ワンキャリア人気ライター4名がそれぞれの仕事観を語る「仕事は楽しいかね?」特集。2日目は、有名ブログ「トイアンナのぐだぐだ」でおなじみ、トイアンナ氏の記事をお届けします。
こんにちは、ワンキャリ編集部のトイアンナです。
『仕事は楽しいかね?』というベストセラーになった書籍があります。物語の主人公は仕事が楽しくない、それはなぜか? を深めていく対話形式の自己啓発書です。
就活生のみなさんも採用担当者が語る夢のあるお話を聞かされる一方、「仕事なんて楽しくないよ」「同じようなスーツで満員電車に詰め込まれてさ」といった、労働のダークサイドを聞かされることもあったはずです。いったいどちらが本当なのか、ここからは下手な夢を見せることなく「仕事が楽しいか」を社会人目線でお話しさせていただきます。
さて、私は仕事が楽しいです。
楽しい理由は、仕事がそこにあるからです。
これまでに大手外資から日系ベンチャー、そしてフリーランスと幅広く働かせていただきましたが、どこも最高に楽しかったです。
私は比較的少数派かもしれません。ですので、「仕事は楽しくない、しんどい」というコメントを見るたびに、私はこういう方と働くのはチャレンジになるなと思いました。私が「楽しい」と快楽に感じていることが、苦痛に思われるのですから。
仕事は会議室で起きているんじゃありません
といっても私は労働基準法を無視してゴリゴリ働きたいわけではありません。効率的に働くことも仕事の重要な側面です。むしろいかに定時で切り上げて長期的に自分を成長させるかが仕事の醍醐味でもあります。
たとえば映画『プラダを着た悪魔』では、主人公が不慣れなファッション業界へ飛び込みます。怖い上司に振り回されて「こんなに頑張っているのに」と愚痴る主人公が、同僚から「君が何を努力したっていうんだ? そのダサい服装で?」とたしなめられて心変わりするシーンがあります。
仕事を切り上げるのは定時内でも全く問題ありません。言われた通りに資料を揃えるのが仕事の全てではありません。自分が成長するために何が足りていないかを考えて進むことが仕事の本質なのです。
もし私が「仕事は楽しい、お前もそうだろ?」と他人へ押し付けるだけの人になってしまえば、「家庭を蔑ろにし、チームを巻き込んで長時間労働を強いる悪徳社員」となってしまうでしょう。しかし本質的な働き方をするなら、自分の成長やチームのために業務やプライベートで何を改善すればいいか考えることが「仕事」となるでしょう。
たとえば、家庭は第二のビジネスです。いかに自宅を清潔に保ち、伴侶にやる気を起こしてもらい、長期的プランを策定するか。お互い死ぬときに「結婚してよかったね」と思えるか。ベンチャー顔負けの立派なビジョンがそこにはあります。ビジョンを達成するためのKPIや、日々の取り組みがあります。オフィスワークを優先させた結果家庭が蔑ろになっているのであれば広義の「仕事」が上手くいっているとはいえないのです。
苦しいのは大抵「仕事と関係ない部分」
それではなぜ、仕事がつまらないと感じられてしまうのか。あえて挙げるならば、私はその多くが、職場の人間関係に由来しているものと考えます。エン・ジャパンの調査によれば、退職理由の1位は「職場の人間関係」。本質的には仕事と関係ない部分で、人は「辞めたい」と感じているのです。
もちろん「上司や取引先とうまくやる」のは仕事のスキルとして重要な点ではあります。しかし、この人しかいないと思って結婚したはずの夫婦ですら1/3が離婚するのですから、いわんや付き合う相手を選べない職場をや……と合わない部分は認めねばなりません。
重要なのは「苦しさに耐えること」が働くことの本質ではないと理解すること。労働は『人間が自然に働きかけて、生活手段や生産手段などをつくり出す活動のこと』(広辞苑 第五版 p.2845)としか定義されていません。
労働は生活するための手段に過ぎないのですから、そこに楽しみを見つけてもいいわけです。私が例として挙げたプラダを着た悪魔の「成長」や、結婚してよかったと思える「感情」は、「仕事」から得られる楽しさの一部。極端な話、人から邪険にされることが好きなマゾヒストならブラック企業で楽しみを見つけたっていいのです。
仕事の「楽しさ」も「成長」も与えられない。勝ち取るのは自分
仕事がつまらないと思う人に伝えたいこと、それは、今の仕事から楽しみを見つける努力をしてほしいということです。
私がいっとき担当していた、「VIP顧客へ招待状を送る」業務がいい例です。
招待状はすでにテンプレートが決まっており、使用する画像も指定済み。自分が発揮するバリューは限られており、楽しみを見つけるのが難しい業務ともいえました。しかしそこに伴う時候の挨拶(例:花冷えの時節でございますが、ご家族の皆様にはますますご健勝のことと存じます)をマスターすることで、その後ライター・編集者としてメールを差し上げる際に「この人は丁寧だから」と普段は断る取材に応じていただける強みとなりました。
経費を計算する仕事は、将来自分が独立したときに経費削減の方針を立てる学びとなるかもしれません。「部長、部長代理、部長補佐、課長……」と延々続く印鑑スタンプラリーも、将来大手企業と取引する際に待たされる期間を予測するのに役立ちます。今「つまらない」と感じる業務が、いつどこで役に立つかは判らないのです。
人間関係が仕事のモチベーションを失墜させることにつながると先述しましたが、その対処法として「辞める」「しばらく耐えてみる」のどちらを取ったとしても、あなたにとって大きな学びとなることでしょう。自分がハイパフォーマンスを出せるのはどういう場所でどういう上司なのかという相性の理解が深まり、転職や異動を選んでも次こそは失敗しないはずです。
だからこそ「仕事はつまらない、どうすればいいんだ」と嘆く前にできることを考えてほしいと思います。
あなたは今、目の前にあるあらゆる業務を学びに変えることができますし、人生をより豊かにするために何ができるかを考えることができます。あるいは体や心が壊れてしまう職場から離れることも含めて、あなたが主体となり選んでいくこともできます。
仕事の楽しさはねだらず、勝ち取る。そうすれば今は無駄だと思ったことも、将来を形作ることになるでしょう。
参考:交響詩篇エウレカセブンの台詞より:「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」
【ニャート】「でも、仕事って結構ダルい」に100%賛成。その上で、超ネガティブな私がそれでも仕事に前向きにならざるを得ない話※こちらは2016年10月に公開された記事の再掲です。
【トイアンナ】楽しくない仕事なんかない!「成長させてほしい」とねだるな、勝ち取れ
【KEN】トマトジュースと私。ー仕事で「生きてる実感」を味わう3つのコツー
【熊谷真士】でも、仕事って全然ダルくないですよ?