうことが最初は多かったんです。面接官は私のバックグラウンドを知らずに聞くので、伝わっていないことが思いの外多くて。

自分はその経験をしている分、深いところや盛り上がったところを最初から話したくなるのですが、ぐっとこらえて、初対面でも前提が分かる話し方や話の進め方を意識していました。


──話の進め方、というと?


Bさん:結論を最初に述べた後に、「こういうことがあって、こう思って改善した結果、このくらいの成果が得られました」など、感情や数字を交えてロジカルに説明していました。

また、面接で「ここってどういうこと?」と同じ箇所を複数の人から聞かれたら「この話し方ってよくないんだな。どう改善すればいいだろう」と考えて、簡潔かつ場面がイメージしやすい伝え方を試行錯誤していきました。


──OB・OG訪問では逆質問の時間を設けられることもありますよね。必ず聞いていたことはありますか?


Bさん:「私はどのような人間に見えていますか?」「マイナスに感じた部分はありますか?」ですね。

その理由は、自分自身と人から見た自分の印象に差異があるのが嫌だったからです。差異があったら、伝え方に問題があると思うので、そこを改善しようと考えました。

また、「自分がどういう人間なのか」が自分自身で分からない部分もあって、客観的な視点から自己分析がしたかったのもあります。最初は分析ツールを使っていたんですけれど、めんどくさくなっちゃって(笑)。


──客観的な視点から自分を見つめたほうが早いという感覚でしょうか?


Bさん:はい。一人で1時間かけて分かることが、人と話して5分で分かることもあるでしょうし。人生の先輩である社会人に聞いたほうが効率的かと思います。


──自分の向き不向きを知り、対策をして着実に内定をつかんだBさんですが、就活を終えて、やっておけばよかったと感じることはありますか?


Bさん:もっと他の企業を見ても良かったかなとは思います。内定先に悔いはないのですが、内定してすぐに就活を終えてしまったので。

もう少し就活を続けていたら人脈も広がっただろうなと思います。あとは単純に、別の業界人から見て、自分はどのような人材なのだろうかと後から気になったこともありました。


──ありがとうございます。最後に、就活生に一言お願いいたします。


Bさん:選考を受ける際は、「まずやってみる」感覚を大事にしてほしいです。練習を重ねて、ある程度できるようになってからエントリーしようとは思わないほうがいいでしょう。

落ちるのも、自分を評価されている感じも怖いと思うのですが、場数を踏んだらコツがつかめてきます。閉じこもって一人で選考対策を頑張るよりも、いろいろな所に出て実践的な経験を積んだほうが、よっぽど身になると思いますよ。


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(Photo:Andrew Krasovitckii , Nonotttt/Shutterstock.com)

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