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三井住友銀行が目指す「脱・金融」 デジタル時代に勝てるメガバンクとは?

企業インタビュー 企業理解 インタビュー 金融 日系
2021年5月24日(月) | 16,185 views
sponsored by 三井住友銀行

さまざまな業界のデジタル化が進む昨今、特にこの数年で大きく進んだのが「お金」のデジタル化でしょう。

紙の通帳からデジタル通帳へ、そして電子マネーやさまざまな決済サービスが普及した今、お金にまつわる手続きがスマートフォン一つで完結できるようになってきました。


スタートアップも次々と金融業界に参入している今、負けじと進化を続けるのがメガバンク。今回ワンキャリ編集部が取材した三井住友銀行は、アプリなどのデジタル活用を進めるほか、異業種との協業でベンチャー企業を立ち上げるなど、精力的に新規事業を展開しています。

新型コロナで注目された銀行の価値、銀行が宇宙ビジネスに進出する理由、そして無限に広がるキャリアの可能性まで──私たちが持っているメガバンクへのイメージを覆す数々のエピソードから、三井住友銀行の変革、そして未来の姿に迫ります。

「企画系の部署で仕事をしたい」と希望したら人事部に。経営との距離も近くなった

──大沢さんも難波さんも、比較的最近人事部に入られたと聞いています。それまではどのようなお仕事をしていたのか、教えてください。


大沢:私は2009年の入行で、最初の10年は法人営業としてキャリアを歩んできました。約200社のお客さまを担当し、大手デベロッパーを担当して地方創生や海外の開発案件に関わっていたこともあります。2019年に人事部へ異動しました。


──営業から人事というのは、相当なキャリアチェンジですね。辞令が出たときに驚きませんでしたか? それとも希望していたのでしょうか。


大沢:希望を出していたわけではなかったので、確かに最初は戸惑いました(笑)。でも、いざ異動してみると、三井住友銀行が進んでいく方向性や経営との距離の縮め方など、現場では見えていなかったことが分かりました。

今は採用や若手育成を通して、未来の銀行を作る仲間を見つけることが楽しいです。また、いつか現場に戻ったら役に立つ、学べることがたくさんあると感じています。

大沢 真穂(おおさわ まほ):人事部 採用グループ
2009年新卒入行。中堅・中小企業向けの法人営業、大手デベロッパーの営業担当を経て、2019年より人事部に異動。現職にて、新卒採用、若手育成・研修制度の企画を担当している。


難波:私は2020年7月に人事部に異動になりました。それまでは、リスク統括部という部署におり、銀行が抱えるリスクを数値で示すための数理モデルの作成や、システム整備や国際金融規制への対応などを担当していました。リスク管理部門への配属は入行前からの希望でしたが、大沢と同じく異動は想像していなかったですね。


──数字を扱う部門から人事部というのは意外……というか、そういう異動もあるんですね。


難波:リスク統括部での仕事は、経営の意思決定をする人のために数字を作ることです。そこで良い仕事をするには、実際に判断する側の立場に立ってみることが必要だと思いました。だからもう少し経営に近い企画系の部署で仕事をしたいと希望はしていたのですが、希望を出した当時はそれが人事部だとは考えていませんでした。

これまでは数字がお客さまのようなものでしたから、真逆ですよね(笑)。人の心を相手にする部署で大丈夫かな? と不安な点はありました。

案件を動かすのは他の誰でもない、担当者である自分。意思決定のスピードを支える三井住友の文化

──お二人とも「経営に近い」とお話しされていましたが、それが人事部というのも意外ですし、特にメガバンクの場合、どの部署であっても経営層には遠いイメージがあります。


大沢:おそらくメガバンクはお堅く、年功序列のイメージがあるからですよね。でもSMBCで求められるのは、やりたいことがあるのであれば、自らキックしてやろうとする力です。誰かに託すのではなく、自らが経営者に説明をしにいく必要がある局面が、皆さんが想像しているよりもたくさんあります。


──とはいえ、階層はありますよね? ハンコリレーではないですが、物事を進める際にさまざまな方が関わるので、スピード感も遅くなりがちなのかなと考えていました。


大沢:「意思決定に時間がかかる」という印象があるかと思いますが、稟議(りんぎ)が当日中に承認されることも珍しくないので、案件によります。また、上の人が自ら担当者に説明を求めて会いに来ることも多いです。口頭ですぐに確認できるので、話が早いというか。


──どういうことでしょう。


難波:一般的には、担当者が課長に相談して、課長が部長に相談して……という「伝言ゲーム」になりがちですが、当行では、疑問があれば、担当者に直接聞きに来ることも多いんです。「これってこういうことだよね?」「そうです」という感じで。役員や取締役レベルの方たちとの距離が近いから無駄な時間がなくなる。これがスピードにつながっているのだと思います。


大沢: 「意思決定が早い」というのは、私たちが仲間内で言っているわけではなく、お客さまからの評価としてよくいただく言葉です。私たちはいつもお客さまの方を向いて仕事をしています。社内の都合でお客さまのビジネスチャンスを逃すわけにはいきません。


──なるほど。実際にスピード感を生かして対応できた仕事の例などはありますか?


難波:私は5年目のときに、本邦に適用予定の規制をどういう形で、どういう文言でこの国に適用するべきか、他行を交えた折衝を担当したことがありました。弊行が率先して見つけた論点を軸に議論をリードしたと考えていますし、他行では課長・部長クラスの方が出席されるような場にも三井住友銀行からは当時5年目の自分が出席していました。

業界の慣習など、知らないことも多く、苦労した点も本当に多かったのですが、だからこそ成長できたと思っています。三井住友銀行に入って良かったと思ったことの一つですね。

難波 拓馬(なんば たくま):人事部 採用グループ
2015年新卒入行。千葉支店、千葉法人営業部を経て、2016年秋よりリスク管理部門リスク統括部に配属。オペレーショナルリスク、コンダクトリスクを中心に、リスク計量化モデル、指標開発、国際金融規制への対応などを担当。2020年7月より現職。

コロナ禍にあっても日本企業の倒産数が少ないのは、銀行が踏ん張っている証拠

──メガバンクでありながらスピード感があるというのは魅力的ですね。ただ、最近は以前に比べて銀行の存在感が薄くなっているような気がするのですが、いかがでしょうか。例えば、オンライン化や新型コロナの影響で、窓口に行くことは少なくなったという人は多いと思います。


大沢:確かに窓口に行くことは少なくなったと思います。銀行自体も窓口に来ていただくことを推奨していません。だからこそ、振り込みや口座作成、運用といった全ての手続きが手元のスマートフォンやWeb上でできるように、デジタル化を推進してきました。その点では「より身近になった」と考えることもできます。


難波:最近「◯◯pay」のような決済サービスが増えていることから分かるように、今、日本では急速にキャッシュレス化が進んでいます。しかし、これらのキャッシュレス決済においてはセキュリティが課題となっており、セキュリティを高めるために必要なサービスをわれわれは提供して支えております。そういった目に見えない部分でも、銀行は深く根を張っていますから、「銀行が必要なくなる」ということはないと考えています。


大沢:加えて法人という観点で見ると、このコロナ禍にあっても企業の倒産件数を抑えられているというのは、銀行が踏ん張ってきた証拠でもあると思います。


──確かに倒産している企業もありますが、多くのメディアが危惧していたほどの打撃にはなっていないかもしれませんね。


大沢:もちろん、新型コロナの影響で悩まれているお客さまはたくさんいますし、コロナ以前に作った経営計画を変更せざるを得ない企業がほとんどでしょう。

そのときに誰に相談するのかというと、コンサルティングファームだけではありません。長年付き合い、経営にも深く入っている銀行だってそう。資金面や新規ビジネスまで含めて支援ができる、良いときだけでなく、悪いときもずっとそばにいる存在なのです。

デベロッパーに対して新規事業を提案──コンサルではなく、銀行だからこそできる企業支援とは?

──「コンサル」という言葉が出たので伺います。コンサルティングファームと比較したときに、パートナーとしての銀行の魅力や強みはどういったものになるのでしょうか。


大沢:大きく2つあると思っています。「案件ベースではないこと」と「コンサルティング料を取らないこと」です。

私たちの本業はコンサルティングではありませんから、コンサルティングフィーをいただくことが目的ではない。5年後、10年後にいかにお客さまが成長しているかが大切なことです。だから動き方も案件ベースではありません。一蓮托生(いちれんたくしょう)で企業の未来をサポートできるのは、銀行員ならではのやりがいでしょう。

私たちは担当のお客さまを持つと、先輩から「お客さまを好きになることから始めろ」と教えられます。好きになると、彼らの夢や目標を叶(かな)えたいと強く思いますし、お客さんの経営課題を見つけようと考えます。ソリューションの提案から実行、M&Aも最後のフェーズまで付き添う。上場の支援だってできます。お金を貸すというのは武器の一つに過ぎません。


難波:お客さまへの向き合い方が大きく違うと思っています。銀行の場合、お客さまのビジネスが失敗して、お貸ししたお金が返ってこないと、われわれ銀行も困ってしまいます。ビジネスモデル上、本気でご提案して、本気でフォローまでしなければならないわけです。責任が大きいぶん、苦しいこともたくさんありますが。


──具体的に大沢さんがこれまで携わったお客さまで、コンサルティングのような領域も含めて支援した例はありますか?


大沢:大手デベロッパーを担当していたときに、街づくり×ヘルスケアをテーマにした事業を提案して、お客さまから「銀行がこんな提案もしてくれるんだ」と驚かれたことがあります。


──確かに意外な提案ですね。銀行と街づくりやヘルスケアがどうつながるのでしょう?


大沢:銀行のビジネスアセットとして強みの一つに情報の質と量があると思います。個人・法人を含めて多くのお客さまと取引しているからこそ得られる情報の「幅」と「深さ」は銀行の大切な資産であり、その情報をいろんな角度で組み合わせて、顧客の未来を創造することが重要だと考えています。

その中で私は街づくりとヘルスケアを掛け合わせた未来に需要があるのではと考え、SMBCの業界専門部署やSMBCグループの三井住友カードなどを巻き込んで、お客さまに「銀行が考える企業の未来」を提案しました。


難波:こうしたご提案をする際は、もちろん担当者の力量も重要ですが、銀行内のアセットを活用できるのもありがたいですよね。銀行内には、セクターバンカーといってヘルスケア業界に詳しい人や不動産業界にとても詳しいという人もいます。なかなか個人では至ることのできない深い知識やSMBCグループならではの事業をリソースとして使えるのは、他社にはない魅力だと思います。

例えば、米国のベンチャー企業と組み、衛星から得られるデータを使ったコンサルティング事業に参入する、という報道も先日出ていましたよね。これも20代の社員が提案したことでした。

多くの取引先がビジネスパートナーに。「宇宙」だって銀行の事業領域だ

──衛星のデータを使ったコンサルティング!? それって銀行がやることなんですか?


大沢:私たちはこれまでも衛星画像やGPS(衛星利用測位システム)の位置情報を活用した各種調査・モニタリングの高度化を進めていましたが、今回は国内外の衛星データを用いて、人々の動きや動産・不動産の状況など、社会・経済活動の変化を見える化し、分析レポートとしてお客さまに提供することを始めました。これにより情報分析、マーケティングなどの高度化や効率化が可能となり、お客さまの生産性向上にもつながると考えています。


──それを20代の社員が提案したと。面白いですね。


大沢:三井住友銀行には、年次に関係なく全行員が応募できるピッチコンテストがあります。コンテストを通じて頭取が良いものだと判断すれば、実際に予算と人がアサインされて実行される仕組みがあります。

また、「未来2021」というアクセラレーションプログラムも主催しています。これは日本で成長するベンチャー企業を支援し、大企業に対して幅広くアピールできる機会です。可能性がある事業を表に出そうとする取り組みは、銀行内でも銀行外でも用意しています。


難波:三井住友銀行は本当にさまざまな事業領域のお客さまと取引があります。逆に言えば、彼ら全てがマッチングの相手になりうるし、われわれとのコラボレーションのパートナーになる可能性があるということ。弁護士ドットコム様との合弁会社の「SMBCクラウドサイン」や、NTTデータ様やDaon様と立ち上げた、生体認証サービスを展開するベンチャー「Polarify」も良い例です。

実際、2019年にはインターネット上で企業同士がビジネスパートナーを探せるマッチングサービス「Biz-Create(ビズクリエイト)」をリリースしました。これはもともと法人営業が個人でニーズをマッチさせていたことをデジタル化し、お客さま自らが使えるようにしたサービスです。


──なるほど。昨今は規制が緩和されたこともあり、多くのベンチャー企業が金融分野に参入しています。三井住友銀行はこうしたコラボレーションで戦っていくということですか。


難波:おっしゃる通りです。どんなに優秀な人材でも、お客さまの課題に対して1人では解決できないことがたくさんあります。私たちには数多くの人材や取引先のデータ、そしてグループ会社が私たちにはある。出てくるアイデアの質では絶対に負けないでしょう。


大沢:私たちは中期経営計画で「最高の信頼を通じて、お客さま・社会とともに発展するグローバルソリューションプロバイダー」というビジョンを掲げています。

前回の中期経営計画では「金融」という言葉が入っていましたが、現在のものからなくなりました。これまでの銀行という枠組みを超え、私たちが持っている情報やアセットの幅や深さを展開していくという思いと力を感じてもらえると思います。

幅広い業種の機密情報が蓄積。銀行は最強の「ビジネス情報プラットフォーム」だ

──先ほど銀行には取引先のデータがあるとお話しされましたが、銀行以外にもデータを蓄積している企業はたくさんあると思います。銀行が持っているデータはどこが強みになるのでしょうか?


難波:まずはお金の流れが明確に分かっていることが大きいです。あとは先ほどお話ししたように、さまざまな業種のお客さまと取引があることも大きなポイントでしょう。お金を使わない企業なんて存在しませんから。

ここまで幅広く、奥深い情報をため込んでいるのは、銀行の一番の強みだと思います。これは個人においても、法人においても同じです。


──お金の流れが分かると、なぜビジネスの創出につながるのでしょうか?


大沢:新しいビジネスは課題があるからこそ創出されます。通常はその課題を発見するためのデータを集めることに苦労すると思うのですが、銀行はすでにそのデータを持っている。その情報を組み合わせることで新しいビジネスが生まれるというわけです。

金融のプロとして財務面でのサポートはもちろんですが、SMBCはオープンイノベーションを積極的に活用しながらソリューション力の向上に力を入れています。「こだわり」を持ち、お客さまの将来について本気で考えれば考えるほど、可能性は無限大だと分かる。それが銀行ビジネスの面白いところです。

転職せずとも望むキャリアを得られる。「自分の可能性は無限大」と思える場所を最初の一歩に

──ここまで三井住友銀行の魅力をお話ししていただいたと思いますが、改めて、三井住友銀行をファーストキャリアに選ぶメリットはどこにあると思いますか?


難波:入った後の選択肢の広さですね。私もそうでしたが、結局会社に入ってみないとどんな仕事があるか、何が自分に向いているか分からないことも多いと思います。

自分がどういう人か完璧に分かっていて、将来やりたいことも一つしかない場合は良いですが、多くの場合はそうではありません。入った後でもジョブローテーションなどで軌道修正できる、後出しジャンケンができることで、人生を棒に振りにくい、というのはすごく良い点だと思います。


大沢:三井住友銀行は、2020年1月に「Be a Challenger」をコンセプトに人事制度を大きく見直しました。具体的には部長になれる年次が下がったり、頑張れば自分のキャリアが叶うという世界を実現したりするための改定です。公募制度、海外トレーニー制度などで自分が望むキャリアを描きやすくなっていると思います。


──冒頭でお二人は人事への異動を想像していなかったと伺いました。ジョブローテーションを不安に思う就活生もいると思います。その点はいかがですか?


難波:私自身は、ジョブローテーションできることは良いことだと感じています。会社に入ってから、やりたい仕事が変わるたびに転職をしなければならないのは大変なので、ローテーションできるのはありがたいですね。また、実際に業務を経験したうえで、今後やりたい領域が決まった後は、「エキスパート制度」によって業務領域を固定する道を選ぶことも可能です。


大沢:私の夫も行員ですが、間接金融と直接金融の両方を経験したいと希望してグループ会社のSMBC日興証券に出向していたことがあります。キャリアの幅はグループ会社だけではありません。若いうちから銀行とお取引のある異業種の企業に出向できる「異業種交流」という制度もあります。


──転職せずともキャリアを選べるだけの選択肢があると。それは確かに大きな魅力ですね。


大沢:公募制度では、海外も含めて100以上のポジションが従業員の挑戦を待ち望んでいます。部署数も多いため、毎年丸2日間かけて開催される、各部署を説明するSMBCのジョブフォーラムは、まるで転職フォーラムのようです。新しいキャリアを見つけたいという人はそこに参加しても良い。

変化の多い今の時代、自分がやりたいと思うことが変わっていく人も多いはず。だからこそ「自分の可能性は無限だ」と思える場所を選ぶべきではないかとも思います。

──三井住友銀行では、若手はどのようなキャリアを歩むことになるのでしょう。


難波:入行した直後は何も分からないと思いますので、まずは2年程度かけて一人前の銀行員になってもらうというのが一般的なキャリアです。3年目からは一人前として扱われますので、良く言えば裁量がある、悪く言えば追い込まれます(笑)。でもそれが成長スピードの速さにつながると思っています。私も失敗をたくさんしましたが、頭取も「失敗していないことは、挑戦していないことだ」とメッセージを発しています。


──ありがとうございました。最後に就活生にメッセージをお願いします。


難波:ぜひ、皆さん一人ひとりが一番幸せになれる選択をしていただきたいと思っています。世の中には「就活人気ランキング」みたいなものもありますが、ランキング上位の会社に入れば全員が幸せになれるか、といえばそうとも言い切れません。就活はマッチングの世界です。世間的に言われている話を鵜呑(うの)みにせず、自分でしっかり情報収集してほしいです。その結果として、選ばれたのが当行であればうれしいですね。


大沢:銀行も世の中もどんどん変化しています。こういうときだからこそ、自分の目で見たこと、肌で感じたことを大切にして就活をすれば悔いは残らないと思います。

私自身、ここまで長く銀行で働くとは思っていなかったですが、仲間やお客さまに支えられ、気付いたら12年も働いていました。入って苦労することもあるかもしれませんが、ここは優秀な仲間がいて、成長していける環境です。皆さんの挑戦をお待ちしています。一緒に楽しく働きましょう!


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