NTTデータグループの総合コンサルティングファームとして、経営戦略、業務改革、DX、グローバル戦略など幅広い課題の解決を支援するフォーティエンスコンサルティング。深い業務理解に基づいた実効性のある支援で、厚い信頼を獲得している。
同社は2025年10月、「株式会社クニエ」から「フォーティエンスコンサルティング株式会社」へと社名を変更した。
この大きな決断の背景には、どんな想いや戦略があったのだろうか。また、他ファームと一線を画す事業の強みや組織体制、さらに働く上での魅力まで、代表取締役常務の菊山直也氏に詳しく語ってもらった。
「深い実務知見」で、現場に直接届くコンサルティングを提供
──フォーティエンスコンサルティングの事業の特徴・強みを教えてください。
菊山:当社は、「事業や現場業務についての深いノウハウを有している」という点に強みを持つコンサルティングファームです。
NTTデータグループには「NTTデータ経営研究所」という別のコンサルティング会社もあるのですが、同社が公共政策や経営戦略に関して強みを持つ一方、当社はお客さまの事業変革や業務改革といった、ビジネスサイドの変革をお手伝いすることに強みを持っています。昨今の事業変革プロジェクトは大規模なシステム開発を伴う場合が多いですが、そのような場合は国内有数のエンジニアリング力を持つNTTデータやグループ会社と連携し、一体で価値提供する場合もあります。
つまり、当社はシステム開発に大きなリソースを割かれることがないため、ビジネスサイドの課題にとことん深く入り込み、最終的な変革まで伴走できることが大きな特徴です。これは、どのファームにもない当社ならではの強みだと考えています。

菊山 直也(きくやま なおや):代表取締役常務
1996年 NTTデータ入社。システムエンジニアを経てコンサルタントになり、NTTデータ経営研究所およびNTTデータにおいて、業務改革、IT戦略・ITグランドデザイン策定、ITマネジメント改革などのプロジェクトを数多くリード。2020年 NTTデータ 法人分野コンサルティング事業部長、2023年より現職。
──主にどのような領域のコンサルティングを行っているのですか?
菊山:創業当時から、製造業に強いファームとして支持をいただいてきました。製造業は自動車、電機・機械だけでなく食品・消費財、医薬なども含め幅広くカバーしています。もともとサプライチェーンやエンジニアリングチェーンといった製造業の基幹に精通しているという特徴があるのです。最近では、ヘルスケアなどの公益サービス、公共、金融などにも強みを持つファームへと成長してきていて、対応できるインダストリーの幅はかなり広がってきています。
サービスラインも経営・事業戦略、新規事業開発、DX、グローバル戦略、組織・人材変革……とかなり拡充してきましたが、当社はいわゆる「戦略に特化したコンサル」や「ITに強いコンサル」などを目指しているわけではありません。もちろん昨今の変革にはデジタル技術の活用が欠かせませんし、NTTデータグループということもあり、ITやテクノロジー活用にも長けていると自負しています。しかし、先ほど伝えたとおり、当社の強みは「お客さまの事業や業務への深い理解に基づいた価値提供」にあります。構想を策定するだけでなく、ビジネスの現場に直接届く、実践的なコンサルティングを行っているのです。
変化の中、改めて強みや姿勢を打ち出すべく、社名変更へ
──「クニエ」から「フォーティエンスコンサルティング」へ社名変更した背景について聞かせてください。
菊山:社名変更に踏み切ったのは、お客さまの変革を支援する立場から、われわれ自身も進化し続ける必要がある。そして、当社の強みやコンサルティングファームとしての姿勢を、より明確に打ち出したいという想いからです。
社名の「フォーティエンス(FORTIENCE)」という言葉には、いくつかの意味が込められています。まず、前半の「FOR」に込めたのは「先見性(Foresight)」と「不屈の精神(Fortitude)」という言葉です。
後半の「ENCE」では、お客さまの業務に関する深い「経験(Experience)」があること、そして「叡智(えいち)や思考力(Intelligence)」によってお客さまに価値を提供していくことを示しました。この社名で、「お客さまに対する深い理解と、未来を洞察する力、そして不屈の精神をもって大きな成果を残す」という決意を掲げました。
──クニエ時代から変わっていく点、逆に変わらない点をそれぞれ教えてください。
菊山:当社がもともと強みとしていた事業や業務についての深い知見(Experience)や、やり抜く力(Fortitude)は、今後も変わらず当社ならではの価値として提供しつづけます。
これに加えて、過去に例を見ないスピードでデジタル技術が進化し、国際情勢も不安定な今、未来を洞察する力(Foresight)や叡智・思考力(Intelligence)をさらに発揮し、お客さまを支えていきたいと考えています。

──社名変更によって、今後どのような変化が起こることを期待していますか?
菊山:単に社名を知ってもらうだけではなく、私たちが持っている強みや想いなど、当社の「中身」についての理解が広がる未来を期待しています。
社員の間では「生まれ変わった当社の新たなブランドイメージを、自分たちが主導して作っていくんだ」という、前向きな意識がすでに醸成されてきています。日本発だから自分たち自身で新しいブランドを作れる、1,000人規模で一人ひとりの活躍が会社全体に影響する、という現在の当社の立ち位置だからこそ、できることがあると思っています。クニエという名前からさらに進化した良いイメージを、この新しい社名のもとで築けるのではないかと期待しています。
グローバル展開支援により、海外で活躍できる機会も豊富
──フォーティエンスコンサルティングには、どのような規模やフェーズのクライアントが多いのですか?
菊山:各チームの専門性を生かせるご依頼であれば事業規模に関わらずご支援いたします。ただ、当社は製造業への造詣が深いファームということもあり、結果的にはグローバル展開されている大企業が中心となっています。調べてみるとフォーチュン500に選出された日本企業のうちの8割は当社のお客さまでした。
グローバル展開に関しては、外資系企業の日本進出を支援することより、日本企業のグローバル進出を支援することの方が多いですね。
──では、コンサルタントのみなさんも国内での稼働が多いのでしょうか?
菊山:いえ、そんなことはありません。むしろ当社は日本発のコンサルティングファームとして、現地でのロールイン支援まで責任を持って行います。そのため、コンサルタントが海外に出張や長期滞在する機会は、実はグローバルファームよりも多いのではと思っています。
──フォーティエンスコンサルティングでは、どのような組織体制を構築していますか?
菊山:当社は社員約1,200名に対し、約50ものチームが存在する、少数精鋭のチーム編成に特徴があります。ざっくり計算すると1チームあたり20数名ほどの規模です。1プロジェクトあたりのメンバーはさらに細分化され、最も効率的な体制でデリバリーにあたっています。
組織体制としては、インダストリー(業界軸)とサービスライン(機能軸)の両方を持つ、マトリクス型のチーム制を敷いています。各チームがそれぞれ案件獲得から最適なコンサルタントのアサイン、デリバリーまでを一貫して担うのが基本的な流れです。
とはいえ、すべてがチーム任せというわけではありません。チームはすべて独立しているわけではなく、領域ごとに束ねて「本部」を設けています。企業へのアプローチやプロジェクトの取りまとめは本部が担うことで、チームは目の前のデリバリーに集中できる上、本部内の他チームの案件への参画も含め、コンサルタントの待機も発生しにくい体制となっています。
また、当社では各プロジェクトのテーマに応じた最適な専門家を集めてチーミングしたいと考えているため、他のチームが獲得した案件にチーム外から参画するケースも多くあります。中には、アサインされた案件をきっかけに、今までとは違う領域に面白みを感じてチームを異動する人も。当社はコンサルタント一人ひとりが自発的に成長できるよう、柔軟な組織設計やキャリア支援を大切にしているんです。

──生成AIが日ごとに進化する昨今、コンサルタントの仕事はどのように変化していくと考えていますか?
菊山:たしかに「コンサルタントの仕事も、いつか生成AIに奪われるのでは」とよく言われますよね。しかし新しいテクノロジーが生まれたとき、企業には必ず変革が求められるものです。そして企業変革は、自分たちだけで成し遂げることはなかなかできません。
そう考えると、企業変革を支援するコンサルタントの存在は、この先もなくならないのではないかと考えています。「変革の構想を練ること」は生成AIにもできるかもしれませんが、そもそもの問いを立てることや、現場に変革の構想を浸透させ、確実にやり遂げるには、やはり人間の手が必要です。
一方で、コンサルタントのあり方や価値は、これから変わっていくかもしれません。各業界や業務には、明文化されていない慣習や、暗黙的な知見がまだ多くあります。それらを踏まえた変革をデザインできるのは、各業務の専門知識を持ったコンサルタントだと私は考えます。その点で言うと、フォーティエンスコンサルティングは今後もお客さまの強力なパートナーとして価値を提供し続けることができると確信しています。
納得度の高いキャリアを実現する、複数チームでのOJT
──フォーティエンスコンサルティングにマッチするのはどんな人だと思いますか?
菊山:当社は、基本姿勢として「社会的人間性」という言葉を掲げています。これは「プロジェクトを通じて自身が成長し、それをメンバーやチームに積極的に還元していくことが、お客さまへの提供価値の増大、より良い社会の実現につながる」という意味合いの言葉です。この考えに共感していただける方は、当社にとてもマッチしていると思います。
実際の選考でも、候補者の方をふるい落とすような面接は行っておらず、むしろキャリアの相談相手になったり、就活のアドバイスをしたりすることもあります。この「相手を尊重する風土」に魅力を感じて、入社してくれる社員も多いですね。
加えて、「日系企業の成長を支援したい」と考えている方にも向いている会社かもしれません。そもそもNTTは、もともと「電電公社」と呼ばれる国営組織で、国内を中心に人々の生活や産業のインフラを支えてきました。今もNTTグループは、AIをはじめ最先端のテクノロジーを追求する日本随一の組織です。
そのため、最高峰の技術や知識を活用して日本企業をより良くしたい、日本出自のコンサルタントとして活躍したいとお考えの方は、当社での仕事を存分に楽しめるのではないかと思います。

──新入社員に向けて、どのような研修やフォローアップ体制を組んでいますか?
菊山:新卒入社の方には、1年間かけて研修を行っていきます。その際に使う教材は、ありきたりな既製品ではなく、当社独自のものです。当社のコンサルタントが、これまで現場で体験・習得してきたリアルな知見を反映したものを使っています。そのため、研修の段階で業界の専門知識や現場の雰囲気を掴(つか)むことができ、万全の状態でコンサルタントとしてデビューできます。
また、当社のコンサルタントの約半数は、事業会社出身の中途入社者です。さらにチームは少数精鋭で、先輩社員とも密に交わるため、実務に役立つ経験やノウハウを大いに吸収できるでしょう。
そして、これは当社ならではの特徴だと思うのですが、新卒社員の方には1年間の研修期間中に3つの異なるチームでOJTを受けてもらいます。複数のチーム・プロジェクトを経験することでコンサルタントとしてお客さまの期待に応えられるレベルに成長していただくのはもちろん、自分の適性や専門領域を見極められることができます。1年後の配属では、ほとんどの方が希望するチームに配属されていますので、自分が納得したキャリアを歩めるはずです。
──最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
菊山:コンサルティングファームは「コンサル」で一括りではなく、よく見るとそれぞれに強みや特徴があることが分かると思います。たとえば会社の位置づけや、プロジェクトの規模・内容、得意とする業界・業務領域……など。「まずはコンサルティングファームで経験を積みたい」と考えている方も、自分のキャリアをどこからスタートさせるのが最適なのか、ファームごとの違いに着目しながら選んでみると、就活がよりスムーズに進むと思います。その中でもし当社に興味がわいたら、ぜひエントリーしてみてください。

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フォーティエンスコンサルティング(旧:クニエ)
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