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メーカーなのに30半ばで年収1250万円、タワマン住まいの「勝ち組」 それでも彼が転職したいワケ

転職 年収 ストーリー コラム
2021年11月26日(金) | 169,406 views

「年収」


それは、ある人が1年間でどれくらい稼いだかを示す数値だが、それ以上の意味を持つ言葉でもある。


場所や伝える相手によっては、会話のマウンティング、セックスアピール、そして支払い能力の証明にもなる不思議なデータだ。

この年収をめぐり、場末の居酒屋やSNSでは大人たちが自慢やグチを口にしている。

「年収よりもやりがいやホワイト環境」なんて言う人ですら、ある意味で年収に固執していると言えるだろう。

男女も会社も振り回す「いくら稼いだか」という数値。就活生も気にしているに違いない。


人によっては、年収こそ最優先の軸だと言ってはばからず「金のためなら、どんなことも頑張れる。一番大切なことだ」と進路を決めていく。

新卒1年目から1000万円の給与を支払う企業がメディアで多く取り上げられていることからも、世間の注目度が高いことがよく分かる。


ただ、その軸が正しいか、正しくないかは分からない。


本連載では、「お金が欲しい」という目的のために働き続けてきた、かつて就活生だった大人たちを取り上げ、彼らの今の率直な気持ちを聞いていく。

私としては「給料の額で仕事を決めるのは早計だ」という警鐘にしたいが、これを読んだ後に「それでも年収が一番」と言えた人こそ、本当にその軸が合っているはず。そんな指標にもしてもらえれば幸いだ。

30半ばで年収1250万円、ホワイト企業勤務でタワマン住まい 「勝ち組のプロフィール」

・年収:1250万円
・家賃補助:月18万円
・2LDKのタワマン住み
・愛車はレクサスのSUV
・毎日20時退社
・土日祝日完全休み

早慶の理工系の院を卒業し、今年で34歳になる独身男性のAさん。

大学院時代にニッチな分野の研究を続け、業界でも数少ない専門知識に長けている存在として、チョウよ花よと、あるメーカーに採用された。

そこは合コンで盛り上がるような知名度はないが、業界では世界シェア1位の優良企業。それなりに出世して、今は係長をしている。

院の同期の大半は大手メーカー勤務ということを考えると、彼のスペックは圧倒的だ。ホワイトな環境でそこそこの高収入。間違いなく「勝ち組」そのものだ。


だが、世の中そんなに甘くない。取り立てて優秀ではなかった彼のプロフィールには裏があり、誰もが陥るわながある。事実、彼はここ数年ずっと転職を考え続けている。

「数字の羅列に何を必死になっていたんだ」と頭を抱える彼のプロフィールを一緒に見直していこう。

勝ち組の生活の実態:孤独に苛まれ続ける「地方勤務」

端的に言えば、彼の高収入は「地方勤務」だからであり、彼が転職を検討している理由も同じく「地方勤務」だからだ。

マイナーだがマーケットで存在感がある企業は、大手との採用競争で勝つために抜群の好待遇を用意していることが多い。

そして、企業によっては、地方への転勤では「会社が本社だけど、田舎に行ってもらってすまん!」「家族を置いて転勤させてすまん!」という意味合いからか、不思議な名前の手当で報いるところもある。


大手のメーカーでも30歳で600〜800万円くらいが相場という中で、彼はこの2つの要因に加えて「特殊な業務のため、かなりの長期間にわたってその場所で仕事をしてね」ということで破格の待遇になったのだ。

学生のころに求めた「高い年収」を得た彼は、地方での生活が苦しく、転職を考え続けている。「年収のためなら何でも我慢できる」という学生の時の思いは甘かったのだ。


彼が住むのは東京以北のある県の県庁所在地。若者の流行の発祥地はイオンだが、そもそも、高校生以上の若者がそういない。

宮城県や北海道のように全国規模の支店もなく、メガバンクはみずほ銀行以外にはない。お金の出し入れは不便だ。

世田谷生まれの彼も、引っ越して最初のうちは憧れの「田舎暮らし」を楽しみにしていた。


実際にご飯もおいしいし、地価や物価も都会と比べると安い。マイカーで移動するたびにドキドキしていた。だけれど、彼の「田舎暮らし」はしょせん「都会人の幻想」。たまにするからこそ、いいものなのだとすぐに気付いた。

世の中には、フジテレビやTBSが放映されない地域があることを初めて知った。

夜になると、音もしなければ明かりもない住宅街が新鮮だった。


20代後半で地方に住む人の多くは、その地域の出身者。周りの人は優しいが、地理や学校というバックボーンがない彼は孤独を感じていた。

恋人を探したくても、都会では信じられないだろうが、マッチングアプリが全く普及していなかった。そもそも、多くの人が学校の同級生たちと25歳になるまでに結婚しているケースが大半だった。


「最先端の技術を扱っている自分が、世の中からどんどん取り残されている」

大学院の同期たちは、社会人になって余裕ができたのか、学生の時に「いつか行きたいな」と話していたお店に通うようになっていることをSNSで知った。アクセスの良さから、大規模なフェスにも気軽に行っていた。都会に住む彼らがタピオカを食いまくる一方、彼の町には、今になってパンケーキブームが来ている。


たとえ仕事でつらいことがあっても、すぐにかつての同級生と飲みに行って相談できることがうらやましかった。一人だけポツンと遠くに住んでいるためか、旅行に誘われることも減り、今ではみんな結婚して遊びどころではない。

最先端の技術を商売にしている自分が、世の中からどんどん取り残されていることが恥ずかしかった。


地方では多くの人が、「好きな地域で、安定して充実した生活」を求めていると感じていた。彼のように「ウチの製品は世界ではね」といった規模感の大きい話をする部外者は、眉をひそめられた。

高い時計や車を買っても、それを「いいね」と言ってくれる人が周りにいない。

同窓会で「おまえは同期で一番出世している。うらやましい」と自尊心をくすぐられる時だけが幸せだ。でもきっと、みんなうらやましいと言う割に、自分の待遇と交換しようと言っても「いやでも東京から離れるのは……。名古屋とか大阪とかならまだしも」と言って断るのだろう。


友達も恋人もできず、人生の墓場だと思いながら過ごした。趣味は貯金残高を見ることくらい。残高はついに3000万円までになった。これが若い時間と体力、人に会うチャンスの代償だと思うと、安いと思わずにはいられない。

着任当初は、同じく東京から来た上司と「都会に帰りたいですよ」とグチを吐くこともできたが、今では自分自身がその上司のポジションだ。最近できた後輩は、この地域の出身者ということもあり、自分とは考えも違うだろうし、弱音は言えない。


逃げだそうにも、転職にさえ踏み切れない現実

そんなこの町での生活も9年目になる。


転職をしたくとも、スキルがニッチすぎるあまり、選択肢があまりないことはとっくの昔に気付いている。

どこの会社に入っても、この給料がもらいすぎな環境には及ばない。シビアな話だが、おそらく年収は半分でとどまればいい方だろう。福利厚生も一般的なものになり、物価や家賃が上がることを考えると、可処分所得は3分の1程度が妥当なラインだろうか。


いざ辞めようと、転職で内定をもらった後に辞表を書いては捨てを繰り返した時期がある。もらっていない時にお金を望む時よりも、十分もらっている時にお金を望む時のほうが、お金は人の心をがっちりとつかむ。

サイゼリヤも鳥貴族も松屋もないこの町が嫌いだが、もう戻れない。そんなことを思い始めている。

どうしてお金が欲しかったんだろう

生まれは世田谷。都立高校を卒業し、現役で早慶の理工系の学部、そしてそのまま修士で2年過ごした。われながらそれなりにまとまった経歴だと思う。

こんな中産階級だからこそ、近くに当たり前にいるお金持ちとの差を感じながら生きてきた。父さんは最大手の銀行で働いていた。母さんもパートで家計を支えている。


それでも、決して大きいとは言えないマンションを買うのにローンも組んでいるし、院まで行かせてもらうのに借金をしたことも知っている。

都会で生きていくのにどれだけお金が必要なのか。特に秀でていることがない自分が、大手の電機メーカーより稼ぐなんてできるのか。そんな時に出会ったのが、この会社の求人だった。


田舎暮らしは嫌いじゃないし憧れもある。それにこの待遇。同期よりも稼げる、東京のアッパーダウン層くらいの豊かな生活が味わえる。

ちょっと長い田舎生活になりそうだけど、その間にお金をためればいいじゃないか。お金があれば、毎週末東京へ帰ればいい──そうしてこの仕事に就いた。「これが地獄の始まりでしたね」


年収を高くしたい。


そう思っていたし、周囲の大人も「それが普通」としていたので疑うこともなかったが、あまりにその1点に固執しすぎてしまった……彼は今そんな風に思っている。

楽に稼ぐ方法などなく、何かしらを代償に高い年収を得ているとすれば、彼は「住まいを選択する自由」を放棄したのだ。それによって、出会いや勉強する機会を若いうちに失っていたと悔いている。


「『年収上がんねぇな』って新橋のガード下の立ち飲み屋で友人とグチることがどれだけうらやましいか」

年収を下げる勇気は持てない。でもこの生活も耐えられない。きっと迷いながら、ずっとこうやって時間を消費するのだろう。


「あーそろそろ死ぬなって思った時に、パァーッとお金を使うためにためておこうかな」

世間から見る「勝ち組」の彼は、勝つでも負けるでもなく、そもそも勝負の土俵にも立っていなかった。


*


現在、年収のみに固執する学生や社会人は少なくないだろう。


しかし、それだけでなく「市場で評価されるスキルを得られるか」「人間らしい生活ができる勤務時間か」「パートナーの結婚や出産に対応できるか」、もう一つの軸を決めて加えたほうがいい(もちろん年収に重点を置かない軸だってある)。


多くの人が求める「高い年収」を得ながら、迷い、苦しむ大人たちの今を追う。

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※こちらは2019年10月に公開された記事の再掲です。

(Photo: ESB Professional , FotoDuets , olgakim93/Shutterstock.com)

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アサキヒロシ
(元)大学生バーテンダー
アサキヒロシ

ワンキャリ執筆3年目。学生時代は政治家、経営者、芸能人が夜な夜な足を運ぶ会員制バーに勤務し、仕入れた業界裏話をリポート。有名企業から多々お祈りされるものの、その情報量から某週刊誌にスカウトされた経験有り。人事や経営者、エリートサラリーマンの酔いからこぼれる本音や苦悩、内輪話などの「リアル」を伝える。現在はメディア系企業で勤務しており、業務内容はまさしく「アウトレイジ」かつ「クレイジージャーニー」。「ブラック企業」の実態、有名企業やハードワーカーなど「勝ち組」の悲哀、失敗談を守備範囲とする。ことしは就活生向けに労働災害、「やりがい至上主義」に関する記事を執筆するのがテーマ。

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