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デザイナーの仕事とは?種類や仕事内容、向いている学生の特徴も解説

デザイナー
2025年3月23日(日) | 3,992 views

こちらの記事では、デザイナーの仕事に興味を持つ就活生に向けて、デザイナーの具体的な仕事内容やキャリアパス、有利な資格、選考対策を解説します。また、デザイナーに向いている人や仕事の大変さについてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

<目次>
●デザイナーの仕事とは? 仕事内容と魅力
 ・デザイナーの仕事とは?
 ・【ネット・メディア系5選】デザイナーの種類と仕事内容
 ・【紙媒体系5選】デザイナーの種類と仕事内容
 ・【製品系8選】デザイナーの種類と仕事内容
 ・【建築系3選】デザイナーの種類と仕事内容
●デザイナーの主なキャリアパス
 ・主なキャリアパス
 ・未経験・他職種からデザイナーになる方法
 ・デザイナーが目指せる職種
 ・他職種・未経験からデザイナーへのキャリアパス・転職事例
 ・デザイナーから他職種へのキャリアパス・転職事例
●デザイナーの仕事のやりがい・年収・将来性
 ・働く上でのやりがい
 ・デザイナーの年収・待遇
 ・デザイナーの仕事がなくなるといわれる理由
●デザイナーの仕事はきつい? 大変なところ
 ・長時間労働と納期に追われるストレス
 ・クライアントの要求への対応に苦慮
 ・デザインの完成度への不満とプレッシャー
 ・常に新しい技術の学習が必要
●デザイナーの仕事は未経験でも可能? 向いている人の特徴
 ・コミュニケーション能力が高い人
 ・発想力がある人
 ・粘り強い人
 ・スケジュール管理が得意な人
 ・学ぶ姿勢がある人
 ・創造力が豊かな人
 ・新しいものや流行のものが好きな人
●デザイナーの仕事に向いていない人
 ・自分が作りたいものだけを作りたい人
 ・コミュニケーションが苦手な人
 ・数字で評価される仕事がしたい人
 ・新しいことを学ぶことが苦手な人
●デザイナーに求められるスキル
 ・デザインスキル
 ・色彩感覚
 ・デザインソフトを扱う技術力
 ・トレンドの情報収集力
 ・マーケティングスキル
 ・コミュニケーション能力
 ・論理的思考力
 ・根気強さ
 ・スケジュール管理能力
●デザイナーの仕事に有利に働く資格
 ・ファッションに関するデザインに役立つ資格
 ・製品に関するデザインに役立つ資格
 ・紙に関するデザインに役立つ資格
 ・ゲームやWebに関するデザインに役立つ資格
 ・空間や環境に関するデザインに役立つ資格
●デザイナーの選考対策
 ・エントリーシート(ES)対策
 ・Webテスト対策
 ・面接対策
 ・OB・OG訪問
●おわりに

デザイナーの仕事とは? 仕事内容と魅力

デザイナーと聞くと、センスやクリエイティビティを生かして美しいものを作る仕事というイメージを持つ人も多いでしょう。

しかし、デザイナーの仕事は見た目の美しさだけではありません。ユーザーにとって使いやすく、機能性を兼ね備えたデザインを考えることも重要な役割です。

デザイナーにはさまざまな種類があり、それぞれ専門分野が異なります。ここからは、ネット・メディア系、紙媒体系、製品系、建築系のデザイナーの仕事内容を紹介します。


デザイナーの仕事とは?

デザイナーは、商品やWebサイト、広告、ゲームなど、さまざまなメディアのビジュアルを制作する職業です。デザインの目的は、単に美しく見せることだけではなく、使いやすさや伝わりやすさを追求することにあります。

たとえばWebデザインでは、見た目の美しさに加えて、ユーザーが直感的に操作できる設計が求められます。ゲームデザインでは、プレイヤーが没入できる世界観の構築が重要です。

デザイナーの仕事は幅広く、自分のアイデアを形にし、多くの人に届けられるやりがいがあります。ここでは、具体的なデザイナーの種類について見ていきましょう。


【ネット・メディア系5選】デザイナーの種類と仕事内容

ネット・メディア系のデザイナーは、Webサイトやアプリ、ゲームなどのデジタルコンテンツのデザインを担当します。

デジタルメディアの発展により、多様なデザイン分野が生まれました。特に以下の5つの職種が代表的です。


それぞれの職種について詳しく見ていきましょう。


Webデザイナー


Webデザイナーは、企業のホームページやECサイトなど、Web上のデザインを担当します。企業のブランドイメージを視覚的に表現するだけでなく、ユーザーが快適に閲覧・操作できるようなレイアウトを考えるのも重要な役割です。

具体的には、サイト全体のデザインを決めるだけでなく、フォントやカラー、ボタンの配置など細かい部分にもこだわります。

また、コーディングの知識が求められることもあるため、HTMLやCSS、JavaScriptなどを扱えると活躍の幅が広がるでしょう。


UI・UXデザイナー


UI・UXデザイナーは、Webサイトやアプリのユーザーインターフェース(UI)やユーザー体験(UX)を設計するデザイナーです。

UIはボタンやメニューの配置など、ユーザーが目にする部分を指します。一方、UXは、ユーザーがスムーズに操作できるよう導線を整えたり、快適な体験を提供するための設計をすることです。

たとえば、ECサイトでは「購入ボタン」を適切な位置に配置することで、売上向上につながることもあります。デザインの力でユーザーの行動を促進できるのが、この仕事の魅力です。


ゲームデザイナー


ゲームデザイナーは、ゲームのビジュアルやUI、世界観のデザインを手がける仕事です。キャラクターのデザイン、背景やアイテムの制作、ゲーム画面のレイアウトなど、多岐にわたる業務を担当します。

特に、プレイヤーが没入できるようなデザインを考えることが重要で、アニメーションやエフェクトの制作も求められることがあります。

また、ゲーム開発チームと協力しながら進める仕事なので、コミュニケーション能力や企画力も必要です。


キャラクターデザイナー


キャラクターデザイナーは、アニメやゲーム、広告などに登場するキャラクターをデザインする仕事です。キャラクターの外見だけでなく、性格や背景設定まで考慮しながらデザインを作り上げる必要があります。

たとえば、ゲームのキャラクターなら、バトル時の動きや衣装のバリエーションなども考えることが求められます。

キャラクターをより魅力的に見せるために、色彩やポーズ、表情の工夫も重要です。手描きだけでなく、デジタルツールを使った制作スキルも必要です。


イラストレーター


イラストレーターは、Webサイトや広告、書籍、ゲームなどで使用されるイラストを制作する仕事です。

仕事の内容は幅広く、ポスターやパッケージのデザイン、アニメや漫画の挿絵なども担当します。依頼主の要望に応じて、さまざまなテイストのイラストを描く柔軟性が求められます。

また、最近ではデジタルイラストが主流になっており、PhotoshopやIllustratorといったソフトを使いこなすスキルも重要です。


【紙媒体系5選】デザイナーの種類と仕事内容

紙媒体のデザインは、視覚的な美しさだけでなく、情報を分かりやすく整理し、読み手に伝えやすくする役割があります。

紙媒体のデザイナーには、以下の5つの職種があります。


それぞれの職種について詳しく見ていきましょう。


グラフィックデザイナー


グラフィックデザイナーは、広告、ポスター、パッケージデザインなどのビジュアル制作を担当するデザイナーです。企業の商品やブランドイメージを視覚的に表現し、人々に印象を残すデザインを作ります。

たとえば、雑誌の表紙や企業のロゴ、ポスターなど、目を引くデザインを生み出すことが求められます。

IllustratorやPhotoshopを使いこなし、視覚的なインパクトと情報の分かりやすさを両立させるスキルが必要です。


エディトリアルデザイナー


エディトリアルデザイナーは、雑誌やカタログ、パンフレットなどの誌面デザインを担当する仕事です。文章や写真、イラストを効果的に配置し、読み手にとって分かりやすく魅力的なレイアウトを考えます。

たとえば、雑誌では特集記事のデザインや表紙のレイアウト、フォントの選定などを行います。

デザインの美しさだけでなく、情報を整理し、スムーズに読めるようにすることが重要です。


DTPデザイナー


DTPデザイナーは、印刷物のデザインデータを作成し、レイアウトを調整する仕事です。グラフィックデザイナーやエディトリアルデザイナーが制作したデザインを、印刷に適した形式に整えます。

たとえば、書籍のページレイアウトを調整し、フォントや画像の配置を最適化するなどの作業を行います。

DTPソフト(Adobe InDesignなど)を使いこなすスキルが必要で、印刷工程の知識も求められます。


ブックデザイナー


ブックデザイナーは、書籍の装丁やレイアウトを担当するデザイナーです。本の表紙デザインや帯のデザイン、本文のレイアウトなどを手がけ、書籍の世界観を視覚的に表現します。

たとえば、小説の表紙デザインでは、物語の雰囲気に合ったフォントや色彩、イラストを組み合わせ、読者の興味を引くデザインを考えます。

紙の質感や加工なども含めて、書籍の魅力を最大限に引き出すことが求められます。


アートディレクター


アートディレクターは、デザイン全体の方向性を決定し、制作チームをまとめる役割を担う仕事です。グラフィックデザイナーやエディトリアルデザイナー、イラストレーターなどと協力しながら、クオリティの高いデザインを生み出します。

たとえば、企業の広告キャンペーンでは、ポスターやパンフレット、Web広告など、さまざまな媒体で統一感のあるデザインを作る必要があります。

そのため、デザインのコンセプトを決め、各デザイナーに指示を出しながら全体を統括するスキルが求められます。


【製品系8選】デザイナーの種類と仕事内容

製品系のデザイナーは、生活のなかで使われるさまざまなもののデザインを手がけます。製品のデザインに携わる主な職種は以下の8つです。


それぞれの職種について詳しく見ていきましょう。


プロダクトデザイナー


プロダクトデザイナーは、家電・文房具・家具・雑貨など、身近な製品のデザインを担当する職種です。デザインを通じて、製品の使いやすさや魅力を高めることが求められます。

たとえば、スマートフォンのデザインでは、持ちやすさや操作性を考慮しながら、ブランドのアイデンティティを反映したデザインを考えます。

製品のコンセプト設計からデザイン、試作品の制作、最終製品の完成まで関わることが多いのが特徴です。


インダストリアルデザイナー


インダストリアルデザイナーは、工業製品のデザインを担当します。自動車、家電、医療機器、航空機など、大規模な生産を前提とした製品のデザインに携わります。

見た目のデザインだけでなく、機能性や安全性、生産コスト、耐久性なども考慮しながら設計する必要があります。

たとえば、自動車のデザインでは、エアロダイナミクス(空気力学)を考慮しながら、ブランドのイメージに合った形状を設計します。


ファッションデザイナー


ファッションデザイナーは、衣服や靴、帽子、バッグなどのデザインを担当する職種です。最新のトレンドを取り入れながら、ブランドのコンセプトに合ったデザインを生み出します。

デザインだけでなく、生地の選定やパターン(型紙)作成、生産工程の管理など、幅広い業務に関わります。トレンドの先読みが求められるため、流行に敏感であることが重要です。


テキスタイルデザイナー


テキスタイルデザイナーは、衣服やインテリア、雑貨などに使われる生地のデザインを担当します。布の素材、織り方、柄、染色技術などを考慮しながら、オリジナルのテキスタイル(布地)を作り上げます。

たとえば、着物の生地デザインでは、伝統的な柄と現代的なデザインを融合させることが求められます。

素材の特性を理解し、製品の用途に合ったテキスタイルをデザインするスキルが必要です。


ジュエリーデザイナー


ジュエリーデザイナーは、指輪、ネックレス、イヤリング、ブレスレットなどのジュエリーのデザインを担当します。金属や宝石の特性を理解し、美しさと耐久性を兼ね備えたデザインを考案します。

デザイン画を作成し、職人と協力しながら試作品を制作し、細部の調整を行います。オーダーメイドのジュエリーを手がける場合は、顧客の希望を反映したデザインを提案することも重要です。


家具デザイナー


家具デザイナーは、椅子、テーブル、収納家具などのデザインを担当します。美しいデザインだけでなく、使いやすさや耐久性、組み立てやすさなども考慮する必要があります。

家具のデザインでは、木材、金属、ガラス、布など、さまざまな素材を組み合わせて機能性を高めることが求められます。

また、インテリアデザイナーと協力しながら、空間全体のバランスを考えたデザインを行うこともあります。


パッケージデザイナー


パッケージデザイナーは、食品、化粧品、家電製品などのパッケージデザインを担当する職種です。商品の魅力を最大限に引き出し、消費者の目を引くデザインを考えます。

たとえば、高級チョコレートのパッケージでは、シンプルで洗練されたデザインにすることで、高級感を演出できます。

商品のコンセプトやターゲット層を意識しながら、デザインを設計することが重要です。


カーデザイナー


カーデザイナーは、自動車のデザインを担当する職種です。外装デザインだけでなく、内装やランプ、ホイール、シートなどの細部にわたるデザインを手がけます。

自動車のデザインには、空気抵抗を減らすエアロダイナミクスや、燃費効率を向上させる軽量素材の採用など、機能性を考慮した設計が求められます。

また、メーカーごとのブランドイメージを反映しながら、独自のデザインを生み出すことが重要です。


【建築系3選】デザイナーの種類と仕事内容

建築系のデザイナーは、住宅やオフィス、商業施設などの建築物のデザインをする仕事です。機能性や安全性にも配慮することが求められます。

建築に関わるデザイナーには、以下の3つの職種があります。



それぞれの職種について詳しく見ていきましょう。


建築デザイナー


建築デザイナーは、建物のデザインを担当する職種です。住宅、オフィスビル、商業施設、公共施設などの建築物の外観や内装のデザインを考え、見た目の美しさと機能性を両立させることが求められます。

建築士との違いは、建築士が構造や法律に基づいて設計を行うのに対し、建築デザイナーはデザインの観点から建築に携わる点です。

建物のコンセプトを考え、クライアントの要望に沿ったデザインを提案する力が求められます。建築の基礎知識やCADソフトのスキルを身につけると、より活躍の幅が広がるでしょう。


空間デザイナー


空間デザイナーは、建物内部のレイアウトや雰囲気をデザインする仕事です。オフィス、店舗、イベント会場、美術館など、さまざまな場所で働く人や訪れる人の体験をデザインします。

たとえば、飲食店の空間デザインでは、テーブルの配置、照明の明るさ、音楽の選定などを組み合わせて、店のコンセプトに合った雰囲気を作り出します。

設計から装飾まで幅広く関わることもあり、デザインだけでなく、マーケティングやブランディングの知識が求められることもあります。


インテリアコーディネーター


インテリアコーディネーターは、家具や照明、カーテンなどの組み合わせを考え、空間を美しく整える仕事です。住宅やオフィス、ホテルなどの室内空間を対象とし、機能性とデザイン性のバランスを考えながら、クライアントの要望に沿った空間を作ります。

空間デザイナーと似ていますが、より個人向けのインテリアデザインを手がけることが多い点が特徴です。

クライアントのライフスタイルや好みに合わせて最適な家具を提案し、理想の空間を実現するためのアドバイスを行います。センスだけでなく、コミュニケーション能力も重要なスキルです。

デザイナーの主なキャリアパス

デザイナーとしてのキャリアは、さまざまな方向性があります。

主なキャリアパスには、専門的な分野でスペシャリストを目指す、マネジャーとしてチームを率いる、異業界へ転身する、フリーランスとして独立する、といった選択肢があります。

自身の強みや目指す働き方を考えながら、最適なキャリアを築いていきましょう。


主なキャリアパス

デザイナーのキャリアは、経験やスキルによってさまざまな方向へ展開できます。専門分野を極めることで価値を高めるだけでなく、組織を牽引(けんいん)するマネジャーとしての役割に進むことも可能です。

さらに、デザインスキルを生かして異業界に転職したり、独立してフリーランスとして活躍する道もあります。

自分の目指すキャリアによって必要なスキルや経験が異なるため、どの道を進むかを早い段階から意識しながら、キャリアを積み重ねていくことが重要です。



専門的な領域のスペシャリストになる


デザイナーとして特定の分野に特化し、スペシャリストとしてキャリアを積む道があります。

たとえば、グラフィックデザイナーとして印刷物のデザインを極め、ブックデザイナーやパッケージデザイナーへと発展させることもできます。

また、WebデザイナーがUI・UXデザインを専門的に学び、ユーザー体験を最適化するUI・UXデザイナーになるケースもあります。

特定分野の専門性を深めることで、業界内での希少価値が高まり、企業からの需要も増えるといえるでしょう。


チームやクオリティを管理するマネジャーになる


デザイナーとして経験を積むと、チーム全体を管理する役割を担うことも可能です。

具体的には、ビジュアル制作の品質を統括するアートディレクターや、プロジェクト全体をリードするクリエイティブディレクターといった職種があります。

マネジャーとしての役割では、デザインスキルだけでなく、プロジェクト管理能力やコミュニケーション能力、クライアントとの交渉スキルなどが求められます。

チームを牽引し、クオリティを向上させるポジションを目指す人には最適なキャリアパスといえるでしょう。


これまでの経験を異業界で生かす


デザイナーとして培ったスキルを生かし、異業界へ転職する選択肢もあります。

たとえば、Webデザインとグラフィックデザインを組み合わせたデザイナーになり、広告業界やマーケティング業界で活躍することも可能です。

また、デザイン思考を生かして商品企画やブランディング、UI・UX分野のコンサルタントとしての道を選ぶ人もいます。業界内での希少価値が高くなれば、待遇やキャリアの幅も広がるでしょう。


独立してフリーランスになる


企業で経験を積んだ後、独立してフリーランスとして働く道もあります。フリーランスになることで、企業に縛られずに好きな仕事を選び、自由な働き方が可能です。

ただし、クライアントの獲得や案件管理、営業活動など、デザイン以外のスキルも求められます。

安定した収入を得るためには、専門性を高めながら信頼関係を築き、継続的に仕事を受注できる環境を整えることが重要です。


未経験・他職種からデザイナーになる方法

デザイナーの仕事に興味があっても、未経験からのスタートに不安を感じる人も多いでしょう。

しかし、デザイナーは実績やスキルが重視される職業であるため、正しい方法で学習や経験を積めば、未経験からでも目指すことが可能です。

ここでは、未経験者がデザイナーになるために必要な準備や方法を紹介します。



書籍や動画サイトなどで良いデザインを研究する


デザイン初心者が最初に取り組むべきなのは、優れたデザインを見て研究することです。

デザインの良し悪しを判断する力を養うために、書籍や動画サイトを活用し、プロのデザインがどのように構成されているのかを分析しましょう。

ポスターやWebサイト、雑誌のレイアウトなど、多くのデザインを観察することで、配色やフォントの使い方、レイアウトのバランスといった基本的なセンスを磨くことができます。


デザイナーに求められる適性を理解する


デザイナーに必要なのは、センスだけではありません。市場のトレンドやクライアントのニーズを理解し、柔軟にデザインを調整する能力が求められます。

また、細かい作業を根気強く続ける力や、クライアントの要望をくみ取りながらアイデアを形にする力も重要です。

自分がデザイナーとしての適性を持っているかを見極めながら、必要なスキルを伸ばしていきましょう。


スクールや独学で最低限の知識を身につける


デザイナーとして働くには、最低限のデザイン知識とスキルが必要です。独学で学ぶことも可能ですが、専門的なカリキュラムが用意されたスクールや職業訓練校を利用すると、より効率的に学べます。

特に、デザイン理論やレイアウト、タイポグラフィ、配色の基本などは、仕事をする上で不可欠なスキルです。

基礎をしっかりと固めておくことで、実際のデザイン業務にもスムーズに対応できるようになるでしょう。


デザインや画像編集ソフトの機能を覚える


デザインの仕事では、PhotoshopやIllustratorなどのデザインソフトを使う機会が多いため、基本的な操作方法を習得しておくことが大切です。

デザインや画像編集ソフトは多機能で最初は難しく感じるかもしれませんが、よく使われる機能やショートカットを覚えておけば、作業効率が格段に向上します。

無料のチュートリアルやオンライン講座を活用し、実際にデザインを作りながらスキルを磨きましょう。


クラウドソーシングを活用して仕事の経験を積む


未経験から実績を積むには、クラウドソーシングを利用するのも有効な方法です。

ランサーズやクラウドワークスなどのサイトでは、ロゴデザインやバナー作成といった初心者向けの案件も多く掲載されています(※1)(※2)。

簡単な案件から取り組み、少しずつ実績を増やすことで、ポートフォリオの充実にもつながります。最初は低単価でも、経験を積むことで評価が上がり、より高単価な案件を受注できるようになるでしょう。

(※1)参考:ランサーズ「仕事を依頼したい」
(※2)参考:クラウドワークス「仕事の種類は250種類以上。ご要望にあわせて発注できます。」


アルバイトやアシスタントとして経験を積む


デザイナーとしていきなり正社員の仕事を探すのが難しい場合は、デザインアシスタントやアルバイトとして現場経験を積むのもおすすめです。未経験者を歓迎する企業も多く、実務を通じてスキルを身につけられます。

アシスタントとして働くことで、デザインの流れやクライアント対応、チームでの仕事の進め方など、実践的な知識が得られるため、将来的なキャリアアップにもつながります。


「未経験可」の求人を探す


デザイン業界では、未経験者向けの求人も存在します。特に、企業が新卒や若手向けに研修制度を用意している場合、未経験でもデザイナーとしてスタートしやすくなります。

ただし、「未経験OK」と書かれていても、実際には雑務が中心だったり、十分な研修が受けられなかったりするケースもあるため、求人内容を慎重に確認することが重要です。

信頼できる転職エージェントや求人サイトを活用し、適切な求人を見極めましょう。


デザイナーが目指せる職種

デザイナーとしての経験を生かせる職種は多岐にわたります。ここでは、デザイナーがキャリアチェンジしやすい6つの職種を紹介します。



Webマーケター


Webマーケターは、デジタル広告やSEO、コンテンツマーケティングを活用し、企業の認知度向上や売上拡大を目指す仕事です。

ユーザーに響くビジュアルを作るスキルや、UI/UXの知識を生かして、効果的な広告やサイト設計に携わることができます。

デザインの経験があれば、クリエイティブな視点を持ちながらデータを分析し、マーケティング施策を実行できるため、即戦力として活躍しやすいでしょう。


Webディレクター


Webディレクターは、Webサイトやアプリの制作を統括する役割を担います。クライアントの要望を整理し、デザイナーやエンジニアと連携しながらプロジェクトを進行します。

デザインの基本を理解していることで、ビジュアルやユーザー体験を意識したディレクションができるでしょう。

Webディレクターは、スケジュール管理や品質管理など、マネジメントスキルも求められる職種なので、その後のキャリア形成にもつながりやすいといえるでしょう。


Webプロデューサー


Webプロデューサーは、Webサイトやデジタルコンテンツの企画・制作・運営を統括し、プロジェクト全体の戦略を決定する仕事です。

ターゲット層の分析やブランディング、コンテンツ企画など幅広い業務に携わるため、マーケティングの視点が求められます。

デザインの知識を生かして、ターゲットに最適なビジュアルやUI/UXを提案できる点が強みになるでしょう。


Webコンサルタント


Webコンサルタントは、企業のWeb戦略を支援し、サイトの改善や集客施策の提案を行う仕事です。

具体的には、アクセス解析や市場調査を通じて、効果的な施策をクライアントに提供します。

デザイナーとしてのUI/UXの知識を生かし、ユーザーの動向を考慮した提案ができるのが強みです。データ分析や論理的思考力が求められますが、デザインの視点を持つことで、より実践的な改善案を提示できるようになるでしょう。


フロントエンドエンジニア


フロントエンドエンジニアは、Webデザインを実際のコードに落とし込み、ユーザーが操作できる形にする仕事です。

HTML・CSS・JavaScriptを用いたコーディングが主な業務で、ReactやVueなどのフレームワークを活用することもあります。

デザインの知識があると、UIの細部にこだわった実装ができるため、より高品質なWebサイトやアプリを開発しやすいといえるでしょう。


インハウスデザイナー


インハウスデザイナーは、企業内で自社ブランドのデザインを担当する職種です。

具体的には、Webサイトや広告バナー、商品パッケージ、パンフレットなど、企業のマーケティング活動を支える制作物を手掛けます。

企業の一員として長期的な視点でブランドを成長させることができるため、デザインとマーケティングを両立させたい人に向いているでしょう。


他職種・未経験からデザイナーへのキャリアパス・転職事例

ここでは、具体的な転職事例とともに、他職種・未経験からデザイナーへのキャリアパスをご紹介します。

デザイナーへの転職を目指す人の中には、異業種からのキャリアチェンジを選択するケースが見られました。業務の裁量権や成長機会の不足、将来のキャリアに対する不安などを理由に、新しい分野へ挑戦する事例をご紹介します。

金融事務(業務・管理)からクリエイティブディレクターへの転職事例

転職を考えた理由・きっかけ
前職では、業務に対して十分な責任や裁量を持つことができず、若手のうちにキャリアを築くことが難しいと感じていた。また、生命保険業界自体が飽和状態にあり、将来的なキャリアの展望に不安を感じていた。自分自身が積極的に挑戦し、成長できる環境を求めていたため、転職を決意した。

特に、30歳までに自身の事業を立ち上げるという目標があり、そのためには、短期間で昇進し、スキルや経験を積むことができる職場環境が必要であると感じていた。新しい分野で自分の力を試し、成長できる場所で仕事をしていくことを決めた。

※出典:ワンキャリアプラス「東京海上日動あんしん生命保険からの転職体験談」
薬剤師・管理薬剤師からWebコンテンツ企画・編集・ライティングへの転職事例

転職を考えた理由・きっかけ
前職が大手企業であったため、安定感はあるものの個人個人の裁量権はあまり無いことを物足りなく感じていた。加えて、地域の患者に対し深く関わることはできるが、広域の生活者との関わりは無く、限局的な社会貢献にとどまっていることを歯痒く思っていた。
そこで、敢えてあまり社員数の多くない企業を選ぶことで、自らの裁量や責任の範囲を広げ、様々な経験を積めるのでは?と考え、転職活動を始めた。
また、「薬剤師資格にとらわれず、一般企業を受け、自身の活動の幅を広げてみたい」という思いから、薬剤師の免許を直接的に使わない企業に対しても積極的に転職活動を行った。

※出典:ワンキャリアプラス「I&H(旧:阪神調剤薬局)からの転職体験談」
インフラエンジニアからWebデザイナーへの転職事例

転職を考えた理由・きっかけ
きっかけは、残業時間の多さです。
どんなに効率化しても渡される仕事の量は増えるばかりで気力も体力も滅入ってしまい、転職を考えました。

※出典:ワンキャリアプラス「アウトソーシングテクノロジーからの転職体験談」


デザイナーから他職種へのキャリアパス・転職事例

続いて、デザイナーから他職種への転職事例を紹介します。

業務内容や職場環境への違和感、成長機会の希薄さをきっかけに、より自分の価値観やキャリアビジョンに合った仕事を求める転職事例が見られました。

Webプロデューサー・ディレクターからディレクターへの転職事例

転職を考えた理由・きっかけ
支援会社での業務をする中で、ユーザーやプロダクトにコミットするのではなく、人(クライアント)が変数となっていることに違和感を感じ、事業会社に入ってユーザーやプロダクトに集中できる環境を志望しました。
またカルチャーのミスマッチを前職では感じていました。具体的にはワークライフバランスにおいて、比較的ライフを重視している点、成長意欲の高い人が少ないと感じた点です。

※参考:ワンキャリアプラス「メンバーズからの転職体験談」
Webコンテンツ企画・編集・ライティングから販促への転職事例

転職を考えた理由・きっかけ
前職では、主に委託された化粧品の紹介サイト作成とライティング業務を任されており、1日2.3記事(約1000文字〜2000文字)を作成していました。

コロナの影響で、完全出社からフルリモートになり、MTGも一切無く社会人3年目にして、人と接することもなくこのような環境下で働いて良いのか。
もっと人と接しながら成長をしなくて良いのかと思ったのがきっかけです。

※参考:ワンキャリアプラス「Lucilleからの転職体験談」
Webコンテンツ企画・編集・ライティングから薬剤師・管理薬剤師への転職事例

転職を考えた理由・きっかけ
現職の事業ビジョンや今後の方向性に疑問があり、自身の業務内容にも社会的な意義を感じづらくなったため。
周りに専門職の方もおらず、薬剤師の資格を十分生かしきれていないと感じた。
まずは薬剤師資格、現職での法人営業経験および複数ステークホルダーを巻き込プロジェクト推進した経験を生かす形で製薬業界に入り、ゆくゆくはメディカル部門の専門職を目指したいと考えたため。

※参考:ワンキャリアプラス「ネクスウェイからの転職体験談」

デザイナーの仕事のやりがい・年収・将来性

デザイナーの仕事は、クリエイティブな発想を形にし、人々に影響を与えられる魅力的な職業です。しかし、収入や将来性に関して不安を感じる人も多いでしょう。ここからは、デザイナーのやりがいや年収、仕事の将来性について解説します。


働く上でのやりがい

デザイナーは、アイデアを形にし、ユーザーに価値を提供する仕事です。クリエイティブな職業だからこそ、さまざまなやりがいがあります。ここでは、デザイナーとして働くことのやりがいを4つ紹介します。



自身のアイデアを形にできる


デザイナーの最大のやりがいは、自分の発想を形にし、作品として世の中に送り出せることです。

クライアントの要望に応えつつ、独自のデザインを提案できる場面も多く、創造性を発揮できます。

自分が手掛けたデザインが多くの人に利用されたり、評価されたりすることで、大きな達成感を得られるでしょう。


ユーザーの反応を直接実感できる


SNSでのクチコミやアクセス解析を通じて、ユーザーの反応を確認できる点は、デザイナーならではの魅力です。

Webサイトやパッケージデザインなど、デザイナーが手掛けたものは、実際にユーザーが利用します。

そのため、自分のデザインによって売上が向上したり、ブランド価値が高まったりする瞬間は、大きなやりがいにつながるでしょう。


常に新しいデザインを追求していける


流行を取り入れたり、新しいデザイン手法を試したりすることで、飽きることなく仕事に取り組めるのも魅力の1つです。

デザインの世界は日々進化しており、新しいトレンドや技術が生まれています。そのため、デザイナーは常に新しい知識を学び、成長し続けることが求められます。


デザインの力で課題解決ができる


デザインの力で企業の成長や社会問題の解決に貢献できる点も、大きな魅力といえるでしょう。

たとえば、WebサイトのUI/UXを改善することで、ユーザーの離脱率を減少させたり、パッケージデザインを工夫することで商品の売上を伸ばしたりできます。

デザインは単なる装飾ではなく、課題を解決するための手段でもあることを覚えておきましょう。


デザイナーの年収・待遇

デザイナーの年収は、職種や経験、働き方によって大きく異なります。厚生労働省の職業情報提供サイトによると、主なデザイナーの平均年収は以下のとおりです。

・グラフィックデザイナー:約509万円
・Webデザイナー:約509万円
・UX/UIデザイナー:約558万円
・インダストリアルデザイナー:約509万円

※参考:jobtag「グラフィックデザイナー/Webデザイナー/UX/UIデザイナー/インダストリアルデザイナー」

企業勤めのデザイナーは、給与体系が安定している反面、労働時間が長くなりがちです。

一方で、フリーランスのデザイナーは案件次第で収入が変動しますが、自分のペースで働けるというメリットもあります。

高収入を目指す場合は、スキルを磨きながらディレクション業務を担う立場になるのも1つの方法です。


デザイナーの仕事がなくなるといわれる理由

近年、「デザイナーの仕事はなくなるのでは?」と懸念する声もあります。その理由として、以下の5つが挙げられます。


それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。


デザイナーになる人が増えている


デザイン事業所の従業者数は増加傾向にあります。公益財団法人 日本デザイン振興会の「デザイン白書2024」によると、2016年の41,425名から2021年には42,376名へと951名増加しています(※3)。

また、市場が飽和し、新規参入者が仕事を確保しにくくなっていることも、「デザイナーの仕事がなくなる」といわれる要因の1つです。

ただし、専門的な知識や高度なスキルを持つデザイナーは引き続き求められるでしょう。

(※3)参考:公益財団法人 日本デザイン振興会「デザイン白書2024 P.328」


Webサイトを手軽に作成できるツールがある


「Wix」や「Jimdo」などのノーコードツールの普及により、プログラミングやデザインの知識がなくてもWebサイトを作成できるようになりました(※4)。これにより、シンプルなデザインであれば企業が自社制作するケースも増えています。

しかし、ブランドの個性を表現し、ユーザー体験を最適化するためには、プロのデザイナーの力が必要とされているのが現状です。

(※4)参考:デジマゼミ「【ノーコード】おすすめ無料のホームページ制作ツール9選 | ツールの比較表で詳しく紹介!」


AIツールが急激に発展している


AI技術の進化により、自動でデザインを生成できるツールが登場しています。たとえば、「Wix ADI」は質問に答えるだけでWebデザインを自動生成できます(※5)。

しかし、AIはクリエイティブな発想や細かな調整には限界があるため、人間のデザイナーの仕事が完全になくなることはないでしょう。むしろ、AIを活用して業務を効率化するデザイナーが求められています。

(※5)参考:WIXBlog「Webデザインを自動生成するAIツール『Wix ADI』」


SNSで広報活動をする会社が増加している


企業のマーケティング戦略がSNS中心にシフトし、Webサイトの重要性が低下しているという指摘もあります。

しかし、SNSとWebサイトは相互に補完し合う関係にあり、ブランドの世界観を統一するデザインが求められるケースもあります。

SNS運用にもデザインスキルが生かせるため、デザイナーの需要は依然として高いといえるでしょう。


スキルを持つWebデザイナーは仕事がなくならない


デザインの基礎知識だけでなく、UI/UX設計やマーケティングの知識を持つWebデザイナーは、今後も高い需要があります。

企業が競争力を維持するためには、ユーザーにとって使いやすいWebサイトや効果的な広告ビジュアルが必要不可欠です。

AI(人工知能)やツールが発展しても、戦略的なデザインができる人材は求められ続けるでしょう。

デザイナーの仕事はきつい? 大変なところ

デザイナーの仕事は、創造力を発揮できる魅力的な職業ですが、その一方で過酷な側面もあります。ここでは、デザイナーが直面しやすい大変な点について解説します。



長時間労働と納期に追われるストレス

デザイナーは、締め切りに間に合わせるために長時間労働を強いられることが少なくありません。

特に制作の最終段階では、修正や調整作業が増え、深夜まで作業することもあります。また、複数の案件を同時進行する場合、納期が重なり一気に作業量が増加することもあるでしょう。

デザインは感覚的な作業が多く、細部までこだわるあまり時間がかかることもあります。「納得のいくデザインを作りたい」という気持ちと、「納期に間に合わせなければならない」というプレッシャーの間でバランスを取るのは、デザイナーにとって大きな課題です。


クライアントの要求への対応に苦慮

デザイナーの仕事では、クライアントの要望を形にすることが求められます。

しかし、クライアントの意向が曖昧だったり修正の回数が多かったりすると、作業が難航することも少なくありません。「最初の指示と全く違う修正を依頼された」「デザインの方向性が頻繁に変わる」といった状況に直面することもあります。

また、デザインに対する評価は主観的な部分が多いため、どれだけ時間をかけてもクライアントが納得しないケースもあります。こうした状況のなかで、クライアントと適切なコミュニケーションを取り、納得してもらうスキルが求められます。


デザインの完成度への不満とプレッシャー

デザイナーは、自分の作品に対するこだわりが強い職業です。そのため、「もっと良いデザインができたはず」「クオリティが納得いかない」と感じることが多く、完璧を求めるあまり精神的な負担を抱えることもあります。

また、デザインの評価はクライアントやユーザーの意見によって左右されるため、自分の作品が思ったように評価されないと、自信をなくしてしまうこともあるでしょう。

特に経験の浅いデザイナーほど、「自分のデザインセンスに限界を感じる」「なかなか成長を実感できない」といった悩みに直面しやすいでしょう。


常に新しい技術の学習が必要

デザイナーの世界は、日々進化しています。新しいデザインツールやトレンドが次々と登場するため、最新の技術や手法を学び続ける必要があります。「勉強を怠ると時代に取り残されるのではないか」というプレッシャーを感じているデザイナーも少なくありません。

特にWebデザイナーやUI/UXデザイナーは、プログラミングやデータ解析の知識が求められる場面も増えており、デザイン以外のスキルも身につける必要があります。休日や業務時間外に勉強を続けなければならないケースも多く、負担に感じる人もいるでしょう。

しかし、新しい技術を学ぶことでスキルの幅が広がり、より多様な案件に対応できるようになります。デザイン業界で長く活躍するためには、学び続ける姿勢が不可欠です。

デザイナーの仕事は未経験でも可能? 向いている人の特徴

デザイナーの仕事は未経験からでも目指せる職種ですが、向いている人にはいくつかの共通点があります。ここでは、デザイナーに向いている人の特徴を紹介します。



コミュニケーション能力が高い人

デザインは単に美しいものを作るだけでなく、クライアントやチームと協力しながら目的を達成する仕事です。クライアントの要望を正しく理解し、適切にデザインへ落とし込むためには、ヒアリング力や提案力が求められます。

また、デザインの方向性が決まるまでには何度も修正を重ねることが一般的です。その過程で意見を交換しながら最適なデザインに仕上げるため、円滑なコミュニケーションを取れる人はデザイナーに向いています。


発想力がある人

デザイナーには、問題解決のための発想力が求められます。ただ斬新なアイデアを生み出すだけでなく、ユーザーのニーズやクライアントの目的を踏まえたデザインを考えることが重要です。

たとえば、商品の売上向上を目的としたデザインであれば、ターゲット層に響くビジュアルや使いやすいレイアウトを考える力が必要です。常に新しい視点でアイデアを生み出し、柔軟に対応できる人はデザイナーに向いています。


粘り強い人

デザインの仕事は一度で完璧なものを作ることは難しく、何度も修正を重ねることが一般的です。「もっと良くできるのではないか」「このデザインは本当に最適か」と試行錯誤を繰り返しながら、理想の形に仕上げていく必要があります。

クライアントから何度も修正依頼が入ることも珍しくありません。そのたびに落ち込まず、より良いデザインを作るために前向きに取り組める人は、デザイナーとして成長しやすいでしょう。


スケジュール管理が得意な人

デザインの仕事はプロジェクトの一部として動いていることが多く、納期の管理が重要です。デザイナーの作業が遅れると、その後の工程にも影響が出るため、計画的に進める力が必要です。

また、複数の案件を同時に進めることもあるため、優先順位をつけてタスクを管理する能力も求められます。締め切りを守る責任感があり、効率よく作業を進められる人は、デザイナーに向いているといえるでしょう。


学ぶ姿勢がある人

デザイン業界は日々変化しており、新しいトレンドや技術が次々と登場します。そのため、常に学ぶ姿勢を持ち、最新の情報をキャッチアップできる人が活躍しやすい環境です。

特にWebデザインでは、新しいツールやプログラミング言語を学ぶ必要があるため、学習意欲が高い人ほど成長が早くなります。日頃からデザインに関する情報をチェックし、スキルアップに取り組める人は、長くデザイナーとして活躍できるでしょう。


創造力が豊かな人

デザイナーは、ゼロから新しいデザインを生み出す仕事です。クライアントの要望やブランドイメージに合わせつつ、独自のアイデアを加えることで、魅力的なデザインを作る必要があります。

創造力が豊かで、既存のアイデアにとらわれずに新しい表現を考えられる人は、デザインの仕事に向いています。

また、普段からアートやファッション、広告など幅広い分野に興味を持ち、インスピレーションを得ることができる人も、デザイナーとしての適性が高いでしょう。


新しいものや流行のものが好きな人

デザインは流行に大きく左右される分野です。特にWebデザインや広告デザインでは、時代に合ったスタイルやトレンドを取り入れることが重要です。

そのため、流行に敏感で、新しいものを積極的に取り入れるのが好きな人は、デザイナーとしての適性が高いといえます。

SNSやデザイン関連のメディアをチェックしながら、常に最新の情報をキャッチできる人は、デザインの仕事で活躍しやすいでしょう。

デザイナーの仕事に向いていない人

デザイナーは創造的な仕事ですが、向き不向きがあります。ここでは、デザイナーに向いていない人の特徴を紹介します。



自分が作りたいものだけを作りたい人

デザインの仕事は、クライアントの要望に応じて形にすることが求められます。自分の好みやこだわりを優先しすぎると、クライアントの意図とずれてしまい、修正の繰り返しやトラブルの原因になることもあります。

また、デザイナーはアーティストとは異なり、クライアントの課題を解決する役割を担います。クライアントの求めるデザインと自分の理想が必ずしも一致するとは限らないため、「自分の作りたいものを自由に作りたい」という人には向いていません。


コミュニケーションが苦手な人

デザイナーは1人で完結する仕事ではなく、クライアントやチームメンバーと連携しながら進める職種です。デザインの意図を説明したり、相手の要望を正しく理解したりするためのコミュニケーション能力が求められます。

「デザインの修正点を的確に把握できない」「相手の意図をくみ取るのが苦手」といった場合、仕事の進行に支障をきたす可能性があります。

特に、クライアントとの意思疎通がうまくいかないと、デザインの方向性が定まらず、何度も修正を繰り返すことになるでしょう。


数字で評価される仕事がしたい人

デザイナーの仕事は、営業職やマーケターのように売上や成績などの数字で評価されるわけではありません。

デザインの良し悪しは、視覚的な印象やクライアントの主観によって判断されることが多く、成果を数値化しにくいのが特徴です。

そのため、「成果がはっきりと数値で見えないと達成感を得られない」「評価基準が曖昧な仕事は不安」と感じる人には向いていない可能性があります。デザインが直接的な売上向上につながることもありますが、その影響が明確に可視化されるとは限りません。


新しいことを学ぶことが苦手な人

デザイン業界は日々進化しており、流行や技術の移り変わりが激しい分野です。特にWebデザインでは、新しいツールやプログラミング言語、デザインのトレンドをキャッチアップすることが必須です。

「一度身につけたスキルだけで仕事を続けたい」「新しいことを学ぶのが苦手」という人は、デザインの現場での適応が難しくなるかもしれません。デザイナーとして長く活躍するためには、自己学習を継続し、新しい知識を積極的に取り入れる姿勢が求められます。

デザイナーに求められるスキル

デザイナーとして活躍するためには、デザインの基礎知識はもちろん、ツールを使いこなす技術、トレンドをキャッチする力、論理的な思考力など、さまざまなスキルが求められます。ここでは、デザイナーに必要なスキルについて詳しく解説します。



デザインスキル

デザインの基礎知識とセンスは、デザイナーとしての土台となる重要なスキルです。デザインの構成やレイアウト、タイポグラフィ、視線誘導など、理論に基づいたデザインができることが求められます。

単に美しいだけではなく、ユーザーの目線や使いやすさを考慮したデザインを作れるかが鍵です。デザインスキルは経験を積むことで磨かれるため、日々の実践とフィードバックが重要です。


色彩感覚

デザインにおいて、色の使い方は印象や視認性を大きく左右します。ターゲットに合わせた配色や、視認性の高い色の組み合わせを考えられる色彩感覚が求められます。

また、企業のブランドカラーやコンセプトに沿ったデザインをするためにも、色彩の知識が役立ちます。色彩検定の資格を取得することで、理論的な知識を身につけることもできます。


デザインソフトを扱う技術力

デザイン業務では、IllustratorやPhotoshopといったソフトを使用することが一般的です。Webデザインの場合は、FigmaやXDなどのツールを扱うスキルも必要です。

これらのソフトをスムーズに使いこなせる技術力がなければ、クライアントの要望に素早く対応することが難しくなります。デザイナーを目指すなら、基本的な操作はしっかりと習得しておきましょう。


トレンドの情報収集力

デザイン業界は変化が激しく、新しいトレンドが次々と生まれます。そのため、最新のデザインやツール、技術の動向を常にチェックする情報収集力が求められます。

特にWebデザインの分野では、ユーザーの嗜好(しこう)やUI/UXのトレンドが変化するため、常にアンテナを張っておく必要があります。SNSやデザイン系のブログ、海外のクリエイティブサイトなどを活用して情報を集めることが重要です。


マーケティングスキル

デザインの目的は、ただ見た目を美しくすることではなく、クライアントのビジネスを成功へ導くことです。そのため、ターゲット層に刺さるデザインを考えるマーケティングスキルが求められます。

ユーザーの心理や購買行動を理解し、効果的なデザインを作ることで、デザインの価値を最大限に引き出すことができます。


コミュニケーション能力

デザイナーは、クライアントやチームメンバーと協力しながら仕事を進めるため、コミュニケーション能力が不可欠です。クライアントの要望を正しく理解し、デザインの意図を分かりやすく説明する力が求められます。

また、デザインに対するフィードバックを的確に受け取り、調整する力も重要です。円滑なコミュニケーションができるデザイナーほど、信頼され、案件の幅も広がるでしょう。


論理的思考力

デザインは感覚だけでなく、論理的なアプローチも求められます。なぜこのレイアウトなのか、なぜこのフォントを選んだのか、といった理由を説明できることが重要です。

特に、クライアントやチームに対して説得力のある提案をするためには、デザインの背景や意図を論理的に説明する力が必要です。


根気強さ

デザインの仕事は、クライアントの要望やフィードバックを受けながら何度も修正を繰り返すことが多く、一発でOKが出ることはほとんどありません。

そのため、何度も調整を重ねながらより良いデザインを作り上げる根気強さが求められます。修正のたびにモチベーションを落とさず、粘り強く向き合える人がデザイナーに向いています。


スケジュール管理能力

デザイナーは複数の案件を同時に進めることが多く、納期を守るためのスケジュール管理が重要です。

特にフリーランスの場合、自分で案件を管理しながら仕事を進める必要があるため、時間の使い方を工夫することが求められます。タスクの優先順位を考え、効率よく作業を進めるスキルを身につけましょう。

デザイナーの仕事に有利に働く資格

デザイナーとしてのキャリアを築く上で、専門的な資格を取得することは大きな強みになります。ここからは、デザイナーとしてのスキル向上やキャリアアップに役立つ資格を分野ごとに紹介します。


ファッションに関するデザインに役立つ資格

ファッションデザインやコーディネートに関する知識を深めることで、より魅力的なスタイリングを提案できるようになります。特に、色や骨格、個人の特徴を生かしたデザインを考えるスキルは、ファッション業界での仕事において大きな強みとなるでしょう。

ここでは、ファッションに関するデザインに役立つ資格の中から、「骨格診断アナリスト検定」と「パーソナルカラリスト検定」について紹介します。



色彩検定


色彩検定は文部科学省後援の試験で、色に関する知識を体系的に学べるため、クリエイティブな仕事を目指す人にとって大きな魅力があります。

センスだけでなく、色彩理論や法則に基づいた色選びができるようになり、説得力のあるデザインを制作するスキルが身につきます。特にデザインやアートの分野で活躍したい人におすすめの資格です。

項目 内容
主催 公益社団法人 色彩検定協会
実施試験区分 ・UC級
・1級
・2級
・3級
実施スケジュール ・3級・2級・UC級:夏期検定(6月)
・全級:冬期検定(11月)
受験料(税込) ・UC級:6,000円
・1級:1万5,000円
・2級:1万円
・3級:7,000円

※出典:色彩検定「受検案内・試験内容」


骨格診断アナリスト検定


骨格診断アナリスト検定は、骨格の特徴を分析し、最適なファッションスタイルを提案する技術を認定する資格です。

骨格診断ファッションアナリストの資格は、初心者向けの養成講座を受講し、全25時間のカリキュラムを修了すると資格が取得できます。受講料は約30万円(個人レッスンは約60万円)ですが、分割払いにも対応しています。

補習制度や実地研修も用意されており、しっかりと技術を身につけることが可能です。アパレルやブライダル業界での活躍が期待される資格です(※6)(※7)。

(※6)参考:一般社団法人 ICBI 骨格診断アナリスト協会「検定試験概要」
(※7)参考:ICBI「骨格診断ファッションアナリスト養成講座」


パーソナルカラリスト


パーソナルカラリスト検定は、「人と色」の関係に焦点を当て、色彩の知識や配色の技術を証明する資格です。ファッション、インテリア、メイク、ブランディングなど、幅広い分野で活用できます。試験は「一般会場受検」「在宅ペーパー受検(3級のみ)」「WEB試験」の3つの方式があり、都合に合わせて受験可能です。色の基本理論や調和の取り方を学ぶことで、理論的に配色を考えるスキルが身につきます。ファッション業界でのキャリアアップを目指す人にとって、取得しておくと有利な資格です(※8)。

(※8)参考:パーソナルカラリスト検定・配色検定「実施概要」


製品に関するデザインに役立つ資格

製品デザインに携わるデザイナーには、視覚的な美しさだけでなく、機能性やブランド価値を向上させるスキルが求められます。そのため、専門的な資格を取得することで、デザインの知識を深め、キャリアアップにつなげることが可能です。

ここでは、製品に関するデザインに役立つ資格について紹介します。



カラーコーディネーター検定


カラーコーディネーター検定試験は、ビジネスシーンで実践的に役立つ色彩の知識を学べる資格試験です。

色彩の基礎知識を持つことで、クライアントの要望に応じた効果的なアイデアを提案できるようになるでしょう。東京商工会議所が主催する公的資格である点も信頼性の高さの一因です。クリエイティブな仕事で説得力のある提案を目指す方におすすめの資格です。

項目 内容
主催 東京商工会議所
実施試験区分 ・スタンダードクラス
・アドバンスクラス
実施スケジュール 年2回(6月・10月)
受験料(税込) ・スタンダードクラス:5,500円
・アドバンスクラス:7,700円

※出典:東京商工会議所「試験要項」


レタリング技能検定


レタリング技能検定は、美しい文字デザインを作成するスキルを認定する資格です。フォントの選定や手書き文字のデザイン、文字の視認性向上など、製品のパッケージやロゴ制作に役立ちます。

この検定は4級から1級まであり、初心者からプロ志望者まで幅広いレベルに対応しています。1級・2級はプロデザイナー向けの試験内容となっており、企業のデザイン部門や広告業界でのスキル証明として有効です。

受験資格はなく、誰でも挑戦できるため、製品デザインに関わるすべての人におすすめの資格です(※9)。

(※9)参考:レタリング技能検定「レタリング技能検定とは」


JIDAデザイン検定


JIDAデザイン検定は、プロダクトデザインに関する基礎知識を問う試験で、日本インダストリアルデザイン協会(JIDA)が運営しています。製品デザインだけでなく、経営や企画、開発にも役立つ幅広いデザイン知識を習得できる点が特徴です。

この検定は、デザイン業界を目指す人だけでなく、企業の企画・マーケティング担当者にも推奨されています。デザインの基本を学ぶことで、消費者のニーズを捉えた製品開発や、ブランド戦略の立案にも生かせるでしょう。

試験範囲は今後拡大予定で、インダストリアルデザインに関心がある人にとって有益な資格です(※10)。

(※10)参考:JIDAデザイン検定「JIDAデザイン検定とは」


紙に関するデザインに役立つ資格

紙媒体のデザインでは、印刷物の特性やDTP(デスクトップパブリッシング)技術に関する深い知識が求められます。ここでは紙媒体のデザインで役立つ資格について紹介します。



Photoshopクリエイター能力認定試験


Photoshopクリエイター能力認定試験は、アドビ製品のPhotoshopの活用スキルを測定する試験です。

試験には画像ファイルの作成や作品制作などの実技形式の問題が含まれ、実践的な内容でPhotoshopの実力を試すことができます。

Photoshopのスキルを客観的に証明したい方にとって、実務に生かせるおすすめの資格です。

項目 内容
主催 株式会社サーティファイソフトウエア活用能力認定委員会
実施試験区分 ・エキスパート
・スタンダード
実施スケジュール 年2回(1月・7月)
受験料(税込) ・エキスパート:8,800円
・スタンダード:7,800円

※出典:Photoshopクリエイター能力認定試験「試験概要/試験日程・受験方法」


Illustratorクリエイター能力認定検定


Illustratorクリエイター能力認定試験は、アドビ製品のIllustratorの活用スキルを測定する試験です。

Illustratorのスキルを証明したい方におすすめの資格です。試験にはスタンダードとエキスパートの2種類があり、実務経験がある場合は最初からエキスパートを受検することも可能です。

項目 内容
主催 サーティファイ ソフトウェア活用能力認定委員会
実施試験区分 ・エキスパート
・スタンダード
実施スケジュール 年2回(1月・7月)
受験料(税込) ・エキスパート:8,800円
・スタンダード:7,800円

※出典:Illustratorクリエイター能力認定試験「試験概要/試験日程・受験方法」


DTP検定


DTP検定は、印刷物の制作過程を総合的に管理する能力を証明する資格です。特に、編集や広報の仕事に携わる人向けのディレクション試験が中心となっており、印刷物の仕様決定やレイアウトの指示、制作工程の管理などに関するスキルを評価します。

この資格は、出版社や広告代理店、印刷会社などでのキャリアアップに役立つだけでなく、一般企業の広報部門でも活用可能です。

試験は90分で100問出題され、ディレクターとしての知識を幅広く問われます。印刷物の制作に関わる仕事をしている人や、ディレクションスキルを磨きたい人に適した資格です(※11)。

(※11)参考:DPT検定「DTP検定ディレクション」


DTPエキスパート


DTPエキスパートは、DTPの高度な知識を証明する資格で、印刷物の制作だけでなく、メディア設計やデザイン全般に関する専門知識が求められます。

DTPソフトの操作スキルだけでなく、色彩理論、印刷技術、情報システム、ビジネスコミュニケーションに関する知識も試験範囲に含まれています(※12)。

試験は学科試験(CBT方式、択一式120分)と、実技試験(課題制作)の2種類があり、DTPの実務経験を生かしながら学習することが推奨されています。

DTPを専門的に学びたい人や、印刷業界でスキルアップを目指す人に適した資格です(※13)。

(※12)参考:公益財団法人 日本印刷技術協会「DPTエキスパートとは」
(※13)参考:公益財団法人 日本印刷技術協会「試験概要」


ゲームやWebに関するデザインに役立つ資格

ゲームやWebデザインの分野で活躍するためには、デザインスキルだけでなく、Web技術やCG制作に関する専門知識の習得も重要です。ここでは、ゲームやWebデザインに役立つ資格を詳しく紹介します。



Webデザイン技能検定


Web検定には4つの認定資格がありますが、Webクリエイターを目指す方には「Webデザイン試験」がおすすめです。

この試験では、Webサイトのビジュアルデザインの基礎や、HTML・CSSの知識、アクセシビリティーに配慮したWebサイト設計スキルが問われます。

Webデザインに必要なスキルを幅広く証明できる資格で、WebクリエイターやWebデザイナーを目指す方に最適です。

項目 内容
主催 ボーンデジタル
実施試験区分 ・Web検定 Webリテラシー
・Web検定 Webデザイン
・Web検定 Webディレクション
・Web検定 Webプロデュース
実施スケジュール 随時
受験料(税込) 11,000円

※出典:Web検「Webデザイン(資格名:Webデザイナー)試験の概要」


CG-ARTS検定


CG-ARTS検定は、デジタルコンテンツの制作に必要なスキルを証明する資格で、CGや映像、Webデザインなどの分野で活躍するための基礎知識を学べます。

試験はベーシックとエキスパートの2段階があり、基礎知識を習得するベーシック試験と、応用力を試すエキスパート試験に分かれています(※14)。

この資格は、特定のソフトウェアやツールに依存しない知識を評価するため、実務に応用しやすい点が特徴です。約71万人が受験し、約32万人の合格者が、ゲーム、映像制作、Web開発などの業界で活躍しています(※15)。

デジタルコンテンツ制作に関わる仕事を目指す人にとって、実践的な知識とスキルを証明するのに役立つ資格です。

(※14)参考:公益財団法人 画像情報教育振興協会「CG-ARTS検定とは?」
(※15)参考:公益財団法人 画像情報教育振興協会「検定の特徴」


HTML5プロフェッショナル認定資格


HTML5プロフェッショナル認定資格は、Web開発やデザインに必要な技術力を証明する資格で、HTML5、CSS3、JavaScriptを中心に学びます。

試験は「レベル1」と「レベル2」に分かれており、レベル1ではマルチデバイス対応のWebサイト制作に必要な基礎スキル、レベル2では動的コンテンツやシステム間連携の技術を問われます。

Webデザイナーやフロントエンドエンジニアを目指す人にとって、最新のWeb技術を習得し、スキルを証明するのに適した資格といえるでしょう(※16)。

(※16)参考:HTML5プロフェッショナル認定試験「HTML5プロフェッショナル認定とは」


Webクリエイター能力認定試験


Webクリエイター能力認定試験は、Webサイト制作に必要なデザインスキルやWebページのコーディングスキルを認定する資格試験です。

試験には「スタンダード」と「エキスパート」の2種類があり、自分のスキルレベルに合わせて受験できます。特にWebデザイナーやフロントエンドエンジニアを目指す方におすすめです。

項目 内容
主催 サーティファイ Web利用・技術認定委員会
実施試験区分 ・エキスパート
・スタンダード
実施スケジュール 年2回(1月・7月)
受験料(税込) ・エキスパート:7,700円
・スタンダード:6,100円

※出典:Webクリエイター能力認定試験「試験内容/試験に申し込む」


アドビ認定プロフェッショナル


アドビ認定プロフェッショナルは、アドビ製品の利用スキルを証明する国際資格です。

試験は全国のテストセンターで実施され、Photoshop・Illustrator・Premiere Proの3科目が試験対象です。認定資格を取得するには、2科目に合格する必要があります。

海外勤務を目指す方に特におすすめの資格です。

項目 内容
主催 オデッセイ コミュニケーションズ
実施試験区分 ・Visual Design using Adobe Photoshop(2022/2023/2024)
・Graphic Design & Illustration using Adobe Illustrator(2022/2023/2024)
・Digital Video using Adobe Premiere Pro(2022/2023/2024)
実施スケジュール 随時実施
受験料(税込) 2025年4月30日までの受験
・一般価格:10,780円
・学割価格:8,580円
2025年5月1日以降の受験
・一般価格:12,980円
・学割価格:9,680円

※出典:アドビ認定プロフェッショナル「試験概要」


空間や環境に関するデザインに役立つ資格

空間デザインや環境設計に関する仕事では、美的感覚だけでなく、機能性や快適性を考慮するスキルが求められます。ここでは、空間や環境デザインに役立つ代表的な資格を紹介します。



インテリアコーディネーター


インテリアコーディネーターは、住空間を快適にするためのアドバイスやプランニングを行う専門職です。家具や照明、カーテン、壁紙など、内装に関する幅広い商品知識を持ち、顧客の要望に合わせた提案を行います。

試験は一次試験(学科)と二次試験(実技)の2段階で行われ、学科ではインテリアの歴史や構造、法規などが出題されます。二次試験では、プレゼンテーションや論文による提案力が問われます。

住宅メーカーやインテリアショップ、設計事務所などで活躍したい人に適した資格です(※17)。

(※17)参考:公益財団法人 インテリア産業協会「インテリアコーディネーター資格試験 受験概要」


空間ディスプレイデザイナー


空間ディスプレイデザイナーは、商業施設や展示会、ショーウィンドウなどの空間演出を手がける専門家です。色彩や照明、レイアウトの知識を生かし、商品の魅力を最大限に引き出すデザインを行います。

試験は1級と2級があり、いずれも在宅受験が可能です。1級では高度なディスプレイ技術が求められ、2級では基礎的な知識とスキルを問われます。

資格取得後は、ディスプレイデザインの講師として活動することも可能です(※18)。

(※18)参考:JDP日本デザインプランナー協会「空間資格検定」


トレース技能検定


トレース技能検定は、建築・機械・デザイン分野の図面作成技術を証明する資格です。トレースとは、設計図を清書する作業を指し、正確な製図スキルが求められます。

試験は1級から4級まであり、実技試験(2時間30分)と理論試験(30分)で構成されています。特に建築やプロダクトデザインの分野で活躍したい人に適した資格で、CADソフトのスキル向上にも役立つでしょう(※19)。

(※19)参考:一般社団法人 中央工学校生涯学習センター「トレース技能検定」


インテリア設計士


インテリア設計士は、住宅やオフィス、商業施設などの空間設計を行う専門家です。建築やインテリアの知識を生かし、デザイン性と機能性を兼ね備えた空間を提案します。

試験は1級と2級があり、1級は実務経験が必要ですが、2級は在学中でも受験可能です。試験では、インテリアデザインの基礎知識や設計図の作成能力が問われます。

建築業界やインテリア業界でキャリアアップを目指す人におすすめの資格です(※20)。

(※20)参考:一般社団法人 日本インテリア設計士協会「インテリア設計士 資格検定試験」


照明士


照明士は、空間デザインにおける照明設計の専門家です。適切な光の配置や色温度、演出方法を学び、快適な空間を作り出すスキルを身につけます。

資格取得には、照明学会が提供する「照明専門講座」を受講し、演習問題やレポート試験に合格する必要があります。

空間設計やインテリアデザインの分野で、照明の知識を生かした仕事をしたい人におすすめの資格といえるでしょう(※21)。

(※21)参考:一般社団法人 照明学会「専門講座 照明士」

デザイナーの選考対策

ここでは、デザイナーを志望する人向けに選考対策をご紹介します。



エントリーシート(ES)対策

ここでは、デザイナーを志望する人向けに選考対策をご紹介します。

税理士は、コミュニケーション能力やデザインスキルを必要とする職種です。志望動機では、自身がこれらの力を発揮できたエピソードを交えて会社で将来活躍できることをアピールしましょう。

【実際の志望動機回答例】
学生時代を通じて発揮してきた◯◯という強みをグラフィックデザイナー職で生かせると思い志望しました。学生時代は、授業を通じて興味を持った◯◯を学ぶために教授の元へ通い、学びの環境を実現した経験があります。さらにそこで得た知識を生かすために、サークルを作ったり、インターンシップに挑戦したりしました。強みを生かし◯◯に取り組み技術面、コミュニケーション面でスキルアップし貢献したいです。貴社では週刊のフリーペーパーを発刊しておりグラフィックの仕事量が豊富であると考えました。
これまで発揮してきた◯◯を生かして、1年以内に表紙デザインを担えるまでに成長したいと思い、グラフィックデザイナーを選びました。

※出典:カラフルカンパニー|グラフィックデザイナー2023年卒本選考のES

内定者の志望動機をもっと見たい方はこちら

▼エントリーシート(ES)の書き方について詳しく知りたい方はこちら
・志望動機【例文17選】ES・履歴書での書き方と職種・業界別の実例
・ESの書き方&例文集|エントリーシートの基礎から質問別/業界別の回答例まで完全対策


Webテスト対策

Webテストは多くの企業で実施されており、企業ごとに異なるテストが使用されています。そのため、事前にテスト内容を把握し、対策をしておくことが重要です。

また、ワンキャリアでは就活生の体験談やそれをもとにした選考ステップを企業ごとに検索できます。自分の受けたい企業がどのWebテストを実施しているのか、選考を受ける前から対策したい方にはおすすめです。

▼Webテストについて詳しく知りたい方はこちら
・【Webテストとは】主要9種類を網羅!適性検査の特徴、対策本、出題企業一覧


面接対策

業界や会社によって面接で問われる内容は異なります。そのため、志望する業界に合わせた対策が必要です。以下では、業界や企業ごとに準備を進める際のポイントをご紹介します。

まず、面接選考を通過するためには「企業目線」で考えることが重要です。内定の判断を行うのは、その企業の人事担当者や役員ですので、企業が求める人材像を理解することが不可欠です。経営計画などの企業情報を調べることはもちろんですが、企業側の視点に立ち、「どのような人材が求められているのか」を意識しながら面接準備を進めましょう。

また、面接対策では自己分析を行い、自分をアピールするための材料をそろえることも重要です。しかし、選考対策の順番としては、まず企業や業界の分析を行い、その後に自己分析を進める方が効果的です。企業のニーズを理解した上で自分の強みを整理することで、より説得力のあるアピールが可能です。

ワンキャリアでは、企業ごとの選考ステップや合格の秘訣(ひけつ)をご紹介しています。これにより、各企業が重視する評価ポイントや求める人物像を効率的に把握することができ、情報収集の手間も省けます。企業研究を進める際には、ぜひご活用ください。

▼面接対策について詳しく知りたい方はこちら
・【面接で聞かれること】新卒就活で頻出の質問一覧と内定者の回答例


OB・OG訪問

OB・OG訪問は、大学の先輩や知り合いを通じて紹介してもらったり、就活イベントを利用して社員と接点を持つことで機会を得たりできます。これにより、説明会では得られないリアルな情報を知ることができ、業界や企業についての理解が深まることは間違いありません。

さらに、業界や企業によっては、OB・OG訪問の有無や訪問時の評価が選考に影響することもあります。訪問の回数が多いと「熱意がある」と評価されたり、質の高い質問をすることで「優秀だ」と思われたりすることがあります。

OB・OG訪問をすべきか迷っている場合は、まずは最初の1人、同じゼミやサークルの先輩など身近な人から始めてみるといいでしょうう。

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おわりに

いかがでしたか。今回はデザイナーの仕事についてご紹介しましたが、他にもさまざまな職種があります。自己紹介などを通じて自分に合った、自分がしたい仕事をぜひ探してみてください。

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