こんにちは、トイアンナです。最も優秀な学生と、最もダメな学生は「面接が5分で終わる」といわれます。その理由が、分かりますか?
採用担当者にお会いすると、口をそろえて「5分も話せば、学生の能力は分かる」とおっしゃいます。
私はさすがに疑問を抱いています。例年、入社後になって「使えない新卒が来た!」とピーピー泣いている方も同じくらい目にしているからです。このように、実際の「使える度」は働かせてみないと分かりませんが、学生の「自社に対する適性」は5分で見抜くことができます。
従って、冒頭の「面接が5分で終わる」理由は「すばらしく適性があったので5分で面接通過を決めた」場合か、「どう考えても自社に適性がないため5分で帰らせる」場合なので、面接が予定時間の途中で終わることがあるわけです。
今回は「ダメだから5分で帰らされる学生」にならないためのポイントをお伝えします。
1. 最低限の身だしなみ:押さえるべきは暗黙の基準と清潔
企業によって重視する協調性には差があります。日系大手の中でもメガバンクやインフラ業界は、髪もスーツも黒中心のコンサバなスタイルを守らねばならないというのは、よく聞く話です。
一方、比較的リラックスしたスタイルで挑める業界として挙げられるのは、外資系コンサルティングファームや、ベンチャー企業です。しかしそれも「最低限」があってこそ。以下のような外見をした学生は、5分どころか秒で落とされます。
・お風呂に入っていない
・スーツがシワシワ
・あまりにも特殊な髪形・髪色
この世には「社内の偉い人が激怒しない服装」という暗黙の基準が、会社ごとにあります。対策はシンプルです。OB・OG訪問や会社の採用ページであらかじめ「この会社ではどこまで許されそうか」を探っておきましょう。特に採用ページはフォーマルめの服装を選ぶ社員が多いため、その程度の「堅さ」だと理解しておけば無難なはずです。
2. しぐさと話し方:これまでの社会経験が丸裸に
身だしなみの次に判断されるのは、態度の面です。いくら実力主義といわれる企業も、業務はチームワークで回っています。つまり、チームワークを破壊しかねない失礼な態度は「実力不足」とみなされるのです。以下、「態度が悪い」とみなされがちな落とし穴をピックアップしました。特に接客バイトが未経験の方は要注意です。
・小さすぎる声、ボソボソした声など、相手へ伝えることを意識しない発声
・目を合わせない、ずっと下を向いているなど、身ぶりの表現が不足している
・腕組みをする、肘をつくなど、偉い人だけが許されたボディーランゲージ
・「でも」「だから」といった、家族や友人間でしか許されないタメ語
これらは、多くの業界で「一発アウト」になる可能性の高いしぐさです。どんなに良いことを話していても、伝わらなければ意味がありません。といっても、対策は単純なテクニックでOK。悩み別に、以下を実践してください。
・声が小さい方はボイトレやカラオケで練習をしておきましょう。
・目を合わせるのが苦手な方は、目ではなく鼻を見つめると緊張しません。
・敬語やボディーランゲージのクセは、模擬面接で友達に指摘してもらいましょう。
3.「地頭」らしきもの:回答の早さと深さを試行回数でカバーしよう
「地頭」というコトバがどうも私は苦手なのですが、数年前から選考では「地頭の良い子」が好まれるようになりました。
その正体を分析してみると、どうやら「面接官の質問に素早く答えられる」「質問の答えが的を射ている」の2点のようです。要するに面接では早く、深い答えを出せれば通過率が上がるようです。
「早く深い答えなんて無理!」と思った方もご安心ください。面接で質問される項目はたかが知れています。選考を重ねれば重ねるほど、ルーティンワークとして面接はこなせるようになります。
例えば100回面接をした方は「学生時代に一番頑張ったことは何ですか」と聞かれて、挙動不審になることは少ないでしょう。むしろ、「またこの質問かよ」くらいの気持ちで、ハキハキ答えられるはずです。
従って、面接で問われる「地頭」とは結局、練習量でカバーできるものと思われます。私が就活で最も後悔したことは、第一志望群だった日系大手企業の選考を真っ先に受けてしまったことです。地頭を発揮するどころか、面接の受け答えにどもりにどもって落ちました。あなたが同じ轍(てつ)を踏む必要はありません。本命企業を受ける前に、嫌というほど他社で練習してください。
4.「この子、ウチにいそう」感:5分で通る究極のポイントは、OB・OG訪問で研究しよう
最後に、社風面のマッチングです。あなたが面接官に「この子、ウチの◯◯くんに似てる!」と思わせることさえできれば、面接は5分で終わらせることができます。すでに社員としていそうなタイプの学生は、社風との相性が良いとみなされます。
ですから、どうしても入りたい企業があるなら、OB・OG訪問で出会った社員の「服装・口ぐせ・食事のマナー・言葉遣い」など、ありとあらゆる要素をメモしておきましょう。
面接で言いよどんでも「あの人ならどう答えるだろう?」と想像すれば、とっぴな質問にも耐えられるはず。もしOB・OG訪問の段階で、大勢の社員の方に会ったにもかかわらず相性が合いそうになければ、残念ですがその企業はあなたが苦労する職場です。なぜなら入社後、あなたはその先輩方へ頭を下げて仕事をせねばならないからです。
OB・OG訪問レベルで「合わない」と感じたら、無駄な面接は回れ右。より相性の合いそうな企業を探すのが賢い選択です。
面接が長引く学生こそ危機意識を持とう
ここまで、「5分で落ちる」学生にならないための面接対策をお伝えしました。が、このポイントを踏まえた上で最も危機感を抱いていただきたいのは「予定時間ギリギリまで面接をされる」方です。通す・通さないのボーダーラインにいることが多く、最終局面で落とされるリスクをはらんでいます。
「あの子、地頭はすごくいいんだけどスーツがクシャクシャで、協調性がまるでなさそうなんだよなあ……」
「彼女、態度もいいし地頭もいいんだけど、弊社にまるでいないタイプ。内定を出しても、入社後うまくやっていけるか心配なんだよね」
……などという、惜しい落とされ方をしているかもしれません。ギリギリまで粘って落とされる学生は今こそ面接態度の総点検が必要です。
今ならまだ間に合います。ギクリとした方は、模擬面接で友達にフィードバックしてもらいましょう。
(Photo:pathdoc/Shutterstock.com)
※こちらは2018年11月に公開された記事の再掲です。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、状況が変更する可能性もございます。