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就活サイトトップ就活記事「成長したい人こそ、就職先はベンチャーでも大企業でもど...

「成長したい人こそ、就職先はベンチャーでも大企業でもどちらでもいい」。ベンチャー・大企業、両方を見た長塚氏が語る

大企業 ベンチャー メーカー 企業インタビュー
2017年2月13日(月) | 30,470 views
sponsored by JT(日本たばこ産業)

こんにちは、ワンキャリ編集部です。今回、ベンチャーから大企業へ転職し、現在JT(日本たばこ産業)の人事部で採用を担当している、長塚康介氏にお話を伺った。ベンチャーと大企業、双方の違いとは一体なんなのか、幅広くお話をお伝えします。

成長したい人こそ、就職先はベンチャーでも大企業でもどっちでもいい

ーー今日はお忙しいところありがとうございます。さて、早速ですが、今回はベンチャーと大企業のどちらも経験された長塚さんにお伺いします。最近は、学生が従来の大企業ではなく、成長を求めベンチャーに新卒で飛び込むことも多くなりました。ベンチャー、大企業のどちらも経験された長塚さんはこの選択についてどのように考えますか?

長塚:私は「どちらでもいい」というのが答えだと思います。ただ、個人的には「ベンチャーでしか成長できない」という人は考えが浅いように思います。

確かにベンチャーは人数に対して仕事量が多いので、仕事がどんどん降ってきますし、上司や同期から成長を求められる雰囲気があります。ただ、それに甘え、ベンチャーでしか成長できない、と考える人は「自分が周囲に頼らないと成長できない」と言っているようなものだからです。そのような他力本願なスタンスでは成長角度は絶対上がらないと思います。

ーーベンチャーの方が成長できる、という風潮に対して一石を投じる印象です。一方で、新卒でベンチャーに飛び込み、大企業とは比べものにならないぐらい早いスピードで成長、独立した人も実際に存在します。ベンチャーで成長できる人、大企業で成長できる人の最大の違いはなんだと思われますか?

長塚:ベンチャーであっても大企業であっても、圧倒的に成長できる人に違いはないと思います。そして、成長するための共通点は「自立・自律しているか」と「強い好奇心を持っているか」に尽きるのではないでしょうか。大企業で成長するためには、自分で仕事を作り出しにいく必要がある。自分で考えて、守備範囲を飛び出さないと面白くないし、成長角度をあげられない。このスタンスはむしろベンチャーよりも大企業で求められると思います。勿論、それを許容できるだけの企業風土であることが大前提ですが。

JT(日本たばこ産業) 人事部 新卒採用チーム課長 長塚康介 氏:
2010年4月JTに中途で入社。東京支社にて約3年間営業を経験したのち、2013年7月から本社のロジスティクスを担当。2016年10月からは新卒採用チームに携わる。前職はネット系ベンチャーにて営業職に従事。

日系企業が迫られる、「ベンチャー化」と「グローバル化」

ーー一般的な印象では、大企業は「自分で何かを生み出す」というよりは「与えられた仕事を堅実にこなす」という昔ながらのイメージを抱くと思います。実際のところはどうなんでしょうか。

長塚:勿論、大企業は中核となる既存事業を持っている会社が殆どですので、「堅実な仕事」というのは大切な要素の一つです。一方で、企業の成長を考えた場合、既存事業における破壊的イノベーションや新しい事業を創出していくことも必要ですので、「自分で何かを生み出す(ベンチャー的側面)」要素も欠かせません。具体例でいうと、JTが開発・販売している「プルームテック(※1)」という商品もその一例であると思います。また、企業が成長機会を求め、グローバル化を進めていく流れも当然だと考えています。

(※1)プルームテック:加熱式たばこ。従来の商品よりもたばこ特有の臭いがつきにくく、灰も出ない

大企業にいく楽しさは「ドローンをつくる側」ではなく、「ドローンを使う側に回る」面白さ

ーーところで、ベンチャー志望者の中には「最新のテクノロジーに触れたい」という人も多いと思います。例えば、最近ではAIやDeep Learningの分野に関するベンチャーが注目されていますが、JTでの新規事業と、その他ベンチャーは性質が全く異なるのではないでしょうか?

長塚:まず、JTは「商品を作る会社」ではなく「価値を創造する会社」でありたいと考えています。そのために必要な技術が世の中に存在してなければJTが作る(または他社とアライアンスを組む)でしょうし、既にその技術が存在していれば、率先してそれを使う立場になると思います。例えば将来、ドローンによる無人のたばこ配送が行われる時代が来るかもしれませんが、その技術を自社で内製する可能性は少ないでしょう。特定の技術領域のみを極めたい人は、JTに限らず、日系企業よりテクノロジー系ベンチャーの方が向いているかもしれません。

多国籍チームの中で思い知った、自分と「グローバルスタンダード」の差

ーー日系企業のベンチャー的側面についてはよく分かりました。では次に「グローバル化」について伺いたいです。日系企業のグローバル化とは、どういうことでしょう?

長塚:国内市場が成熟する中、日系企業は「事業のグローバル化」だけでなく、「組織のグローバル化」を強いられています。それはHR領域(※2)ですらそうです。例えば、私の場合、スイス・イギリス・ドイツ・ギリシャ・ベラルーシ・ブラジル・エジプト・UAE・台湾などさまざまな国からジュネーブに集まったメンバーとHRに関する共同提案を行う機会がありました。JT・JTIのHRヘッドに対し、タレントマネジメント(※3)に関する提言を行い、一部の提案は実際にグローバルで導入を検討されています。

こうして、海外の人と共同する機会も求めれば与えられるのは、グローバルに展開している企業ならではの経験だと思います。

(※2)HR:Human Resource(人的資源)の略
(※3)タレントマネジメント:人財の能力開発等を通して職場の生産性を改善し、人財の意欲を増進させる仕組み作り

ーーなるほど。ベンチャー志望層の中には、グローバルに目がいっていない学生もいます。長塚さんも若い頃からいわゆる「グローバル人財」だったのでしょうか?

長塚:私、実は入社当時のTOEICは460点しかなかったんです(笑)。でもある時「せっかくグローバルで働くチャンスがあるなら活かさない手はない」と思って、当時の上司に聞いたんです。「海外案件はTOEICいくらあれば参加できますか」って。

860点というハードルを聞かされた時は驚きましたが、1年間で14回TOEICを受け続けたんです。そしたら最後にちょうど860点取れ、先ほどいったプロジェクトにチャレンジする機会を得ることができました。私はもともとグローバル人財なんかではないですよ(笑)。

ちなみに、TOEICの点数は、海外での仕事に全く意味を成しませんでした。言語以上に、自分のアイデンティティをしっかりと持ち、シンプルな英語でも自分の意思をきちんと伝えることの方がより重要だと学びましたね。

「今日親父さんの病院に行く日だろ」その一言で思い出した、職場の温もり

ーー観点を少し変えます。そもそも長塚さんがベンチャーから転職されたきっかけと、その中でも大企業であるJTに決めた理由は何だったのですか?

長塚:30歳で転職を考えたきっかけは2つありまして、1つは父親の病気、もう1つは子育ての観点です。前職のネットベンチャーは楽しかったし尊敬する人も多かったのですが、その時の私には、仕事と家庭、両方のバランスをとる実力がありませんでした。転職活動をする中で最終的にJTに決めた理由は、JTに入社している後輩から面白い会社だと聞いていたことが後押しになりました。

ーー実際に入社されてみてバランスの部分はどうでしたか?

長塚:限られた時間の中ではありますが、仕事においても家族に対しても、100%で向き合いやすい環境にはなったことは確かです。入社して間もない頃、こちらが何も言わなくても定時になると「今日、親父さんの病院に行く日だろ?」と、同僚が声をかけてくれたり、困ったときの「職場の温もり」みたいなものを感じました。結果的に父親の介護にも協力することができ、今は子どもの送り迎えが日々の日課になっています。だた、前職での経験もなくてはならないものでした。目の前の仕事にとにかくがむしゃらに打ち込むという経験は前職だったからこそできたことですし、当時のメンバーやクライアントとは今も仲がいいです。

「XXXマン」がいないところが、多種多様な人が集まっている証左

ーーなるほど。次は人事の視点を伺います。第三者から見ていると、JTは新卒で優秀な方が集まっている印象を受けますが、JTが人を惹きつける魅力を人事から見ると、なんだと思いますか?

長塚:中にいるとよく分かりませんが、一つ挙げるとすれば「JTらしさ」が明確に定められていないところでしょうか。銀行マン・商社マンという言葉はありますが、「JTマン」という用語はありません。ロジカルモンスターもいれば、哲学者タイプ・アーティストタイプ・寅さんみたいに男気溢れた人もいます(笑)。1つの人種に偏ることなくいろんなタイプの人間がいるので、素を出しやすいところが居心地の良さに繋がっているのかもしれませんね。

たばこを吸い始めた理由は「親父の死」

ーー不思議なのは、「たばこ」という商材についてです。たばこは、時折議論を呼ぶ商材でもありますが、長塚さんはたばこに対してどのようなイメージを持っていますか。

長塚:実は私、もともとはたばこを吸わなかったんです。一方、父は大の愛煙家で、亡くなる直前までセブンスターを美味しそうに吸っていました。最後の言葉が祖母に「セッター取って」ですから(笑)。その後、葬儀の時には父宛に大量のセブンスターが届けられました。式の後葬儀場で、棺桶に入りきらなかったセブンスターを一人で吸ってみたんです。その時、たばこが美味しく感じられて……。なんとも言えない感情でした。

ーーなるほど、たばこにはご家族への思い入れがあるわけですね。

長塚:はい。でもJTで働く上で喫煙者である必要はありません。「嗜好品としてたばこをとらえ、真正面から向き合うことのできる」人であれば十分働ける会社だと思いますよ。実際に非喫煙者の社員もたくさん働いていますから。

ーー最後にワンキャリアは数十万人の未来を担う若者が見ています。彼らに対してメッセージをいただけますか。

長塚:みなさんが悩んだ末に決めた企業であれば、それが一番だと思います。入社後に、自分の決断に対して「これで良かったんだ」と納得感を持つ就活を送ってほしいと思います。応援しています。



<JTインタビュー:一覧>

#01:ブランドマネージャーに必要なのは「数千億円の商品を管轄する」経営者の視点。JTマーケティング戦略部:久野新吾氏インタビュー

#02:「成長したい人こそ、就職先はベンチャーでも大企業でもどちらでもいい」。ベンチャー・大企業、両方を見た長塚氏が語る

#03:「働きやすい企業」とは虎ノ門の会社に行ってみた―編集長の訪問


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