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就活サイトトップ就活記事経済学部の就職先|人気の業界・職種一覧と有利になる資格...

経済学部の就職先|人気の業界・職種一覧と有利になる資格・就活術

経済学部
2024年7月24日(水) | 23,313 views

「経済学部生に人気の就職先を知りたい」「就活について悩んでいる」という経済学部生の就活生もいるでしょう。

そこで本記事では、経済学部生に向けて、人気の就職先や業界・職種をご紹介します。就活を進める上でのポイントも詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

<目次>
●経済学部が就職に有利といわれる理由
 ・経済の動きを学ぶから
 ・社会に出てからも活用できる内容だから
 ・定量的に考える力が身につきやすいから
 ・ディスカッションする能力が身につきやすいから
 ・授業やゼミを通して選考対策に取り組む機会があるから
 ・理系学生と比べて時間に余裕があるから
●経済学部生の就職人気ランキング【上位20位】
●経済学部生に人気の就職先・年収【業界編】人気の理由も解説
 ・金融業界(銀行・証券・保険)|平均年収393万4,000円
 ・総合商社・専門商社|平均年収319万6,000円
 ・通信・IT業界|平均年収381万2,000円
 ・メーカー|平均年収306万円
 ・マスコミ・広告代理店|平均年収388万9,000円
 ・コンサル業界|平均年収396万6,000円
 ・人材サービス業界|平均年収285万7,000円
 ・公務員(国家・地方)|平均年収:地方430万5888円・国家484万8180円
 ・会計事務所・税理士法人|平均年収396万6,000円
●経済学部生に人気の就職先【職種編】
 ・経理職
 ・財務職
 ・企画・マーケティング職
 ・営業職
 ・人事労務職
 ・コンサルタント
 ・税理士
 ・公認会計士
 ・アクチュアリー
 ・ファイナンシャルプランナー
 ・証券アナリスト
 ・金融ディーラー
 ・ファンドマネジャー
 ・マンション管理士
 ・マーケットリサーチャー
 ・経済学研究者
●経済学部生の就職に役立つ資格
 ・日商簿記検定(2級以上)
 ・ファイナンシャルプランナー
 ・TOEIC(600点以上)
 ・公認会計士
 ・税理士
 ・証券外務員
 ・証券アナリスト認定資格(CMA)
 ・中小企業診断士
 ・銀行業務検定
 ・宅地建物取引士
●経済学部生の就活のポイント|企業・職種の選び方編
 ・自己分析・業界研究・企業分析を通して就活の軸を定める
 ・学んだ内容を生かせる業界・職種を選ぶ
 ・経済学部生が重視する就活の軸ランキング
●経済学部生の就活のポイント|選考対策編
 ・早期から情報収集をし、早期選考を受ける
 ・Webテスト対策に力を入れる
 ・エントリーシート(ES)や履歴書は余裕を持って準備しておく
 ・面接対策|よく聞かれる経済学部特有の質問&回答例
●まとめ

経済学部が就職に有利といわれる理由

経済学部が就職に有利といわれる理由は以下の6つです。

  • 経済の動きを学ぶから
  • 社会に出てからも活用できる内容だから
  • 定量的に考える力が身につきやすいから
  • ディスカッションする能力が身につきやすいから
  • 授業やゼミを通して選考対策に取り組む機会があるから
  • 理系学生と比べて時間に余裕があるから

それぞれ詳しく解説します。



経済の動きを学ぶから

経済学部は経済の動きを通して、企業の経営戦略や市場分析について学ぶ機会が多いです。

企業からすると、他の学部生と比較し「企業の経営に対して基礎知識を身につけている」というように捉えられます。例えば、金融業界やマーケティング業界では、市場の動向を予測する力が求められるため、経済学部で学んだ経済状況の理解やデータ分析が役立つでしょう。

経済学部で得た知識を、企業の成長にどのような形で貢献できるかを具体的に伝えられると、より有利に就活を進められます。


社会に出てからも活用できる内容だから

経済学部の学問領域は幅広く、ミクロ・マクロ経済学を中心に、金融論、財政学と専門分野が多岐にわたります。

そのため、経済の仕組みをはじめ、お金の流れや社会構造まで、あらゆる業種や職種に必要な知識を身につけられるでしょう。

経済学部で学んだ知識は幅広いため、社会に出てからも、さまざまな分野で活用できるといえます。


定量的に考える力が身につきやすいから

経済学部では数字やデータに触れる機会が多いです。定量的に考える力が身につくため、社会に出てからもスムーズに仕事を進められると期待されています。

例えば、「調査結果をもとにマーケティング戦略を策定する」「財務諸表を分析して経営の状況を把握する」など、ビジネスの現場では定量的な思考が欠かせません。定量的な志向が備わっていれば、根拠を持って論理的に物事を判断できるため、幅広い分野で活躍が期待できるでしょう。

自分が学んだ定量的に考える力を具体的にアピールできれば、就活を有利に進められます。


ディスカッションする能力が身につきやすいから

経済学部の授業では、ディスカッションを通してプレゼンテーションを行う機会が豊富にあります。

繰り返しディスカッションを行うことで、論理的思考力やコミュニケーション能力が養われ、実戦的なスキルが身につきやすいです。

論理的思考力などを持ち、仕事で「この課題はどのように解決しようか?」と客観的に考えられれば、業務が円滑に進み生産性を高められるため、就職先からも求められる人材になります。


授業やゼミを通して選考対策に取り組む機会があるから

経済学部の授業ではグループディスカッションやプレゼンテーションの機会が多いため、就活で必要なグループディスカッションや面接での自己アピールなどの練習を自然と積み重ねられます。

授業やゼミを通して、面接やグループディスカッションに自信を持てれば、自分の強みを効果的に伝えられるようになるでしょう。

また、ゼミ自体が選考対策に協力してくれるケースも多いです。例えば、「自分と同じ志望業界に内定をもらっている4年生の体験談を聞かせてもらう」「具体的な自己PRや志望動機作りのアドバイスをもらう」といった、実体験をもとにした就活サポートが受けられます。


理系学生と比べて時間に余裕があるから

経済学部のカリキュラムは、理系学部に比べて実験や実習が少ないため、比較的自由な時間が多いです。そのため、空いた時間を活用して、インターンシップや就職セミナーに参加し、企業とのつながりを築けます。

また、自己分析や業界研究に時間を割けるため、自分の強みを明確にして就活に望めるでしょう。このように、自分の時間を就活に多く費やせる点が経済学部の魅力ともいえます。

経済学部生の就職人気ランキング【上位20位】

経済学部生に人気の企業をご紹介します。

※ワンキャリア2026年卒会員のお気に入りランキングより集計


1位:三菱商事


1位には三菱商事がランクインしました。

事業内容
三菱商事は、世界約90の国・地域に広がる当社の拠点と約1,800の連結対象会社と協働しながらビジネスを展開しています。
地球環境エネルギー、マテリアルソリューション、金属資源、社会インフラ、モビリティ、食品産業、S.L.C.(Smart-Life Creation)、電力ソリューションの8営業グループにコーポレートスタッフ部門を加えた体制で、幅広い産業を事業領域としており、貿易のみならず、パートナーと共に、世界中の現場で開発や生産・製造などの役割も自ら担っています。

※出典:ワンキャリア「三菱商事」

選考のポイントや内定者の感想についてはこちらをご覧ください。

・ワンキャリア:三菱商事|総合職2025年卒の合格の秘訣


2位:資生堂


2位には資生堂がランクインしました。

事業内容
私たち資生堂グループは、「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」というミッションの実現を目指し、世界中の120の国と地域でビジネスを展開しています。
100年先もお客さまとともに輝き続け、選ばれ続ける企業になるため、お客さまにとってより価値のあるものを提供し続け、一生寄り添うことのできるパートナーになることを目指しています。

※出典:ワンキャリア「資生堂」

選考のポイントや内定者の感想についてはこちらをご覧ください。

・ワンキャリア:資生堂|Brand Marketing2025年卒の合格の秘訣


3位:博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ


3位には博報堂/博報堂DYメディアパートナーズがランクインしました。

事業内容
【博報堂】
高いクリエイティビティを持つプロフェッショナルがチームを編成し、広告領域のみならず、経営・事業から社会イシューまで、あらゆる領域でクライアントの皆様の国内外における課題解決をお手伝いしています。今後、更にクリエイティビティの力で生活や社会、事業構造の変革に寄与するような新たな価値を提供していきます。

【博報堂DYメディアパートナーズ】
メディアビジネス、コンテンツビジネス、その他デジタル領域などのプランニング、プロデュース、バイイング、トラフィック、ナレッジを主要な機能とし、広告主、媒体社、コンテンツホルダーに対し、最適な課題解決力を提供します。メディアを広義に捉え、「メディア効果をデザインする」メディア・コンテンツビジネスを目指しています。

※出典:ワンキャリア「博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ」

選考のポイントや内定者の感想についてはこちらをご覧ください。

・ワンキャリア:博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ|総合職2025年卒の合格の秘訣


4位~20位


4位以下の企業は以下をご覧ください。

  • 4位:江崎グリコ
  • 5位:アクセンチュア
  • 6位:KPMGコンサルティング
  • 7位:野村総合研究所
  • 8位:ソニーグループ
  • 9位:日清食品
  • 10位:パナソニックグループ
  • 11位:デロイト トーマツ コンサルティング
  • 12位:アビームコンサルティング
  • 13位:丸紅
  • 14位:味の素
  • 15位:アサヒビール
  • 16位:サントリーホールディングス
  • 17位:EYストラテジー・アンド・コンサルティング
  • 18位:富士フイルム
  • 19位:ボストン コンサルティング グループ
  • 20位:PwCコンサルティング合同会社
▼企業ごとの合格の秘訣をさらに知りたい方はこちら
・ワンキャリア 企業一覧

経済学部生に人気の就職先・年収【業界編】人気の理由も解説

経済学部生に人気のある就職先を、業界別に年収や人気の理由について紹介します。

経済学部生に人気のある業界は以下9つです。

  • 金融業界(銀行・証券・保険)
  • 総合商社・専門商社
  • 通信・IT業界
  • メーカー
  • マスコミ・広告代理店
  • コンサル業界
  • 人材サービス業界
  • 公務員(国家・地方)
  • 会計事務所・税理士法人

それぞれ詳しく解説します。なお、以下で示した年収は、一部を除いて「厚生労働省 | 令和5年賃金構造基本統計調査 | 産業別」を参照しています。


金融業界(銀行・証券・保険)|平均年収393万4,000円

経済学部で学ぶ「経済学」「証券・金利」の知識は、金融業界の業務にそのまま生かせます。平均年収も、他業界と比較して高い傾向にあることから、経済学部生に人気です。

OB・OGも多いため業界研究を行いやすく、仕事の実情を聞きながら志望動機や自己PR作成などの対策を立てられるため、就活を有利に進められます。

ここで、金融業界の志望動機例をご紹介します。

<三菱UFJ銀行>
「当行を志望した理由を、200字以内で書いてください」
業界トップの収益と顧客基盤、高い資金流動性を生かし、海外戦略や異業種提携など、大規模かつ新たなビジネスに挑戦し続けられる環境だと考えたからです。株式の取引と日本経済新聞の購読を通じて、脱炭素やDX、ベンチャー支援などにおける、日本の国際的な遅れを感じています。このような課題意識に加え、変革の過渡期にある銀行業による新たな価値提供とは何かを考え、挑戦し、実現できる環境こそが貴行であると考えています。

※出典:三菱UFJ銀行|総合職2023年卒本選考の体験談

経済学部で学んだ知識を生かして、高い年収を目指したい人におすすめの業界です。


総合商社・専門商社|平均年収319万6,000円

総合商社・専門商社は、金融や経営について学んできた経済学部生から人気を誇る業界です。

総合商社・専門商社が人気の理由として以下3つ挙げられます。

  • 平均年収が高い
  • 経済学の知識を生かせる
  • グローバルな働き方もできる

商社では、顧客のニーズを捉えるデータ分析力が求められるため、統計や数値に強い経済学部生が重宝されやすいです。

また、総合商社ではエネルギー資源やインフラプロジェクトなど、多岐に渡る業務に関われることから、幅広いスキルが身につきます。

ここで、総合商社の志望動機例をご紹介します。

<三菱商事>
「あなたが三菱商事で手掛けてみたいビジネスや、三菱商事で働く中で獲得したい経験・スキルについて、教えてください」
私は貴社において、経済価値と社会価値を両立させたビジネスや機能の構築=「ことづくり」を経営人材として主導していきたいと考える。私は大学の授業を通じて実感した総合商社・貴社の有する公共性の高さに強い魅力を感じている。貴社の社員として実際のビジネスの現場に入り込み、私が今までの人生で培ってきた「利害関係を調節し組織を前に進める力」を発揮することで、自社・事業パートナー・社会の生活者のそれぞれに、持続的に価値を届けられる人材に成長したい。

※出典:三菱商事|総合職2023年卒本選考の体験談

海外事業に挑戦している企業も多いため、グローバルな働き方に挑戦したい方にもおすすめの業界です。


通信・IT業界|平均年収381万2,000円

通信・IT業界はどの学部からでも就職できますが、文系の中では特に経済学部生が向いています。インターネットが普及している現在では、人々の暮らしを支える通信・IT業界は不可欠な仕事です。成長が著しい業界であるため、就職先は大手企業からベンチャー企業まで幅広く選べます。

スタートアップ企業やベンチャー企業に就職して、大学の経済学の勉強で身につけた分析力を生かして働いているケースも多いです。

新卒でスタートアップ企業に就職をして、経営者と同じ目線で働ければ自分の将来に向けた高いスキルを身につけられるでしょう。


メーカー|平均年収306万円

メーカーはどの学部からも就職できますが、経済学部からの就職は特におすすめです。

メーカーは企業数が多い上、経済学部出身の先輩も多数在籍しています。経済学部出身の先輩がいればOG・OB訪問を多く行えるため、業界の実情や具体的な選考対策のアドバイスなどを受けて、就活を有利に進められるでしょう。

また、経済学の勉強で身につけた知識と分析力などのスキルを生かすことで、面接における強みとしてアピールしやすいです。

ここで、メーカーの志望動機例をご紹介します。

<住友化学>
「志望動機をご記入ください(全角250文字以内)」
私は貴社の社会貢献意識の高さと安定した基盤から貴社を志望します。化学は汎用性が高く、すべての産業の根幹を支えており、社会への影響力が大きいため「化学が変われば社会も変わる」と考えます。中でも貴社はあらゆる事業において社会貢献を据えているうえ、各事業が安定的な基盤を構築し、総合的なバランスを維持しています。激動の国際社会で一部の資源供給が滞ったとしても、他事業で補完できる状態を実現しています。グローバル展開と次世代技術開発にも注力しており、貴社こそ常に社会のニーズに応えられると考えます。

※出典:住友化学|事務系2023年卒本選考の体験談


マスコミ・広告代理店|平均年収388万9,000円

マスコミ・広告代理店は、市場や世間のトレンドを敏感にチェックすることが求められます。そのため、経済という視点で市場について勉強してきた知識を生かしやすい業界です。

また、マスコミ・広告業界では、雑誌やテレビなどのメディアを通じて多くの人の生活に影響を与えるため、経済の市場について学んだ知識をマーケティング企画などに生かせるでしょう。

こうした経済学部で学んだマーケティングの知見を面接などで強みとしてアピールできます。

ここで、広告代理店の志望動機例をご紹介します。

<電通>
「電通の何に惹(ひ)かれたのか」
人々のモノに対するイメージや常識を覆していくところ。偏りがちなモノの見方を変えたりモノの裏に隠されたメッセージを知ったりすることで、新たな楽しみや体験が生まれると考える。貴社はクライアントの課題解決を通して新たなモノの見方や価値を提供し、社会に驚きと発見を与え続けている。独自の発想を培い、生かしていける場がある貴社でこそ、その常識を打ち破ることができると考える。

※出典:電通|総合職2021年卒本選考の体験談
<博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ>
「Ⅱ.Personal Core Sheet を踏まえて、あなたが博報堂/博報堂DYメディアパートナーズで実現したいや経験したいと思ったことを300字以内で記入してください」
まずはマーケティング職としてさまざまな業界に携わり、生活者の分析、商品の付加価値創出を通じて、人の心を動かす仕事の本質を経験したい。また社外、社内、生活者の多様な価値観に触れ、視点を増やしたい。そして、いずれはデジノグラフィの視点で新しい価値の創出に携わりたい。特に社会や日常に対する「諦め」「焦り」「不満」などネガティブな感情をビッグデータから可視化し、解決したい。自身も含め、多くの人が諦めや妥協とともに生きており、それらが無自覚であるがゆえ、どこか満たされない気持ちがあると感じている。それらを認識し、少しでも前向きに捉えなおすことで、主体的に生活できる世の中を実現したい。

※出典:博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ|総合職2023年卒本選考の体験談

このようにマスコミ・広告代理店は、学部で学んだ市場に関する知見やマーケティングスキルをそのまま活用できる業界です。


コンサル業界|平均年収396万6,000円

経済学部で学ぶ企業経営の知識を生かし、コンサル業界を志す人も多いです。

コンサル業界では、経済学の知識を生かした企業のデータ分析や経営戦略の策定などが求められます。経営陣と直接やり取りする機会も多いため、高いコミュニケーション能力や課題解決スキルが必要です。

その分、プロジェクトごとに異なる課題に取り組むことで、豊富な経験とスキルを身につけて理想のキャリアパスが築けるでしょう。

ここで、コンサル業界の志望動機例をご紹介します。

<アクセンチュア>
「志望理由」
私には二つの就職軸がある。一軸目は、【実社会や企業の課題を解決し、新たな価値の創出に貢献すること】だ。私は生産効率が低く競争力が衰えつつある現代社会を救いたいと考えている。貴社の強みである「IT」を生かし、常に数字にコミットメントして課題の抽出から解決まで一気通貫することで、クライアントの挑戦を支えたい。二軸目は、【顧客の信頼を得て自身のやりがいを感じること】である。貴社は社員や職場の多様性と包括性を重視し、個々の才能を最大限に生かせる環境を提供している。入社後は、自身の視野の広さと主体性及び協調性を駆使したリーダーシップという二つの強みを生かし、才能のあるメンバーと互いを高め合って確実に成果を出すことで、顧客の信頼を獲得したい。そして、コミュニケーション力や技術的な知識を養い、より大きなプロジェクトに関与できる貴社で社会の発展に寄与したいと考え、志望する。

※出典:アクセンチュア|ビジネスコンサルタント職2025年卒本選考のES

企業と市場のデータからマネジメントを行っていくため、分析や定量的思考が得意な人に向いている業界といえます。


人材サービス業界|平均年収285万7,000円

経済学部から、転職エージェントや人材派遣業界などの人材サービス業界に就職する人も多いです。

人材サービスでは、経済の流れから市場の求人動向を読み解く必要があり、市場分析力が求められます。そのため、経済学を学んでおり、市場の動向に関する知識が豊富な経済学部生が活躍しやすいといえるでしょう。

また、大学で人的資源管理などの人材マネジメントについて専門的に学んでいる人は、人材との向き合い方に関する知見を生かせるため、就活で強みになります。


公務員(国家・地方)|平均年収:地方430万5888円・国家484万8180円(※1)

公務員は業界の区分とは異なりますが、国家・地方を問わずに経済学部生に人気です。経済の知識を生かせる公務員として「国税専門官」「財務専門官」が挙げられます。

また、公務員試験には「教養試験」「専門試験」があり、いずれも社会科学やミクロ経済など経済に関する科目が出題されます。

在学中に経済学の基礎を身につけている経済学部生は、公務員試験内容の一部をすでに学べているため、受かる可能性を上げやすいでしょう。

(※1)出典:総務省「令和5年地方公務員給与実態調査結果等の概要 P.6」


会計事務所・税理士法人|平均年収396万6,000円

会計事務所・税理士法人も「業界」ではありませんが、経済学部からの就職先として人気です。大学で勉強した経済学・会計学などの知識を実践で生かせるため、魅力に感じる学生が多くいます。

公認会計士や税理士などの士業を目指す場合は、難易度の高い国家試験の合格が必須です。

そのため、会計事務所・税理士法人の事務職として働いて、実務経験を積みながら合格を目指すことも視野に入れましょう。

▼業界について詳しく知りたい方はこちら
・【業界研究のやり方:36業界収録】めんどくさい業界研究は全て任せろ!人気業界/企業を徹底比較
・【就活の業界一覧】各業界動向や特徴、業種との違いまで徹底解説

経済学部生に人気の就職先【職種編】

経済学部生に人気のある就職先を、職種別に紹介します。

経済学部生に人気のある職種は以下の通りです。

  • 経理職
  • 財務職
  • 企画・マーケティング職
  • 営業職
  • 人事労務職
  • コンサルタント
  • 税理士
  • 公認会計士
  • アクチュアリー
  • ファイナンシャルプランナー
  • 証券アナリスト
  • 金融ディーラー
  • ファンドマネジャー
  • マンション管理士
  • マーケットリサーチャー
  • 経済学研究者

それぞれ詳しく解説します。


経理職

経理職はどの企業にも必要な仕事であり、経済学部で学んだ知識を生かせるためおすすめの職種です。多くの企業に経理職があるため、就職先の選択肢も幅広くなり、大手企業など働きやすい会社を目指せるでしょう。

会計学を専門的に学んでいたり日商簿記検定に合格していたりなどして、専門知識をアピールできると就活を有利に進められます。

また、入社後に実務経験を積み上げれば、経営に近いポジションで会計や財務などへのキャリアアップも望めます。


財務職

財務職は、お金の面から企業経営により近い距離で携わる仕事です。経理が作成した帳簿や財務表をもとに、資金調達や銀行との融資交渉、予算管理などを行っています。

経理と財務は混同されやすいですが、経理は「日々のお金の動きの管理」、財務は「融資や今後の資金繰りなど将来的なお金の管理」を担当します。財務が経営資金の運用方法や調達方法を管理し、「財務が何にお金を使ったか?」を経理が管理するイメージです。

経済学の知識を生かして資金調達や資金運用を考え経営者に提案するなど、より企業経営に近い業務に携われます。


企画・マーケティング職

企画・マーケティング職は、マーケティングに知見のある経済学部生におすすめの職種です。

企画・マーケティング職では、さまざまな情報やデータをもとにアイデアや企画を立案し実行していきます。そのため、アイデアの発想力はもちろん、統計学を用いたデータ分析や数字という客観的な根拠をもとにした施策策定などのマーケティングスキルが必要です。

経済学部生は授業で統計調査やデータ分析を学んでいるため、マーケティングスキルが身についているケースが多いです。大学で学んだことを直接生かせるため、企画・マーケティング職を選ぶのもいいでしょう。


営業職

経済学部で得たスキルを生かす上では、営業職もおすすめです。

営業職では、経済学で学んだ分析力やグループワークで培ったコミュニケーション能力を生かせる場面が多くあります。

また、契約件数という形で結果が明確に評価されるため、自分の努力でキャリアアップや年収アップを実現できる点も魅力の1つです。


人事労務職

経済学部で人材マネジメントについて学んでいた人には、人事労務職もおすすめの職種です。

人事労務職の仕事内容は、採用活動はもちろん、人材育成制度の設計や働きやすいオフィス環境の構築、福利厚生の整備など多岐にわたります。

新卒などの社員採用は企業の経営戦略と連動するため、採用時にビジョンとミスマッチが生まれないよう、人事制度改革や組織再編などに携わる機会も多いです。

自分の強みを生かして、企業の成長を近くで見届けられることから人事労務職もやりがいを感じられるでしょう。


コンサルタント

経済学部で培ったスキルを存分に発揮できることから、コンサルタントもおすすめの職種です。

コンサルタントは企業の課題を解決するため、分析力や問題解決能力が求められます。例えば経営コンサルタントの場合、企業の経営陣をヒアリングし問題を正確に把握・分析した上で、最適な経営戦略の立案や実行支援を行うことが必須です。

求められるスキルは高いですが、今後のキャリアも踏まえてさまざまな経験を積みたい経済学部生におすすめです。


税理士

経済学部生におすすめの職種として、税理士が挙げられます。税理士になるには、難易度の高い国家資格への合格が必要ですが、アシスタントであれば資格なしでも就職できます。

税理士事務所のアシスタント業務には、さまざまな税務書類作成の補助やクライアントの対応だけでなく数字を扱う機会もあるため、経済学部の経験を生かしつつ実務を通して税理士の知見を深められるでしょう。

税務業務や経営戦略の立案サポートなどを行うため、経済学部で得た知識を生かしやすい職種です。


公認会計士

公認会計士は、監査・会計の専門家として企業の財務状況をチェックする仕事です。法令に沿った会計処理を実施しているかチェックする監査や税務に関するコンサルティングなど、幅広く活躍します。

税理士同様、難易度の高い国家試験に合格する必要がありますが、会計法人に就職して働きながら資格取得を目指す人も多いです。


アクチュアリー

アクチュアリーは、保険や年金の金融分野で、保険料率・支払い保険金額の計算など、保険の評価・管理を行う専門性の高い仕事です。

統計学や確率論など高度なデータ分析力が求められるため、日本でアクチュアリーと認定されているのは2023年時点で2,000名ほどしかいません(※2)。

アクチュアリーになるには、難関試験である「アクチュアリー試験」に合格する必要があり、経済学部で学んだ知識やコミュニケーション能力が求められます。

(※2)参考:公益社団法人 日本アクチュアリー協会「日本アクチュアリー会 2023年度資格試験結果について」


ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーの仕事では、経済や税金の仕組みなどお金に関する知識を求められることから、経済学部から目指す人も多いです。

ファイナンシャルプランナーは、相談者の家族構成や家計状況、収入などを把握し、貯蓄計画や保険の見直しなど将来を描いたライフプランニングを行います。

顧客データを収集・分析し相手の要望をヒアリングした上で、適切な提案を行うコミュニケーション力が必要です。


証券アナリスト

証券アナリストは、企業や経済の動向を調査してデータ分析を行い、投資対象としてどれほどの価値があるかを判断します。

日々変化する経済の動向をさまざまな観点から情報収集し、データ分析する能力が求められています。

また、情報収集のために決算情報を出している企業を訪問し取材することもあるため、円滑なコミュニケーション能力も必要です。


金融ディーラー

証券会社や銀行などの金融機関が、自社の資金で株式や債券、外貨などを売買し利益を追求することをディーリングと呼びます。このディーリング業務を専門的に行う仕事が金融ディーラーです。

金融ディーラーになるには、世界的な政治や経済についての幅広い知識と、さまざまなデータを分析する高いスキルが必要です。

金融ディーラーは、経済学で培った情報収集力とデータ分析力を直接生かせるため、経済学部生に適した職種といえます。


ファンドマネジャー

投資信託会社や投資顧問会社などで、顧客から集めた投資資金を運用し利益を出す仕事のことを指します。

投資信託の運用方針を定めて指揮する専門的な職種であるため、経済と金融市場の最新動向を把握した上で、高度な分析力と適切な投資判断を求められます。また、エコノミストやアナリストなど投資の専門家との連携を図るための、コミュニケーション能力も必要です。


マンション管理士

マンション管理士は、マンション管理組合や管理者などに対し、マンションの維持管理に関する助言や指導を行う専門的な仕事です。

マンション管理を行う際に必要な管理規約チェックや建物の修繕計画の見直し、住民とのトラブル対応などについて、マンション管理のプロの視点からアドバイスを提供します。

住民の生活を支える役割を果たしながら、マンション管理を円滑に進める大切な仕事です。


マーケットリサーチャー

マーケットリサーチャーは、ヒット商品を生み出すために、販売実績とマーケットの動きから「商品の需要」「消費者ニーズ」を洗い出し、調査・分析を行う仕事です。マーケットリサーチャーの就職先として、広告代理店やリサーチ会社などが挙げられますが、フリーランスなどの多様な働き方も実現できます。

市場調査やデータ分析では、大学在学中に身につけた統計などのスキルをそのまま生かせるため、経済学部からマーケットリサーチャーを目指す人が多いです。


経済学研究者

経済研究者になるには、より専門的な経済学の知識を身につける必要があるため、大学院に進学して修士号・博士号を取得するケースが多いです。

大学や研究機関に勤務するケースが多く、経済学についての知見を増やしながら社会に貢献できる勤務先が選ばれます。

▼職種について詳しく知りたい方はこちら
・職種とは?【代表的な職種一覧】業種との違いや適性・志望動機をご紹介

経済学部生の就職に役立つ資格

他の学生との差別化を図るのに、資格取得は有効的です。しかし、なんでも資格があればいいわけではなく、希望する就職先に役立つ資格でなければなりません。

そこで、経済学部生の就職に役立つ資格について紹介します。

就職に役立つ資格は以下の通りです。

  • 日商簿記検定(2級以上)
  • ファイナンシャルプランナー
  • TOEIC(600点以上)
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 証券外務員
  • 中小企業診断士
  • 銀行業務検定
  • 宅地建物取引士

それぞれ解説します。


日商簿記検定(2級以上)


特徴とおすすめの理由


簿記は経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の1つです。日商簿記は、簿記検定にある3種類の検定の中では最もよく知られたものです。1級・2級・3級・簿記初級・原価計算初級の5種類がありますが、3級から受けることをおすすめします。

企業で行われているビジネス取引に関して、規則に基づいて帳簿に記録していき、会社の経営成績や財政が確認できる決算書を作ることがこの資格の目的なので、経理や会計といった業務で生かせるはずです。簿記の勉強をすることでビジネスの基本スキルを養え、経済的な面から企業を分析できます。こうしたスキルはどの業界・企業でも生かせるのでおすすめです。


必要な勉強時間と難易度


必要な勉強時間については簿記3級なら100時間程度、簿記2級は200〜300時間程度、簿記1級は500時間以上であるといわれています。

3級は難易度がそれほど高くなく、入門の資格なので取得しやすいのでおすすめです。一方2級から工業簿記が加わるので格段に難易度が上がります。合格率は3級から1級の順に30〜50%、約20%、約10%あたりに推移しています(※3)。

(※3)参考:商工会議所の検定試験「受験者データ」


ファイナンシャルプランナー


特徴とおすすめの理由


個人の資産運用や家計管理、税金、保険など、金融に関する知識と技術を認定する資格です。FPの試験には3級から1級までのレベルがあり、3級は受験資格に制限がないので、まずは3級の取得を目標にしましょう。試験は学科試験と実技試験の2部に分かれています。

この資格を持っていると主に金融や保険、証券などの業界で有利です。幅広い分野を勉強するのでお金の知識が身につき、資産運用や家計管理で生かせます。また就活だけでなく今後の人生においてもマネープランを設計する際に役に立つのでおすすめです。


必要な勉強時間と難易度


勉強時間は、FP3級だと目安で80〜150時間ほど必要となり、一日2〜3時間勉強して2、3カ月程度かかります。FP2級では150〜300時間ほど必要で、3カ月以上かかります。

日本FP協会の試験では、FP2級の合格率は、学科・実技ともに50〜60%あたりです。一方FP3級の合格率は、学科・実技ともに80〜90%あたりです。FP3級は国家資格の中では取りやすい資格ですが、2級になると難易度はかなり高くなります。3級を取ることを目標にしましょう(※4)。

(※4)参考:日本FP協会「FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ」


TOEIC(600点以上)


特徴とおすすめの理由


TOEICは英語によるコミュニケーションとビジネス能力を測るための試験です。TOEICの中にもさまざまな種類のテストがありますが、一番メジャーな「TOEIC Listening & Reading Test」を受けることをおすすめします。満点は990点で、年内に10〜13回ほど実施しているので試験勉強のスケジュールを立てやすいのが特徴です。

日本の多くの企業では、就活においてTOEICは英語力を測る有力な指標とされています。TOEICで高い点数を取ることで自分の英語力を示し、目標に向かって計画的に努力する力もアピールできます。また外資系企業を受ける場合に、TOEIC高得点を採用条件として要求する企業も多いです。そのためTOEICを受けてなるべく高い点数を取ることで、就活で有利になります。


必要な勉強時間と難易度


勉強時間は自分の現在の点数と目標の点数によりますが、例えば700点から800点に伸ばすには200〜300時間ほどかかります。

平均スコアは600点で、600点以上取ると履歴書やESに書けるレベルになります。英語を必要とする企業では700点以上を取ることが求められています。

2022年度のデータによると700点以上が全体の受験者の約30%、800点以上が全体の約15%、900点以上が10%未満という分布になっています(※5)。まずは現在の自分のレベルを把握し、目標の点数を定めてスケジュールを立てていきましょう。

(※5)参考:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧」


公認会計士


特徴とおすすめの理由


公認会計士は、企業の監査業務を行う際に必要な資格です。専門知識を生かせる企業の財務諸表を監査し、適切な会計処理が実施されているかを厳しくチェックします。資格の難易度は高いですが、取得しておけば高い会計知識を持っていると認められるため、就活でも大きな武器になります。


必要な勉強時間と難易度


公認会計士資格を取得するには、3,000〜3,500時間ほどの勉強が必要です。最終合格率は10%程度であるため(※6)、長時間勉強しなければ合格は難しいでしょう。試験は「短答式」「論文式」の2つをクリアした上で、3年以上の実務経験を積んで修了考査に合格する必要があります。

(※6)参考:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験の合格発表の概要について」


税理士


特徴とおすすめの理由


税理士とは国が認めた税務の専門家です。独占業務である「税務代理・税務書類の作成・税務相談」を行えます。独占業務は税理士しか実施できないため、企業からすると高い専門知識を持つ貴重な人材として重宝されるでしょう。独占業務以外に、税務面からの経営コンサルティングやM&Aのアドバイスなども行います。

税理士になる手段はいくつかありますが、5科目の税理士試験に合格後、実務経験を2年以上積む方法が一般的です。


必要な勉強時間と難易度


資格取得の難易度は高く、最終合格率は10〜20%程度です。難易度から考えても、4,000時間程度の勉強は必要になるでしょう(※7)。

(※7)参考:国税庁「令和4年度(第72回)税理士試験結果」


証券外務員


特徴とおすすめの理由


証券外務員は、金融商品の販売や勧誘などを行う際に必要な資格です。入社後に取得を求められる企業もあるため、金融業界を志望する人は事前に取得しておくといいでしょう。

証券外務員には「一種外務員」「二種外務員」があり、それぞれで取り扱う金融商品が異なります。


必要な勉強時間と難易度


目安の勉強時間は、「一種外務員で50〜100時間」「二種外務員で50時間前後」といわれています。合格率は70%であるため(※8)、在学中に勉強して資格取得を狙いやすいでしょう。

(※8)参考:日本証券業協会「外務員資格試験」


証券アナリスト認定資格(CMA)


特徴とおすすめの理由


証券アナリスト認定資格は、金融や投資のスキルを学べる資格のため、金融業界を目指す経済学生が持っておくと有利です。

株式・債券による資産運用だけでなく以下の分野で幅広く活用できます。

  • 財務戦略
  • 事業戦略
  • M&Aなどの投資戦略

資格を取得するには「第1次レベル講座の受講→第1次試験→第2次レベル講座の受講→第2次試験→実務経験3年以上(受講前も含めた通算年数で可)」という長いステップが必要です。


必要な勉強時間と難易度


必要な勉強時間の目安は200時間程度です。合格率は50%前後であるため(※9)、きちんと時間をとって勉強すれば在学中でも十分に取得できます。学生の場合は、特例で数千円の割引が受けられます(※10)。

(※9)参考:公益社団法人 日本証券アナリスト協会「試験データ」

(※10)参考:公益社団法人 日本証券アナリスト協会「学生への優遇措置」


中小企業診断士


特徴とおすすめの理由


中小企業診断士は、中小企業における経営の課題を解決するため診断や助言を行う専門家です。経営コンサルティング分野では日本で唯一の国家資格であり、コンサルティング企業を目指す人におすすめの資格です。

試験の流れは、「7科目をマーク方式で解く1次試験→筆記+口述の2次試験→合格後に実務補習または実務従事」となっています。


必要な勉強時間と難易度


合格に必要な勉強時間の目安は1,000時間程度です。合格率も4%程度であるため難易度は高いですが(※11)、取得できれば就活時で大きなアピールポイントになるでしょう。

(※11)参考:一般社団法人 中小企業診断協会「中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移 」


銀行業務検定


特徴とおすすめの理由


銀行業務検定とは、銀行や保険、証券などの金融機関で働く際に必要な知識や技能、応用力などを測定する検定試験です。試験種目は22系統37種目に分かれており、窓口セールスや信託実務、投資信託、相続アドバイザーなど、実務により近い内容の種目がそろっています。豊富な試験の中から、自分が希望する金融業界に関わる部分の資格を取得しておけば、就活でアピールポイントになるでしょう。


必要な勉強時間と難易度


種類にもよりますが、必要な勉強時間の目安は60時間程度です。種目により等級は異なりますが、一般的に2級以上持っていると就活でアピールできます。難易度は等級によって上がり、合格率は20〜40%程度と考えておきましょう(※12)。

(※12)参考:銀行業務検定協会「事務局報 2023年8月31日発行」


宅地建物取引士


特徴とおすすめの理由


宅地建物取引士(宅建)は、不動産取引における専門家を指す国家資格です。

不動産、建設、金融といった業種では不動産の取引が多く、宅建の資格を取得すれば不動産取引に関する説明や契約書作成ができるので有利に働きます。また行政と社会との規律を定めた法律も学ぶため、法律知識を習得できます。


必要な勉強時間と難易度


必要な勉強時間は300時間〜500時間程度といわれており、初心者かつ独学の場合は4、5カ月程度、資格予備校に通う場合は3カ月程度の期間が必要になるでしょう。

宅地建物取引士(宅建)の合格率はおおよそ15%前後となっており、取得がやや難しい資格です(※13)。

(※13)参考:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「試験実施概況(過去10年間) 」

▼就活でおすすめの資格について詳しく知りたい方はこちら
・就活で有利な資格10選!業界別・文理別のおすすめとESの書き方

経済学部生の就活のポイント|企業・職種の選び方編

経済学部生が就活を進める上でのポイントをいくつかご紹介します。まずは、企業や職種の選び方についてです。



自己分析・業界研究・企業分析を通して就活の軸を定める

志望企業や職種を選ぶ上で、就活の軸を定めることが重要です。

就活の軸とは、企業を選ぶ際の基準や優先事項のことです。具体的には、ミッション、仕事内容、将来のキャリアプラン、働き方などから自分が特に大切にしたい価値観や条件を指します。就活の軸を持つことで企業選びがスムーズになることに加え、明確な志望動機の説明に役立つため、納得のいく就活をするために重要です。

就活の軸を作るためには、自己分析や企業・業界研究の他、軸の例を参考にすることが効果的です。


▼自己分析について詳しく知りたい方はこちら
・自己分析のやり方【4通り】簡単にできる方法・ツールとメリットを解説
・【自分史の書き方】就活の自己分析に使えるテンプレート・例文
・【モチベーショングラフの書き方】自己分析が捗るテンプレートも紹介
・マインドマップを使った自己分析!書き方や無料のツール・アプリを紹介
・エニアグラム全9タイプの適職とそれぞれの職業を解説!自己分析に役立てよう
・ジョハリの窓とは?診断を就活に生かせる自己分析のやり方を解説
・【2024年最新版】就活の自己分析におすすめの本13選|活用法も紹介
・他己分析のやり方とは?厳選ツールと質問リストで長所と短所を発見


インターンシップに参加する


インターンシップとは「社会に出る前の職場体験」です。企業で仕事をしている人の話を大学生が直接聞いたり、実際の仕事を体験したりすることで、業種・業界・職種の違い、社員の雰囲気、企業風土などを知れます。

企業を内側から見てみることで、企業研究だけでは分からなかった社内の雰囲気や人間関係をつかめます。インターンシップであらかじめ希望する企業を体験しておけば、自分に合う企業かどうかを判断できます。

▼インターンシップについて詳しく知りたい方はこちら
・インターンとは?参加するメリットや募集の探し方・面接対策を解説
・内定につながるサマーインターン一覧:約30社のインターン情報を完全公開!


企業説明会に参加する


企業説明会への参加も有効です。

説明会の中で、企業に対して魅力的に感じた場面を振り返ってみましょう。「どこが魅力的か」「なぜ魅力的か」を深掘りすることで、就活の軸が明確になります。


OB・OG訪問する


OB・OG訪問とは、実際に企業で働く方に対して、会社や仕事についての話を伺うことです。OB・OG訪問は、大学の先輩や知り合いに紹介してもらったり、就活イベントを活用して社員と接点を持ったりすることで機会を作れます。

社風やキャリアに関して社員のリアルな声を聞き、共感できるかどうか見極めましょう。

▼OB・OG訪問について詳しく知りたい方はこちら
・OB・OG訪問とは?やり方から内定者が使うアプリまで完全解説
・OB訪問のマナーと服装【社会人の本音】連絡の取り方・当日の対応とNG例
・OB・OG訪問の質問リスト【厳選50選】 深い内容を聞くコツ・前日に送るメール例


学んだ内容を生かせる業界・職種を選ぶ

学んだ内容を生かせる業界や職種を選ぶことも重要です。

企業や職種によって求める人物像やスキルは異なるため、求める人物像にマッチした志望動機や就活の軸を選びましょう。就活の軸が企業と合わないと、「ミスマッチが起きる」「すぐに離職するかもしれない」とネガティブに捉えられる可能性があります。

ワンキャリアでは、企業や職種ごとに合格の秘訣を紹介しています。ここではトヨタ自動車の例をご紹介します。

トヨタ自動車のインターン・本選考対策のポイント
・トヨタへの圧倒的な志望度の高さを示すこと
・チームで成果を出せる人材だと示すこと
・課題意識と問題解決能力の高さを示し続けること

※出典:トヨタ自動車|技術職2025年卒の合格の秘訣

トヨタ自動車の選考を受ける場合は、上記と合致する軸を表すエピソードを選ぶようにしましょう。

以下から、企業・職種ごとの合格の秘訣を検索できます。こちらをぜひ参考にして、アピールできる長所を選びましょう。

▼企業ごとの合格の秘訣をさらに知りたい方はこちらから
・ワンキャリア 企業一覧


経済学部生が重視する就活の軸ランキング

ここで、経済学部生が重視する就活の軸ランキングをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

  • 1位:ワークライフバランス重視
  • 2位:給与水準や昇給率の高さ
  • 3位:若手でも挑戦しやすい環境
  • 4位:企業経営や事業が安定している
  • 5位:キャリアアップ・スキルアップしやすい
  • 6位:希望のエリアで働ける
  • 7位:経済的支援の充実
  • 8位:研修・育成制度の充実
  • 9位:いろいろな職種・事業を経験できる
  • 10位:事業の成長性が高い
  • 11位:働く時間を調整しやすい
  • 12位:女性が活躍しやすい
  • 13位:海外の人と関わる機会
  • 14位:海外で働く機会
  • 15位:働く場所を調整しやすい
  • 16位:専門性やスキルを生かせる
  • 17位:年次によらないフェアな競争環境
  • 18位:地元で働ける
  • 19位:Uターン就職できる

※ワンキャリア2026年卒会員のデータより集計

▼就活の軸について詳しく知りたい方はこちら
・就活の軸【例一覧100選】面接/ESでの答え方と業界・職種別の例文

経済学部生の就活のポイント|選考対策編

経済学部は就活に有利といわれていますが、選考対策は必須です。

経済学部生の就活のポイントは以下の4つです。

  • 早期から情報収集をし、早期選考を受ける
  • Webテスト対策に力を入れる
  • エントリーシート(ES)や履歴書は余裕を持って準備しておく
  • 面接対策|よく聞かれる経済学部特有の質問&回答例

それぞれ解説します。



早期から情報収集をし、早期選考を受ける

早期から情報収集をして早めに選考を受けましょう。

経済学部生に人気の金融やコンサル業界は、大学3年の10月頃から早めに選考が行われるケースが多いです。そのため、志望業界のスケジュールを把握しておらず選考開始に遅れてしまうと、選考期間が終わったり周囲の就活生より準備不足になったりするかもしれません。

他にも、早期選考を受けると以下のメリットを実感できます。

  • 良い企業を見極める目を養える
  • 選考経験が積める
  • 内定者のインターンシップに参加できる

合同説明会への参加などを行えば、大学のOB・OGや他の就活生と交流して情報収集もできます。このように、早めに情報収集を行い早期選考を受けることで、志望する企業からいち早く内定を獲得できるでしょう。


Webテスト対策に力を入れる

経済学部生は基礎数学力や論理的思考が求められることから、Webテスト対策は重要です。

効率的なWebテスト対策のポイントは以下の通りです。

  • 出題傾向を理解する
  • 苦手分野を把握して重点的に対策する

早めにWebテスト対策をはじめて企業ごとの出題傾向を理解し、苦手を克服することで、効率的に対策できるでしょう。

もちろん、多くの企業では面接やESの内容も重視するため、ある程度Webテストの勉強をしたら、面接練習やES対策にも取り組みましょう。

▼Webテストについて詳しく知りたい方はこちら
・【Webテストとは】主要9種類を網羅!適性検査の特徴、対策本、出題企業一覧
・【2024年版】Webテスト24種類の見分け方!形式別のURL一覧と業界別の傾向


エントリーシート(ES)や履歴書は余裕を持って準備しておく

経済学部生の就活で成功するためには、余裕を持ってESや書を準備することが重要です。余裕を持ってESや履歴書を準備し、求められた期日に提出することで、採用担当者に好印象を与えられます。

もちろん、内容が悪ければ書類選考で落とされてしまうため注意しましょう。余裕を持って書類を作成しつつ、何度も見直して自分の強みを最大限アピールできる内容のESや履歴書にブラッシュアップすることが重要です。

▼ES・履歴書について詳しく知りたい方はこちら
・ESの書き方&例文集|エントリーシートの基礎から質問別/業界別の回答例まで完全対策
・【就活の履歴書】学歴・志望動機の書き方と封筒・写真などの準備方法


面接対策|よく聞かれる経済学部特有の質問&回答例

経済学部生の就活で成功するためには、面接対策も重要です。

経済学部特有の質問と回答例をまとめたので、参考にしてください。



なぜ経済学部を選んだのですか?


企業が、学部や学科を選んだ理由について質問するのは、以下の理由が考えられます。

  • 目標を立てて行動できる人かを確認している
  • 勉強に対する意欲を確認している

「物事を考えて行動できる人か」「目標に向かって努力のできる人か」を確かめる質問であるため、経済学部を志望した明確な理由と、どのような努力をしてきたかアピールしましょう。

【例文】
私が経済学部を選んだ理由は、社会の仕組みや経済の動きを理解し、将来的に企業経営や公共政策に貢献したいと思ったからです。
高校時代に地域の商店街がシャッター街になっていくのを目の当たりにし、経済活動の重要性を実感しました。
そのため、経済学部ではマクロ経済やミクロ経済を学び、地域経済の活性化について研究を行っています。データ分析の経験を積んで、数字の根拠を持って地域経済を活性化するための施策を考えてまいりました。
こうした活動を通じて身につけた論理的思考力や問題解決能力を生かして、御社でも業務の課題を客観的な目で判断し、適切な対策をすることで業績に貢献したいと考えています。


なぜ◯◯の資格取得をしようと思ったのですか?


企業が資格取得の意図について質問するのは、以下の理由が考えられます。

  • 取得に明確な目的があったか?
  • 資格取得までどのような努力をしてきたか?

「自身で目標を立てて達成まで努力できる人材なのか?」をチェックする質問であるため、資格取得の背景や具体的に業務でどのように活用するかまで説明できると好印象を与えられます。

【例文】
私が日商簿記検定1級の資格を取得した理由は、将来的に仕事で企業の経営や財務に関わるためには、基礎的な財務知識を身につける必要があると考えたからです。
合格率が高いため、資格取得のために半年スパンで学習スケジュールを立て、毎日3〜4時間の勉強を続けました。こうした継続的な自主学習を積み重ねた結果、独学で一発合格を達成しました。
入社後は、簿記の知識を生かして御社の会計業務を正確に遂行することはもちろん、目標達成に向けた計画立案経験を生かし仕事で成果を出せるよう、努力していきたいです。


経済学部で学んだことで弊社で生かせることは何ですか?


「大学で学んだことをどのように生かせるか?」を質問する背景には、以下の理由が考えられます。

  • 自分の強みを理解できているか?
  • この企業を志望した明確な理由は?

経済学部では幅広いことを学べるため、さまざまな他の業界や企業で知識を生かせます。数多く学んできたことの中から、自分の強みと企業を選んだ明確な理由を聞くことで、会社との相性を図っています。

【例文】
私は経済学を専攻しており、市場調査の研究を通じて、データを解釈しトレンドを予測する能力を養いました。
この培った経験・スキルは、御社のマーケティング事業に大いに役立つと考えています。
御社に入社した際はこれまで学んだことを生かし、さらなる消費者ニーズに応えるようデータ分析を行っていきたいです。


経済学部の中での専門領域は?


企業が専門領域について質問する理由として、以下が考えられます。

  • 何に興味を持ったのか?
  • 学んできたことをどのように生かせるか?

まずは、学んできたことについて簡潔に説明し「その専門領域を選択した理由」「学んできたことを企業にどのように生かせるか」について、アピールしましょう。

【例文】
私は経済学部で、マクロ経済学を専攻しています。
マクロ経済学を通じて、景気循環や財政・金融政策の効果について知見を深められました。
これまで培ったマクロ経済の知識を、御社の市場分析や経営戦略の判断に役立たせ、企業の成長に貢献したいと考えています。
▼面接対策について詳しく知りたい方はこちら
・【面接で聞かれること】新卒就活で頻出の質問一覧と内定者の回答例
・【新卒向け面接マナー】入室・退室や集団・オンライン面接の注意点

まとめ

本記事では、経済学部生に向けて、人気の就職先や業界・職種を紹介しました。就活を進める上でのポイントも参考にして、ぜひ就活を上手に進めていきましょう。

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(Photo:maruco/Shutterstock.com)

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