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デジタル×リアルで「一人ひとりのBeauty Wellnessに向き合う」──資生堂が進めるDXの正体

企業理解 企業インタビュー インタビュー メーカー 日系
2021年4月27日(火) | 10,168 views
sponsored by 資生堂

美容領域で起こるIT革命「ビューティーテック」。

美容業界といえば、百貨店でのきめ細かな接客や感性に訴えかける大規模広告など、アナログなイメージを持っている方も多いかもしれませんが、新型コロナウイルスの影響もあり、近年は「バーチャルメイク」など、デジタル領域の施策に各社が注力しています。


日本発のグローバルビューティーカンパニーである資生堂もその1社。今回はCDO(チーフデジタルオフィサー)のスギモトさんへのインタビューに引き続き、同社のデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みについて、2021年3月にリニューアルしたばかりの肌測定アプリ「肌パシャ」の開発を手がけた増田さん、2019年新卒入社の宇井さんに話を伺います。

AI(人工知能)などの先端技術を駆使したプロジェクトを展開する一方で、彼らが大切にしているのはあくまで「人の心」だと言います。一体、どういうことなのでしょうか。

人、場所、そしてデータ。デジタル施策に必要なあらゆるアセットがそろっている

──本日はよろしくお願いします。まずは増田さんの現在のお仕事から簡単に教えていただけますか?


増田:私は2019年に資生堂に入り、今は美容にまつわるテクノロジーを使ったコンテンツの開発をしています。AR(拡張現実)を使ったメイクアップシミュレーションや肌測定ですね。

昨今は新型コロナウイルスの影響もあり、デジタルコンテンツの重要度は増しています。デジタルとリアルの両方を行き来しながら購買する、そんな「オムニ体験」を推進しようという動きが資生堂内で強くなっているように感じますね。


──増田さんは前職ではアパレルのEコマースに関わられていたと聞いています。資生堂に転職されたのは、どのような理由からでしょうか?


増田:私は新卒で楽天に入ってWebサービスの立ち上げや運用を経験して、その後ファーストリテイリングに転職しました。そこではレコメンド機能の刷新やEC内での購入体験の向上に携わっていました。資生堂に来たのは、ECにおける伸びしろが大きいからですね。

洋服というのはZOZOTOWNなどが有名なように、ECが普及してきており、売り上げの比率(EC化率)も15%近くまで上がってきています。一方で化粧品・医薬品はまだ6%程度です。中でも化粧品のECには「肌に塗ってみないと効果が分からない」という大きなハードルがあるのですが、それを新たなテクノロジーで変えられるのではないか、と挑戦したくなりまして。


──化粧品を扱う会社の中でも、資生堂を選んだ決め手はありますか?


増田:データや資産がそろっていることですね。特にビューティーコンサルタント(BC、美容部員)の存在が大きいです。デジタル施策と言ったときに「ECで購入する」だけでなく、店頭で行われるBCのカウンセリングにデジタルを絡ませることだってできる。デジタルとリアルを組み合わせた、さまざまな施策ができそうだと感じました。

また、資生堂のブランドを横断する形で「ワタシプラス」という会員組織を所有していることも大きなポイントです。マーケティングでは、お客さまの要望に応えて追加で購入してもらうクロスセルやワンランク上のブランドや商品に切り替えてもらうアップセルという考え方がありますが、「ジェネレーションセル」のようなことが起こせるんですよ。


──ジェネレーションセル、ですか? どういうことでしょう。


増田:化粧品は世代によって使うものが変わっていきます。例えば、20代は若年層向けのブランドを使用していたお客さまが、年齢が上がると、もう少し価格帯の高いブランドへと移っていく。そういうときに、別ブランドの商品を勧めるようなコミュニケーションもできるのです。


──それは面白いですね! 確かにブランドごとに会員のデータが分かれていると、消費者の行動をつないでいくのは難しそうです。


増田:データがつながっている、蓄積されているということが、最終的にお客さまの生活や人生に寄り添うことにつながっていく。それが資生堂の強みだと考えています。

資生堂150年の歴史は、イノベーションを起こし続けてきた証し

──資生堂は2022年に150周年を迎える歴史ある大企業です。新たな取り組みを起こせるだけの可能性があることは分かりましたが、それを実行するとなると、意思決定のスピードなどの面で苦労しそうなイメージがあります。いかがですか?


増田:正直に言うと入社前は私もそう思っていましたが、いい意味で裏切られました。考えてみれば、何のイノベーションもなしに企業が150年も続くわけがないんです。その意味で、常にイノベーションを起こすだけの素地があるということに気付きました。

増田 卓矢(ますだ たくや):オムニエクスペリエンス推進部 テクノロジーコンテンツグループ
2008年、楽天に新卒入社。Webディレクターとしてサービス開発に従事。サービス運営、モバイル事業など複数の立ち上げを経験。2017年、ファーストリテイリングへ転職。オンラインサイトのサービス開発、UI/UX改善や商品検索・レコメンドエンジン開発を担当。2019年、資生堂入社。主にARを用いたバーチャルメイク、画像解析による肌測定などビューティーテックを用いたコンテンツ開発に従事している。


──イノベーションを起こす素地というのは、どういうものでしょう。


増田:「新しいことをやろう」というマインドが社員にあります。だから、意思決定については想像よりも大変さはなかったです。ただ、イノベーションというのは、新しいことを1回やって終わりではなく、それが日常にならなければ意味がありません。

例えば、「ライブ配信をやってみよう」と試してみるのは素晴らしいことです。しかし、最も大切なのは、それを継続的に行って、売り上げに結びつけていくこと。そこは、われわれもマインドチェンジが必要な部分だと考えています。


──マインドチェンジですか?


増田:CDOのスギモトが「Tailormade Experience(個人にぴったり合った体験)」と表現していますが、これからは派手なCMをドンと打つのではなく、デジタルで定常的にお客さまとコミュニケーションを積み上げることが売り上げにつながるのだ、という考え方が求められます。

例えば、ライブ配信をやった直後に商品が売れることも大切ですが、それを見たお客さまが2週間後に購入したっていいですよね? 「短期的には成果に結びつかなくても、長期的には効果があるかもしれない」という物事に対して、社員の認識や理解をそろえるというのは本当に難しいことなのです。

だからこそ、どのタイミングで、どういうコミュニケーションを受けたから購買につながったということを分析して、データを取っていく。地道な話だと思われるかもしれませんが、こういうことを続けなければイノベーションは起きません。


──ユーザーとの接点も買い方のバリエーションも増えたから、施策の効果が逆に見えづらくなっていると。


宇井:そうですね。継続的なコミュニケーションによってお客さまのエンゲージメントが上がり、ゆくゆくの購入につながった、という長期的な成果を測ることは重要であると同時に、難しい部分もあります。

資生堂にはまだまだつながっていないデータも多いのですが、お客さまの店頭での購買履歴、Webサイト上での行動・購買履歴、CRM(顧客関係管理)施策への反応データなどは一部紐(ひも)づいています。今後より一層データの一元化を図り、一人ひとりのお客さまのリアル・デジタル上での行動や、長期的な施策効果を可視化していくための環境を急ピッチで整えているところです。

デジタル領域に年齢は関係なし。1年目から「やりたいこと」ができるし、問われる環境

──宇井さんは、どのようなお仕事をされているのでしょう?


宇井:私はCRM運営グループに所属しており、デジタルを活用しながら資生堂に対する生活者のエンゲージメントを高め、長期愛用者の育成を図ることを主なミッションとしています。具体的には、資生堂のオウンドメディアである「ワタシプラス」を中心に、データマネジメントやCRMの企画運営を担当しています。


──宇井さんは新卒入社で3年目ですよね。就活でもデータ分析系の仕事に就こうと考えていたのですか。


宇井:そうですね。大学院では、ID-POSデータを用いた顧客の購買行動に関する実証研究をしていたので、その延長で自分のスキルを伸ばせる分野で働きたいと考えていました。同時に「人の心に活力を与えられるもの」に関わりたいと思っていて、資生堂ならそれが実現できると思いました。日本に本社があり、デジタル投資を加速させていたところもまた魅力的でしたね。

宇井 ありさ(うい ありさ):オムニエクスペリエンス推進部 CRM運営グループ
システム情報工学研究科卒業。2019年新卒入社。EC事業部にて総合美容サイト「ワタシプラス」のデータマネジメントを担当。現職ではデータマネジメントおよびワタシプラスやブランドのCRM関連業務に従事している。


──先ほど増田さんが、「資生堂にはイノベーションを起こす素地がある」とお話しされていましたが、宇井さんから見ていかがですか?


宇井:私も増田のように、入社前は「歴史ある日本企業独特のかしこまった感じの風土があるのかな」と思っていました。ですが、入社してみると、年齢や年次に関係なく意欲を持って手を挙げれば、若手でも話を聞いてもらえますし、新しいことにチャレンジできる環境だと感じています。


──そうなんですね。実際に宇井さんが自ら手を挙げてやった仕事はありますか?


宇井:入社1年目のとき、「Web上でのカスタマージャーニーをあまり見たことがない」という話を先輩から聞き、勉強を兼ねてではありますが、お客さまが初めてサイトを訪れてからどう購買に結びつくのかを可視化する、カスタマージャーニーマップを作りたいと話し、実際に作成しました。

これはお客さまの毎回の訪問での流入経路や閲覧ページ、購買内容などの情報を「Tableau」というツール上で顧客ごとに時系列で一元化したマップです。

膨大なデータがある上に初めて使うツールだったので、データ整理や連携、可視化の各過程でくじけそうになるタイミングもありましたが、周囲の先輩方に助けてもらいながら、完成まで持っていけたことで大きな経験になりました。また、そのマップを基に得た示唆が、現在のCRM業務にも生きています。


──1年目でも、そういうチャレンジができる文化なのですね。


宇井:自身が何をしたいのかを聞いてもらえる、やりがいのあって楽しい環境です。今後さらにチャレンジしていきたいと思います。

リリース4年目の決断、肌測定アプリ「肌パシャ」リニューアルの舞台裏

──増田さんはテクノロジーを使ったコンテンツの開発をしているとのお話ですが、どのようなプロジェクトがあるのか、具体例を教えてください。


増田:最近ではスマートフォンで肌測定ができるサービス「肌パシャ」のリニューアルを担当しました。以前はiPhoneでしか使えず、アプリをダウンロードする必要があったり、スマホをひっくり返して、ピントの合った肌の写真を撮影してもらったりと、気軽に使えるサービスではなかったと思っています。


──今回のリニューアルでどのような点が変わったのでしょう?


増田:肌分析って、精細な写真を撮影して、その写真を解析して肌の状態を判断するというようなイメージがありますよね? だからこれまでは、どうやったら細かい写真が撮影できるのか、どう解析すれば写真から潤いのデータが分かるのか、という技術的なアプローチで開発を進めてきました。

しかし、そもそもお客さまのスマホのカメラで撮影するわけですから、カメラの性能には限界があります。そこで開発のアプローチを変えることにしました。

資生堂にはこれまで店頭で撮影してきたものも含め、膨大な肌のデータがあります。そのデータを基に機械学習を用いて、肌の状態を推測するAI(予測モデル)を作りました。これによって、簡単な自撮りといくつかの質問に答えるだけで、肌の状態が分かるようになったのです。

──なるほど。解析の精密さを追求するのではなく、「予測の精度を高める」という方向にシフトしたと。


増田:Webアプリにしたことで、アプリをダウンロードする必要がなくなりましたし、撮影も以前より簡単になっています。使おうと思ってから誰でも1、2分で結果が見られるまでになりました。

店頭でも二次元コードを読み込むだけで簡単に肌測定ができますし、より多くの人が気軽に使えるサービスにできたと考えています。


──開発で苦労した点はありますか? どれくらい時間がかかったのでしょう。


増田:開発にかかった時間は半年くらいです。一番大変だったのは、資生堂の各所にある膨大なデータを集めるという作業ですね。各ブランドや店頭に拡散したデータを収集する必要がありました。研究所やマーケティングなど、あらゆるところに声をかけ、必要なデータを集めるのに3カ月くらいかかりました。

商品を通じてどうなりたいか? 人の「感性」を分析する新プロジェクト

──宇井さんも最新技術を使うようなプロジェクトに関わっているのですか?


宇井:はい。私が取り組んでいるプロジェクトの一つに「感性タグプロジェクト」というものがあります。資生堂のWebサイトに訪れたお客さまの閲覧履歴から、お客さまが何を求めているのかというインサイトを「感性」の側面から推測できないかチャレンジしています。


──「感性」の側面というのはどういうことか、詳しく教えていただけますか?


宇井:私たちはお客さまが、化粧品を通じてどうなりたいのかに注目しています。「リラックスしたい」「華やかになりたい」「爽やかな気持ちになりたい」など。

こうした感性を「タグ」として商品や記事に紐づけることで、一般的なECサイトで見られる「あなたへのおすすめ」からさらに一歩踏み込んで「リラックスしたいあなたへのおすすめ」などと、より文脈のあるおすすめができるスキームを構築しているのです。


──タグ付けはどうやって行われているのですか?


宇井:まずはレビューやSNSなどから情報を取得し、各商品にお客さまがどのような「感性」を持つのかを調べます。その後は肌パシャと同じく、AI(機械学習)を利用して予測モデルを作り、新商品が出たときに自動でタグが付くようにしています。資生堂の商品は膨大にありますから。


──それは面白いですね。ユーザーのニーズ把握にもAIを使うなんて。


宇井:技術を使うことが目的ではなく、目的はあくまでお客さまのインサイトを知ること。そのために新しい技術を利用するということを、私たちは大切にしています。


増田:こうしたプロジェクトは基本的に、お客さまが課題に感じていることの解決や購入体験の向上を議論する中で始まります。資生堂は生活者のアンケートや市場調査も常に行っていますし、ユーザー体験にまつわるワークショップも社内でよく開かれています。「あくまでユーザーが起点」という文化があるように感じますね。

リアルとデジタルの力を合わせれば、24時間ユーザーと向き合える──資生堂が目指す「人に寄り添うDX」

──こうした「ビューティーテック」やデジタルトランスフォーメーション(DX)で資生堂は何を目指しているのでしょう。


増田:「人々が美しさを通して、より幸福を感じながら生きられる社会を作る」ことですね。そのため、資生堂におけるDXはテクノロジーありきではなく、人の心を考えることだと思っています。

以前、DX推進部という名前の部署に所属していたのですが、実は僕は少し抵抗があって。DXを推進するわけではなく、推進するのはあくまでお客さまの体験の向上です。そこを忘れてはいけません。

体験という観点で言うなら、デジタル化は「Seamless(ライフスタイルに寄り添う)」「Ubiquitous(いつでもどこでも)」「Timely(必要なときに)」という3つを実現する力があると考えています。それがお客さまの感じる価値につながるわけです。


宇井:例えば、女性の社会進出が進んでいる今、仕事に子育てに奮闘し、なかなか自分自身の美に時間を割けないお母さんも多いのではないでしょうか。ビューティー業界のデジタル化は、彼女たちの「自分らしく美しくありたい」を叶(かな)えるための手助けになるものと考えます。

オンラインのナイトカウンセリングを使えば、昼間は仕事や子どもの世話でデパートに出かけられないお母さんが、子どもが寝たあとに落ち着いてBCに美容相談ができる。肌パシャを使えば、店頭へ行かずとも自身の肌を知ることができ、納得感を持って自分に合った化粧品が選べる。

このように、デジタルが持つ力を生かして、多様化する生活や心にいかに寄り添えるか、ということがDXで目指すところです。お客さまの生活や心に並走し、選び続けてもらえる会社になることで、競合との差別化につながると考えています。


──とはいえ、それを実現するのは難しそうですね。


増田:宇井の言うように資生堂が目指しているのは、お客さまの生活に寄り添うことです。昔上司が言っていたのですが、「お客さまが店頭で接客を受けるのは、1日のうちの30分や1時間くらいかもしれない。だけど、デジタルの力を使えば残りの23時間を補完できる」と。

睡眠時間や食事、いつスマートフォンを使っているか、など生活の様子が分かってくる。データがあれば、たとえ初めてのお客さまでもビューティーカウンセラーがより良いカウンセリングをできるかもしれない。そういうことをするためのデジタルでありたいですね。


宇井:そうですね。お客さまに「資生堂にならデータを託してもいい」と思ってもらえるようになりたいです。お客さまにとってのメリットがなければ、自分の大切なデータを預けたくないと思いますし。


──今はさまざまな会社がDX推進をうたっていますが、デジタル領域において、資生堂ならではの働く面白さはどんなところにあるのでしょう。


増田:オンラインでの肌測定やECのプラットフォーム、オフラインのBCの接客データや過去150年積み上げてきた美の知見など、当社はさまざまなアセットを持っているので、各々のデータがつながれば、究極の体験をお客さまに提供できる素地があるということに尽きますね。


──究極の体験とは、どのようなものを想像されていますか?


増田:最近はデジタル的なコミュニケーション施策がちやほやされている部分があると思いますが、お客さま視点で考えれば、それがデジタルだろうと、なかろうと関係ありません。「体験がいいこと」が全てです。

こんなことを言うと怒られてしまうかもしれませんが、ご高齢の方でデジタルになじみがない方に、デジタルでアプローチしても意味のないことが多い。だったら、僕は「手紙(ダイレクトメール)」をソリューションとして提案する人がいてもいいと思っています。

資生堂が競合他社よりもデジタル領域がすごく優位というわけではありません。だからこそ他社を追い越す必要があります。「自分が資生堂を成長させる」ような気概を持った方と一緒に働きたいですね。

デジタル投資が活発に行われている化粧品業界。中途入社組も増えている

──お二人のようにデジタル領域で働く人は、どのような出自の方が多いのでしょうか?


宇井:中途の方も多いのですが、バックグラウンドはさまざまですね。IT系の会社から来た方や人材領域から来た方、商社でデータ分析をしていたという方もいますし。元BCという方もいますよ。


増田:ここ数年で人材の多様性は一気に広がりました。化粧品業界がデジタル投資を活発にしていることや、ECでの伸びしろがあると感じてくる人が多いと思います。投資が多いということは、できることが広がりますし、自己実現にもつながります。


──どういった人が活躍している、活躍できると思いますか?


増田:T字型人材と言っていますが、デジタルのベースがあって、さらにデータ分析やWebマーケなど強い専門分野がある人ですね。


宇井:デジタルと一言で言ってもさまざまな分野があるので、専門外についても「何となく分かる」ということも重要ですよね。


増田:デジタル分野は新しい案件が多いので、正解がなく、業務フローも確立されていないことがほとんどです。だからこそ、最初に貪欲に領域を越えていくことで、経験値が高まるのではないでしょうか。


宇井:プロジェクトは外部のベンダーさんと協力して進めることも多々あります。正直、彼らに頼ろうと思えば、仲介役だけをやってやり過ごすこともできます。しかし、デジタル分野で活躍したいのであればそれではダメで、自分でもできる限り理解しながらやらないと成長はありません。


──ありがとうございました。では、最後に就活生にメッセージをお願いします。


増田:就職活動では、資生堂だけでなく、さまざまな会社がやっている施策を実際に試してみて、どんなことをやっているのか敏感にキャッチしてほしいです。それを体験してどう感じたのかとか、使わなくなってしまったのならどうしてだろう? とか。それを考えることが、新しい物事を生み出す力になるのだと思います。


宇井:この情勢の中で就職活動をするのは、本当に大変だろうと思います。ただ、改めて自分の就職活動を振り返ると、人生をどうしたいのか、その上でどのような仕事をしたいのかを考えるとても良い機会でした。就活生の皆さんにも、この機会に考え抜いて、いい経験にしてほしいなと思います。

就職活動中にリラックスしたり、気合いを入れたりしたいときに資生堂の商品やサービスが役立ってくれればうれしいです。頑張ってください。


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