「東大法学部卒」という経歴から、当初は官僚や法曹界への道を進むものと考えていました。しかし、水谷優香氏が選んだのは、創業後、間もないベンチャー企業から大手企業までを支援する、リブ・コンサルティングというコンサルティングファームだった。
「”100年後の世界を良くする会社”を増やす」という壮大なミッションを掲げ、クライアントの戦略を描き、一方では泥臭いことも厭(いと)わず現場まで入り込む。そんな徹底した現場主義を貫く同社。入社から3年、新卒では最年少でマネージャーに昇進し、産休・育休を経て復職したばかりの彼女に、リブ・コンサルティングでしか得られないキャリアの行方について聞きました。
<目次>
●「配属ガチャ」のリスクは取れない。逆算から導き出した民間企業への道
●「現場を視る」のではなく「現場に入り込む」。他社の5倍の経験を積む若手期
●ベンチャー支援で見えた「真実の瞬間(売れる瞬間)」。仮説検証と実行のサイクル
●ベンチャーの常識が通用しない。大手企業支援で学んだ「大きな組織を動かす」の本質
●最年少マネージャーへの昇進。遠いゴールが、目の前の試練を「通過点」に変える
●「11個のマインド」と「おせっかいな先輩」。野心を支え、引き上げるカルチャー
●変化の激しい時代に、自ら「切り拓く力」を鍛えてほしい
「配属ガチャ」のリスクは取れない。逆算から導き出した民間企業への道
──水谷さんは東大の法学部出身ですよね。当初官公庁や法曹界を検討されていた中で、なぜ民間企業、それもコンサルティング業界を選んだのでしょうか。
水谷:転機になったのは、就職活動を始めて半年ほど経った大学3年生の冬の帰省でした。私の実家は愛知の農家なのですが、親から「農繁期は手伝いに来られる?」と聞かれたんです。そのとき、農業や土地という世襲による期待や制限はまだあるのだと痛感しました。
私には弟がいるのですが、いつか弟の子どもが就職活動するときに、同じことで悩まなくても良い世の中にしたい。それが私の原動力になりました。45歳、遅くとも50歳になるまでには実家の近くで、農業に関する事業や仕組みを形にしたい。そのゴールから逆算したとき、官公庁という選択肢は消えました。
──官公庁であれば、むしろ政策面から業界を変えられるようにも思えますが、なぜ避けたのですか。
水谷:自分の意思でコントロールできない「配属ガチャ」のリスクが大きいと考えたからです。公務員の場合、例えば農林水産省の希望するような部署に行けるとは限りません。自分の立てた時間軸の中で確実に力をつけ、事業を動かせる立場になるには、どこに行くか分からない不確実性は許容できませんでした。何十年もかけて組織の階段を上るよりも、民間企業で「売り物を作り、売り方を作り、組織を広げる」という企業の成長過程をゼロから学ぶ方が、私のやりたいことに間に合うと考えたのです。

水谷 優香(みずたに ゆか):株式会社リブ・コンサルティング
エンタープライズ事業本部 マネージャー
東京大学法学部卒業後、2020年にリブ・コンサルティングへ新卒入社。
ベンチャー企業とエンタープライズ企業の事業開発・マーケセールス領域を中心に、複数業界で多数のプロジェクトを担当。
早くから社内表彰を複数回受賞し、2023年より同社最年少でマネージャーに就任。産休・育休を経て復職し、現在はエンタープライズ領域の支援に従事。
──その中でも、リブ・コンサルティングを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
水谷:社会変革と事業創出の両立ができる環境を探してコンサルティング業界を見ていましたが、多くのコンサルティングファームは、大手企業の既存事業に関するご支援が中心でした。一方当社は、まだ仕組みが整っていないベンチャー企業を支援し、かつそこから対価をいただき、事業として成立させていました。
「企業が成長する過程に並走したい」という私の志向を、面接の過程で、会社側が深く汲(く)み取ってくれたことも大きかったですね。企業の成長ライフサイクルに最も深く関われるのはここだと確信しまして入社を決めました。
実際に入社した後も、ベンチャー企業向けの支援ができる部門への配属を提案してくれました。
「現場を視る」のではなく「現場に入り込む」。他社の5倍の経験を積む若手期
──「コンサル」と聞くと、綺麗なスライドを作って提言するイメージを持つ学生も多いと思います。リブ・コンサルティングの支援スタイルは、他社と何が違うのでしょうか。
水谷:私たちが大切にしているのは、言葉通りの「現場主義」と「成果主義」ですが、踏み込み方はかなり独特かもしれません。当社の目指す「現場主義」は、単に現場の方にインタビューをして現状を把握するようなレベルではないのです。
例えば、営業支援のプロジェクトであれば、クライアントと同じ画面を見ながら議論するのはもちろん、ときにはクライアントの名刺を持って実際に営業現場へ繰り出します。現場の一機能として動けてしまうほど深く入り込むからこそ、経営陣すら気づいていない「現場の真実」が見えてくる。そこまで「入り込む」のが当社のスタイルです。
──若手のうちから、そこまで経営に踏み込んだ議論ができるのはなぜでしょうか。
水谷:当社には若手が圧倒的な成長スピードで知見を溜められるような構造があります。多くの大手コンサルでは1人が1つのプロジェクトに100%の稼働で入り込みますが、当社では若手のうちから案件の性質や規模に応じて同時に2〜5個(合計100%)のプロジェクトを並行して担当します。
そのため、他社の5倍の事例を見ることができ、知見の集約が圧倒的に早いんです。実際、私も2年目の後半には自分のノウハウをセミナーで語り、案件を受注できるレベルまで到達していました。「成果のために今、何をすべきか」を問い続け、必要であれば初週でプロジェクト設計をガラッと書き換える。そんなヒリヒリするような決断を何度も繰り返すことで、視座が強制的に引き上げられるのです。
ベンチャー支援で見えた「真実の瞬間(売れる瞬間)」。仮説検証と実行のサイクル
──具体的には、どのようなプロジェクトを経験してこられましたか。
水谷:印象に残っているのは、教育系SaaSを展開していたベンチャー企業の支援です。素晴らしいプロダクトをお持ちでしたが、ターゲットへの売り方が分からず、事業が停滞している状態でした。
そこで我々は、学生インターンにプロジェクトに入ってもらい、全国のターゲットに対して徹底的なヒアリング調査を行いました。そこで見えてきたのは、直販モデルの限界です。その業界にはすでに深く入り込んでいる既存の教材会社やシステムベンダーが存在しており、彼らを「代理店」として巻き込むモデルの方が、圧倒的に顧客へのリーチが早いという仮説に辿(たど)り着きました。
──戦略を描き、その後の「実行」はどうされたのですか。
水谷:ベンチャー企業に圧倒的に足りないのは「時間」です。ですから、私たちがその時間を泥臭く動くことで補完しました。代理店開拓のためのリストを作り、電話をかけてアポイントを取る。実際に動きながら「100件のうち2件反応があるターゲット」と「0.1件しか反応がないターゲット」を高速で見極め、PDCAを回し、ターゲットへのアプローチの確度を高めていきました。
結果として、構築した代理店モデルによって売上は大きく伸長し、事業計画の数字をしっかりと達成することができました。その実績が裏付けとなり、最終的には次のステップへの資金調達も成功させることができたのです。アドバイスをする「先生」ではなく、CxO(Chief × Officer)のような立場で、共に泥にまみれて成果を創り出す。これこそが私たちの支援の真骨頂だと感じた事例でした。

ベンチャーの常識が通用しない。大手企業支援で学んだ「大きな組織を動かす」の本質
──現在はエンタープライズ(大手企業)支援をされていますが、ベンチャー支援とは勝手が違うのでしょうか。
水谷:はい、実は大きな失敗も経験しました。ベンチャーの現場で「泥臭く成果を積み上げるシビアさ」を身につけた自負があったので、そのスピード感をそのまま大手企業に持ち込んだのです。ベンチャーなら「明日からこれをやりましょう」で済む話が、大手企業では全く通じませんでした。
自分の提案が面白いように「滑る」のを目の当たりにして、愕然(がくぜん)としましたね。そこで学んだのは、大手企業特有の「根回し」の重要性です。
──「根回し」というとネガティブなイメージも先行しますが、水谷さんの捉え方は違いますか。
水谷:捉え方はまったく異なります。大手企業における根回しとは、組織を動かすための「丁寧な合意形成」そのものです。どんなに正しい戦略も、現場や関係部署の理解が得られなければ形になりません。
「今、この人に話を通しておかないと、半年後の決裁で止まってしまう」という力学を読み解き、先手を打って関係性を築いていく。ベンチャーで培った「実行力」に、この「組織を動かす調整力」が加わったことで、コンサルタントとしての守備範囲が格段に広がったと感じています。
最年少マネージャーへの昇進。遠いゴールが、目の前の試練を「通過点」に変える
──水谷さんは新卒入社からわずか3年でマネージャーに昇進されています。圧倒的なスピード感の裏には、どのような意識があったのでしょうか。
水谷:私は「将来、農業に関する事業をやる」という、今の自分には到底届かない、遠いゴールを置いています。そうすると、目の前のプロジェクトで成果を出すことも、社内で評価されることも、すべてそのゴールへ到達するための「通過点」に過ぎません。極論を言えば、手前でどう見られようが「どうでもいい」と思えるほどに、常に先を見据えていました。そんな中で私が念頭に置いていたのは「ネクストバッター意識」です。
──ネクストバッター意識ですか。
水谷:「先輩の下に留まる理由はない」と本気で思っていましたし、「先輩がもし倒れたら自分が代わりにやってやるぞ」というくらいのテンションで常に準備をしていました。チャンスがあればいつでも自分が打席に立つ。そうやって自ら機会を取りにいったことが、結果的に最速の昇進に繋がったのだと思います。

──現在は産休・育休を経て復職されました。コンサル業界でのキャリア継続に不安はありませんでしたか。
水谷:実は、早くマネージャーに上がりきり、「量」ではなく「質」に責任を持つのが最大の生存戦略だと感じています。メンバーのうちは、資料作成や議事録といった「物量」で勝負する側面がどうしても強くなります。しかし、マネージャーになればプロジェクト全体の「品質」に責任を持つ立場になり、時間の裁量権が飛躍的に高まります。
私はマネージャーになってから産休に入ったので、復職後も同じ立場で戻ることができました。物量ではなく品質で価値を出すフェーズにいたからこそ、時間的な制約があっても会社と相談しながら、無理のない着地点を見いだすことができています。20代の貴重な数年間でさっさと力をつけ、役割を上げておく。それは、将来の選択肢を自分で守ることに直結するはずです。
「11個のマインド」と「おせっかいな先輩」。野心を支え、引き上げるカルチャー
──リブ・コンサルティングの社内はどのような雰囲気なのでしょうか。
水谷:「現場主義」「成果主義」のスタンスを支えているのは、社内に深く浸透している「リブマインド」という価値観です。これは単なるお題目ではなく、1on1の面談でも「いいね、ナイス集合天才」、「もう少し提案思考で考えられるといいかも」といった形で自然に言葉が飛び交うほど日常化しています。
社員の特徴を挙げるとすれば、「自ら道を切り開く人」と、驚くほど「おせっかいで面倒見が良い人」の集まりですね。
──「おせっかい」というのは、具体的にどういうことですか。
水谷:当社の先輩たちは、単に数字の目標管理をするのではなく、「あなたは将来(農業を)どうしたいんだ?」「そのために今、どんな経験が必要なんだ?」という視点で向き合ってくれます。
私が高いゴールを掲げて突っ走れたのも、部署を超えて先輩たちが相談に乗ってくれ、私の野心を尊重して引き上げてくれる環境があったからです。実力主義の世界ではありますが、根底には「仲間の志を応援する」という温かさがある。このバランスが最大の魅力だと思っています。
変化の激しい時代に、自ら「切り拓く力」を鍛えてほしい
──最後に、これから社会に出る学生たちに向けて、メッセージをお願いします。
水谷:これからは、非常に優秀なAIが台頭し、さらにAIネイティブな後輩たちがどんどん入ってくる時代になります。そんな中で生きていくために最も必要なのは、既存のレールを走る力ではなく、先頭を切って「ない道を切り拓く力」です。
リブ・コンサルティングには、まだ誰も手をつけていない領域でも「なければ自分が敷けばいい」と笑って挑戦できる仲間が揃っています。そして、会社と対立関係で考えるのではなく、お互いに提案し合いながら新しい働き方や価値を「共創」していける文化があります。
──「切り拓く力」を身につけると、どんな未来が見えるでしょうか?
水谷:社会環境がどう変わっても、自分がやりたいことを見つけ、それを実現できるだけの強さが手に入ります。私自身、当社で培った「現場を動かす力」があれば、将来どこへ行っても生きていけるという確信があります。
5年後、10年後の自分のために、一瞬一瞬を豊かに生きる選択をしてください。何があっても生き抜ける力をつけたいと思う方は、ぜひ当社の門を叩いてみてください。共に現場で汗を流せる日を楽しみにしています。

リブ・コンサルティング
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