就職活動における自己PRとは、面接やエントリーシート(ES)で自分の強み・長所を事実に基づいた根拠とともにアピールすること。面接では1分や30秒以内にまとめなければならないこともあれば、5分使ってもいい場合があります。ESであれば、50字のお題もあれば1,000字程度記入可能な自由形式の場合もあります。
自己PRは、採用担当者や面接官からすると社会人経験のない新卒の応募者が「入社後に企業で活躍する姿」をイメージするための判断材料となります。それだけに、志望動機と並んで選考突破の鍵を握る重要なポイントといえます。
当記事ではこれまでワンキャリアがお伝えしてきた自己PRの例文集や書き方などに関するあらゆる記事をまとめています。いくつかのポイントを意識するだけで自己PRの質は上がります。さまざまな角度から自己PRを解説していますので、実りある就活のために選考対策のお手伝いができたら幸いです。
【この記事でお伝えすること】
・面接官からみた「評価される自己PR」の書き方と3つの視点
・自分の強みを理解し再現性を伝える「自己PRのフレームワーク」
・強みがない人はいない! 強みを見つけ自己PRを向上させる3つのコツ
・面接やESでよくある質問「学生時代に頑張ったこと」の自己PR例文
・面接でよくある質問と、自己PRにつながる回答例
・「あなたを動物に例えると?」の自己PRにつながる答え方
・留学経験を自己PRに生かす方法
・広告業界志望者必見! 引きつける自己PRをする方法と具体例
・自己PRでの失敗例と気をつけるべき3つのこと
・自己PRを3分で対策! マッキンゼーの選考対策と求められる基準
・自己PRを3分で対策! 日本ロレアルの選考対策と求められる基準
・自己PRに疲れたら、天才ライター熊谷真士に笑わせてもらおう
面接官からみた「評価される自己PR」の書き方と3つの視点
自己PRとは自分が学生時代に力を入れたことをアピールすること、という認識は間違っていません。しかしその経験から学んだことや得た強み・長所のアピールが一方通行になってしまっているのであれば「優れた自己PR」とはいえません。自己PRの先には、必ず評価者として面接官がいます。
結論から言うと、面接官の視点から自己PRを考えるときに重要となるのは「強み」「根拠」「再現性」の3つの評価基準で、これらを全て満たした自己PRを展開する必要があります。
・自己PRで面接攻略!回答例と企業から見たうまい強みのアピール方法自分の強みを理解し再現性を伝える「自己PRのフレームワーク」
自己PRをする上で目指すべきゴールは「面接官に活躍するイメージを持ってもらうこと」です。入社した後にその会社に貢献するイメージを抱いてもらうために注意すべきキーワードが前項でも触れた「再現性」です。
再現性とは、社会で実際に仕事をした経験のない新卒学生の持つ「経験」や「強み」がビジネスの現場においても活きるかどうかを、面接官は重視しています。ワンキャリアでは、たった2つの質問に答えるだけで、自らの強みを知り再現性を伝えることのできるフレームワークを紹介しています。
・【自己PRの書き方】ESで企業の強み・弱みと自分をつなぐアピール方法強みがない人はいない! 強みを見つけ自己PRを向上させる3つのコツ
自己PRの出発点は自分の強みを知ること。理解しているつもりでも、なかなか自分の強みが見つからない、あるいは強みなんてないと感じている就活生もいらっしゃるかもしれません。
就職活動中に投げやりな気持ちになったり焦ったりしてしまうことはマイナスに働きます。
強みがない人はいません。強みがないのではなく、見つかっていないだけなのです。以下の記事では「3種の神器」を使って自分の強みを見つけ、それを企業へアピールする自己PRへと昇華させる方法をお伝えしています。
・「強みなんてない」就活生へ!自己分析3つの方法と自己PRの作り方面接やESでよくある質問「学生時代に頑張ったこと」の自己PR例文
「学生時代に頑張ったことは何ですか?」
面接やエントリーシート(ES)でよく聞かれる質問の1つですね。この質問への回答は基礎的である一方で、自己PRの根幹を担う役割も担っています。東大・京大などの高学歴な学生であっても苦戦する項目なので、ここで他の就活生との違いをアピールできれば、志望企業への内定がグッと近くのです。
「学生時代に頑張った経験」のエピソードにおいては「再現性」に加えて「反復性」についても意識する必要があります。エピソードの内容よりも伝え方に重点をおくべきであり、「行動特性」と「定量的な表現」こそが、再現性と反復性を効果的に感じさせる大切なポイントです。
・エントリーシート(ES)・面接で差がつく!「学生時代頑張ったこと」の自己PR例文と話し方なぜ面接で「頑張ったこと」を聞くのでしょうか。面接官はこの質問から何を読み取ろうとしているのでしょうか。
以下の記事では面接時に「学生時代に頑張ったこと」のエピソードを話す際に気をつけるべきポイントをまとめています。
・【面接質問対策:学生時代に頑張ったこと編】「学生時代に頑張ったこと」では社会人としての素質をアピールしようそもそも、アピールすべき「頑張った経験」「力を入れたこと」「自慢できる成果」がない……。そう途方に暮れている方もご安心ください。以下の記事で紹介したフレームワークを使えば、頑張った経験についてのエピソードを作ることができます。
・学生時代に頑張ったことがない?就活で必須な自己PRエピソードの作り方と例文面接でよくある質問と、自己PRにつながる回答例
面接での立ち振る舞いやよくある質問への回答は、自己PRに直結します。
ワンキャリアでは17の面接対策をまとめていますが、面接官の意図をくみ取って最適解を紡いでいくことは、自己PRのクオリティを上げることにもつながります。
・面接対策:就活で定番の質問と回答例・強みを企業にアピールするコツ
「あなたを動物に例えると?」の自己PRにつながる答え方
面接やESのなかには、変わった質問もあります。その1つが「あなたを動物に例えると?」というもの。
なかなか難しい質問なので本番で急に遭遇すると戸惑ってしまいそうですが、このような風変わりな質問は自己PRのチャンスでもあります。なぜその動物を選んだのか、理由のなかに自分の長所を盛り込んで回答できると印象アップです。
・【ES・面接対策】「あなたを動物に例えると?」質問の回答例10選留学経験を自己PRに生かす方法
留学経験を自己PRのエピソードに活用する場合、「成長した事実」と「留学によって身についた語学以外の能力」が評価の対象になることを意識しましょう。今や留学自体は珍しい経験ではないので、留学を通して得た経験値をうまくアピールしなくてはいけません。
具体的には「コミュニケーション」「課題解決」「目標達成」の3つです。
・【留学経験者】平凡な留学経験を自己PRの武器にするエントリーシート(ES)の書き方と例文広告業界志望者必見! 引きつける自己PRをする方法と具体例
人気の広告業界では面接やESで「好きなCMはなんですか?」と聞かれるケースが多くあります。この点からも他業界とは角度の異なる自己PRが求められることが分かるかと思います。
広告マンに求められるのは「ユニークな着眼点」や「キャッチーなストーリーテリング」などオリジナリティのある発想力です。以下の記事では広告業界の就活に役立つアピール方法を解説しています。
・広告代理店の面接質問集:「好きなCMは?」業界特有の対策と回答例自己PRでの失敗例と気をつけるべき3つのこと
自己PRにおいて陥りがちなのが「アピールのつもりが面接官をイライラさせてしまった」というワナです。レアな経験だと思っているPR材料も、面接官や状況によっては逆効果になるケースがあります。
以下の記事では学生時代にWEBメディアで働いた経験を伝えたところ、面接官をいら立たせてしまったという体験談と、その後対策として打ち出した戦略が赤裸々に語られます。自己PRを作成する際に参考になるはずです。
・面接官をイライラさせる?!NGな自己PRとその対策自己PRを3分で対策! マッキンゼーの選考対策と求められる基準
外資系コンサルティングファームのなかでも選考を突破することが最難関といわれるのが、マッキンゼー・アンド・カンパニーです。マッキンゼーでは無難な自己PRは求められていません。強烈な個性とリーダーシップをアピールしなくてはなりません。
以下の記事は3分でできるマッキンゼーの選考対策です。志望する方はぜひ自己PRに役立ててください。
・【3分対策:マッキンゼー】外資コンサル最難関の一つ!インターン/本選考の選考対策ポイント自己PRを3分で対策! 日本ロレアルの選考対策と求められる基準
外資系化粧品メーカー、日本ロレアル(マーケティング)の選考では「自分の個性の理解」や「チームとして機能するか」「働く上での心構えができているか」について論理的な構成で伝えることが求められます。
センスを言語化し、瞬発力のある自己PRを展開しましょう。以下の記事に日本ロレアル(マーケティング)の対策をまとめています。
・【3分対策:日本ロレアル】カギはセンスを言語化する習慣!本選考の選考対策ポイント自己PRに疲れたら、天才ライター熊谷真士に笑わせてもらおう
ここまで自己PRに関してさまざまな角度から心構えや対策をお伝えしてきました。息の詰まる就活のなかでも特に心理的負荷の大きい自己PR。真面目に捉えすぎて行き詰まってしまうこともあるかもしれません。
そんなときは以下の記事を読んで笑って、癒やされましょう。リラックスすることで就活もうまくいく気がしてきますよ。
・ドヤ顔で言おう。「学生時代に頑張ったことは何もない」とまとめ
この記事を読む前には、自己PRに使える自分の強みや自慢できる強み・長所がないと嘆いていた就活生もいらっしゃるかと思います。
ただし、自己PRには人の数だけ正解があります。それぞれ強みも、経験も、性格も異なるからです。今までに経験してきたささいなことや自分の魅力をもう一度整理しましょう。大学や高校での学業や成績、部活、サークル、ゼミ、研究、アルバイト、留学……。それらを通じて、冷静に論理的な思考を広げる力、ポジティブに粘り強くやり抜く力、元気に人をやる気にさせる力、コミュニケーション能力、真面目さ、素直さ、協調性、責任感などさまざまな長所を身につけているはずです。
重要なのは周囲と比較することではなく、自分の強みが何であるのかを見つめ、根拠となる経験を端的に伝えて、面接官に企業で活躍するイメージを抱いてもらうことです。
まずは採用する側の企業が求めている基準を理解し、自分が自信を持ってアピールできる内容を準備して練習を重ねましょう。
この記事で紹介した自己PRの例文集や書き方がみなさんの就職活動の役に立てていれば幸いです。