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キャリアは自分で広げる──キリンで挑戦できるフィールドの多様性

企業インタビュー 企業理解 インタビュー メーカー 日系
2025年9月19日(金) | 2,193 views
sponsored by キリンホールディングス

キリンホールディングス(以下、キリン)では、一人一人が選択した職種でキャリアをスタートする「コース別採用」を行っています。営業やマーケティング、研究職にエンジニアリングなど、多様なコースから自分のキャリアを選んで応募先を決められます。

しかし、コース別採用で入社することに対して「やりたいことが変わったらどうしよう」「キャリアの幅が狭まりそう」「同じような仕事をし続けるのかな」などと不安に思う方も多いのではないでしょうか。

では実際、入社以降のキリン社員はどのようなキャリアを歩んでいるのでしょうか。今回、同じ職種をキャリアの軸に置きつつ、多様な経験を積みながら成長を続ける新卒入社11年目の中島さん(営業職)と新卒入社8年目の矢野さん(エンジニアリング職)にインタビューし、これまでのお仕事について伺いました。

お二人は、どのようにキャリアの幅を広げながら成長を遂げてきたのでしょうか。

<目次>
●事業ポートフォリオの広さや働く人の雰囲気が決め手に
●5年目で海外勤務。タイで経営者視点を身に付ける
●4年目、念願の新工場の建設プロジェクトにアサイン
●「目の前の仕事に全力」が、希望のキャリアにつながる

事業ポートフォリオの広さや働く人の雰囲気が決め手に

──はじめにお二人のご経歴と、キリンに入るまでの就職活動について教えてください。


中島:私は2015年にキリンに入社しました。営業職からキャリアをスタートし、現在は海外事業部に在籍しています。就職活動では食品など、消費財メーカーに絞って企業を見ていました。大学生の時にバックパッカーとして海外を放浪していたのですが、その行く先々で感じたのが、「日本の食品は世界で愛されている」ということです。一方で、各国の食品店でも当時はまだ日本のものを目にする機会が少なく、「日本のおいしい食品を世界に届けたい」と感じたのが、食品メーカーを希望した大きな理由です。

海外を視野に入れるなら外資系企業も魅力的ではありましたが、自分には、日本に拠点があり、なじみのある商品を扱っているメーカーで、その商品と一緒に歩んでいくキャリアのほうがしっくりと感じ、日系のメーカーを志望するようになりました。その過程でキリンに出合い、選考を進んでいく中で気持ちが固まりました。

キリンは、選考のプロセスでお会いした方々の雰囲気や価値観に共感できる点が多く、より良い商品をお客様に届けたいという熱意にも強く惹(ひ)かれました。「なんだか自分に合いそうだな」「一緒に働いてみたいな」と感じられる、そんな会社でした。

中島 康大(なかじま やすひろ):キリンビール 海外事業部 2015年入社。キリンビール関東甲信越エリアにて業務用営業担当として4年間経験した後、2019年から2年間、社外出向によりタイに駐在し、海外での業務を経験、帰国後キリンビール 事業創造部にて新規事業を担当。2024年より海外事業部にて、経営企画業務やブランドの海外育成を担当。


矢野:私は2018年入社で、現在は本社技術部のエンジニアとして、各工場の設備投資の構想や実施計画を検討しています。

就職活動では、医薬品と食品の2軸で業界を見ていました。「自分の仕事で、困っている人を助けたい」という思いがあり、それなら医薬品のほうが近いと考えていたのですが、より多くの人に手にしてもらえる食品にも魅力を感じていて……。

そんな中で出合ったのがキリンでした。キリンの医薬品にも食品にも関われる事業ポートフォリオの幅広さを知って、「ここなら両方を実現できるかもしれない」と思いました。

印象に残っているのが、入社前に参加した、キリンによる就活生向けのワークショップです。「工場を新設する」というテーマで、どのような工場をつくるのか、参加者同士でディスカッションをするという内容で、そのワークショップがとても楽しかったんです。ここで工場建設について考えた経験が、現在のエンジニアとしてのキャリアにつながっていると思います。

矢野 雅貴(やの まさき):キリンビール 技術部 2018年入社。キリンビール福岡工場にてエンジニアリング担当として3年間経験した後、ヘルスサイエンス領域の事業会社である協和発酵バイオへ異動となり、3年間新工場建設に携わる。その後2024年よりキリンビール技術部に所属し、設備投資検討や業務改革検討などを行っている。


──お二人とも、キリンにそれぞれの視点で魅力を感じて入社されたのですね。入社時点では、今後のご自身のキャリアをどのようにイメージされていましたか?


中島:いずれは海外で仕事をしたいという思いはあったのですが、「まずは営業職から」のような認識で、職種にはあまりこだわらずに就職活動をしていました。日系企業ならいろいろな職種を経験できるだろうし、もしその中で「これぞ」という道を見つけられたら、そこに進んでいこうと。


矢野:キリンにはグループ会社も数多くあり、異動を通じていろいろな領域を経験できますし、その過程でキャリアアップしていけたら、と考えていました。医薬品業界のエンジニアなどは転職を通じてスキルアップしていく方も多いです。

その点、キリンは幅広いポートフォリオを持っていることに加え、社員の成長を支援する風土があると感じており、自身でキャリアを主体的に描くことによって転職せずともそれに近い経験ができるだろうと考えました。この特徴も、新卒でキリンを選ぶ大きな決め手になったと思います。

5年目で海外勤務。タイで経営者視点を身に付ける

──入社からこれまでの経歴を教えてください。まずは、中島さんからお願いできますか?


中島:2015年に入社してからは、栃木県で、飲食店向けのキリンビールの業務用営業を4年間経験しました。

2019年からは希望していた海外勤務が実現し、国内大手商社の出向社員という形でタイに2年間駐在。現地で経営企画や人事制度改訂など、マネジメントを学びました。帰国後は新規事業の担当としてキリンの家庭用ビールサーバー「ホームタップ」に関わり、2024年からは海外事業部で、主に食の領域で営業職として活動しています。


──ご自身のキャリアの中で、ターニングポイントになったと感じているのはどのお仕事なのでしょうか。


中島:やはり2019年からのタイ駐在です。上司や人事との面談では「海外を経験したい」と伝えていたこともあり、その希望が伝わった形での出向となりました。

出向先はタイにある食品卸の企業です。メーカーから商品を仕入れてスーパーや飲食店に卸す業務で、出向先のプロパー社員である社長と本部長の下に就き、マネジャーとして、現場で動いている主にタイ人の現地社員支援していました。


──具体的に、どのような業務を担当されていたのでしょうか。


中島:PL(損益計算書)をもとにした事業計画や、人事のKPI(重要業績評価指標)の洗い出しなど、現地社員のマネジメント業務を広く対応していました。漠然と「海外で働きたい」と思ってはいたものの、実際に「自分になにができるか」をじっくり考えることはなかったので、経営から現場まで、幅広くビジネスに携わる貴重な経験になりました。

それまではいわゆる営業職の経験しかなかったので、新しく挑戦することばかりで、最初の半年ほどは大変苦労した思い出があります。ありがたいことに現地でも 「出向社員だから」と甘やかされることなく、同じ社員のように厳しく扱ってくださったので、要求レベルも高いもので、ビジネススキルもかなり鍛えられたと思います。

当時は英語のレベルも未熟だったので、タイ人メンバーとのコミュニケーションにも苦労するところはありましたが、それだけにしっかりとお互いの意見をシェアし、達成感や悔しさを共有できたときの喜びは大きいものでした。

──タイ駐在を振り返って、特に大変だったことや印象的だったことはありますか。


中島:駐在中に訪れたコロナ禍は、出向先の企業にとっても、自分にとっても大きな壁でした。

新型コロナウイルス感染症の流行によって、飲食店の売り上げは激減。取引先の多くは飲食店なので、間もなくして「代金の支払いが難しい」という声が集まるようになりました。自社の損失を最小限にするため、本来であれば、そのような場合は「次回以降の取引を見合わせる」判断をするのが一般的です。

しかし、現地で営業をしているメンバーからすれば、取引先は「長く付き合ってきた大切なお客様」。代金の支払いができない取引先の対応方針を考える中で、「なんとかしてほしい」という声も挙がりました。

社長、本部長を含めた経営層から伝えていましたが、この意思決定には当然私も入っていたため、できる限りロジカルに会社の現状を説明しました。メンバーに「申し訳ないが、この基準に満たない顧客と取引は継続できない」と伝えたのですが、なかなか営業メンバーからの合意が得られず、長い時間をかけて、皆が納得できる形を模索していました。


──最終的に、どのような対応をなされたのでしょうか?


中島:現場のメンバーに全てをお願いするのではなく、営業メンバーとともに私や社長も一緒にお客様のところへ出向いて、直接話をすることにしました。

そこで、状況を詳しくお聞きするだけでなく、改善のためのプランニングや交渉を行いました。営業メンバーやお客様の気持ちに寄り添いながら、コロナ禍を生き残る道を一緒に模索していく。そうすれば、たとえ最終的に取引停止になってしまったとしても、営業メンバーには納得してもらえるのでは、と考えました。

お客様や営業メンバーと向き合えば向き合うほど、「ロジックだけで人は動かない」ということを強く感じた出来事です。


──タイでの経験を経て、ご自身にはどのような影響があったと思いますか?


中島:経営に近いポジションで働けたことで、それらのスキルを得るだけでなく、自分がこれからどんなビジネスパーソンとしてありたいかを考える機会になりました。

もう一つ学んだのが、「ポジティブであり、誠実であることの大切さ」でしょうか。部下は、想像以上に上司のことを見ている。常に明るく前向きでいることの価値を知って、自分もそうありたいなと強く感じました。

4年目、念願の新工場の建設プロジェクトにアサイン

──続けて矢野さん、入社からのご経歴を教えていただけますか。


矢野:2018年の入社以降は、キリンビールの福岡工場でエンジニアとして生産のための設備投資の計画や実行支援をしていました。ある工場に対して「どのようなタンクを、いくつ導入するのか」などの計画から、実際の発注や工事を管理するのが主な仕事です。このような設備導入の仕事以外にも、製造現場で起こっている問題・課題を発掘し、工学的な視点から対応策を考え、製造担当とも切磋琢磨(せっさたくま)しながら解決に導くという課題解決業務も経験することができ、メーカー所属のエンジニアならではの面白さとやりがいを感じていました。

4年目の2021年からは、キリングループのヘルスサイエンス領域の事業会社である協和発酵バイオにて、新規の工場を建設するプロジェクトに参画しました。入社時から工場建設を手掛けたいと思っていて、上司などにも希望を伝えていたので、それが通った形になります。

そのプロジェクトの終了後2024年の10月から現在の技術部に配属となりました。福岡工場配属時代に実施していた設備投資の計画と実行支援を本社視点で携わっていることに加え、グループ全体のエンジニア機能の中長期的な構想を練る仕事にも取り組んでいます。

キャリアを通して印象に残っているのは、やはり協和発酵バイオでの工場建設プロジェクトです。


──入社前のワークショップから関心があった工場建設に、実際に関わる機会があったのですね。


矢野:そうですね。入社時からヘルスサイエンス領域を配属希望していたのですが、残念ながら通らなくて。でも振り返ってみれば当時は実力不足でしたし、まずは技術や組織が成熟しているであろうビール工場で業務経験を得られたのは大きな財産になりました。むしろ、その後の協和発酵バイオへの辞令が出たときには「もう少しここで勉強したい」と思ったくらいです。


──工場建設は、どのようなプロジェクトだったのでしょうか。


矢野:かなり大規模なもので、更地の状態から5階建ての工場を建設するものでした。協和発酵バイオのエンジニアとしてプロジェクトに参画していたのは3人ほどで、工事の最盛期には200名ほどの作業員が入る大型工事に基本構想段階から最終製品が出来上がるまで携わることができました。新工場建設では、上流から下流まで全ての設備を知れ、設備同士のつながりや全体設計まで学べ、とても良い機会に恵まれたと思っています。

新しい工場では粉体素材を生産する予定だったのですが、それまで扱っていたビールは液体。全く異なる性状であるため、生産方法や運搬方法などを新たに学び直しました。建設時期がコロナ禍と重なっていたこともあり、海外から調達する資材の手配に苦労するなど、外部の影響を受けるプロジェクトでもありました。

医薬品などの成分を生産する過程で、ミスや生産方法のルール逸脱は許されないものです。とはいえ、いくらチェックを厳重にしても人の力には限界があるのも事実。そこで、新しい工場は「人へのやさしさ」をコンセプトにして、人の判断を介さなくてもよい自動化システムを取り入れるなど、ヒューマンエラーを防ぐことに注力しました。

──以前から「やってみたい」と思っていた仕事を実際に経験してみて、いかがでしたか。


矢野:やはりワークショップで取り組んだような疑似的なものとはスケールも違うし、大変さも大きかったです。でも、それだけに得られた達成感もひとしおでした。

苦心したのが、マネジャー層から現場で建設に携わっている方まで、関わる人が多いので、その目線をそろえることです。現場の方には具体的に、マネジャー層には少し抽象度を上げて包括的に、と相手に合わせた伝え方を心がけていました。

それから、個の力が掛け合わさることによって、プロジェクト全体の質やスピードが加速していく様子を目の当たりにできたのは、とても貴重な経験になりました。

現場の人数も多く、目線もそろいにくい環境でしたが、ビジョンと方向性を丁寧に伝えれば、建設に参加している「プロ」の力を最大限発揮してもらえるようになる。すると、私が思っていた以上の成果が上がってくることも多くなるんです。人と人の力を合わせることで、より大きなことを成し遂げられるのだと感じました。

「目の前の仕事に全力」が、希望のキャリアにつながる

──お二人とも、入社後の異動を経て、希望していたキャリアを実現されている印象です。それぞれのご希望をかなえるため、どのようなアクションをされたのでしょうか。


矢野:上司には「ヘルスサイエンス領域に関心がある」とよく話していました。福岡勤務の頃は、その話を受けてヘルスサイエンス領域に近い案件にアサインしてもらっていた気がします。

ただ、「希望を伝える」よりも大切なのは、「まず目の前にある仕事をしっかりやる」ことなのだと思っているんです。


中島:私も同じ意見です。私も「海外に行きたい」という希望は上司へ伝えていましたが、まずは現業をきちんとできていることが大前提。会社も、そういった「普段の頑張り」をしっかり見ていますよね。


矢野:同僚を見ていると、特定の職種や勤務地というよりも、「こういうことをやってみたい」という希望を持っている人が多い印象です。そういった希望は同期を見ていても実現している人が多いですね。エンジニアから研究職へキャリアチェンジした人もいるし、そこで知見を得てエンジニアへ戻ってきた人もいて、キャリアの歩み方の幅が広いですよね。


──キリンホールディングスでは現在、コース別採用を取り入れています。お二人は以前の総合職採用で入社されていますが、コース別採用にどういった印象をお持ちですか。


矢野:エンジニアはもともとエンジニアとして入社し、専門性を活かして、技術を磨いて成長していく職種なので、自然な採用方法だと思います。

入社後に自分の強みを磨き、それぞれの事業領域へ広げていくキャリアアップの形は、これからも大きく変わらないのかな、と。エンジニアリングという領域に軸足を置きながら、医やヘルスサイエンス、食品など、いろいろな事業領域にチャレンジできるのは魅力的だなと思っています。中島さんはどうですか?


中島:コース別だと他の職種に異動しにくくなるのではと懸念されるかもしれませんが、キリンの事業ポートフォリオは本当に幅広いので、チャレンジの可能性が閉じられる心配はないと思います。

私も営業からスタートして、経営に触れた時期もありますし、新規事業のスケールに関わる経験もしてきました。入社してから「これがやりたい」という目標を見つけたなら、そこに向かうためのチャンスや道筋はたくさんありますよね。

──ありがとうございます。最後に、学生に向けてメッセージをお願いします。


矢野:社員として就職活動中の学生さんと話す機会も多いのですが、そこでは「不安だから、やめよう」ではなく「人生一度きりなので失敗しても良いからチャレンジしてほしい」とよく伝えています。

就職活動でも不安な部分はいろいろとあると思いますが、ご自身が今チャレンジしたいなと思っていることや、キリンがいいかもと思った直感に耳を傾けて、後悔のない就職活動にしてほしいと思います。


中島:いろいろなところに足を運んで、どんどん人に会っていってほしいなと思います。私自身も「キリンの商品」と「働く人の魅力」が入社の決め手になりましたし、入社から10年がたっても好きな気持ちは変わりません。

五感を使って会社を知り、そんなふうに「いいな」と思えるものがある会社に出合えたら、きっといい形で就職活動に取り組めると思います。キリンは事業の幅も広いので、いろいろな領域にチャレンジできるチャンスがあるはず。そこに興味がある人と、ぜひ一緒に働きたいと思っています。

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