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スタンフォードを出た彼女が、日本のマッキンゼー、ボストン コンサルティング グループを選んだ3つの理由

外資系 日系 コンサル 金融 商社
2019年9月6日(金) | 142,710 views

※こちらは2016年2月に掲載された記事の再掲です。


こんにちは、ワンキャリ編集部です。

今回はマッキンゼー・アンド・カンパニー(以下、マッキンゼー)、ボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)と総合商社に内定した方へのインタビューを行いました。

「日本では有名な企業でも、グローバルでは名が知られていないということはよくある」

そう言うのは、スタンフォード大学を卒業し、外資系戦略コンサルに勤める、とある現役社員だ。彼女は数年前、ボストンキャリアフォーラムで内定をもらった大手総合商社を蹴り、外資系戦略コンサルを選んだ。



あるいは、アイビーリーグ(Ivy League)(※1)の大学を卒業した、現役社員はこう言った。

「長いキャリアで考えた時に、ボストン コンサルティング グループ(BCG)はベストの選択肢だと考えた。世界でも名が知られていて、大きなことが出来るんじゃないかと思った」

(※1)アイビーリーグ……アメリカに所在する、世界屈指の名門私立大学8校からなる連盟。ハーバード大学、ペンシルベニア大学、コーネル大学などを指す



先日、ワンキャリアに掲載された「ゴールドマン・サックスを選ぶ理由が、僕には見当たらなかった」を見た、外資系戦略コンサル内定者はこう言った。

「商社の人には商社の意見があるのは分かります。一方で、コンサルへの入社を決めた人にもその人なりの理由もあります。このことをぜひ就活生の方には知って欲しい。記事を書きたい」


われわれは、すぐにアクションを取り、彼らの話を聞く機会を得た。


「なぜ彼らは、総合商社・外資金融ではなく外資コンサルを選んだのか?」


今回は複数人へのインタビューから見えた、その3つの理由に迫りたい。

1. 世界中に存在する支社ネットワークが一丸となり「世界の問題」に挑む機会に惹かれる

「商社の内定者は日本を代表して仕事をしたいという課題を持っていらっしゃいました」


そう言うと、彼女は続けた。


「しかし、外資で働くコンサルタントには世界の問題を解決するために仕事をするという自負があります。確かに日々の仕事はクライアントの業績改善・戦略立案かもしれません。しかしながら、その仕事の先には、教育格差の是正・貧困問題・資源問題といった問題を真に解決し世界中の人々の利益につながると、1人1人が本気で信じています。企業に加え、政府やNGO(非政府組織)、NPO(民間非営利団体)といった機関とともに、社会課題の解決ができるビジネスは世界中を見渡してもグローバルのコンサルティングファームだけではないでしょうか」


一般的に、外資系戦略コンサルは『論理的思考』ばかりがフォーカスされがちだ。だが、実際にBCGでは「夢や野望があること」を極めて大切にしているし、マッキンゼー・アンド・カンパニーでは「世界を変革するリーダーシップ」を極めて大切にしている。

もちろん、口だけではない。

コンサル各社ではプロボノ活動(社会貢献として、専門家たちが無料でサービスを行うこと)を積極的に行っている。しかも、世界中に存在する支社ネットワークが一丸となって取り組むのは、「世界が抱える課題」だ。


例えば、マッキンゼーは世界の公衆衛生に対して、35以上の国で440以上のプロジェクトを推進している。あるいは、BCGは「セーブ・ザ・チルドレン」「WFP国連世界食糧計画」、ベイン・アンド・カンパニー(以下、ベイン)は「国際NGOワールド・ビジョン」などで全世界での支援を行っている。また、海外だけではなく、国内においても支援を行っている。マッキンゼーは「東北未来創造」、BCGは「岩手県「復興に向けた産業振興」の在り方プロジェクト」、ベインは「認定NPO法人国境なき医師団日本」など多岐に渡る。


こういった、世界の社会的課題に彼らは知恵で戦っている部分に惹(ひ)かれる。これが1つ目の理由だ。

2. 世界中から英知が集まり、個性がぶつかり合う「知の異種格闘技戦」は、ここだけしか味わえない。 

2つ目の理由は「働く環境」だ。とある現役社員はこう言った。

「マッキンゼーやボストン コンサルティング グループなど、外資系コンサルで働く人材は本当に多種に渡る。新卒者、日系大手企業やプライベートエクイティ業界からの転職、MBA取得後に就職した者、医者や研究者からの転職者など人材の多様性が高い。この点、日系企業や外資金融と比較すると非常にダイバーシティに富んでいる。しかも、彼らは前職でエース社員だったことが多い。世界中から集まった英知と切磋琢磨(せっさたくま)できる環境は他では得られない大きな魅力」


そしてもう1点、日系企業と異なる点は、「多様性の実現」だと言う。

「外資コンサルでは、さまざまな人がそれぞれの専門分野で力を発揮し、その相乗効果によって、クライアントの期待を上回る成果につながると本当に信じている。個性の発揮には、知識や分析といったハード面だけではなく、チームへの気配りやクライアントからの信頼を築くソフト面も含まれます。そのため会社は個性を発揮しやすいよう、最大限の配慮、また従業員の成長に投資をします。MBA留学や海外オフィス勤務などはその最たる例です。日系に比べ社員数が少ないことから、対象になる人数はそれほど変わらなくても、割合的に社内での競争率は低く、積極的にこうした環境に挑むことができます」


確かに、私も日系企業・外資系コンサルティングファームで働いた経験から、日系企業との社風の違いは「違いを楽しむ」文化が存在していることだと感じる。外資系の戦略コンサルティングファームは、1人1人を最大限に尊重する職場であり、異なる意見を昇華させる経験を積むことができる。こうした仕事ができるのも、先に述べた「多様性の実現」ができるからこそ可能になるのだという。

3. 圧倒的なブランド力から来る、グローバルを含めたキャリアの選択肢の広さ:マッキンゼー、BCGの魅力

外資系戦略コンサルの彼女の話の中で、印象的な言葉があった。

「新卒のうちから自分のキャリアに明確なゴールを設定できる人は非常に少ないと思います。どれだけ頑張って就職活動を行っても、実際に仕事が始まると一定の人はギャップを感じ辞めてしまうのが現状ではないでしょうか」


これは彼女だけではない。他の2人もファーストキャリアだけではない見通しを持って、新卒での就活をしていたそうだ。


「外資コンサルの世界的な知名度は、総合商社と比較すると圧倒的に高く、外資金融と二分します。自分のキャリアスタートとして知名度があることは自分を強める武器になります。外資コンサルのその後のキャリアは、日系大手への転職(多くは、役職付きのポジション)、他の外資コンサルへの転職、起業など、多岐に渡ります。いずれにしても、外資コンサルで鍛えられた能力、自信そしてブランド力は大きな助けとなります」

つまり、社会に出てから今一度、自分のキャリアゴールを設定できるチャンスがあるのが外資コンサルならではの良さだということだろうか。商社では内定後の配属リスク、その後の部門変化がないなどの問題があるが、コンサルではむしろ自分でキャリアを切り開く意識が重要なのだ。


まとめると、


1. 世界の課題に取り組む機会

2. 真の多様性が存在し、知の格闘技戦を楽しめる仕事場

3. その後のキャリア選択の幅広さ


この3点が、彼ら・彼女がマッキンゼーやBCGなど、外資系戦略コンサルを選んだ理由だと言うのだ。

編集後記:博報堂/BCG出身・ワンキャリ編集長KENからの一言

「外資系企業の方が、夢や野望を大事にしてくれる」

これは私が再就職活動をしていた時に痛感したことです。2014年、新卒で4年弱勤めた日系企業を辞めた私は、1年半フリーとして世界を旅していました。


日本に帰ってきてからの再就職はとても大変でした。特に日系大手企業は、ほとんど落とされました。エントリーシートすら通過しない企業が大半でした。理由はおそらくこうです、「日系・大手になじまなさそうだから」。残念ながら、私は『右向け右』のタイプではなかったのでしょう。ニート・独身の上に、貯金残高7万円と『いよいよやばい』となった私に、最初に手を差し伸べてくれたのが外資系コンサルティングファームでした。その後、運良く外資系のコンサルティングファームだけで7社近くの内定を獲得しました。


そして、このプロセスで気づいたのは「外資系企業の方が、夢や野望を大事にしてくれる」ということ。


印象的だったのは、とある日系大手のコンサルティングファームの面接でした。

面接官から「入社後、やりたいことはありますか?」と聞かれ、私は「アジア経済のために働きたい」と答え、自分の夢を熱く語りました。結果は「ぽかーん」という感じ。面接官は「そんな話聞きたくないよ」というオーラ全開でした。勿論、この1次面接で落ちました。


一方で、私が受けたほとんどの外資系企業では、同じ夢を語ると「面白いね!」とすごく楽しんで話を聞いてくれました。私が幸運にも働く機会を得られたBCGはその最たる例でした。そして、その時に感じたのは「実は外資系企業の方が、夢や野望を大事にしてくれるんじゃないか?」ということ。私のような日系不適合者に手を差し伸べてくれるのが、外資系企業なのかな、とまで感じました。


なにをお伝えしたいのか? それは、 

『論理的思考』ばかりがフォーカスされる外資系の戦略コンサルですが、今回の記事が読者の皆さんに新たな一面を加えられたとすれば、これ以上にわれわれとして幸せなことはありません。


さて最後に、ワンキャリアでは『多種多様な、異なる意見をぶつけること』を大切にしています。

こちらの記事「【外資志望者必見】外資だって低収入・上司運で出世が決まる?外資の3つの真実」(ライター:トイアンナ)では、「外資にはいかない方がいい」という意見を取り上げます。


その他、マッキンゼー、BCGに関する記事はこちらから。

▼外コン内定はダテじゃない
・マッキンゼー内定者がマッキンゼーの内定者たる理由〜第一志望の会社に中途で入る方法〜【キャリア相談】


▼非常に難関と言われる外コンの筆記試験、本当に対策できていますか?
・マッキンゼーは9割が試験で落ちる?コンサル筆記試験の形式・内容を総まとめ:外資戦略コンサル徹底解説Vol.1


▼外コンで身につけたスキルが生かせるフィールドは幅広い
・マッキンゼー出身・RCF藤沢烈氏:「この会社で一番難しい仕事がやりたい」新卒でそう言った彼が今でも目の前の仕事に全力でコミットする理由(前編)


執行役員 北野唯我(KEN)

──ワンキャリ編集長KEN、Twitter始めました。@yuigak

──ブログはこちら:『週報』ー思考実験の場。

──記事一覧はこちら:ワンキャリア北野唯我(KEN)特集

(Photo:Dirima/Shutterstock.com)

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北野唯我(KEN)
取締役
北野唯我(KEN)

北野 唯我(きたの ゆいが):株式会社ワンキャリア 取締役CSO/作家
新卒で博報堂の経営企画局・経理財務局勤務。米国・台湾留学後、ボストンコンサルティンググループを経て、2016年ワンキャリアに参画、現在取締役として戦略・採用・広報部門を統括。2021年10月、同社は東京証券取引所マザーズ市場に上場。作家としても活動し、30歳のデビュー作『転職の思考法』(ダイヤモンド社)が20万部、他に『天才を殺す凡人』(日本経済新聞出版社)などで、著者累計40万部。

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