世界トップクラスの化粧品企業、ロレアルグループの日本法人である日本ロレアル。「化粧品を扱う企業だから女性向け」「マーケティングが強い会社」といった固定観念を持つ人も多いかもしれない。しかし実際には、理系・文系を問わず多様なバックグラウンドを持つ人材が、若いうちから経営に近い視点で裁量を持って活躍できるビジネスリーダー育成の環境がある。
今回は、まったく異なるバックグラウンドから日本ロレアルに入社した若手社員2名にインタビュー。理系の大学院で記憶の研究に取り組んでいた三木氏は、「まったく異なる分野への挑戦」として日本ロレアルを選択。現在はイヴ・サンローラン・ボーテのフレグランス部門でプロダクトマネージャーを務めている。また、大学で会計分野を専攻した猪垣氏も、「未知の業界への挑戦」を求めて入社し、現在はラ ロッシュ ポゼの美容液のジュニアプロダクトマネージャーとして活躍している。
共通するのは、「若手から大きな裁量を持ち、主体性を発揮できる環境」への共感だ。入社後のマネジメントトレーニングプログラムで実践的なスキルを磨き、わずか数年で大型ローンチのプロジェクトを任されるなど、チャレンジの機会が豊富な日本ロレアル。最初は化粧品の知識がゼロでも、ビジネスリーダーとして急成長できる環境とカルチャーの魅力に迫る。
<目次>
●理系・会計専攻から、日本ロレアルを選んだ理由
●性別に関わらず活躍できる。入社後に覆された固定観念
●「これ、やってみる?」若手が大型ローンチをリード
●「現場から学ぶ」新入社員研修ロレアル SEEDZの実践的アプローチ
●「データと感性を融合させながら「起業家精神」を発揮
●「0→1を創る」グローバルキャリアへの挑戦
理系・会計専攻から、日本ロレアルを選んだ理由
──お2人は就職活動の際にどのようなことを考えて企業を選び、なぜ日本ロレアルに決めたのですか?
三木:まったく違う業種や分野に挑戦したいという思いがありました。元々理系の大学院で記憶の研究をしていましたが、若手のうちから裁量権があり、主体性を発揮できる環境を重視して企業を選びました。自分が大学時代に培ったデータ分析やストラテジー構築の知識が、化粧品業界という新しい分野でどのように活かせるか、組織に新しい視点をもたらせるかを考えながら選考を進めていきました。
日本ロレアルを選んだ理由の1つは多様なバックグラウンドを持つ人材が集まる環境です。さまざまな国籍、経験、専門性を持つ人たちが1つのチームとして働いている多様性のある組織だと感じました。また、世界No.1のビューティーカンパニーでありながら、日本市場ではさらなる成長の可能性を感じられたことも魅力でした。
また、面接や入社前の面談を通じて会社の考え方や価値観が自分と合っていると感じられたことも大きかったです。採用の選考過程で同じ理系出身の先輩社員との面談機会があり、自分と似たバックグラウンドを持ちながらも活躍できるイメージが湧いたことが決め手となりました。

三木 智博(みつぎ ともひろ) :日本ロレアル株式会社リュクス事業本部 イヴ・サンローラン・ボーテ プロダクトマネージャー
2022年新卒で入社後、メゾン マルジェラ「レプリカ」フレグランスなどを担当するインキュベーター事業部に配属。その後、プラダ ビューティの立ち上げプロジェクトなどを経て、現職。
猪垣:私の就活の軸は2つありました。1つはマーケティングをやりたいこと、もう1つは自分の知見のない業界に入りたいということです。大学では会計の勉強をしていましたが、そのスキルを使って先入観のない業界でどこまで生かせるのかを知りたいと思っていました。
マーケティングは高校生の頃から興味があり、感覚とロジックが組み合わさった職種に魅力を感じていました。大学ではあえてマーケティングとは異なる企業価値評価を学びましたが、これもマーケティングで必要なロジカルシンキングを身につけるためでした。
日本ロレアルの面接で印象に残ったのは、私のバックグラウンドを深く掘り下げながらも、感覚的な質問をされたことです。例えば、シャンプーの製品画像を見せられて感想を求められたときには新鮮な驚きがありました。また、留学経験についても、何を勉強したかより「1年間そこにいて何を吸収できたか」といった体験ベースの質問をされ、人間性を見ようとする姿勢にポジティブな印象を受けました。
性別に関わらず活躍できる。入社後に覆された固定観念
──入社前にイメージしていたことと、実際に入社してみて感じた違いはありますか?
猪垣:化粧品は女性が主な顧客層なので、男性である自分の意見が取り入れられるか不安はありました。しかし実際に入社してみると、多様性を重視する雰囲気の中で、性別に関わらず意見を等しく尊重するカルチャーがあることに驚きました。性別の違いによる先入観で判断されることはなく、「どうしてその考えに至ったのか」というロジックを大切にしています。

猪垣 勇(いがき いさむ) :日本ロレアル株式会社 ロレアル ダーマトロジカル ビューティ事業本部 ジュニア プロダクトマネージャー
2024年入社。大学では会計・企業価値評価の分野を専攻し、マーケティングへの興味と未知の業界への挑戦を求めてジョイン。入社後のマネジメントトレーニングプログラム「ロレアル SEEDZ」を経て、現在はラ ロッシュ ポゼの美容液「エファクラ ピールケア セラム」と「メラ B3 セラム」のジュニアプロダクトマネージャーとして活躍。
三木:私も想像以上に人材の多様性が豊かだと感じました。バックグラウンドもさまざまで新卒からロレアルにいる人もいれば、金融や広告・雑誌媒体など全く異なる業界から転職された方、国際経験が豊かな方など、本当に多様なキャリアを持つ人材が集まっています。文系理系を問わず、個性豊かなメンバーが活躍しているのが特徴です。
私が最初に配属されたのはインキュベーター事業部という、今後日本での成長を期待している、育成段階のブランドを取り扱う部署でしたが、本当に個性的な人が集まっていました。
現在のリュクス事業本部は、ラグジュアリーブランドを主に担当しており一般的に女性のイメージが強いかもしれませんが、実際には男性がプロダクトマネージャーを務めることもあります。「日本ロレアル=女性向け企業」というイメージは、入ってみると当てはまらないことに気づきます。
「これ、やってみる?」若手が大型ローンチをリード
──これまでの仕事で特に印象に残っている経験や、成長を感じた瞬間はありますか?
三木:大きく2つあります。1つは直近のイヴ・サンローラン・ボーテのフレグランス分野における大型ローンチです。成長しているフレグランス市場の中でブランドのマーケットシェアを獲得していくための挑戦は、非常にやりがいがありました。プロダクト担当として、日本マーケットに向けたBig Ideaおよびコンセプトの作成から始まり、売上目標達成のための戦略立案、コミュニケーションチームやリテールチームとの連携まで、包括的な視点でプランを構築していきました。

三木:もう1つは昨年のプラダ ビューティの日本ローンチです。小さなチームの中でプロダクト担当でありながら、SNS運用やCRM(顧客関係管理)システム構築にも関わりました。特に印象深いのは公式LINEアカウントの開設プロジェクトです。日本人にとっては当たり前のLINEですが、承認を得るのにさまざまな調整が必要でした。
特にラグジュアリーブランドならではの難しさがありました。「ブランドらしさ」を体現しながら化粧品を消費者にわかりやすく伝え、かつ商業的な要素も取り入れるというバランスが求められたのです。ブランドごとの個性を際立たせながら、SNSの一言一句まで気を配る作業は大変でしたが、グローバルチームとの協働を通じて大きく成長できた経験でした。
猪垣:私は入社1年目に経験したサンプルセットの制作プロジェクトが印象に残っています。約6万部のサンプルセットを1ヶ月半という期間で作るように指示され、初めての経験ながらも挑戦しました。このプロジェクトで学んだのは、1つの施策を展開するには想像以上に多くのステークホルダーを巻き込む必要があるということです。
特に苦労したのは、サンプルセットに記載する文言の調整です。薬事規制に触れないように注意しながら、本社から提供された製品の魅力を日本の消費者向けにどう伝えるかという挑戦がありました。本部と調整したものを薬事チームと共有し、リスク管理のためのディスカッションを重ねました。規模としては大きくないかもしれませんが、これまで接点のなかった部署との調整を通じて多くを学びました。
困ったときは社内で積極的に質問し、周囲の知見を集める方法で乗り切りました。日本ロレアルの良さは、質問すれば必ず誰かがヒントをくれるという文化です。自分で考える機会を与えられますが、自分から行動すれば必ずサポートがある。このバランスの取れた関係性が、成長を加速させてくれています。
「現場から学ぶ」新入社員研修ロレアル SEEDZの実践的アプローチ
──入社後のマネジメントトレーニングプログラム「ロレアル SEEDZ」について教えてください。どのような経験を通して成長できましたか?
三木:ロレアル SEEDZでは本配属先によっては最初にビューティーアドバイザーとして、ブランドの店舗で接客や現場業務を2〜3ヶ月経験します。これが非常に重要で、私のように化粧品をほとんど使ったことがない人間でも、百貨店ビジネスを含めた現場の感覚を掴むことができます。
その後、私の場合はデジタル研修、マーケティング研修と続き、オフラインとオンラインのタッチポイント、そして戦略部分と網羅的に学ぶことができました。この1年間で包括的にマーケティングの全体像を理解できたと思います。
ロレアルはスピード感があってダイナミックな動きをする会社なので、関係各所との連携や各部署のリードタイムを理解することが重要です。最初の1年でさまざまな部署を経験し、コネクションを作り、業務の大枠を理解できたことは、その後の仕事に大きく役立っています。
猪垣:私の場合、ラ ロッシュ ポゼのブランドで営業、マーケティング、デジタル、そしてメディカル部門を回りました。見学だけではなく、実践的な課題に取り組みます。例えばメディカル部門では、クリニック内で導入されている製品・販売方法を調査・分析し、メディカルチームに共有するプロジェクトを担当しました。効果が実証された製品を日本の医療現場にどう展開するか、医師や医療従事者が納得して患者さんに伝えられる資料作りなど、ロジカルな思考が求められる仕事でした。
参加してみて、これは単なる座学研修ではなく、実際の業務に近い形で学べるプログラムだと実感しました。この研修の本当の価値は、各部署との関係構築にあります。後に製品担当になってから新しいプロジェクトを進める際、研修内でお世話になった方々と協働するにあたって、さまざまなサポートをいただいております。

データと感性を融合させながら「起業家精神」を発揮
──理系出身や会計バックグラウンドを持つ方が、ビューティー業界で働く中で、論理的思考と感覚的要素をどのように両立させているのか教えてください。
三木:たしかに感覚的な部分はありますが、日本ロレアルでは必ずその感覚的な判断にも背景や根拠を紐づけるカルチャーがあります。例えばフレグランスは化粧品の中でも特に感覚的・嗜好性の高い製品で、ファッションに近い側面もありますが、「なぜこの香りが良いのか」「なぜこのボトルデザインなのか」といった点を、市場の調査や分析、消費者へのアンケートを通じて裏付けながらストラテジーに落とし込んでいくのです。
感覚と論理のバランスを取りながら、明文化しきれない部分も大切にするアプローチは、ブランドの見え方にも関わる重要な要素だと感じています。
猪垣:私も同感です。特に私が担当しているラ ロッシュ ポゼのような医療に近い製品では、エビデンスが重要になります。医療従事者は科学的なデータを求めるので、それを明確に伝えることで製品の価値を理解してもらい、それが患者さんへの適切な推奨につながります。一般消費者向けと医療従事者向けでは異なるアプローチが求められますが、どちらもデータと感覚のバランスが大切です。
──日本ロレアルでは「起業家精神」が重視されると聞きました。どのように感じていますか?
猪垣:日本ロレアルには「自分がこのビジネスのオーナーである」という意識を持ち、主体的に意思決定することが奨励されるカルチャーがあります。特にマーケティングでは、明確なビジョンを示すことでチーム全体を同じ方向に導く役割があります。プロダクトマネージャーとして製品の戦略決定には大きな責任が伴いますが、その分やりがいも大きいです。まさに小さな会社の社長のような気持ちで考え、行動する機会が日々与えられていると感じています。
もちろん判断に迷うこともありますが、上司のサポートも手厚く、チームとして責任を分かち合ってくれている印象です。一方で、自分の意見を明確に持ち、主体的に動くことは常に求められています。
三木:日本ロレアルには、若手でも大きなプロジェクトを任せてもらえる「挑戦を奨励する文化」が浸透しています。例えば私が関わったイヴ・サンローラン・ボーテの大型ローンチは、入社4年目にして大規模な予算配分に関わる責任ある仕事でした。「これ、やってみる?」と声をかけられ、チャレンジする機会を与えてもらえることも多いです。周囲のメンバーも、オーナーシップと責任を持ち、自分から仕事を創造しようとする人が多いです。
「0→1を創る」グローバルキャリアへの挑戦
──今後のキャリアについてどのように考えていますか?
三木:将来的にはグローバルな経験を積みたいと考えています。3〜4年働く中でも、フランス本社、ブランド本部やアジアのチームとも連携する機会がありましたが、いずれは海外で働くことで視野を広げ、その経験を日本に還元したいと思います。
また、「0→1を作る」経験にも興味があります。現在の仕事は本社のディレクションをある程度踏襲しながら、日本市場における展開戦略を考えていく側面が強いですが、より根本的な商品企画や戦略立案にも関わりたいと思っています。国際経験を通じて、より幅広い視点を身につけたいと考えています。
猪垣:短期的には、まず担当している製品をしっかり伸ばしたいです。自信を持って「これはいい製品です」と言える商品だからこそ、法規制上直接言えない部分も含めて、製品の魅力を最大限にお客様に伝えられるようになりたいと思っています。
長期的には、ファイナンスのバックグラウンドを活かしながらマーケティングのプロフェッショナルとして成長し、ブランド全体の戦略立案に関わっていきたいです。日本ロレアルにはさまざまなブランドがあり、各ブランドでビジネスモデルも異なります。国が変われば条件も変わってくるので、さまざまな挑戦の機会があります。入社からわずかな期間でも多くのスキルが身についたので、それを活かしてさらに大きなチャレンジをしていきたいと考えています。

──最後に就活中の学生さんにメッセージをお願いします。
猪垣:日本ロレアルの素晴らしい点は、一人ひとりの意見が等しく評価される環境です。私も入社前まで化粧品にはほとんど触れてこなかったのですが、そういった先入観を取り払って、1つの意見として受け入れてくれます。みんなで良くしていこうという文化があり、外見や背景で判断せず、それぞれの意見を尊重してくれる会社だと感じています。
日本ロレアルでは入社後すぐに責任のある仕事を任されますが、同時に成長をサポートする環境も整っています。「コンフォートゾーンから抜け出そう」というカルチャーが浸透しているので、自分でどんどん面白い仕事をリードしていきたい方には最適なフィールドだと思います。
三木:日本ロレアルはスピード感とダイナミックさを持った仕事がしたい人におすすめです。「女性中心なのでは」「化粧品に詳しくないと難しいのでは」といった先入観は捨てていただきたいです。むしろ「こういう人はあまりいないんじゃない?」というような異色のバックグラウンドを持つ人こそ楽しめる環境だと思います。
入社から比較的早い段階でも、重要なプロジェクトを任されたり、多くの部署との連携を経験したりする機会があります。化粧品業界は常に変化していて、新しい発想が求められます。自分の強みを発揮しながら、ビジネスパーソンとして成長したい方には、日本ロレアルはとても良い環境だと思います。厳しい環境で圧倒的に成長したい方は、ぜひ私たちと一緒に働きましょう。

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