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「ノープレー・ノーエラーを排せ」数々の世界初・日本初を生み出してきたHondaのチャレンジの文化とは

イベントレポート 企業ラボ 企業インタビュー 企業理解 インタビュー メーカー 日系
2025年6月26日(木) | 1,220 views
sponsored by 本田技研工業

本田技研工業(以下、Honda)は、「The Power of Dreams」というグローバルブランドスローガンを掲げ、一人ひとりの夢や想いを原動力に新しい価値を生み出してきた会社です。

戦後の復興期、奥さんが大量の荷物を市場まで運んでいる姿を見た創業者の本田宗一郎が、「移動を楽にしてあげたい」と思い、自転車に補助用エンジンを取り付けたところから、その歴史がはじまっています。

その後、二輪だけではなく発電機や農業機械などに使用できる汎用(はんよう)エンジンを作り、創業から10年後には海外進出し、自動車の他にも船のエンジンや小型ジェット機なども手掛けるなど、数々のチャレンジをしてきました。その中には、カーナビゲーションシステムや、完全自律型の二足歩行ヒューマノイドロボット、自動運転レベル3対応車発売など、多くの世界初・世界一も含まれています。

創業時の純粋な想いを大切にしながら、独自の技術を磨き、今では世界一のパワーユニットメーカーとして年間約2800万台の製品をお客さまにお届けしています。

こうして成長してきたHondaには、一人ひとりの想いやアイデアを尊重し、挑戦を推奨する文化が深く根付いています。

モビリティ業界が100年に一度の大変革期を迎え、これまで以上のチャレンジが求められています。この時代において、Hondaは独自の文化を大切にしながらも過去の成功体験に捉われることなく、全く新しい価値を創造し、世界中の人々や社会から存在を期待される企業を目指します。

創業当時から挑戦し続け、「人々の夢を創っている」と掲げる同社について、Hondaで新卒採用を担当する賀川 慧さんと、下平 沙織さんに、お話を聞きました。

「100年に一度の大変革期」でのHondaの挑戦

──まずHondaが考える未来の移動のカタチについて、聞かせてください。


下平:現在、モビリティ業界は100年に一度の大変革期といわれていますが、100年前に人々の移動手段が馬車から車に変わったような、大変革が起こっています。技術革新により、モビリティの性能や価値が劇的に変わる世の中において、Hondaはさまざまなチャレンジをしています。例えば、空の領域では従来より身近に、これまでにない新しい体験を提供したいという想いから、空飛ぶクルマといわれる「eVTOL」の開発にも挑戦しています。

また、自動車に関しては、「ハードからソフトへ」という転換が起こっています。従来、車はエンジンやボディーといったハード面に価値があるとされ、購入時に最も価値があるものと認識されていました。ところが、今後は購入後のソフト面が価値を決めていく時代に変わっているのです。


賀川:スマートフォンのようにどんどんアップデートされていくイメージですね。


下平:ガラケーからスマートフォンへの転換と言えるかもしれません。スマートフォンは購入してから好きなアプリをインストールしたり、自分好みにアップデートしたりすると思いますが、車も購入後に自分好みにアップデートをし続け、価値を上げていくことができる時代にきています。もはやただの移動手段ではなく、ワクワクを体験できるサービスとも言えるかもしれません。

──社会にどのような変化が起き、今の流れになったのでしょうか。


賀川:社会の変化というよりも、AI(人工知能)などテクノロジーの進化の影響が大きいと言えます。今まで「こんなことができたらいいな」と想像していたことも、現在はテクノロジーの進化によって実現が可能になってきました。


下平:そんな時代において、Hondaは自動運転などの知能化とクリーンエネルギーなどの電動化に注力して、次々と新しいサービスやモビリティの開発に挑戦しています。


賀川:世の中は何を求めているのかと考え、その実現こそが重要になるため、開発はモビリティにとどまりませんね。モビリティを起点にしたサービスなど、幅広い取り組みを続けています。

挑戦と失敗を繰り返して生まれた文化

──Hondaには、「ノープレー・ノーエラーを排せ」という文化が受け継がれていると聞きます。


賀川:Hondaはユニークな文化が多く、「ノープレー・ノーエラーを排せ」はその1つです。失敗を恐れずにまず行動しようという考えで、まさにHondaに根付いている文化と言えますね。

100年に一度の大転換期といわれる時代において重要になってくるのは、やはりチャレンジをすること。昨今は多くの企業がチャレンジしようと掲げていますが、Hondaは創業当時からこのチャレンジする社風があり、その結果、失敗を繰り返しながらも大きく成長してきています。

企業が成長するには「失敗を恐れ挑戦しない」ことは最も避けるべきことだと思っていて、大転換期においては非常に親和性のある文化だと感じています。

──ご自身の挑戦エピソードがあれば教えてもらえますか。


賀川:数えきれないですが、入社してすぐに配属となった事業所全体の「福利厚生」をどう変えていくのかというグランドデザインを考える業務は印象に残っています。

Hondaには、若手でも業務の4割ほどをこなせれば権限を委譲する「4割任用」という文化があり、グランドデザインもその4割任用にあたる業務と言えました。

当時は入社直後ということもあり、正直に言えば「難しい仕事だ」と驚いたものです。ただ、任せるからには、上司や先輩たちもしっかりサポートしてくれる体制は整っています。つまり、仕事をただ振るだけではなく、アサインとサポートはセットとなっていて、若手の活躍や育成の観点から生まれた文化です。

私自身、当時はわからないことばかりでしたから、周囲に相談し、自分でも学び続ける日々でした。最終的にうまくいったとは言えない結果となりましたが、大きな経験をさせてもらえ、成長の実感も得られました。

当時は自分から言い出しにくいことでも、上司や先輩、周囲の社員から「大丈夫か?」「最近、調子はどうなの?」と声をかけてもらえたことで悩みを打ち明けやすかったことも記憶に残っています。コミュニケーションを取りやすい環境であることも間違いないですね。

基本理念は「人間尊重」。3つの柱は自立・平等・信頼

──会社の基本理念として「人間尊重」を掲げているそうですね。


賀川:これもHondaの独特な文化の1つです。「人間尊重とは何か」という疑問をもった人もいると思いますが、簡単に言うと「人を大切にする」という文化です。

「人を大切にするのは他社も同じじゃないか」と思われるかもしれませんが、Hondaでは自立・平等・信頼という3つの柱を掲げていて、人事制度から働き方、社風まで、自立・平等・信頼に基づいています。私自身、働いている中で人間尊重を感じることは少なくありません。

例えば、意欲のある社員に活躍する機会を提供する点は、3つの柱の「自立」に基づいています。具体的には、今いる領域とは異なる場所で挑戦したい社員を支援する「社内チャレンジ公募制度」や外部のオンライン研修を受けられるといった充実した研修制度、従業員が作成するキャリア計画をベースに、上司と共に目指すキャリアについて考える2Wayコミュニケーションなどの制度があります。

また2つ目の「平等」については、実力主義の文化があります。学歴や出身大学が問われることは全くなく、完全に実力のみで評価されます。もちろん学閥もありません。

最後に、ワイガヤ文化という、「信頼」を代表する文化があります。年齢や職位にとらわれずワイワイガヤガヤと腹を割って議論する文化で、年齢や経歴に関係なく自身の意見を積極的に発信できる環境があります。社員一人ひとりが本音で想いをぶつけ合うことで、一人ではたどり着けなかったアイデアが生まれるのです。


下平:ワイガヤ文化の重要性は日々感じますね。

私は中途入社でHondaが3社目ですが、入社当初は「こんなに何でも言っていいんだ」と、いい意味で他社とのギャップに驚いたほどです。新入社員でも考えを口にすることが良しとされる文化で、実際に先輩社員もそれらの意見を尊重して受け入れてくれています。

ワイガヤ文化は自分の意見をぶつけるだけでなく、相手の意見もしっかり尊重することも重要です。自分の意見ばかりを主張するのではなく、相手の意見も聞いて尊重する。それこそ人間尊重の文化であり、従業員全員が心掛けているのではないかと思っています。


賀川:その通りですね。反対意見を言うのは勇気がいるものですが、Hondaには言いやすい雰囲気があります。違う意見があって当然で、そこからヒントが得られて、より良いアイデアが生まれるならば、積極的に意見を交わすべきだと。

私自身、採用担当をしていると若手社員の意見のありがたみを感じます。年齢を重ねて学生たちの感覚と乖離(かいり)を感じるようになってきていたため、学生と年齢の近い若手社員からアイデアが出てくると、彼ら・彼女らの良さが最大限発揮されていると感じます。


──最後の質問として、国内外に広がる多様な挑戦フィールドについて聞かせてください。


下平:まずHondaのイメージについて、「車好きでなければ入れない」「理系の会社」といった意見を聞くことが多いですが、実情は全く違うと伝えたいです。

100年に一度の大転換期だからと言って、新しいモビリティやサービスを生み出したとしても、それらが人々に使いたいと思ってもらえなければ意味がありません。人を理解することが重要であり、それゆえに技術だけではなく幅広い知見が必要です。

またHondaは、開発から生産、営業までさまざまな機能をもつ拠点を世界中に持つことから、国内外を問わず、また、文系理系関係なく活躍できるフィールドがあります。


賀川:海外拠点については、私は30歳の頃にメキシコに駐在しました。

入社時は強い海外志向があったわけではありませんが、入社後にグローバルに活躍する社員の姿を目の当たりにしたことで考えに変化が起こりはじめました。「海外で仕事をするのも面白そうだ」という思いが芽生え、上司と共に目指すキャリアについて考える2Wayコミュニケーションで想いを伝えたところ、希望をかなえてもらえました。

海外赴任を振り返ってみると、本当に得がたい貴重な経験でした。わかりやすく言葉にするのは難しい感覚ですが、人生が変わるほどの経験と言えます。

新しい環境・文化の中で、共に働くメンバーも、仕事内容も変わったことで、仕事面から生活面まで全てにおいて刺激だらけ。価値観や考え方が一変するほどで、まさに世界が広がったという感覚を得られましたね。


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