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就活サイトトップ就活記事「世の中にインパクトを与える事業を創りたい」南氏の天職...

「世の中にインパクトを与える事業を創りたい」南氏の天職と理想のリーダー像に迫る

企業インタビュー 企業理解 インタビュー
2017年5月18日(木) | 15,362 views

ワンキャリアが総力を挙げて連載中の「WORLD5特集」。

世界経済フォーラムに選ばれたYGLの5名(岩瀬大輔氏、山崎直子氏、遠藤謙氏、中村俊裕氏、南壮一郎氏)が登場し、キャリア論・世界情勢を語ります。


第5弾は、株式会社ビズリーチ代表取締役社長の南壮一郎氏にお話を伺いました。

前編の今回は、常に世間に変革をもたらすキャリアを歩んできた南氏のビジネスマンとしての核心に、KENが迫ります。

理想のリーダーは「逆から」考えよ

南壮一郎:

1976年生まれ。米・タフツ大学を卒業後、新卒にてモルガン・スタンレー証券株式会社に入社し、M&Aアドバイザリー業務に従事した。2004年には東北楽天ゴールデンイーグルスに創業メンバーとして参画し、球団事業においては不可能とされていた初年度からの黒字化成功に貢献した。その後、2009年に株式会社ビズリーチを創業し、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」を開設し、HRテック(HR×Technology)領域でサービスを展開、現在は同社代表取締役社長。2014年には世界経済フォーラム(ダボス会議)の「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出された。著書に『絶対ブレない「軸」のつくり方』(ダイヤモンド社)、『ともに戦える「仲間」のつくり方』(ダイヤモンド社)がある。


KEN:まず伺いたいこととして、数千・数百人のリーダーを見られてきた南さんが思う、「理想のリーダー像」を教えていただけますか。


南:理想のリーダー像は人それぞれ違うと思うので、定義をするのは難しいですが、僕の場合、まず「リーダーとは何か」というところから考えると思います。僕自身の原体験において、誰からもリーダーと呼ばれていた方々は、自らがリーダーになりたいからなっているのではなく、周囲の皆が「この人がリーダーだよね」と認め、皆が自然と後ろについてきました。では、自分だったらどういうリーダーについていきたいか? そのように考えていくと、必然的に自分自身にとっての理想のリーダー像が浮かんでくるのではないでしょうか。


KEN:「自分ならどんな人をリーダーにしたいか」から逆算するわけですね。南さんだったら具体的に、どんな人についていきたいですか?


南:きちんと求められている「結果を残す」人ではないでしょうか。

新卒5年目までは「ビジネス小学2年生」:目の前の基礎を積み重ねて高みへ

KEN:「結果を残す」と一口に言ってもいろいろな要素がありますが、南さんは何を重視されますか?


KEN(聞き手):

新卒で博報堂経営企画局・グループ経理財務局にて中期経営計画推進・M&A・組織改変業務を経験。米国・台湾への留学を経て、ボストン コンサルティング グループで勤務。その後、ONE CAREERにジョインし、執行役員CMOに就任。一方で、23歳の頃から日本シナリオ作家協会にて「ストロベリーナイト」「トリック」「恋空」等を手掛けたプロの脚本家に従事。『ゴールドマンサックスを選ぶ理由が僕には見当たらなかった』『早期内定のトリセツ(日本経済新聞社/寄稿)』など


南:リーダーという文脈において、「結果を残す」ことを掘り下げていきますと、結果的には、何事も「基礎」がしっかりしていることに繋がっていると感じています。

例えば、僕は小学校から大学まで体育会サッカー部一筋でしたが、最終的に、結果を残している選手は、若い頃から皆さん基礎練習を大事にされている方ばかりです。誤解を生まないように少し補足しますと、努力したから必ず結果が残るわけではありませんが、どんな世界でも結果を残している人たちは地道に地味に基礎から自らを磨いており、努力も当たり前のように積み重ねていると思います。


KEN:どんな分野でも、リーダーの資質は積み上げた基礎がものをいうと。一方で、入社後すぐ戦力として活躍を求める企業も少なくありませんよね。南さんは、社会人何年目までが基礎固めの時期とお考えですか?


南:社会人20年目くらいではないでしょうか。これは僕自身のことですが、20代は修行期間、30代は練習試合、そして40代から60代が公式戦だと思ってやってきました。

学生の皆さんに分かりやすいように説明しますと、大学を卒業してから例えば50年働くとするでしょう。その場合、社会人の最初の5年間は、50年のキャリアの10%になりますよね。その計算式をこれまでの学生生活に当てはめるとしましょう。小学校に入学してから大学を卒業するまで16年間だと考えてみると、その10%は、1.6年です。つまり社会人の5年間というのは、学生時代の1年半くらいの時間ということです。


KEN:小学校に入学してから1年半ということは、小学2年生の2学期くらいですか。まだまだヒヨッコですね。


南:そうなんです。社会人としての最初の数年間は、基礎を磨くつもりで、どんなことにもガムシャラに挑戦してもらいたいですし、たくさんの成功体験や失敗体験を積み重ねてもらいたいです。

例えばKENさんが今、もし大学生だったら、小学校に入りたての子になんてアドバイスしますか?


KEN:彼らにとっては何が正しいかどうかも分からない時期ですよね。なら、「目の前のことを一生懸命がんばりなさい」って言いますね。


南:そうですよね。僕も同じで、そんなに難しいことをアドバイスしないと思います。「どんなことでも一生懸命やってみなさい」「先生や両親のいうことを聞きなさい」「いい友達を作りなさい」と。小学生に対しては、皆さん、似たようなアドバイスを明確にできると思います。

僕自身も、社会人はまだ18年目。つまり社会人を50年やると仮定したら、ざっくりと3分の1が過ぎたところで、学生時代だと小学校6年生レベルです。だから社会人のことを、正直まだ全部は分かりません。ただ、KENさん同様、学生時代は16年の最後までやってきたので、小学校の低学年の子たちにはアドバイスをできるのだと思います。学校は社会人になるための学校であるとずっと思ってきました。だからこそ、学校を例え話に説明するのが、僕自身も一番しっくりきます。

もとの話に戻すと、将来リーダーとして活躍する大事な要素として、学生時代同様、社会人としての基礎をきっちりと習得するプロセスを経ることは重要だと思っています。できない事実を受け入れる素直さや上司や先輩に言われたことを最後までやり切ること。仲間と切磋琢磨しながら学びあっていくこと。全て学生時代にやってきたことではないでしょうか。また、その延長線上に、リーダーというものが存在していると思いますし、誰しもがその素養や可能性を持っているとも思います。


KEN:南さんのお言葉をまとめると、「全ての人に、仕事の基礎の部分で地道な努力を積み重ねてからリーダーを目指してもらいたい。また、そのような機会を与えてもらえる環境を望んで修行の場として選ぶべきである」ということですね。

ちなみに、ビズリーチでは積極的に新卒採用を行っていますよね。自社の新入社員に対しても思うことは同じでしょうか。


南:全く同じですね。ありがたいことに、ビズリーチは急成長を続けていますが、新卒社員の育成に近道はないと思っています。

会社としては新卒の3年間を投資期間と定義し、全員を幹部候補生として、社会人としての基礎をきちんと鍛えていきます。中でも確実に身に着けてほしいことは3つで、1つ目が「できないことを認める素直さ」、2つ目が「できるまでやりきる折れない心」。そして、3つ目が「チームや仲間への強い貢献意識」です。基礎的なことなのですが、ありとあらゆる場面でこの3つのことが再現できるかどうかを反復練習していき、きっちりできていれば、社会人としてスタートラインに立ってもらいます。

我々は、当たり前のように基礎練習をやっていくのが、これからの時代におけるリーダーやプロフェッショナルを目指す者として必要だと思っていますし、僕自身もそのような教育を受けてきました。自分もいつの間にか教育を受ける側ではなく教育をする側になっていますが、皆さんも自身の学生時代の経験に沿って、新卒社員時の育成方針や教育を受ける環境によって、どのようにキャリアの選択肢や可能性が変わるかを考えてもらいたいです。


KEN:全員が幹部候補生という発想は面白いですね。またビズリーチの今の急成長フェーズで学べる面白さ、また個々の成長にコミットした教育方針は魅力的です。

事業を通じて世の中を変える―――南氏の「仕事の本分」

KEN:田原総一朗さんと年初に対談をした時、田原さんは著書(『起業家のように考える。』プレジデント社)に出てくる起業家たちの共通点として「ビジョンの明快さ」を挙げていました。南さんも本書に登場する経営者の一人ということで、現時点でビズリーチが目指す姿や、南さんが「どういう世界を描きたいか」というビジョンをお聞かせください。


南:せっかく、会社に集まって仲間たちと事業づくりをするのであれば、とことん世の中に大きなインパクトを残していきたいと思っています。

幸運にも僕は、楽天イーグルスの立ち上げを通して、全国の大人であれば誰しもが知る事業をゼロから作ることを体験させていただきました。事業を通じて世の中を変えることが不可能ではないこと、また自分たちが創った事業を通じて、地域の方々に感動を与える立場になれることも知りました。数年前に楽天イーグルスが日本シリーズで優勝した際に、さまざまな場面でお世話になった東北地方の大勢の方々から「球団を創ってくれて、ありがとう」というご連絡を頂き、涙しながら「僕の仕事の本分はこれだな」と思いました。

社会や人の人生に大きなインパクトを与えられる仕事は、本当に面白いものでしたので、今後はビズリーチに集まったみんなにも、その素晴らしさを伝えていきたいです。

「世の中にインパクトを与える事業を創りたい」天職は今この瞬間、一番ホットな仕事

KEN:いま「仕事の本分」という言葉が出ましたが、関連して「南さんにとっての天職とは何か?」をお伺いしたいです。ここで言う天職は、「死ぬほどお金もモノも持っていたとしてもやりたい仕事」とします。


南:「その時代の流れに沿った、その瞬間その瞬間で、もっとも面白いと感じられる仕事」です。その時々によって、時代には、さまざまな波が起きますし、領域によっては追い風や逆風が吹く場合もあります。自分が生きている時代に合った仕事や領域を選びながら、時代が求めている変化をきっちりと提供するような働き方を目指しています。


KEN:キャリアを通じて時代が求める業界に身を置かれてきた南さんにとって、今のビズリーチは「天職」と言えますか?


南:ビズリーチでは、創業以来「自分たちの時代らしい働き方をテクノロジーとデータで支えていこう」というテーマのもと、多様な事業を展開してきました。そして、国が雇用の流動化や労働生産性の向上を支援する施策を始めており、我々が取り組んでいる働き方領域は、まさに国の未来を占う事業領域の一つとなってきました。そういった背景もあり、今の仕事は非常にチャレンジングで、やりがいを感じています。


KEN:今はまさに順風満帆という印象ですが、南さんの著書(『ともに戦える「仲間」のつくり方』ダイヤモンド社)では、創業期の労苦が窺えました。失礼かもしれませんが、ビズリーチをやめようと思ったことはないんですか?


南:シンプルに、背中を預け助け合える仲間がいなければ、早々と辞めていたと思います。同時に、起業したり社長をやりたいがためにビズリーチで働いているわけではなく、何よりもこの会社の一員として皆と働くことが面白いから働いています。もし、その感情が保てなくなったら、退くタイミングなのではないでしょうか。


KEN:では、南さんにとってのモチベーションは、やはり「仲間」と「面白い仕事」にあるのですね。


南:面白い仕事を、最高の仲間たちと一緒に歩んでいくほど、ワクワクするものはありません。僕はただ、その瞬間その瞬間に、世の中が変わりそうな事業領域で、社会のインフラになれるような事業を仲間と一生懸命作り上げたいだけです。



株式会社ビズリーチ 新卒採用の情報はこちらをチェック


――「後編:自分のことを信じよう!就活生に贈るメッセージとは?」

後編では、共に働きたい学生像や、これからの若者の働き方について迫ります。


「WORLD5特集」の公開スケジュールライフネット生命社長 岩瀬大輔 
 ・99%の人は天職に出会えていない。でも、それでもいいと思う
 ・パワポで世界は変わらない。彼がハーバードを経て起業した理由宇宙飛行士 山崎直子 
 ・地球から「8分30秒」の職場。それが宇宙
 ・苦しい業務も、全てが楽しい。きっと、それが「天職」
Xiborg代表/義足エンジニア 遠藤謙
 ・「パラリンピックは人類の未来」
 ・最短距離で世界一になるため、根回しなど面倒なことは不要だ
国連出身・コペルニクCEO 中村俊裕 
 ・官最高峰の国連を経て、彼が「コペルニク」を創立した理由
 ・今、国連に入るってどうなんですか?就職先としての「国連のリアル」
投資銀行出身・ビズリーチCEO 南壮一郎 ・「世の中にインパクトを与える事業を創りたい」南氏の天職と理想のリーダー像に迫る ・自分のことを信じよう!就活生に贈るメッセージとは?
世界経済フォーラム出身/コーディネター 長尾俊介
 ・「MBAで流行ってる業界には行かないこと」就活生へメッセージ
 ・僕らは多分、100歳まで働くことになる
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北野唯我(KEN)
取締役
北野唯我(KEN)

北野 唯我(きたの ゆいが):株式会社ワンキャリア 取締役CSO/作家
新卒で博報堂の経営企画局・経理財務局勤務。米国・台湾留学後、ボストンコンサルティンググループを経て、2016年ワンキャリアに参画、現在取締役として戦略・採用・広報部門を統括。2021年10月、同社は東京証券取引所マザーズ市場に上場。作家としても活動し、30歳のデビュー作『転職の思考法』(ダイヤモンド社)が20万部、他に『天才を殺す凡人』(日本経済新聞出版社)などで、著者累計40万部。

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