2025年12月、デロイト トーマツ グループの3法人が統合し、日本最大級のコンサルティングファーム「合同会社デロイト トーマツ」が発足した。
同社は、デロイト トーマツ グループの法務・税務・監査といったあらゆる専門家とチームを組む「複数専門分野の統合モデル」を武器に、日本経済を強く、世界へと押し上げるための最前線を走っている。「コンサルタントやM&Aアドバイザリーの世界は激務でサステナブルではない」「仲間を蹴落とし合いながら上り詰める、ドライな環境だ」──。
もしあなたがそんな旧来のイメージを抱いているなら、一度その先入観に疑いを持ってほしい。今回はコンサルタントの実態を紐解くため、同社で活躍する2名の女性プロフェッショナルに話を聞いた。0歳児を抱えて中途入社し、グローバルな有事・平時アドバイザリーに従事する出口 朋子氏と、新卒入社から半年で大企業の現場を動かした経験を持つ大石 雛菜氏だ。
若手が圧倒的な成長を遂げられる環境と、ライフステージに合わせて働き方を自由にデザインできる「サステナブルなカルチャー」の実態に迫ります。
<目次>
●日本経済を強くする「最高レベル」のファームにやってきた理由
●入社半年の涙、クロスボーダー対応。プロフェッショナルとしての介在価値
●自己開示することで信頼関係が深まる。サステナブルなチームプレイの秘訣
●アクセルとブレーキは自分次第。キャリアアップとライフプランを両立する仕組み
●バイアスを捨てて飛び込んできてほしい──自分でアクセルを調整し成長できる場所
日本経済を強くする「最高レベル」のファームにやってきた理由
──大石さんが新卒でデロイト トーマツを選んだ理由を教えてください。
大石:私は大学で国際政治を専攻し、「日本経済を良くしたい」「失われた30年を自分の代で取り戻す」という志を抱いて就活を始めました。当初は、中央省庁の官僚や政策提言を行うシンクタンクを志望していましたが、マクロな制度設計だけでなく、企業の変革や再編を通じて産業そのものの競争力向上に直接関われる仕事に強く惹かれるようになりました。その中で、就活サイトで目にした当時のデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社の「日本のビジネスを強く、世界へ。」というコーポレートスローガンに深く共感したのがきっかけです。社員の方々が日本の未来のために熱い想いを持って働く姿を目の当たりにし、「この人たちと働きたい」と強く思いました。
──経営や財務について元々勉強されていたわけではない中での挑戦に、不安はありませんでしたか。
大石:専門知識は全くなく、最終面接でも「現時点では十分なスキルはないが、学び続ける覚悟とやる気はある」と率直に話しました。それでも会社からは「やる気があるのであれば、業務を通じて学んでいけばよい」と声をかけていただき、その懐の深さに惹かれ入社を決めました。入社から1年間のローテーション期間では前半に政府・公共サービスに特化したチーム、後半に公共セクター・建設・エネルギーなどのインフラに特化したチームの2つを経験し、未経験からでも一歩ずつ視野を広げられたと思います。

大石 雛菜(おおいし しゅな):合同会社デロイト トーマツ P&G Strategy所属
2024年新卒入社。大学では国際政治を専攻。1年目のローテーション期間には、大手インフラ系企業の業務プロセス最適化支援や自治体主導の官民連携事業支援等に従事した。現在は中堅企業から大手企業を対象に、M&A等業務プロセス全般に一貫したサービスを提供するP&G Strategyで、大手インフラ系企業のBPOプロジェクトを牽引する入社3年目。
──一方で出口さんは中途入社ですが、どのような背景でデロイト トーマツを選ばれたのでしょうか。
出口:私は第一子が0歳という、キャリアにブレーキがかかりやすいタイミングで、知人からのリファラルを通じて法人統合前のデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社に入社しました。前々職でSE(システムエンジニア)としてWebアプリケーションやスマートフォンアプリの開発に携わった後、IT系調査会社に3年半ほど在籍していました。当時、コンサルティング業界は「徹夜が当たり前の激務」というイメージが強くあり不安は感じましたが、オフィス出社が当然だった時代に「在宅勤務でも、時短勤務でもいい」と柔軟な条件を提示してもらえたことで心理的ハードルが下がったのは確かです。
──とはいえ、これまでコンサルティング業界での経験がない中、未経験の業界に飛び込むことへの抵抗感はなかったのでしょうか。
出口:これまでのキャリアをある程度活かせる業務だったのでまったく知らないことをやるわけではなく、業務に対する不安はありませんでした。また、前職までは数百人規模の会社だったため、大企業で働くのは初めてでした。いざ入ってみると想定以上にさまざまな制度が整っていて働きやすいことにも驚きました。ファームの認知度もさることながら、最終的には「誰と何をするか」という信頼関係と、多様な働き方を受け入れるカルチャーに惹かれて入社を決意しました。
入社半年の涙、クロスボーダー対応。プロフェッショナルとしての介在価値
──若手時代に積める裁量や成長環境について、具体的なプロジェクトのエピソードを教えてください。
大石:1年目のローテーション期間中、大手インフラ企業において、経営層が打ち出した方針を現場に浸透させ、実行に繋げるための橋渡し役を担当しました。クライアントの担当者と議論を重ね、二人三脚で資料を作ったのですが、いざ全体会議に持っていくと「現場をわかっていない人の話は聞けない」と猛烈に反発されてしまい……。落ち込んだ私を心配した上司が壁打ちに付き合ってくれ、過去1年分の会議議事録を読み込み、上層部の方の考え方と現場が抱える課題や懸念を1つ1つ整理しました。そうして理解を深めたうえで、改めて現場の皆さまに向き合い、経営層の考えだけでなく、それが現場にとってどのような意味を持つのかを説き続けた結果、最後には猛反対していた現場のリーダーから「あなたの話を信じることにしたよ、一緒に頑張ろう」と言ってもらうことができました。
──理想的な合意形成ですね。出口さんは、さらにスケールの大きなグローバルな有事案件も担当していらっしゃいますね。
出口:直近では某グローバル企業にて、複数当局から同時に公式調査命令が下るという極限状態のプロジェクトのPM(プロジェクトマネージャー)を務めました。各国の法律事務所、現地のデロイトチーム、クライアントと協働し、厳格な期限に間に合わせるため時差を越えてプロジェクトを回し、調査結果の提出を完了させました。移動時間すら惜しいため全工程をリモートで進め、クライアントから「とんでもない機動力」と高く評価されたときは、コンサルタントの介在価値を強く実感できました。大石さんの仕事も私の仕事も、AIでは決して到達できない、生身のコンサルタントだからこそ実現できるものだと思っています。
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出口 朋子(でぐち ともこ):合同会社デロイト トーマツ Forensic&Financial Crime所属
2017年中途入社。IT企業でのSE、IT系調査会社を経てリファラル(紹介)で入社。入社当時は0歳児を育てるワーキングマザーで、時短勤務からスタートしたものの2カ月でフルタイムへ復帰。現在は訴訟対応支援や不正調査等の有事・平時の情報ガバナンスアドバイザリーに従事する中心メンバーとして活躍している。
自己開示することで信頼関係が深まる。サステナブルなチームプレイの秘訣
──グローバルファーム=「ドライな社風」「弱みを見せたら負け」というイメージもありますが、実際の社風はどうですか。
大石:イメージとは対極にある、情に厚く互いを尊重し合う温かい環境です。部門会議で上司から「チームワークを良くするためには互いを尊重し、チームの成果につながる言動を大切にしよう」と繰り返し伝えられています。また、仕事に対して熱い思いを持ちつつも、常に気にかけてくれる温かい上司が多いと感じます。所属部門をまたいだチームの組成においても、いずれもプロフェッショナルとしてのマインドの下、共に認め合い、尊重しながら切磋琢磨できる環境があると感じています。
出口:そもそも私たちの仕事はチームプレイが大前提で、誰かのスタンドプレーで解決できるほど生易しくありません。個々の強みを活かし、足りない部分をフォローし合い提供価値を高めていかなくては、組織として脆弱(ぜいじゃく)になり最終的にクライアントに迷惑をかけてしまいます。新しくプロジェクトチームを立ち上げる際には「あなたはどういう働き方をしたいですか?」と確認するようにしています。
大石:私の周りでも、事前に予定を共有しあって、柔軟にスケジュールを調整しています。先日も、同期が「結婚式の打ち合わせがある」とプライベートの事情も含めてオープンに共有して、上司を含む周囲のメンバーも理解を示していました。
出口:男性メンバーも女性メンバーも「子どもが熱を出したから休む」「父・母が病院に行くから付き添う」ということを、当たり前に発信しています。チームは常にバックアップをできるよう体制を組んでいて、だからこそメンバーは積極的に自己開示をしているのだと思います。プライベートの事情を隠して無理をするよりも、オープンに伝えてもらったほうが、周囲もどう配慮しながら一緒に働けばいいかが分かり、結果的にチーム全体で高いパフォーマンスを出せるのです。
アクセルとブレーキは自分次第。キャリアアップとライフプランを両立する仕組み
──プロフェッショナルとしての成果・責任と柔軟な働き方をどう両立させているのでしょうか。
大石:依頼の本質である「何を、いつまでに、どの水準で」を正確に把握し、成果を出して信頼関係を築いてさえいれば、時間の使い方は基本的に個人の裁量に委ねられます。私の場合、平日に15時半や16時に退社させてもらうこともあります。私はサッカーが大好きで、ゴール裏で本気で応援するサポーターの一員なのです。だから、どうしても試合の2時間半前には現地入りしたいという事情がありまして……。普通なら言い出しにくいかもしれませんが、事前に「絶対に終わらせます」と宣言してアウトプットの質さえ担保すれば、新卒1年目の立場でも「楽しんで行ってこい!」と送り出してもらえました。
出口:私の場合は、0歳児の育児をしていた頃は夫も激務で、ほぼワンオペ状態。一旦息子を保育園に迎えに行き、その後にオンラインで会議に参加するなどしていました。当社の評価制度も、労働時間の長さではなく「限られた時間の中でどれだけの質と定性的な価値を生み出したか」に比重が置かれています。
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──個人の裁量やタイムマネジメントに加えて、会社として社員のキャリアや働き方を支援する制度などはあるのでしょうか。
出口:直属の上司以外の先輩を斜めの関係も含めて自分で選べる「コーチング制度」があります。目の前にあるタスクのマネジメント方法から将来のライフイベントを見据えた中長期的なキャリア形成についても雑談ベースで相談でき、伴走してもらえるため、心強いです。また、「FWP(フレキシブル・ワーキング・プログラム)」を活用して勤務日数や勤務時間を調整して成果を出している先輩もいるなど、選択肢は個人に委ねられています。
バイアスを捨てて飛び込んできてほしい──自分でアクセルを調整し成長できる場所
──最後に、就職活動で悩んでいる学生に向けてメッセージをお願いします。
大石:新卒という一生に一度のキャリア選択において、一部のイメージや口コミだけで判断してしまうのは大きな機会損失だと思います。ぜひ今まさに現役で働いているメンバーに直接話を聞き、一次情報を自分の目と耳で確かめてみてください。「日本経済を強くしたい」という社会全体への熱い志を持つ方はもちろん、「目の前にいるクライアントのために全力を尽くしたい」という対人協働が好きな方、短期で集中して学びアウトプットすることに喜びを感じる方なら、間違いなく最高にワクワクできる環境が用意されています。
出口:人生は長い旅のようなもの。猛烈にアクセルを踏み込んで、一気に成長したい時期もあれば、育児や介護といったプライベートなイベントによってブレーキをかけなければならない時期も必ず訪れます。アクセルの踏み方を会社都合で強制されるのではなく、成果を出していれば主体的にコントロールできること。それこそが当社で働く最大の醍醐味であり、サステナブルなキャリアの正体です。私たちは日々、さまざまな専門性を持つメンバーとチームで協働しています。「人と仕事をするのが好きで、人間力を磨きたい」という方で、若いうちから自分の介在価値を実感し圧倒的なスピードで成長したいなら、ぜひ当社の門を叩いてください。きっと世界を股にかけた大きな仕事にチャレンジできるはずです。応援しています。

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