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就活サイトトップ就活記事「君、東大じゃないでしょ?」その一言から始まった、就職...

「君、東大じゃないでしょ?」その一言から始まった、就職浪人という選択肢〜つらくなったら読む記事〜

就浪 就活浪人 東大 学歴 内定 コラム
2018年12月19日(水) | 88,442 views

こんにちは、ワンキャリ編集部です。

「キャリアを考えるWEEK」の4回目は、就活留年をして外資系コンサルティングファームに内定したワンキャリインターン生の就職活動体験について取り上げます。就活でプレッシャーを感じる方に読んでいただければと思います。

「そこそこ高給取りで、そこそこまったり」な会社で働きたい、普通の22歳

私立文系、サークルに熱中した大学生活。どこにでもいる普通の学生として就活をしていたとき、私の就活の軸は3つありました。

・30代後半で1000万くらい年収が欲しい
・終電くらいまでには家に帰れればいい
・会社にブランド力がある

正直将来やりたいことは分からず、仕事なんてどれも大変だろうから、給料をもらえるところがいい。こんな浅はかな思考で就活を行っていましたが、持ち前のキャラが受けたということもあり、なんとかメガバンク、自動車メーカー、システム系企業などから内定をもらいました。

「君、東大じゃないでしょ?」〜忘れられない人事からの一言〜

尊敬するバイトの先輩が入社していたこともあり、最終的にシステム系の会社に入社を決めました。多くの日系企業は内定後に配属面談があり、人事と入社後働く部署について話します。ここで私は貿易系の仕事を希望し、「将来は海外案件をやりたいな」と考えていました。

しかし実際に配属面談で人事に言われたのは「正直なところ、君が志望する部署って東大出身の人が配属されるんだよね。君、東大じゃないでしょ?」という言葉。確かに自分のしたい仕事がすぐにはできないことは理解していたので、その時は「分かりました」と引き下がりました。でもこの会社では一生したい仕事ができない、しかも理由が学歴。

「自分の職場って本当にここでいいのだろうか」という疑念が生まれました。

「大企業に入るということは 『そういうこと』なんだ」

私はもともと帰属意識が強く、愛社精神も強いタイプだと自己認識しています。例えば、自分が所属していたサークルに対しては誰よりも強くコミットしましたし、後輩の面倒を見るのも全く苦にならないタイプです。人と関わることも好きです。その会社に入ったら、会社のために頑張ろう、という気持ちは人一倍あったと思います。

しかし、何度か人事と面談を行ううちに、疑念は大きくなっていき、人事のある言葉をキッカケに、2回目の就活を決心せざるを得なくなります。

その言葉とは

「大企業に入るということってのはね、『そういうこと』だから」

というもの。

人事の方は、「そういうこと」と表現をぼかし、明確には言いませんでしたが、私はその意味を瞬時に理解しました。「そういうこと」とはつまり「会社が敷いたレールに従う、歯車になる」ということを指していました。頭の中で人事のこの言葉がグルグルと周り、その日は全く眠れなかったのを覚えています。翌朝まで、自分の将来について深く考えました。

「働く覚悟ができていない」

その日、私が確信したことは2つありました。

1つ目は、「この企業で描けるキャリアは会社が与えたキャリアプランだけ」ということ。当時の私は将来自分がしたいことが分からず、「いろいろなことを経験した上で働き方を決めたい」と考え、面接でもそのような話をしていました。しかし配属面談で、この会社で描けるキャリアは会社が与えたキャリアプランだけ、と思い知りました。

もう1つは、自分自身の問題。それは「働く覚悟ができていない」ということ。

覚悟がないまま就職活動を行った私は、4月からその会社で働く覚悟ができていませんでした。しかも自分の「就活」に後悔し始めたため、働く覚悟を持たないまま会社を決めてしまってはきっと将来後悔すると考えました。

悩み抜いた結果、最終的には、この2つ目の理由、つまり、自分自身の問題から、就職浪人を決断します。

2回目の就活〜違いは世知辛い世間体と確固たる覚悟〜

2回目の就活はネガティブな面と、ポジティブな面がありました。

まず、ネガティブな面でいうと、「経歴」が選考基準として大事な「日系メーカー」は、秒殺で落ちました。書類選考は全く通りませんでした。もう1つは、社会からの視線がつらい1年間となりました。例えば、親戚の家に行ったときなどに「◯◯くんは何しているの?」と質問されたときに、「もう1回就職活動をしています」と答えると、腫れ物を扱うような対応になりました。「就職活動がうまくいかなかったかわいそうな子」として映ったのだと思います。

一方、就職浪人にはポジティブなこともありました。一言でいうと「就活に対してとことん努力するようになったこと」です。それは2つの理由が大きかったと思います。

1. 周囲の学生よりハンデがあるからこそ切迫感を持つようになった

2. 今までに会ったことがないくらい優秀な学生からの刺激を受けた

1つ目の理由は良い意味で切迫感を持てたことです。どこまでも努力するようになりました。SPIやWEBテストはもちろん、できることはすべてやりきりました。「もう失敗したくない」という気持ちが、自分のことを深く考えるキッカケを与えてくれたと感じます。

2つ目の理由は、優秀な学生に出会い、自分が井の中の蛙でしかないと分かったことです。一度目の就活とは受ける企業が変わり、出会う学生も変わりました。特に外資系をメインで受ける学生の中には、自分の人生や社会のあり方など自分には思いもよらない意見を持つ人が多く、刺激を受けました。

2回目の就活の結果、手に入れた覚悟と友人

そうして2度目の就職活動は満足のいくものになりました。

外資系コンサルティングファームと外資系消費財メーカーから内定をもらったという結果にも満足しましたが、自分が変化した実感が持てたことに何よりも満足しました。その変化とは「社会に出る期待感」が抱けたことです。

できる限りのことをやったから仕事への覚悟や明確な目標が生まれ、高い視座を持った友人と知り合えたことから「どんな社会人になるかわくわくするような友人たちと切磋琢磨(せっさたくま)できる」というポジティブな気持ちが生まれました。

本当に行きたい会社を目指して、努力して内定を獲得することは素晴らしいことだと思います。一方で、結果に満足できないこともあります。後悔を抱えたまま社会に出るのをどうしても受け入れられないならば、もう一回就活をする選択肢もあります。私は1年前、不安いっぱいの中で就職浪人を決断しましたが、今は「あの時、就職浪人という道を選んでよかった」と心から思います。「就活に努力するのは、時間の無駄。もっと違うことに時間を使うべき」という声は社会人の方がたまに言う言葉です。しかし、少なくともそれまでキャリアを全く考える機会がなかった私にとって、この1年はとても意味が深かったし、必要なものであったと自信を持って言えます。

2019年卒の就活生の皆さんは、いよいよ就活が本格化していく時期。プレッシャーも感じるでしょう。でも、少しだけ肩の荷を降ろして、6月からの面接に向けて頑張っていきましょう。

※この記事は、実在する学生へのインタビューを元に、個人情報を保護するために一部修正/加筆しています。

執筆後記:北野唯我(KEN)からの一言

「現代の就活は、囚人のジレンマ状態に陥っている」

これはこの話を聞いていて感じた感想です。同様に多くの学生/社会人の方が「違和感」を抱いたのではないでしょうか。

その正体は「本来はWin-Winを目指せる関係なのに、お互いが情報を隠していることから、Lose-Loseに陥っていること」だと私は感じます。

1年目で入社する予定だった企業の人事は「社内に、学歴フィルターがあること」を配属面談まで隠し、学生に提示したのは内定を承諾した後でした。後出しジャンケンです。

一方、学生も本当はやりたいことがあるのに、面接時にはそれを隠し「なんでもやります」と、仕事内容ではなく企業への忠誠を誓います。結果、入社後にやりたいことと現実のギャップを感じはじめます。

この構造を抜本的に解決するのは不幸ながらまだ時間が掛かるでしょう。この記事は問題提起のみにとどまりますが、学生の皆さんに伝えたいことがあります。

それは、「本当に迷ったら、もう一度やり直すのもあり」ということ。真面目な人ほど、自分自身を許せないかもしれません。大学受験まで一生懸命頑張ってきた人ならなおさらです。ですが、人は1年で劇的に変わることがあるのも事実。できるだけやってみて、それでもダメなら就職浪人という選択肢もあります。この記事が、皆さんに新たな選択肢をお伝えできれば幸いです。


Interviewer:大前

Writer:北野唯我(KEN)

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執行役員 北野唯我(KEN)

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──ブログはこちら:『週報』ー思考実験の場。

──記事一覧はこちら:ワンキャリア北野唯我(KEN)特集

※こちらの記事は2016年5月に掲載された記事の再掲です。

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北野唯我(KEN)
取締役
北野唯我(KEN)

北野 唯我(きたの ゆいが):株式会社ワンキャリア 取締役CSO/作家
新卒で博報堂の経営企画局・経理財務局勤務。米国・台湾留学後、ボストンコンサルティンググループを経て、2016年ワンキャリアに参画、現在取締役として戦略・採用・広報部門を統括。2021年10月、同社は東京証券取引所マザーズ市場に上場。作家としても活動し、30歳のデビュー作『転職の思考法』(ダイヤモンド社)が20万部、他に『天才を殺す凡人』(日本経済新聞出版社)などで、著者累計40万部。

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