世界をけん引する鉄鋼メーカーとして、「総合力世界No.1」を目指す日本製鉄。現在は世界4位、国内1位の粗鋼生産量、グループ連結で9兆円近い売上高を誇っています。
鉄鋼業界の中でも世界最大規模、最高水準の技術力を持ち、技術先進性を評価するグローバル・イノベーターには9年連続で選出。カーボンニュートラルの達成を目指し、2021年以降は研究開発費に5,000億円以上の投資も見込まれています。
世界トップと評価される研究開発力と知的財産創出力を備え、人々の暮らしに欠かせない鉄鋼を扱う同社について、人事労政部の人事労政部 人材開発室 採用課に所属する實康一朗さんと、情報システム部 情報システム基盤企画室 インフラ・セキュリティ課に所属する玉田耀さんに、お話を聞きました。
スケールと責任が育む成長環境
──初めに業界No.1の実績を残す理由や強みについて教えてください。国内最大手だからこそできることも聞かせてください。
實:当社ならではの仕事として、スケールや責任感の大きい仕事に取り組めることが挙げられます。
営業であれば、業界でも先んじて製品価格の交渉を行い、そこで決まった価格が業界のベンチマークとなります。原料調達などの購買においても同じで、当社の購入額が世界の鉄鋼メーカーの標準となっていきます。
また、大規模な業務となるため、チーム一丸となって業務を進めるところも当社の特徴といえます。プレッシャーの大きい仕事もありますが、チームで分かち合いながら進めていきます。
玉田:強みとしては、やはり技術力の高さですね。昨年12月には、「高炉水素還元」という技術で、世界初となる43%のCO2削減を実現しました。
「高炉水素還元」は、高炉で鉄鉱石を還元する際に、従来の石炭の代わりに水素を用いることで、CO2の排出を大幅に削減できる技術です。この取り組みによって、カーボンニュートラルの分野でも、世界のトップランナーであることを、実際の成果で示せたと考えています。
もちろん、チームワークを活かし、課題解決に向けて粘り強く取り組める人材がそろっているからこそ、こうした高い技術力が支えられていると思います。

目を輝かせて仕事を語る熱い社員たち
──続いて、幅広いフィールドで働く魅力について聞かせてください。配属はどのように決まるのでしょうか。
實:スケールと責任の大きい業務を通じて、成長できる環境が広がっているところが魅力だと考えています。
私自身、製鉄所の人事からキャリアがスタートし、1年目から1,000人弱の人事を任されました。当時を振り返ると、もちろん大変なことはありましたが、現場においてさまざまな社員と関わることで、一歩ずつ成長できたと実感しています。
また、鉄鋼業界は働くフィールドが非常に広いため、入社前後に行う3、4回ほどの面談を通して当社への理解をより深めていき、配属先を決めていくスタイルです。やはり大切なキャリアの一歩目となる配属になるため、当社としても面談を通して社員とともに決めていきたいという思いがあります。

玉田:私は技術系として、まず設備部の計装制御技術室に配属されました。
センサーなどを用いて、生産現場の温度や圧力といったデータをシステムに集約し、そのデータをもとに工場全体を制御することで、安定した生産を支える仕組みを構築する部署です。制御のロジックを改善することで、鉄の品質や生産効率の向上に大きく貢献できるため、非常にやりがいのある仕事だと感じていました。
現在は、ITシステムにおけるインフラとセキュリティを担当しています。会社にはさまざまな職種・専門家がいますが、そうした人たちが自分の仕事に専念できるよう、システム面で支える縁の下の力持ちのようなポジションです。影響範囲が広いからこそ、やりがいと責任感を持って日々の業務に取り組んでいます。
学生時代は、電気と情報の基礎的な内容を学んでいた程度でしたが、当社は学ぶ環境が整っていたことから、入社後に専門性を磨くことができました。
──日本製鉄では、どのような人材が活躍しているかも教えてください。大規模なため、堅い印象を持たれることも多いと思います。実際に入社前後で印象が変わったなどがあれば聞かせてください。
玉田:私は入社前後で印象はほとんど変わらなかったですね。
就職活動で多くの企業を見ていく中で、当社には「忙しいけど、やりがいもあって楽しいよ」と目をキラキラさせながら語ってくれる社員が多く、そんな姿がとても印象に残っています。私自身、その雰囲気や価値観に波長が合うと感じて入社を決め、実際に入社後もその印象は変わりませんでした。
現在も、前向きで技術が好きな社員に囲まれて働けているため、「入社してよかった」と日々感じています。
實:私も就職活動で多くの社員の話を聞く機会があり、自分の価値観とマッチすることが多いと感じたため、入社を決めました。そして、その印象は入社後も変わりません。
歴史のある会社なので堅い会社と思われがちですが、業務を進めていく上で、誰もが対等に議論できる風土があると入社後に実感しました。実際、私も新卒1年目から意見を求められることが多く、社員一人一人のことを大切にする文化や風土があるんだと感じました。
玉田:就職活動では、「こういう人たちと一緒に働きたい」と思う社員が在籍しているかどうかなど、雰囲気を見ておくことは大事だといえそうです。
──活躍している社員に共通している資質などはありますか。
實:まずは前向きだということですね。その上で、本質を見抜いて、周囲を巻き込んで仕事を進めていることも共通していると思います。
玉田:それぞれが自身の強みを活かして活躍しているケースが多いため、「これができれば活躍できます」と言うことはなかなか難しいですね。
強いて言えば、自分の強みを磨きながら、チームにどう貢献できるかを常に考えている社員は、どの職場でも輝いていると感じます。
技術系でいえば、個人的には、技術を熱く語れる人や、オンオフの切り替えがしっかりできる人が、特に活躍している印象があります。
實:確かに、前面に押し出すか、内に秘めているかの違いはありますが、情熱のある社員は多いですね。
「やってみたい」を受け受け止めてくれる。社員が語る、リアルな働き心地
──専門知識が必要とされる場面も多いと思います。知識取得のサポートはありますか。
玉田:はい。学べる環境や支援制度はとても充実しています。要素技術ごとに研修のカリキュラムが組まれ、基礎から実務、応用まで段階的に学べます。また、資格取得支援として、受験時の費用負担制度もあります。
實:技術・スキル講座を約100講座ご用意しているほどサポートは手厚いですね。幅広い知識を吸収しようとする姿勢や、仕事をやり切るといったマインドがあれば知識・スキルの取得は問題ありません。
玉田:私も入社して設備技術に配属された際、放射線取扱主任者といった資格の取得が必要となり、制度を活用しました。
学生時代には学んでいない分野でしたが、講座や支援制度に加えて、先輩社員が勉強会を開いてサポートしてくれたおかげで、無事に一発合格できました。人を育てようという温かい雰囲気がある一方で、熱い思いを持つ社員も多く、新技術や課題が見つかったときには「何かに使えないか」「どうすべきか」と、みんなで集まり議論を交わすような場面もよくあります。
──ワークライフバランスをはじめ、働きやすさも気になります。
實:さまざまな職場を経験した上で実感したのは、プライベートがあっての仕事であり、仕事があってのプライベートだという考えが共通しているところです。そのため、多くの社員が公私ともに充実した生活を送れているのではないかと考えています。
玉田:生産現場は24時間365日稼働しているため、忙しい時期は確かにあります。一方で、代休などはしっかり取得できるため、ワークライフバランスも自分自身で調整できるといえます。
また、女性の視点でも、育休・産休といったライフステージに応じた制度が整っており、多くの先輩社員が実際に利用している実績もあります。
──最後の質問です。キャリアアップや成長環境としての魅力を聞かせてください。これまでに経験したこと、養われてきたスキルなどを教えてください。
玉田:当社には社員の「やってみたい!」という思いを、しっかりと受け止めてくれる風土があります。
私自身も、会社は「自分を実現するためのフィールド」だと捉え、仕事を受け身で待つのではなく、「やってみたい」「こうしたらもっとよくなる」と自ら提案し、行動してきました。そうした思いに会社が応えてくれたおかげで、設備技術やIT、セキュリティといった幅広い分野でキャリアを築くことができています。
もちろん、生産現場を支えるための技術や視点といったスキルも身に付きました。ですが私にとって何より大きかったのは、「どんな働き方や分野で、自分が最も力を発揮できるのか」といった自分自身の強みやスタイルに気づけたことです。これは、社会人10年目までに得られた、私の一番の財産だと自信を持って言えます。

實:私は製鉄所に配属された入社当初から、社員一人一人の悩みに向き合ったり、製鉄所全体の採用計画を立てて役員に説明したりするなど、さまざまな業務を経験できました。
その中で周囲を巻き込む難しさ、相手の立場に立って物事を考える難しさを感じながらも、先輩や上司のサポートも受けて一歩ずつ成長できたと思っています。
入社時は製鉄所で製造現場の人事担当、現在はグローバル技術系の新卒採用担当と、入社から一貫して人事としてのキャリアを歩んでいますが、今後はジョブローテーションを通じて、さまざまな職種を経験したいという思いもあります。将来的には豊富な経験から自信を持ってマネジメントできるような人材になりたいと考えています。
玉田:私も、技術の領域にとどまらず、経験をどう広げ、誰とつなげていくかという業務にも関心を持つようになりました。
現在は、サイバーセキュリティの分野で社内外の取り組みに関わっており、当社やグループ企業にとどまらず、業界全体やサプライチェーン全体のセキュリティを高めていく必要性を感じています。それが実現すれば、「安心・安全なものづくり」を支える仕組みが社会全体で築かれていくと考えており、私自身も、そうしたセキュリティ文化の土台作りに関わるキャリアを歩んでいきたいと考えています。
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【ライター:小谷紘友/編集:鈴木崚太】