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イノベーションには「腹落ち」と「自立」が必要だ。世界最初の戦コン、ADLがノコギリ型人材を求める理由【ADL解体新書vol.1】

コンサル 外資系 企業インタビュー インタビュー
2021年4月12日(月) | 10,515 views
sponsored by アーサー・ディ・リトル

世界最初の戦略コンサルティングファーム、アーサー・ディ・リトル(以下、ADL)。

基本思想の一つに「経営と技術の融合」を掲げることもあり、過去には「プロジェクトはほぼ製造業」「メンバーは理系院卒がほとんど」といったイメージを持たれることも。

プロジェクトの実態から社風、働き方。今回、ADLの全てを知るべく「解体新書」と銘打ち、事業会社から転職した赤山さん、そして新卒2年目の岩井さんの2人にワンキャリ編集部がインタビュー。さまざまなウワサの真相を始め、イノベーションへのこだわり、求める人材像まで余すことなくお話ししていただきました。

「ADLは『理系院卒』しか受からない」ってホントですか?

──今回のインタビューでは、就活生の皆さんがADLに対して抱いている印象を中心にお聞きできればと思っています。まずは、「ADLのコンサルタントはほとんど理系出身」というイメージについて。岩井さんは文系の大学院卒とお伺いしましたが、就活のときに気になりませんでしたか?


岩井:先輩方を見ると新卒は理系の方が多いですが、最近はそんなことはありません。私の同期も5人中2人が文系です。実は、私もウェブなどに載っている情報を見て「文系だから受からないかな」と思っていたのですが、インターンシップに参加して社員の方と話すうちに、文理は関係ないのだと考えが変わりました。


──そうなんですか? 技術開発に強いファームという印象もありますし、理系で技術に詳しくないとついていけないのかと思っていました。


赤山:プロジェクトで技術の細かい知識などが要求されることはありませんが、大枠や本質を理解している必要はあると思います。大切なのは、用語に惑わされずに事業上の論点を見抜くこと。技術については、質問してキャッチアップできる状態であればOKです。


岩井:私自身、技術について分からないことも多いですが、社内に詳しい方がたくさんいらっしゃるので、聞けばすぐに教えてもらえますよ。

岩井 愛可(いわい あいか):ビジネスアナリスト
京都大学大学院 経営管理教育部 修士課程修了。2019年4月に新卒入社。入社後2年間で、食品・飲料業界や電力・重工業業界、政府機関、投資ファンドなど幅広い業種のクライアントを担当。
案件内容は、全社ビジョン策定や新規事業立案、組織設計など多岐にわたり、直近はサステナビリティ観点での事業化支援やシナリオプランニングに注力。


──文理は関係ないとのことでしたが、院卒が多いとも聞きました。こちらはいかがでしょうか。


岩井:言われてみれば、確かに院卒の割合はやや高いかもしれません。ADLには若手に任せる文化があり、入社1年目からクライアントの前で話をする必要があるのでマチュリティ(成熟さ)を見られます。それが理由だと思います。とはいえ、もちろん単に年齢を重ねればいいというものではないですし、学部卒の方も数多く在籍しています。


──岩井さんはADLのインターンに参加されたとのことですが、他のコンサルティングファームも見られていたのですか?


岩井:そうですね。他ファームのインターンにも参加しましたし、裁量が大きく、社会課題の解決を図れるという観点で、メガベンチャーや投資銀行なども見ていました。


──その中でADLに入ろうと決めた理由について、教えてください。


岩井:先ほど、ADLには若手に任せる文化があるとお話ししましたが、それをインターンで感じられたことですね。ジュニアでも意見を大事にしてもらえて、議論できる。自分のやりたいことがやらせてもらえると思いました。

インターンで「農業などの一次産業に興味がある」と話したら、原田社長も含めて「それなら、こういう案件があるよ」と紹介してもらえて。ADLの新卒同期は毎年5〜10人くらいと少ないので、個々人の意志を生かすのも難しくないのかなとも思いました。


赤山:これは中途でもそうですね。転職活動で面接を受けた時に、自分がやりたいことを伝えるとADLの人たちは「私はこう思う」と自分の考えを言ってくれる人が多かったです。

製造業案件は全体の「半分」ほど。この数年でクライアントの幅が大きく広がった

──岩井さんはちょうど入社してから2年経過したと思うのですが、実際、どのような案件に関わられているのでしょうか?


岩井:ADLでは最初の数年間はインダストリーを決められずにフラットにプロジェクトにアサインされます。食品・飲料や農業、電機・エネルギー、自治体など、自分の希望を伝えながらプロジェクトにアサインしてもらっています。これまで12件のプロジェクトに関わりました。


──2年間で12件ですか! 平均で2カ月とはめまぐるしいですね。


岩井:はい、なるべく議論ができるくらいにはインプットしておかなくてはいけないので、キャッチアップが大変です。それでも、多様な案件に携わって共通点を見つける方が自分には合っていると思います。コンサルタントという立場で別の領域を有機的につなぐことは、自社の事業領域以外の動向や考え方を求めるお客さまにとって価値になることだと感じますね。


──さまざまな業界のプロジェクトがあるようですが、「ADLは製造業のクライアントやプロジェクトが多い」というイメージもあるようです。実際はどうなのでしょうか。


赤山:今はざっくりと半分くらいだと思います。ADLのポリシーは「Linking strategy, technology and innovation」ということで、技術は重視していますが、別に製造業に限定している話ではありません。

ただ、日本においては製造業の企業が多いこともあり、実績の分かりやすさも含めて、製造業の事例をお客様にアピールしていたら、それが一人歩きしてしまったのだと思います。グローバルで見ると日本は少し特殊なんです。製造業というと、自動車やエレキを想像する人も多いと思うのですが、海外では、自動車やエレキのメーカーがない国もありますから。

赤山 真一(あかやま しんいち):パートナー
東京大学大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専攻 修士課程修了。ADL入社以前は、大手移動体通信企業において各種新規サービスの企画・立ち上げなどに携わる。主な担当領域は、テレコム・ITサービス・メディア関連業界における、新規事業戦略策定・既存事業成長戦略策定・企業再編戦略策定および実行支援。


岩井:製造業のクライアントにしても、製薬や食品・飲料メーカーも含まれます。皆さんが想像されている企業イメージとは異なるプロジェクトもたくさんありますよ。


──なるほど。ここ数年でクライアントの幅が広がってきた実感はありますか?


赤山:そうですね、今はテクノロジーディスラプションにさらされる企業が全部対象になるという捉え方をしています。「デジタルの領域で新しいビジネスを1から考えたい」と相談されることも増えていますし。特に交通・建設・不動産・商社・広告・物流関連企業の案件が増えている印象です。

最近は、新卒中途ともに採用を強化しています。他ファームから移ってこられる方も含めて、いろいろな人材が集まってきていることもあり、対応できる案件の幅も広がっています。


──今、ADL全体で何人くらいいらっしゃるのでしょう。


赤山:150人くらいですね。少し前に比べれば、人数は結構増えたと思います。

たとえ不確実なことでも私見を述べる。それこそがADLのコンサルタントの使命

──赤山さんは大手通信企業からADLに転職されています。就活をしている学生は事業会社かコンサルかで迷う人も多いです。両者を経験した今、何かアドバイスをいただけますか?


赤山:どちらも違った面白さがあると思います。事業会社の場合は、配属部署によって仕事の面白さがかなり変わるリスクはありますね。うまくハマった部署にいけると相当面白いし、楽しいことができる可能性は高いです。


──確かにいわゆる「配属リスク」は学生たちも気にしているところです。


赤山:自分がいた部署は年次に関わらずさまざまなことが言い合える文化でしたが、一歩部署の外に出るとそうではない文化を感じたのも事実です。何か意見を言うと「君は何年目だ」と言われるわけです。問いには、ファクトでしか答えてはいけないような空気がありました。


──ファクトしか答えてはいけない、とはどういうことでしょう?


赤山:例えば売上が20%落ちていることに対して、「売上が落ちている原因はAとBのサービスです」というファクトを言うことはできます。でも「課題はこれで、だからこうすべきだ」という提案は年次によっては言えないということです。


──コンサルとは真逆な印象を受けます。


赤山:はい、僕は前職でも自分の意見をかなり言うタイプだと思っていたのですが、ADLに入社してから、前職ではかなり「抑制装置」が働いていたのだなと気付きました。

事業会社だけでなく、総合ファームから来た方の中にも「ファクトで証明できること以外は言わない」という文化があったという人もいます。もちろん、それも一つの考え方ですが、ADLに相談をしてくるお客さまは、不確実な点も含めて、コンサルタントに意見を言ってほしいと思っています。


──抑制装置があったとのことですが、ADLに入社して赤山さんは変わったのですか?


赤山:ADLに入社してわりとすぐの話ですが、プロジェクトが成功に終わった後の打ち上げで、クライアントの代表から「今回はADLさんでないと絶対にできなかったからADLさんにお願いしてよかったと思っている。でも、あえて言うと、赤山さんには、最初からこの結論の方向性がうすうす見えていましたよね。それなら60%の確実性でも構わないから最初に言ってほしかった」と言われ、非常に反省しました。不確実なことは言わないでおこう、という抑制装置がはたらいてしまっていたのだと思います。以降は思ったことがあれば、すぐに言うよう心がけていますね。


岩井:経験は浅い私からしても、「言った後悔よりも言わなかった後悔の方が大きい」とこれまでを振り返って思います。お客さまと議論をしていて不確実な事柄が出たときに「いったん持ち帰ります」ではお客さまの反応はあまりよくないですし、議論を深めることもできません。「仮にすべてのファクトが取れていなくとも、現時点で何か言ってほしい」と思っているお客さまの方が多いように感じます。

外コンなのに合言葉は「腹落ち」? ADLが目指す真のゴールは「クライアントの自立」

──ここからは「ADLの強み」について聞かせてください。ミッションに「クライアントが破壊的イノベーションに対峙する支援」をすると掲げています。イノベーションが起こせずに苦しむ企業は多いと思いますが、実際のところ、一体何を行うのでしょう?


岩井:「イノベーション」というのは一言で表現できるものではありません。1年後に同じことを聞かれたら、違う答えになっているかもしれませんが、今私が思うのは「不確実な未来の中でクライアントを推進させるため、真っ暗闇の中で進むべき道に光を照らす」というのが私たちのイノベーション支援なのかなと思います。


赤山:企業が「イノベーションを起こせない」と言うときに、Whatの部分ができないのか(アイデアがない)、Howができないのか(起こす手段がない)など、さまざまな要因があります。スタートアップも含めて、世の中にはアイデアがあっても実現できないというケースも多くありますし。

ただ、それ以前に進もうとしている方向性に問題がある、というケースも多いです。昔、クライアントの東南アジアにおける事業をターンアラウンドするプロジェクトの中で、タイやシンガポールのコンサルタントと協働して「クライアントの製品・ブランドは東南アジアの若者からどう見られているか?」を調査したことがあります。

そして現地の15才以下の子供に聞いてみたら「知ってるよ。おじいちゃんが使っていたから」という意見が大半で。そのような状況で「自社の高いブランド認知度を基に、現地の有力なスタートアップや大学とパートナリングを進めよう」という方針を立てても、現地の若者は寄り付きません。若者にとっては「おじいちゃんのブランド」だから。自社の課題を直視せずに、聞こえがいいだけの打ち手を繰り返してもイノベーションは生まれないのです。


──確かに方針さえ間違っていなければ、あとは「どうやるか」という問題に整理できますよね。


赤山:方針と似た話ではありますが、会社の価値観に合わない事柄をどんなに追いかけてもうまくいきませんね。ADLがイノベーションと向き合うときの考え方に「会社の強み」を評価する枠組みがあります。私も面白いと思いましたが、そこにあるのは企業の「価値観」なんです。社員が本音のところで賛同していなければ、変革は必ず失敗します。


──組織的な要因も大きいわけですね。社員が表向きは「協力します」と言いつつ、実は冷めた目で見ているような。


赤山:はい。私たちはお客さまが「腹落ち」して自立するということを相当重視しています。これも転職してきて驚いたことの一つなのですが、外資系企業ってロジカルなイメージが強いのに、腹落ちなんて言葉を使うんだなと(笑)。


岩井:確かにみんな言いますよね。インターンでも腹落ちという言葉をよく使います。


赤山:日本企業の特色でもあると思うのですが、トップがあれをやれ、これをやれと言っても、ミドルマネジメント層が納得していないと動かないということはよくあります。うまくプロジェクトの多くは、クライアントの方たちがこちらの意見に乗っかる形で、どんどん参与してくるんですよね。


岩井:他にも「これは本当に社長が聞きたいことか?」という問いはリーダーからよく受けますね。クライアントが納得できるストーリーになっているか、は非常に重視していると思います。


──最近では、戦略だけではなく実行支援の領域にも踏み出す戦略ファームが増えている印象です。今のお話を聞いていると、実行支援も大切にしているように思いますが、その点はいかがですか?


赤山:お客さまが実行支援を求められるのであればもちろんやりますが、「実行支援をするために前工程としての適当な戦略を作る」みたいなプロジェクトは絶対にやりません。われわれのお客さまは「自立」をゴールと捉えている方が多いですね。プロジェクトで2カ月くらい関わって、いったんの結論が出る。その方向で進めてみて、自立できればそれが理想。ただし、外部環境などが変わって、また迷うことがあれば相談に乗る……。そういう継続的な関係性を持つクライアントが多いように思います。

知的好奇心に満ち、ポジションに関係なく議論する。求めるのは「ノコギリ型」の人材

──なるほど。ADLのコンサルタントというのはどういう方が多いのでしょう。活躍できるのは、どのような人材だと思いますか?


赤山:グローバルでもそうなのですが、まず知的好奇心が旺盛な人が本当に多いです。損得抜きにお客さまが考えていることを助けたいと考える人も多いですね。


岩井:そうですね。ジュニアでいえば「このポジションだから、自分の役割はここまで」と職務にキャップをかぶせずに、クライアントの求めるものを追求できる人が活躍すると思います。


赤山:主体的に意見を言うことに心理的安全性が担保されている反面、自分の意見を言うことが苦手な人は大変でしょうね。また、ヒエラルキーが好きな人はあまり合わないかもしれません。

他ファームだとポジションによってかなり差があり、上の人に物申すのは許さないという文化も存在しているようですが、ADLの場合は入社1年目のビジネスアナリストがパートナーに突っかかって議論をふっかけるなどしているので、他ファームから移籍してきたばかりの人は「あり得ない」と驚くようです。


──意見を述べるのは対クライアントだけでなく、社内でもそうだということですね。


赤山:自分の考えを突き詰めて表現することや、よく分からないことについても、自分の考えをまとめて話すことが求められます。それを原田社長は「カッターよりもノコギリ型の人材」と表現しています。


──ノコギリ型ですか? 面白いですね。


赤山:カッターはパパッと素早くモノを切り落とせるけれど、大きな木は切り落とせない。ノコギリは時間がかかったとして大きな木を切り倒せる、それくらい深みのある人材を求めているということです。もう一つ言うならば「アナロジー(類推)が利く」ということも重要ですね。


──どういうことでしょう?


赤山:例えば半導体の世界でいうと、一つの会社が設計から製造までをするのが当たり前だった時代から、設計と製造が別の企業に分かれ、企画と研究開発に特化した「ファブレス」という付加価値の高いビジネスが出てきました。

これは他業界でも同じようなことが起きています。今回のコロナ禍でも「ビオンテック」や「モデルナ」という会社の名前を聞くようになったと思うのですが、彼らもワクチンの製造はしていません。研究開発に特化したビジネスモデルです。もちろん、違う産業なので細かな違いはさまざまありますが、業界は違っても、企業が抱える悩みは似ていることが多いです。


──なるほど。だから「類推」が必要になるということですね。


赤山:例えば「これまで垂直統合的な事業運営が前提となっている業界で、ファブレスのような業態が登場すると、産業にどういう変化が起き、どういうことに留意しておくべきか?」というような視点で捉えると、他の産業で起きたことは参考になることが多いです。同じような視点で「自動車業界がソフトウエア産業化する際には、組織運営をどのように変えるべきか?」なども検討したことがあります。

こうした議論をする際には、同業の模倣には意味がないため、他業界からのアナロジーや「メタな課題構造の類似性」に着目した議論ができる人は強いですね。


──深く考えることが求められる一方で、多くのプロジェクトは2カ月くらいで終わってしまうんですよね? スピードも求められるので、時間がいくらあっても足りなさそうだと思ってしまいました。


岩井:昔に比べれば労働環境は良くなった、という話はよく聞きます(笑)。赤山さんどうですか?


赤山:働き方という意味では、労働時間削減に全社で取り組んでいます。実態としても大分減ったと思います。ただ、難度の高い案件では確かに答えが出ないときに時間がかかることはありますし、土日も考えが頭から離れない、ということはありますよ。


岩井:働き方についても、ジュニアからいろいろと要望を言える土壌がありますね。信頼関係があるので、個人が働きやすい形で調整できるのはADLのいいところだと思います。

私の場合、平日はなるべく早く帰るようにするので、残ってしまった仕事については土日にやる場合もありますが、それはあくまで個人の自由です。同期には、「土日は絶対に休みたいから」と平日にやり切るように調整している人もいます。

芯のある若手を徹底的に育てるのがADL流。「日本独自」の育成ノウハウも豊富

──裁量がある、任せる文化というのは魅力的ですが、不安に思う学生もいると思います。サポート体制についてはいかがでしょうか?


岩井:メンター制度があります。これもADLらしいと思うのですが、マネジャーやプリンシパルを私たちジュニア側から指名してメンターを決めることができます。1人で抱え込んでしまうようなタイプの人も安心できるのではないでしょうか。


──「逆指名」ですか。面白いですね。岩井さんはどのようにメンターを決められましたか?


岩井:私の場合、今は仕事での悩みを相談したいというよりも、自分の知らない領域を知りたいという気持ちの方が強いので、自分の知らない領域について詳しいマネジャーを指名しています。自分が携わりたいケースを担当するマネジャーを指名して話を聞くという使い方をしている人もいますね。


赤山:人材育成については、昔セミナーで「ADLは広島カープ型です」と説明したことがあります(笑)。


──なるほど(笑)。生え抜きの若手を重点的に育てるということですね?


赤山:はい。大量に採用して入社後にふるい落としをかけ、一部の人が生き残ればよいという形ではなく、採用の時点で芯が強そうな人をとって徹底的に育てる。そのためのコストは惜しまないということです。もちろんグローバル共通の育成プランもありますが、その上に日本独自の採用環境や日本人の特性を踏まえた上での育成ノウハウも相当たまっています。

コンサルタントはポジションによって求められる能力も違いますし、それぞれのポジションで壁に当たることがあります。そのときに適切なコーチングができることが重要です。最初から頭が良くて、数字に強く、メタな議論が展開でき、コミュニケーション力が高く、マネジメント層に対しても失礼にならずに対等に話せるような学生なんていないですから。


──岩井さんは、今後どのようなキャリアを歩みたいと思っていますか?


岩井:ADLの社員はそれぞれが自分の意志で活躍の幅を広げていくので、あくまで私個人の考えですが、これからは特に業界をまたいだモノの見方が重要になると思います。事業会社のプロフェッショナルに特定領域の知見の深さでは敵いません。だからこそ、業界を抜けた知見はコンサルタントとしてお客様のイノベーション創出をご支援する際に求められるものだと感じます。

一次産業を元気にしたいという思いもあるので、将来はその方向性も探りたいです。ADLでは幅広くやらせてもらえることが魅力で、プロジェクトで養われる業界をまたいだ知見がお客さまの価値につながると思っています。


──ありがとうございました。最後にコロナ禍で就活に挑む学生へメッセージをお願いします。


岩井:就活中は能動的に活動の幅を広げてもらえればいいのかなと思います。コロナ禍の影響で情報源が減ってしまいやすい状況ですが、そこで一度立ち止まって、他の情報源や選択肢も考えることで、見えなかった世界が見えてくると思います。それが、入社後の納得感にもつながるのではないでしょうか。


赤山:大変なことも多いと思いますが、オンラインのメリットも必ずあるはずで、それを主体的に生かしてほしいです。スーツを着てわざわざ会いに行くのが面倒だったことも、オンラインなら30分だけ時間を取ってもらって話すこともできるようになりました。やる気がある人には、可能性が開かれています。うまく機会を広げてほしいなと思います。

▼「ADL解体新書」他の記事はこちら
・イノベーションを支援するからこそ得られるハードな経験、東大やVCへの出向も──ADL流、コンサルタント育成術に迫る【ADL解体新書vol.2】 ・業務時間だけじゃない、キャリアプランや成長のスピードも──ADLのコンサルタントに聞く、働き方の「裁量」とは?【ADL解体新書vol.3】

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