三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループとモルガン・スタンレーとのジョイント・ベンチャーとして2010年5月に発足。以来、MUFGグループの国内基盤とモルガン・スタンレーのグローバルリーチを掛け合わせ、双方のネットワークや豊かなノウハウを自在に活用できる強みを発揮してきました。
多様な人材が活躍できる環境を整える同社。業務や望まれる人物像などについて、人事部採用育成課の若林利玖さんに、お話を聞きました。
求められる「プロとして」の5つの行動指針
──はじめに、会社として大切にしている価値観について聞かせてください。
若林:プロフェッショナルという言葉を非常に大切にしています。ただ、スポーツ業界のようにプロ資格があるわけではないので、お客さまの期待にしっかり応えることこそがプロだという共通の価値観を、社員一人一人が持っています。
代表されるのが5つの行動指針で、「プロとして、お客さまと向き合う。」「プロとして、正しくある。」「プロとして、やり抜く。」「プロとして、高め合う。」「プロとして、常に挑む。」と、全てが「プロとして」と表現されています。この共通認識があるからこそ、社員全員が自己研さんを図れているのではないかと考えています。
もちろん、入社直後からいきなりプロだと見なされるわけではなく、整った研修制度も用意しているので、入社前から心理的なハードルを高くする必要はありません。

──若林さんは入社後に名古屋支店で営業業務を担当していたとのことです。印象に残っているエピソードはありますか。
若林:名古屋支店では2つの部署を経験し、フィナンシャルアドバイザリー部での業務が印象的でした。三菱UFJ銀行と協働する業務で、改めてグループとしてのソリューション提供の重要性を学ぶ機会になりました。
会社こそ違うものの、お客さまから見たら三菱UFJフィナンシャル・グループという看板に変わりはありません。証券業務だけでなく総合的なサービスを提供するため、銀行業務や信託銀行の業務などを学ぶことも多く、成長を実感できる充実した時間を過ごせました。
当時は、グループとしてのメリットを感じることも多くありました。お客さまの資産についてさまざまなニーズがある一方で、日本では銀行と信託銀行、証券会社でそれぞれが扱える業務が法律で決まっています。
単独企業であれば、ニーズに合わせてお客さま自身が各金融機関に足を運ばなければいけませんが、グループ企業であれば一度の面談で解決できます。また、グループ企業間でのコミュニケーションも円滑で、日々互いの情報を共有しながらお客さまにとっての最適なソリューションを模索しています。
投資判断のもととなるグループとしての情報力はもちろんのこと、お客さまからはスピード感やタイムパフォーマンスにおいても好意的な声をいただけていました。
社会人としてアドバンテージを得るために、今からできること
──世の中に提供している価値についても教えてください。
若林:個人の金融資産の構成を見ると、日本は預貯金の割合が多い現状があります。国としては、資産運用立国の実現を目指して「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げ、昨年から新NISA制度もスタートしています。
私たちとしては、個人の資産形成を担っている業界として、大きな社会的意義を感じています。また、その責任感は「プロとして」の行動指針にも通じるともいえます。具体的には、お客さまの資産運用のサポートだけでなく、若い世代に向けた金融経済教育やESG(※)などの金融を通じた環境への貢献なども、提供できる価値だと考えています。
アメリカでは生きていく上で必須の知識として学校で金融を教えているように、日本も近年になって若年期から金融知識を学ぶ重要性が知られはじめました。私たちとしては、金融知識の浸透に貢献できる喜びも感じています。
(※)……環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉。

──この10年で、世間の金融知識への意識は変化していますか。
若林:私は入社10年目ですが、大きな変化を感じています。「貯蓄から投資へ」という国のスローガンは、私の入社当時から掲げられていましたが、老後資金への危機意識やコロナ禍での投資熱の高まり、新NISAの開始などもあって、ここ数年はかなりの意識変化を感じます。
私たちへの期待の高まりも感じていますので、しっかりと責務を果たして価値提供を続けていくつもりです。
──続いて、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に合う人材、合わない人材について聞かせてください。
若林:実は人材の偏りが少なく、独特な社風もないといえます。私も振り返ると、入社してからさまざまな社員とともに働いてきましたが、自分と似ていると感じた社員が多くなかったことで、さまざまな刺激を受けられました。
ただ、合う人材、合わない人材という特定の人物像はないものの、誰もが高い向上心を持っているところは共通していますね。
個人としてそれぞれの強みを生かしながらプロフェッショナルを目指し、組織としても業界のリーディングカンパニーを目指しています。そのため、スキルアップを図りたい、専門性を重視したいといった成長意欲のある人材は、フィットするといえるかもしれません。
──分からないことをすぐに先輩に聞くことのできる雰囲気はありますか。
若林:そこはご安心ください。
証券会社は世間的に怖いイメージが定着しているように、実は私自身も入社前は恐ろしいところだと想像していました。ただ、実際はそんなことは一切ありませんでしたね。
お客さまと向き合い、プロフェッショナルとしての価値提供を実現するためには、分からないことは誰にでも聞けるという環境づくりは欠かせません。風通しのよいコミュニケーションは当然であり、入社後の研修も充実しています。
また、配属後もすぐにお客さまを担当するわけではなく、先輩のサポートや担当先への同行を繰り返し、自身のスタイルを確立した後、1年目の秋から年末にかけてお客さまを担当する流れになっています。
──ちなみに、日々の学びはどのように行っていますか。
若林:証券会社は金融市場で日々起こる出来事と、それがいかに影響するかを知ることがカギとなるため、毎日の情報収集は尽きないですね。いかにも大変そうなイメージをされるかもしれませんが、実は面白さもあります。
私自身も入社当初は用語が分からず、新聞に何が書かれているのかも分からない状態でした。「仕事ができるようになるのだろうか」と不安に思った時期もあります。
ところが、市場における数字の動きと、その影響がニュースで取り上げられるところを日々追っていくと、いつの間にか何が起こっているか分かっくるようになります。
世の中の動き、経済の流れ。その因果関係が分かると、ニュースを見ることが面白くなるものです。いつしか、「この市場の動きはどのように世間に影響をもたらすか」と仮説を立てられるようにもなります。そうやって頭が切り替わっていくまでに、実は長い期間がかかるわけでもないため、楽しめるポイントだとすらいえます。
現代は分からない単語はすぐにスマートフォンで調べられますから、学生時代から慣れておくこともできます。若いうちから金融情報に触れることは、金融業界に限らずどのような業界でも間違いなくアドバンテージになるはずです。
後悔しない就職活動の仕方とは
──証券会社はハードワークのイメージですが、実際の働き方について聞かせてください。
若林:入社して、世間のイメージとのギャップを最も感じたポイントですね。
私自身、「早く出社して遅く退社する」という美学がまだ残っているのだろうと、ハードワークを覚悟して入社を決意しました。ところが、実際はそんなことはありませんでした。
社員はそれぞれのスタイルで、限られた時間の中でいかに効率よく働けるかと常に考え行動しています。仕事内容の濃さはあっても、一般的に想像される、長時間労働というハードワークとは無縁です。
──ワークライフバランスについても聞かせてください。
若林:ワークライフバランスもしっかり取れます。業務で頭をフル回転させている分、リフレッシュの時間も大切で、まとまった休みを取って国内外を旅行する社員も多くいます。
年次有給休暇の平均取得日数も、目標の15日以上を上回り、2024年度は17.2日です。社内インフラが整っていることもあり、有給休暇やほかの制度も迷うことなく申請できるはずです。
──最後に学生へのメッセージをお願いします。
若林:就職活動では、いったいどうやって進めればいいのかと迷うこともあるかと思います。
そんなときは、自身の考えやこれまでの経験を踏まえ、自分はどのようなことにやりがいや楽しみ、面白さを感じてきたのかと振り返ってみてください。そのポイントを企業の事業内容と照らし合わせて共通点を見つけていく。そうやって就職活動を続けると、社会人一歩目の会社選びで後悔は残らないはずです。
そして、もし当社を選んでいただけるのであれば、大変ありがたい限りです。

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【ライター:小谷紘友/編集:鈴木崚太】