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「コンサルか事業会社か」という悩みに第3の選択肢を。A.T. カーニーの「出向制度」で描けるキャリアとは

企業インタビュー インタビュー コンサル 外資系
2023年10月20日(金) | 6,390 views
sponsored by A.T. カーニー

コンサルティングファームで事業をアドバイスしていく仕事に携わるか、それとも事業会社で自ら事業の担い手になるか──。ファーストキャリアを選ぶうえで、「コンサルか事業会社か」という選択に悩む方も多いのではないでしょうか。

その二者択一に、「出向制度」という新しい選択肢を提示するのが、外資系戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーです。

一般的にはマイナスのイメージもある「出向」ですが、コンサルティングファームに在籍しながら事業会社を経験できるチャンスでもあります。特にA.T. カーニーの出向制度は、キャリアアップや成長の機会として活用されているというのです。


「迷っているならコンサルタントとして出向して、事業会社を経験したほうがいい」──。

実際に制度を活用して、事業会社や官公庁で経験を積んだA.T. カーニーのコンサルタント2人に、制度を利用した経緯や、出向先での業務、今後のキャリアプランなどについて話を聞きました。

<目次>
●入社前から「出向制度を利用したい」と思っていた
●個人のキャリアアップや成長のために出向制度がある
●異業種でもコンサルタントとして培ったスキルが価値となる
●出向を経験したからこそ、コンサルタントとして発揮できる価値がある
●出向先を経験して、それでもコンサルティングファームに残り続ける理由

入社前から「出向制度を利用したい」と思っていた

──お二人が出向制度を利用された経緯について教えてください。


松本:2019年にA.T. カーニーに新卒で入社し、さまざまなプロジェクトに参加してきました。ヘルスケアや製造業、金融業など幅広い業界で、その内容も新規事業立ち上げやオペレーションの最適化、M&A関連など多岐に渡っていました。

松本 直之(まつもと なおゆき):Senior Business Analyst。2019年に新卒入社後、幅広いプロジェクトに参画。4年目に1年間、社内制度を利用する形で金融系のスタートアップ企業に出向したあと、現在まで再びA.T. カーニーのコンサルタントとして大手素材メーカーの新規事業領域の策定、大手メーカーの防衛産業市場調査に携わってきた。


松本:ただ、新卒でコンサルティングファームに入社したので、事業会社の中身を完全に理解できていない部分もあったんです。「一度、事業会社で新規事業にチャレンジして、しっかり業務を理解してからコンサルティング業務に取り組みたいな……」とずっと思っていたところに、出向から帰ってきた矢野さんと同じプロジェクトになったんですよね。覚えてますか?


矢野:覚えてますよ。「出向ってどうなんですか?」って聞かれましたね。「少なくとも損することはないよ」と答えた記憶があります。

矢野 亮太(やの りょうた):Associate。大学で原子力・エネルギー工学を学んだあと、2017年に大手電機メーカーに新卒入社し、原子力発電所の設計およびプロジェクトエンジニアなどを担当。2020年にA.T. カーニーに入社し、社内制度を利用して、2020年に経産省で電気市場の監査や調査、2022年に衛星システム技術推進機構で世界の衛星分野の調査や政策立案支援と、2度の出向を経験してきた。


松本:「1回、挑戦してもいいんじゃないの」と話していただきまして。そこから出向制度の利用を考え始め、入社4年目の2022年3月から金融系スタートアップに1年間出向しました。


──出向先はどのように決まるのでしょうか?


松本:社内で定期的に出向者の募集があるんです。用意されたリストに、出向先の組織名や案件の内容、担当する役割、在任期間などが並んでいるので、挑んでみたい出向先を選んで申し込むことができます。


──有志で別の組織に赴くわけですね。「出向」といえば、ドラマの世界だと左遷みたいなネガティブな印象もありますが、全然違うんですね。


松本:希望できる出向先も官公庁からスタートアップまで幅広く、それぞれ出向者に求める職能など条件が定められています。応募者の中から選考で選ばれた人材が、実際に出向するという流れです。


──こういった出向制度は、他のコンサルティングファームにもあるものなのでしょうか。


松本:他のファームに勤める友達からは「充実しているね」と言われますね。他社の場合、そもそも出向制度がなかったり、あったとしても選択肢が少ないなどの理由で、制度自体が形骸化していたりするようです。


──矢野さんは、松本さんより前に出向を経験されていたわけですよね。


矢野:松本さんと話したのは1回目の出向から帰ってきたときですね。私は出向を2回経験しているんです。社内でもかなりレアケースみたいなのですが(笑)。

矢野:実はそもそも、A.Tカーニーには出向制度を利用するつもりで入社したんです。

前職は大手電機メーカーで原子力発電所のエンジニアをしていました。やりがいのある仕事でしたが、原子力という産業は国内外の政策や経営方針に大きく影響され、1人のエンジニアが貢献できる範囲は限られていると感じたため、政策や経営の領域に携わりたいとの思いから、転職を考えました。

転職先の候補として官公庁かコンサルティングファームを考えていたところに、A.T. カーニーでエネルギー案件に関わる方から「在籍中に経産省に出向した」という話を聞いたんです。コンサルティングファームに在籍しながら官公庁も経験できるのならと、A.T. カーニーに入社を決めました。


──出向するつもりで入社するなんて発想があるんですね。まさに一石二鳥のキャリアパスだったと。


矢野:そうですね。入社後は官公庁向けのプロジェクトなどを手がけたあと、実際に経産省に出向しました。

帰任後に電力や重電・電機関連の案件を手がけるなか、ここで宇宙関連事業に出会いました。2回目の出向では、一般財団法人衛星システム技術推進機構(ASTEC)にて、国の政策と宇宙関連業界の橋渡しをする仕事をしていました。A.T. カーニーには、つい先日戻ってきたばかりです。

個人のキャリアアップや成長のために出向制度がある

──「出向」という言葉に、ネガティブなイメージを持つ学生もいるかと思います。しかし、お話を聞いていると、お二人ともかなりポジティブに出向制度を使いこなされていますよね。


矢野:確かに、『半沢直樹』のようなドラマの世界をはじめ、出向には「会社から辞令が出て飛ばされるもの」という印象が強いですよね。

A.T. カーニーの場合は希望制なので、まずその前提が異なるわけですが、もうひとつ「出向先からの期待値が高い」というのも、うちならではの特徴でしょう。

出向先によって、解決したい課題はさまざまですが、重要なロールを任されたり、かなり高い目標が設定されたりしているプロジェクトがほとんどだと思います。どんな状況下でも「A.T. カーニーの人なら応えてくれる」という、先方からの厚い期待や信頼を感じますね。

松本:本当にそうですね。私も、常に意志決定を求められるポジションに就かせてもらえたので、毎日自分でかじ取りをしていく手応えがありました。ただの「サポート」「支援」という感じではないですね。


矢野:「経産省の矢野」として外に出る場もありましたよ。「この分野は矢野さんが一番詳しいから」と、600人ぐらい事業者さまが集まる場で説明を任されました。もちろん最終的な承認などは出向先の管理職の方になりますが、仕事に対する責任は自分にある環境で働いていました。


──出向制度を利用するにあたり、A.T. カーニーから離れて働くことに不安はありませんでしたか?


松本:特になかったですね。出向制度については事前に丁寧な説明がありますし、社内を見渡せば矢野さんのように経験者もたくさんいます。出向経験者の体験談を聞くミーティングも定期的に行われているので、出向後のイメージを持つこともできました。 

矢野:出向後は月1回の頻度でA.T. カーニー側との面談があり、人間関係で困っていないか、仕事内容は自分のニーズに合っているかなど、都度相談できる環境があります。出向先との間を取り持つ「スポンサー」と呼ばれる役割のシニアパートナーやディレクターなどがいて、彼らが窓口になってくれる体制です。


──でも出向した場合、その働きぶりを本社がつぶさにチェックするのが難しく、昇給や昇進に支障が出ないか心配です。社内からはどう評価されるのでしょう。


矢野:もともとA.T. カーニーの評価制度では、「このポジションからこのポジションまで順当に成長するには○カ月かかる」といった標準期間が定められています。標準期間に対し、今期はどこまで進んだかが評価されるわけですが、出向者の場合、その時計の針がいったん止まります。

一方で出向者は半期に一度、A.T. カーニーと出向先の担当者を交えた評価面談があり、A.T. カーニーで積み上げた実績と、出向中の評価を鑑みて、その期の評価が決まります。私の場合は面談で「次のレベルに達した」と評価されて、出向中に昇進を果たしました。


──出向から戻ったあとも、キャリアへの不安はなかったのでしょうか?


松本:むしろ出向がプラスに働くイメージですね。金融関連に出向していた学びを生かして、金融系のプロジェクトで価値を発揮できるわけなので。手持ちのカードが1枚増えた感覚です。


矢野:私はエネルギー開発と宇宙事業、2枚手に入れたことになりますね(笑)。


松本:従来の出向制度を弊社代表の関灘(せきなだ)が拡充したのは、社員のキャリア構築や成長のためだと聞いています。社内の人材を一時的に外に出すのは、会社にとって一種の「投資」です。A.T. カーニーの枠にとらわれない、「尖(とが)った個」を作るひとつのツールとして、出向制度があると理解しています。

異業種でもコンサルタントとして培ったスキルが価値となる

──改めて、お二人が出向先で担っていた業務とポジションについて教えてください。


松本:金融系スタートアップで、新規クレジットカード業務のオペレーション構築に携わっていました。クレジットカードには、決済をはじめ多くの業務フローがあり、カード会社とのデータのやりとりや、エラー発生時の対応など内部のオペレーションも多岐に渡ります。新規事業立ち上げに伴い、こうしたオペレーションをゼロから作る必要があり、その構築を任されました。

実は当初、出向期間は3カ月でした。でも、構築したオペレーションが無事機能するか最後まで見届けたくて、最終的に1年間まで出向期間を伸ばしてもらったんですよね。

あとは、アプリ内に表示されるバナー広告の製作も行いました。サービスを利用してもらうために、キャンペーンのアイデア出しから始まり、コンテンツの設計、制作会社への依頼、出稿後の効果測定まで一連の流れを経験しています。


──コンサルタントというより、かなり実務寄りの仕事ですね。


松本:そうですね。ただ、実務をやりながら非効率な部分をどんどん効率化することもしていたので、コンサルタント的な働きも意識しながら動けていたと思います。


──矢野さんはいかがでしょうか。


矢野:1回目の経産省では、大きく分けて3つの仕事をしていました。

まずは、電力市場の監視・監督。公正な競争環境が保たれているかどうか、データ分析や事業者へのヒアリングなどを通じて監視する仕事です。

この監視の結果を受けて、電力市場の制度設計も行っていました。制度が実態に合っていない場合、どのように変えれば世の中全体が良くなるかを考えながら、新たな制度を設計するわけです。ご存じの通り、こうした制度は複雑でステイクホルダーも多いので、関係各所への調整もなかなか大変でしたね。

そして3つ目が、国会対応です。国会に提出される質問に対して、政府としてはどういう認識で、今後どうする予定なのか、その見解を記した答弁書の草稿を作るような仕事をしていました。

──出向の立場でも、そこまで責任ある業務を任されるわけですね。


矢野:2回目の衛星システム技術推進機構では、戦略担当というポジションでした。仕事は大きく分けて2つで、「各国政策や技術開発の動向調査」と「政策立案の支援」です。後者は端的に言うと、政策と技術をつなぐ役割ですね。技術者の言葉をかみ砕いてストーリーラインを作り、役所が政策に落とし込めるように提案する、という仕事を私主導で行っていました。


──役所の言葉と技術の言葉、両方が分かるからこそできる仕事だったのでしょうか。


矢野:まさにそうですね。エンジニア出身で、役所に出向していた経験もあり、コンサルタントとしてのベースもある。このどれかひとつが欠けても、この仕事はできなかったと思います。


──お二人とも、出向先ではこれまでのコンサルティングワークと仕事内容がガラリと変わったのではないかと思います。出向先には、スムーズになじめるものなのでしょうか。


松本:そこは、あまりストレスはなかったですね。やはりコンサルタントとして幅広いプロジェクトを担当してきたのが大きかったと思います。いち早く新たな環境になじんだり、キャッチアップしたりというのは、コンサルタントに必須のスキルですから。


矢野:そうですね。経産省に出向していたときはなじみすぎて「何年に入省された方なんですか?」と聞かれましたし(笑)。

衛星システム技術推進機構では、大手宇宙衛星メーカーで技師長をやられていた方に「矢野さん宇宙詳しいね」と声をかけていただいて、とてもうれしかったですね。技術視点とはまた違う、ビジネスサイドの視点を評価いただいたのだと思います。

たとえ異業種でも、コンサルタントとして培ったものが価値になる。そういう意味では、あまり業務を進めるうえで困ったことはないように思いますね。

出向を経験したからこそ、コンサルタントとして発揮できる価値がある

──A.T. カーニーに戻られたあと、出向先の経験が現在の業務に活きた部分はありますか。


松本:出向の動機が「事業会社の中身を見てみたい」でしたので、その目的は達せられたと感じています。実際に金融業界の中にいる方々と話すことで、内部にいないと分からない、金融関連の知見も得られました。

また、コンサルタントという仕事において、事業の最終的な意思決定権はお客さまにあります。しかし今回の出向で、「自分の意思決定で生み出したサービスや商品が、いまこの世の中で動いている」という経験、実感を得られたのは、とても大きな財産になりました。

これからもこの経験を踏まえて、新規事業プロジェクトなどに臨めたらと思います。矢野さんのように、2回目の出向をしてもいいかもしれないですね(笑)。 

──矢野さんは2回目の出向から戻ってきたばかりですが、これまでの経験をA.T. カーニーでどう生かしていきたいですか。


矢野:やはり、「技術と政策」が私のキャリアのキーワードになると思っています。エネルギーや宇宙に限らず、通信、半導体なども、この2つの領域が重なる領域だと言えるでしょう。技術と政策、双方の言葉がわかる人間として、価値を出せるようになりたいですね。

あとは、異なる業界を2つも経験したことで培ったネットワークがあるので、組織間をブリッジするような仕事もできればと思います。出向で一度「中の人」になることで、「この人とこの人をつないだらこれができるのでは?」と見えてくるものもあるんです。業界の内側と外側をつなぐハブとして、既に何件か活動を始めているところです。

出向先を経験して、それでもコンサルティングファームに残り続ける理由

──ここまでお話を聞いていると「出向先での経験のほうが面白そう」と感じる方もいるのではと思います。なぜ、お二人は転職せずに、A.T. カーニーに残り続けているのでしょうか。


矢野:先輩方がA.T. カーニーの仕事について語った言葉で、とても印象的なものが3つあるんです。

1つは「コンサルティングという仕事は、大きな変革に本質的に関わる仕事である」。経営者の方々は「今までのやり方ではいけない」と思うからこそ、外部であるコンサルタントを頼ります。その結果、われわれは大きなトランスフォーメーションに直面することになる。もちろん大変な仕事ですが、常にエキサイティングでもあります。

2つ目は「コンサルティングという仕事は、知識ではなく知恵を売る仕事である」。コンサルタントはリサーチや調査がメインと思われがちですが、そうではありません。知識をインストールして問題を構造的に分解したその先で、「何をすべきか」の示唆を見いだすところに、本質的な面白さがあります。

最後の3つ目が、うちの上司から言われた言葉なのですが……「事業会社に関するコンサルティング“だけ”が楽しいのなら、その会社に転職すればいい」と。


──転職すればいい……?


矢野:その方の言葉は、こう続きます。「クライアントと一緒に業界全体や世の中を良くしていける、そしてそのクライアント自体も良くしていける仕事は、事業会社の中ではできないよ」。業界全体、日本全体を視野に入れた仕事ができるのは、やはりコンサルタントならではだと思いますね。

──ありがとうございます。最後に、「事業会社かコンサルか」で悩んでいる就活生に向けてメッセージをお願いします。


松本:「事業会社かコンサルか」という二択だけでなく、コンサルティングファームに入って事業会社を経験できるという、もうひとつの選択肢があることを知ってほしいですね。ただそれは、A.T. カーニーだからこそ実現できる特別な選択肢でもあると思います。悩んでいる方は、ぜひA.T. カーニーに応募してもらえたらうれしいです。


矢野:「事業会社かコンサルか」で迷っているなら、両方経験したほうがいいと思います。私自身、両方の環境を経験したからこそ、コンサルの仕事が好きになりましたし、体力が続くなら10年20年と続けていきたいと思っています。

松本さんのように、ファーストキャリアでコンサルティングファームを選ぶ方々がたくさん活躍されているのも、活躍の素地を育てる環境があってのことでしょう。A.T. カーニーであなたをお待ちしています。


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A.T. カーニー


【ライター:井上マサキ/編集:黒木貴啓(ノオト)/撮影:保田敬介】

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