「若いうちから裁量を持って働きたい」「社会課題に向き合いたい」──そう考える就活生にとって、コンサルティングファームは魅力的な選択肢の1つだろう。その中でもNTTデータ経営研究所は、民間・公共の両領域を行き来しながらキャリアを積める、柔軟性と多様性に富んだフィールドを提供している。
今回は、そんな同社で働く佐々木氏と荒川氏にインタビュー。入社のきっかけから、印象的なプロジェクト、そして今後のキャリア展望まで、NTTデータ経営研究所ならではの魅力を深掘りした。
<目次>
●社会課題も、ビジネスも──「欲張りな志向」を満たせる場所
●32万件のデータ分析に初挑戦。未経験からの大仕事を支えた環境
●信頼ゼロからのスタート。クライアントと向き合い続ける中で学んだこと
●公共×民間の「越境」が、コンサルとしての地力を高める
●若手が自由に挑める文化。その背景にある「裁量」と「信頼」
●ライフイベントもキャリアも、自分らしくデザインできる
●目指すのは、「頼られる存在」と「地域を支える仕掛け人」
社会課題も、ビジネスも──「欲張りな志向」を満たせる場所
──まずは、お2人の入社のきっかけを教えてください。
佐々木:学生の頃から社会課題に関心を持っていました。一方で、ビジネスの世界で自分の力を試したいという思いもありました。民間と公共、どちらかを選ばなければいけないと考えていたのですが、就職活動中にNTTデータ経営研究所に出会い、「どちらもできる場所がある」と気づいたのです。
最終的に決め手となったのは、人の雰囲気と組織のサイズ感、そして自由度の高さでした。同業のコンサルティングファームや政府系金融機関も受けましたが、選考の中で出会った当社の社員の人柄が、自分に一番しっくりきました。どなたもすごくよく考えて話している印象で、表面的にかっこいいことを言うのではなく、考え抜いた上で言葉を選んでいる感じがしたのです。
荒川:私が就活の軸にしていたのは、社会課題と成長機会、グローバルな視点の3つでした。たまたま参加したボストンキャリアフォーラムでNTTデータ経営研究所の存在を知り、話を聞いていくうちに「ここだ」と直感的に思いました。
その場でカジュアル面談を受けて、構えすぎずに自分の言葉で話せたことをよく覚えています。説明を受けた中で、「やりたいと言えば任せてもらえる文化がある」という点に特に惹かれました。
──他のコンサルティングファームとの違いは、どういった点に感じましたか?
荒川:大手ファームのように、若いうちは決まった役割に徹するというよりも、やる気があればいろいろ挑戦できる環境だと感じています。また、公共と民間の両方に関われる点も珍しくて。社会にインパクトを与える仕事をしつつ、コンサルタントとしての専門性も深められる環境に魅力を感じています。
32万件のデータ分析に初挑戦。未経験からの大仕事を支えた環境
──印象に残っているプロジェクトについて教えてください。
荒川:2年目に経験した、薬剤師確保に関する調査研究の公共案件が印象に残っています。このプロジェクトは、薬剤師不足の現状を踏まえて、今後どうやって確保していくかという施策を検討するためのものでした。
特に大変だったのは、プロジェクト体制が、上司と私の2人だけという少人数での体制だったこと。少人数であることはわかっていて、それでもチャレンジしたくて手を挙げたのですが、業務経験の少ない2年目で、特にデータ分析に関してはほとんど知識がない状態だったので、キャッチアップしながらプロジェクトの作業を行う必要がありました。32万件という膨大な量のデータを扱う必要があったのですが、マクロなどを利用した分析手法も1から学びながら対応しなければならなかったのは大変でしたね。

荒川 悠佳(あらかわ ゆうか):ライフ・バリュー・クリエイションユニット シニアコンサルタント
2021年に新卒として入社。入社後1年間は民間企業向けの業務変革支援などを担当。2022年より現ユニットへ異動し、健康・医療・介護・福祉(こども)分野を中心に、官公庁・自治体・病院向けの調査研究、制度設計、伴走支援など複数テーマの案件に携わっている。
──未経験の業務にどのように対応していったのでしょうか?
荒川:上司のサポートのおかげで、無事にプロジェクトを進められました。最初のうちは、データをどう扱うかばかりに気を取られてしまい、調査の本来の目的を見失いそうになることもありました。
しかし、上司が丁寧にレビューをしてくれて、ただデータを処理するのではなく、「この分析結果をどう伝えるべきか」「クライアントにとって意味のあるアウトプットとは何か」という視点を教えてもらえたのが大きかったです。レビューを重ねる中で、徐々に全体像を見渡せるようになり、調査結果をどう施策につなげていくかを意識できるようになりました。
──業務を通じて得られた気づきはありますか?
荒川:医療や福祉の分野における課題が、データの中から具体的に見えてきたことで、より人や地域に寄り添いたいという思いが強まりました。この案件の他にも、介護や医療費削減に関するテーマなど、関心のある領域を幅広く担当させてもらっていて、自分の志向に合ったキャリアを描ける環境だと実感しています。
信頼ゼロからのスタート。クライアントと向き合い続ける中で学んだこと
──佐々木さんが印象に残っているプロジェクトについて教えてください。
佐々木:製造業のクライアントに対して、新規事業の立ち上げや、それに伴う組織づくりを支援するプロジェクトが印象に残っています。
大変だったのは、最初は私の話が先方になかなか響かなかったことです。それまでは外部の情報をもとに示唆を出すようないわゆる「調査系」の仕事が多かったのですが、この案件では、そうしたアプローチではなかなかクライアントに響く話ができませんでした。「世の中ではこういう事例があります」といった話に対して、「うちは違う」という反応が返ってくることが多かったのです。
──外部事例がそのまま通用しなかったのですね。
佐々木:はい。そういった状況で、どうすればクライアントに響く話をできるかを模索しながら進めていきました。その企業が歩んできた歴史や文化、今直面している課題を丁寧に把握し、現場で何が起きているのかに寄り添いながら、「だからこそ、こうした方がいいのでは」と伝えるようにしました。
試行錯誤の連続で、あるアプローチでうまくいかなければ、別の角度から試してみる、というのを繰り返していく中で、相手の反応が変わっていくのを感じました。そうした試行錯誤の中でクライアントから少しずつ信頼していただけるようになり、道が開けていったように思います。

佐々木 俊哉(ささき としや):ビジネストランスフォーメーションユニット マネージャー
2019年新卒入社。民間・官公庁双方のコンサルティングを経験し、2021年以降は民間企業向けのプロジェクトに注力。組織開発、サービス開発、人事制度設計を専門とし、2025年7月からはマネージャーとして各種プロジェクトをリード。
──コンサルタントとしての姿勢が問われる場面ですね。
佐々木:そうですね。ただ情報を提供するだけでなく、クライアントの中に深く入り込んで、相手の立場に立ったアプローチを根気強く続けることの重要性を学びました。こうした経験が、今も他の案件に活きているように感じます。
公共×民間の「越境」が、コンサルとしての地力を高める
──お2人とも公共と民間の両方の案件を経験されているとのことですが、それぞれどのような違いがありますか?
佐々木:一番の違いは、やはり案件のスピード感です。民間案件では仮説構築、調査、示唆出しといった一連の流れを短期間で回すことが求められる一方、公共案件では長い時間をかけて綿密に調査することが求められます。また、民間案件と比べて公共案件は関係者が多く合意形成が難しいため、資料の表現や調整面において、より丁寧に進める必要があります。最初はその違いに苦労しましたね。
荒川:私は最初に民間案件を経験した後、公共の医療・福祉系の案件に入ったのですが、関係者の多さや報告書の重みが全然違っており、最初は戸惑いました。公共案件は最終的に省庁や自治体の資料になることが多く、表現の一つ一つにも注意が必要です。
でも、そうしたプロセスを経験することで、丁寧に詰めていく力が鍛えられました。
──異なる環境を行き来することで、得られた力はありますか?
佐々木:公共案件は複数のプロジェクトを並行して取り組むことが多く、またさまざまな立場の関係者を調整することが求められるため、マルチタスク力や合意形成力が鍛えられます。一方、民間案件はクライアントとの距離が近く、短期間で成果を求められるので、スピードと実行力が求められます。両方を経験することで、コンサルタントとしての対応力が間違いなく上がると感じます。
──会社としても、公共と民間の行き来は一般的なのでしょうか?
佐々木:基本的には公共案件専任や民間案件専任のような固定された体制ではなく、興味やタイミングに応じて、両方の案件に取り組むことができるのが特徴です。民間部門と公共部門の両方を持つ会社は多数ありますが、1人のコンサルタントが公共案件と民間案件の両方を担当するのは、業界的にはかなり珍しいと思います。
──そのようなスタイルだからこそできることもあるのでしょうか?
佐々木:例えば、公共のプロジェクトの中で民間のステークホルダーが出てきたときに、その会社と個別に関係性を築けます。また公共の文脈で描いた構想を、今度は民間企業に対するコンサルティングとして具体化していく、というような動きも可能です。
実際にそうした形で成果を出している先輩社員もいて、「これは当社ならではの形だな」と感じています。
荒川:私も民間と公共を両方経験していますが、どちらの視点も持っていることで、プロジェクトの幅や視野が広がる実感があります。関心のあるテーマに応じて、柔軟にアサインしてもらえるのもこの会社の良さだと思います。

若手が自由に挑める文化。その背景にある「裁量」と「信頼」
──若手の働き方について、どのような自由度を感じていますか?
佐々木:若手でも提案活動ができるという点は大きいと感じます。「こういうクライアントにこういう提案をしたい」といった場合に、「若手だから」とそれを咎められることはなく、自由に取り組むことができます。また、自由に、そして豊富に情報発信の機会がある点も当社の特徴だと思っています。自分で考えた内容を自分の名前で世に出していける環境があるのは、大きなやりがいにつながっています。
──そうした自由度は、業務の進め方にも表れていますか?
佐々木:はい。もちろん成果が求められるのは前提ですが、日々の業務も比較的裁量が大きくて、自分でスケジュールを組み立てながら進められます。また過度に短期的な成果を求められることはなく、一定程度中長期的な視点での挑戦も尊重してもらえます。
──若手が挑戦できる背景には、どのようなカルチャーがあると思いますか?
佐々木:「人を信頼する」というカルチャーが根付いているからだと思います。年次に関係なく、まずは任せてみようという空気があるので、自然と「自分から動こう」という意識が芽生えます。もちろん、困ったときには上司や先輩がしっかりサポートしてくれる安心感もあるので、挑戦しやすいんです。

ライフイベントもキャリアも、自分らしくデザインできる
──働き方や制度面で、貴社ならではの特徴を感じることはありますか?
佐々木:私は2023年の4月から半年間、育児休業を取得しました。男性でそれだけ長く取るのは、業界でも珍しいのではないでしょうか。復帰後もスムーズにプロジェクトに戻ることができましたし、自分のペースでキャリアを構築していける環境があると実感しています。
荒川:私自身はまだ結婚や出産などのライフイベントは経験していませんが、社内には産休・育休を取得してその後もマネージャーなどの管理職として活躍している女性社員が多くいます。社員の半分が女性ということもあり、こうなりたいなと思えるような人が多いです。明確なロールモデルというより、「こんな働き方もあるんだ」と自然に思える環境ですね。
──働き方に対する自由度も高いのでしょうか?
荒川:自分がどれくらい働きたいかも含めて、かなりの部分が個人の裁量に任されています。クライアントに貢献するという前提のもとで、大きな成長のために100%コミットしたいという人や、生活との両立のためにバランスをとる人など、多様な働き方の人がいます。
例えば、「今日は子どものお迎えがあるのでこの時間で失礼します」というような働き方も自然に受け入れられています。
佐々木:成果物さえきちんと出せていれば、働き方のスタイルについてとやかく言われることはほとんどありません。それぞれの事情に合わせて柔軟に働けるというのは、この会社の大きな魅力だと思います。

目指すのは、「頼られる存在」と「地域を支える仕掛け人」
──最後に、お2人が今後描いているキャリアについて教えてください。
荒川:私は医療や福祉の領域に引き続き関わっていきたいと考えています。特に地域医療や地域包括ケアのような、制度と現場が密接につながるテーマに関心があります。これまでは調査研究などが中心でしたが、今後はクライアントに直接提案をし、プロジェクトをリードするマネージャーのような立場を目指したいです。
──既に関心領域を深めながら、次のステップを見据えているのですね。
荒川:自分が社会人として何を大事にしたいかを考えたときに、「地域に必要とされる人でありたい」という気持ちが強くあります。調査・分析にとどまらず、実際に政策提言や仕組みづくりにも関われるようになりたいです。
佐々木:私は組織や人材領域に特に興味があります。今までもそういったテーマを扱うことが多かったのですが、今後はクライアントにとって「このテーマであればこの人に頼めば何とかしてくれる」と思ってもらえるような存在になりたいと考えています。
──「頼られる存在」というのは、どのような意味合いですか?
佐々木:例えば組織改革や人材開発といったテーマは、定型的な解がない分、相手の状況に応じた柔軟な対応が求められます。そうした中で、「一緒に考えてくれる人」「本音で話せるパートナー」として信頼されることが、コンサルタントとしての価値だと思っています。そのためにも、専門性を高めつつ、対話を大切にする姿勢を今後も大事にしていきたいです。

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