こんにちは、外資系企業で勤めていたトイアンナです。
外資系企業というと一律して「実力主義」「リストラがある」「バリバリ働く」といったイメージがあるようですが、実際には企業の業態や本社の所在地によって大きく文化が異なります。日系企業と同じようにほぼ終身雇用を採用している企業から、生存競争が激しい実力主義のオフィスまでさまざま。
今回は外資系メーカーに興味を持っていただいた皆様に、受ける前に知っておきたいリアルな外資系企業をお伝えいたします。外資系メーカーに興味を持っていただいている皆様はもちろん、今まで外資系メーカーを視野に入れることがなかった皆様にとっても、意外な魅力を感じるきっかけになるかもしれません。
外資系メーカーに共通する点
まず、どの外資系メーカーでもおおよそ共通している点についてご紹介します。
結論として、
「男女平等」
「営業・マーケティングは忙しく短期スパンで出世できるが、製造管理部門・人事は長期スパンでじっくりとキャリア形成を行える」
という点が外資系メーカーの特徴です。
外資系全般に言えることではありますが、メーカーでも男女で出世が差別されることはほぼなく、女性が活躍している会社が目立ちます。また、一般にフロントと呼ばれる営業やマーケティングなど取引先や消費者に接する業務は忙しい代わりに昇給スピードも速く、「バック」と呼ばれる製造の管理や人事などは「長く働く」ことを目的にフロントサイドに比べると比較的緩やかに出世や成長をしていく企業が多いようです。
ここからは「本社の場所」や「業種」による違いに着目して業界をご説明します。
本社所在地による違い
いわゆる「外資系」という単語は「外国」と同じで世界をひっくるめた非常に幅広い意味を持つ言葉です。アメリカが本社の会社と、サウジアラビアが本社の会社では社風が全く異なることは、なんとなく想像がつくかと思います。そこで今回は新卒で特に受ける方が多い「米系」と「欧系」に分けて比べてみたいと思います。
米系は「ハードワークな実力主義」
アメリカを本社に持つ企業は一般的に「コテコテの外資系イメージ」に近い社風を持っていることが多いようです。
例えば、実力主義で毎年自分の達成度が数字で査定され、結果さえ出せば年齢に関係なく昇進し大きなプロジェクトを任せてもらえる。ハードワークの代わりに高い給与を受け取る、などです。Up or Out(昇進するか、クビになるか)という極端な世界観はアメリカ系企業がもたらした外資系企業のイメージと言っても過言ではありません。
企業例:P&G Japan/ジョンソン・エンド・ジョンソン/スリーエムジャパン/デュポン/日本マイクロソフト/日本IBM
欧系は「まったり安定志向」
ヨーロッパを本社に持つ企業は、アメリカよりも「効率的に働いて、早く帰る」ことを大切にします
もちろん企業の売り上げも大切ではありますが「妻がインフルエンザになったので今日は休みます」などあくまで家族・友人が第一という主義。その分昇進スピードや昇給スピードはアメリカ企業より遅いかもしれませんが、日系メーカーを受けるような方とも相性がいいのが、欧系メーカーです。
企業例:ユニリーバ・ジャパン/ネスレ日本/日本ロレアル/LVMHグループ(ルイ・ヴィトン モエヘネシーグループ)/アストラゼネカ
業種による違い
次に業種によって分かれる社風の違いについてご説明します。
一言で外資メーカーといっても「FMCG(消費財)」「IT」「BtoB」「ラグジュアリー」で大きく文化が異なります。日系企業の業種による差と同じです。
FMCG(消費財)
シャンプーや洗剤、飲料水に食品など日々購入される商品を扱うのが「消費財」メーカーです。
消費財は日本企業が非常に手ごわく、限られた売り場でのシェアを巡り苛烈な競争が繰り広げられています。競合が新製品を出したら対策案を1週間後までに通さねばならないなどハードワークになりやすい反面、投資の額も大きくダイナミックな経営手法を学ぶことができます。工場での管理部門はワークライフバランスがとりやすいようです。
企業例:P&G Japan/ユニリーバ・ジャパン/ネスレ日本/日本ロレアル/マースジャパンリミテッド
IT
パソコンなどのハードウェアから、Javaなどのソフト面までをカバーするIT業界は、一般にフレックスタイム制度の実施率が高く「11時出社、22時退社」のように自分のスタイルで仕事をしやすい傾向にあるようです。ただし、ITコンサルタントなど取引先の会社へプレゼンをしたり、新システム導入をする業務を担当する場合はまさに外資コンサルばりの働きを求められることも。
企業例:日本マイクロソフト/日本IBM/日本オラクル/日本ヒューレット・パッカード(HP)
BtoB(法人向け製品販売)
消費者ではなく、法人向けの製品を売るメーカーです。
あまり新卒では知る機会が少ないかもしれませんが、プラスチックの原料など大手外資が日本にも支社を作っています。会社により社風は違えども、日本で小規模に展開していることもあり日系企業のように伝統的な社風の会社が多いようです。
企業例:GEジャパン/日本サムスン/ジョンソン・エンド・ジョンソン/スリーエムジャパン/デュポン/ファイザー/アストラゼネカ
ラグジュアリー
車やリゾート、ブランドバッグなど高級品を売るメーカーです。
ヨーロッパ系が多いためにワークライフバランスが重視されており、また10年近く同じ製品を担当するなど製品に愛着を持てる人にはうってつけの業種です。百貨店など伝統的な日本の会社とのお取引が多いために伝統的な日系企業のスタイルに慣れている方が重宝されます。
企業例:LVMHグループ(ルイ・ヴィトン モエヘネシーグループ)/プラダジャパン/コーチ・ジャパン/フェラーリ・ジャパン
転職サイトで調べたり、会うことで情報収集から始めよう
以上、本社の拠点と業種に分けて考えた外資系メーカーの業界について広くご紹介してまいりました。実際には「アメリカ系ラグジュアリーブランド」「フランス系FMCG」など、さまざまな組み合わせがあり、かつ職種別採用をされることが多いために一概には言えないこともあります。
理解を深めるために、興味のある方は情報収集を進めていきましょう。
外資系に特化した転職サイトのインタビューは参考になるので、「外資系メーカー 転職 インタビュー」「企業名 転職 インタビュー」などで検索して調べてみましょう。外資系転職のISSコンサルティングの企業インタビューなど、参考になるサイトがいくつかあると思います。
また、人数が少ないため見つけるのは難しいかもしれませんが、機会があればOB/OG訪問をすることで情報収集を怠らないようにしてください。
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